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声

朝ご飯のあと、チェックアウトまで

オレたちは、また1つになった。

あまりの頻度に精神的におかしいのかな?

と思うほど求め合う2人。


何度重なり合っただろう?

デカい、重いと自虐ネタを聞かされてきたが

彼女の身体もさほどデカいとは感じなくなっていた。


「くっつきすぎかしら?ごめんなさい」


『オレ嬉しいよ、ほんとに。だってこんなに愛されてさ』


自分ではわからないが、50代の男なんて汚らしいもんだろう?

オレは若い子を抱くのだから、こんな嬉しいことはないが

彼女にすれば、17歳上のじじいに抱かれるんだ。

少しでもキレイな身体で接してあげたいと思う。


そんな思いを恥ずかしいが告げる。


「私同じことばっかり言いますけど

       要は、私が、愛されているかどうか?なんです」


「女として求めてもらえて、愛してもらって。

          そりゃ、すごいおじいさんならイヤですけど」


『まだおじいさんまでは行かないかい?』


「素敵な私の彼です!キャー」


急に恥ずかしくなったのか?急に抱きついてきた。

自分から振って照れるパターンが多い子だ。

でもその言動すべてがかわいくてしかたない。


楽しいイチャイチャタイムはアッという間に過ぎる。

もう11時すぎだ。アウトは12時。そろそろ準備しなくては。

オレはスーツを着るだけだが、彼女はお化粧もある。


元々、ナチュラルメークだから時間がかからないのだが

女性の身支度をせかすわけにはいかない。


12時前、用意ができた。

何度も愛し合った部屋を出る。

ドアが閉まる音で、寂しい気持ちになる。


20Fのラウンジでアウトの手続きを行う。

クラブフロアの特典だ。

コーヒーを飲みながら支払いをし、ホテルを出る。


彼女が帰るのは3時すぎの特急だ。

オレも夕方には買い物や洗濯、家事がある。


お昼ご飯は少し遅れて取ることにした。

街を軽く歩いて散歩。駅前のファッションビルを見て歩く。


彼女に何か買いたいな。

いままでにもプレゼントの話は何度も話し合ったのだが

愛をもらったから要らないと彼女は言っていた。


でも男は彼女に何か買いたい。

それくらいはわかってくれよ。オレは何度もお願いした。

説得が通じたのか?彼女もやっとOKしてくれた。


女性のジュエリーで有名なブランドがあった。

オレは財布の中身を頭に浮かべながらショーケースを見る。

カードは使えないからな。たしか4万ほどあったっけ・・・


加瀬恭子はあまりアクセサリーは着けていない。

指輪もしない。ネックレスをするくらいだ。


何でも買いなよ。そう言いつつ、冷や冷やした。

最悪カードで払おう。男物のなにかを買ったことにしよう。


けっきょく彼女が選んだのは2万円台のイヤリングだった。


意外だなあ・・・イヤリングだなんて。


なんでだろう?


会計をしている間にお礼をいう彼女に聞いてみた。


『指輪やネックレスじゃなくて、イヤリングなんだ?』


「私、イヤリング持ってないんです。初めてなので、嬉しい」


『イヤリングって、なんだか意外だったからね、聞いたのさ』



「イヤリングはね~ 会えない間、ず~っと着けます」


『なんだ?意味があるのかい?』


小さな紙袋を少し持ち上げ彼女は言った。




「良二さんの声が聞こえるように」




            

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