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帰還しました

「よし、完成だ!」


俺の目の前には今さっき完成した、巨大な魔法陣があった。


異世界に迷い込んで、10年程。最初は色々と大変だったが、日本の頃からの経験をフルに活かして、なんとか生活出来るようになり、さらにそこから色々と頑張って、今では世界最高クラスの魔法使いと呼ばれるまでになった。


俺、桜木雲雀は、今までの全ての技術と経験を活かして、目の前の魔法陣を完成させた。


それは『次元転移』の魔法陣。日本に帰るための魔法陣だ。

帰る時に不都合がない様に、時間指定や成長した身体を退行させたりするなどの機能を盛り込んだ、自画自賛したくなる程完璧な魔法陣だ。


不備がないかの確認をして、問題なかったので、魔法を発動する。


そして俺は、異世界から自力で帰還した。




僅かな浮遊感のあと、俺は着地した。


「成功か?」


辺りを見回す。民家が立ち並び、少し遠くには高層ビルが見える。異世界は中世ヨーロッパと同じぐらいの文明レベルだった。さらに周りの物は全て日本語で書かれている。つまり、紛れもなく日本である。


「俺は、俺は帰ってきたーーー‼︎‼︎」


万感の思いを込めて叫ぶ。長かった。本当に長かった。異世界での苦労を思い出していると、声を掛けられた。


「なに叫んでんだ?雲雀」


「ん?おお!ハルヒじゃないか‼︎」


声を掛けてきたのは、俺の親友の一人、涼宮雄一だった。

あだ名はハルヒ。元ネタはアレである。


「ハルヒゆーな!つーかお前、三日間何処にたんだ?また変な事に巻き込まれたのか?」


「色々あった。本当に色々あった。説明すると長いから翔吾も呼んで家で話す」


もう一人の親友を呼んで、10年ぶりの我が家にむかう。




自分の部屋で、俺はこれまでの出来事を親友達に説明した。


ー 異世界に迷い込んだ事


ー魔法を覚えた事


ー魔物と呼ばれる存在相手に無双した事


ー戦争に巻き込まれ、英雄として担ぎ上げられた事


ー面倒臭さくて世捨て人になった事


「お前さ、何やってんの?」


説明を終えると、雄一が色々と呆れた顔で言ってきた。しかし、「何言ってんの?」ではなく「何やってんの?」と言っているので、説明自体は信じているようだ。


「意外にあっさり信じるのな」


「いや、だって雲雀だし」


そう言ってきたのは、もう一人の親友の立川翔吾。


「なんだよその言い方は」


「今までの出来事を振り返ると、どんな荒唐無稽な事でも雲雀ならあり得そうに思えてくるんだよ」


「おい、さすがに聞き捨てならないんだが」


「いや、実際翔吾の言うとおりだろ。買い物に行けば強盗に遭遇して、出掛ければ犯罪に巻き込まれ、海外なんて行こう物ならハイジャックやテロのオンパレード。日本警察どころか国際警察に知り合いが出来る始末」


「否定が出来ない、だと⁉︎」


改めて聞くと、自分の事ながらも呆れてしまう。本当、良く生きているな俺。


「まあでも、さすがに今回はちょっとビックリしたけどね」


「異世界関係は流石にないだろうと思ってたからな………」


「遂に来たかって感じがすごくするよ」


「………よく考えるとあれだよな。これって、明日から俺達も異世界とかに巻き込まれるかもしれないって事だよな?」


「超能力とか、怪物とかもありそうだよ………」


何処か遠くを見て呟く二人。この二人はよく事件とかに巻き込まれた俺に巻き込まれるからな。すごく申し訳ない。


「流石に、そんなファンタジーみたいな事はあり得ないだろ」


「「お前も十分ファンタジーだろっ‼︎‼︎」」


そういえば俺、魔法使いだっけ。

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