表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/100

また迷う

この壮行会が終われば異動となる。

もう思い残すことはない。

心機一転、妻とも離れて自由にがんばるか!

それに加瀬恭子とも連絡取れる。

オレにすれば、新しい生活は希望に満ちていた。


そんな事を考えつつ、宴もたけなわ。

最後にオレがみんなの前であいさつした。

別に涙もない。ただ軽く挨拶をした。


2時間ほどの壮行会が終わる。

オレの嫌いなバンザイやエールは無しだ。

さりげなく、飲み会のお開きのように幕は閉じた。


松野が2次会をセッティングしてあるので

少しでいいので出てほしいと言ってきた。

オレは悪いがそんな気はなかった。


やはり、この異動は納得できるものではないのだ。

オレが育てたこの部を追われるのは辛かった。

2次会で楽しく呑み。という気は起らなかった。


松野が言う。


「部長、もう少しだけ」


『すまない、そんな気になれないわ。

          悪いけど独りにしてくれ』


松野はオレの気持ちを察してくれたのか

若い者を連れて2次会に行くと言ってくれた。

オレはいくらかを松野に渡し、送り出した。


店を出て、みんなバラバラに帰っていく。

時間はまだ9時すぎだった。


家に帰りたくなかった。

オレは家に遅くなるからとメールをした。

返事は はい いつもの2文字。そんなもんだ。


オレは加瀬恭子に連絡が取りたかった。

でもどうだろう?このあと誘うなんていいのだろうか?


何年も付き合ってないオレはどうやら

誘い方のタイミングが分からなくなっていた。

どうしよう。メールくらいいいか?




-------------------------------------------

今日はお疲れさま!

さっきのおトキの愛人発言、驚いただろう?

オレ凍りついたよ(笑)

--------------------------------------------



返信は速かった。



---------------------------------------------

凍りつきましたよ~

部長に遊ばれてるんだ!って思いましたもの(笑)

でも、よかったです。浮気しないでくださいね!

---------------------------------------------



信じてもらえてよかった~

気になってしかたなかった。

オレは調子に乗ってもう帰るのか?と尋ねた。



---------------------------------------------------

私、彼女にしてもらったのに誘ってもらえないんですね?

寂しいなあ。 異動してからなんですか?

-----------------------------------------------------


もちろん、オレは誘った。


少し飲んでもいいし、話すだけでもいい。


もちろん、それより踏み込んでもいい。


かな?


彼女なんだし。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ