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〜幕末へ〜  作者: エヌ
8/18

☆漆

いろいろな話が入りました。分かりにくかったらすみません


友達に相談して書いた部分もあります♪



  ** 漆 **



次の日


稽古をし、朝餉を作り片付ける。

朝のやるべきことを終え、沖田さんと屯所の外に来ていた。


『何処まで行くんですか?』


総「せっかくなので、僕のお気に入りの甘味処に行きます♪」


『沖田さんのお気に入り?』


総「はい。」


『楽しみです♪』



───────────


総「着きました。ここです♪」


沖田さんが来たのは、あまり人の通らない場所にある甘味処だ。


総「ここあまり人は来ませんが美味しいんですよ♪」


『そうなんだ。そういえば、オレお金持ってないです。』


総「今日は僕が奢るので大丈夫です。」


『沖田さんありがとうございます。』


総「どういたしまして。なに食べます?」


『まずはやっぱりお団子です♪』


総「いっぱい食べるんですね。」


『あ、すみません…奢りでしたね。お団子だけでいいです♪』


総「それでは僕が餡蜜と葛餅を頼みます。半分こにしましょう?」


『いいんですか?』


総「はい♪光さんが喜んでくれるなら僕も嬉しいんです♪」


『すみません。お言葉に甘えさせていただきます…』


「僕が買ってきますので待っていてください。」


『はい。』


沖田さんは奥にいく。


?「此処だよ晋作。僕のおすすめの甘味処♪」


丁度その時。

2人の浪士が甘味処にきた。


〔晋作…晋作…どこかで聞いたような…あっ!!〕


『高杉晋作!!』


チャキ


刀の音。

ゆっくりと隣をみる。


?「どうして君は晋作のことがわかったのかな?」


晋作といた男から僅かに殺気を感じる。


〔やばい!!〕


オレは取り敢えず逃げた。


?・晋「待ちやがれ!!」


追いかけてくる2人。

建物を利用しうまく逃げ切る。


?「何処にいった?」


かなり離れた場所から声がする。

オレは安心し、建物の影から出て歩き出す。


『あ…』


オレは歩みを止める。

必死に逃げていて、ここが何処か全くわからない。


〔どうしよう…そう言えば、今巡察の時間だったような…歩いてれば会うかな?〕


そう思い、また歩き出す。



───その頃、屯所では騒ぎになっていた。


甘味を買い、席に戻ると居なくなっていた光に気付いた総司が、土方さんに報せていた。


歳「間者だったか…」


総「光さんは間者なんかではありません!!」


歳「じゃあどうして居なくなるんだよ!!」


総「それは…」


藤「オレも違うと思う!!」


シュタ


丞「土方はん、光今帰って来はったで?

原田はんと十番隊の隊士達と一緒や。」


歳「行くぞ。」


ぞろぞろと部屋を出て門に向かう。


歳「お前、居なくなったらしいじゃねえか?」


土方は光の前にいき、問いただす。


『全て話すので、幹部を集めてもらってもいいですか?』


歳「いいだろう…山崎。」


丞「御意。」


シュタ


山崎はその場から消えた。



幹部が全員集まり、オレは話し出した。


『沖田さんを待っている時、高杉晋作に会いました。』


幹「「「「何!?」」」」


歳「お前はやっぱり間者だったんだな。」


チャキ


土方さんが刀を抜き、オレに向ける。


近「歳、落ち着きなさい。最後まで聞いてあげなさい。」


歳「…最後まで聞いて、間者だと判断したら…俺は迷わず斬るぜ。」


『それで構いません。

…高杉ともう1人居ました。多分、吉田稔麿です。

その時つい


[高杉晋作]


と叫んでしまい追われて、気づけば知らない場所で歩いていたら巡察中の原田さんに会い、ここまで戻ってきました。』


一気に説明し、口を閉ざす。


歳「…お前は馬鹿だったんだな…」


土方さんは刀を鞘に納めながら言う。


『失礼な!』


歳「そうだろう?会ったことのない奴に名を言われてみろ。お前でも怪しいと思うだろうが。」


『……』


総「何で僕を呼ばなかったんです?」


『沖田さんを呼んでる時間が無かったんです。』


総「それなら戦って少しでも時間を稼げばい『オレ、刀持ってません。』…えっ…」


沖田さんの話を遮り言う。


歳「今頃かよ!!」


『疑われてる身で、進んで武器を持ちたいと言う人が何処に居るんですか?』


歳「…悪かった。明日、総司か斎藤を連れて刀を買ってこい。2人は見る目があるからな。これは刀代だ。」


土方さんは引き出しを開け、巾着を出し投げた。オレは慌てて受けとる。


『ありがとうございます!!』


歳「今日はもう屯所から出るなよ。」


『え…オレまだお団子食べてない…』


総「大丈夫です。持ち帰って来ましたから。」


『沖田さん!!』


つい、隣にいたので抱きついてしまった。

その瞬間、沖田さん目掛けてクナイが飛んでくる。


シュッ

サッ

ドスッ


総「何ですか山崎君?」


丞「あかん。手が滑ってもうたわ。」


殺気を放ちながら2人は睨みあう。


藤「光、総司から離れたほうがいい…」


『なんで?』


歳「いいから離れやがれ!!」


『はーい。』


総「土方さんめ…」


離れると、土方さんを恨む沖田さん。

なんで恨んでいるかはわからなかったが。


総「土方さん、もう話は終わりでしょう?

光さん、お団子食べますよ♪」


沖田さんは、部屋を出ていく。

丞は居なくなっていた。


そしてオレは部屋を出る前に


『土方さん、ありがとうございます。』


と笑顔で言い、沖田さんについていった。


沖田さんの部屋につき、お団子を食べる。


『ん〜美味しい!!』


総「でしょう♪僕のお気に入りですから。」


『あ、沖田さんあのときあげた饅頭食べたんですか?』


総「あれは、永倉さんにあげました。山崎君からの物は要らないですからね。」


『ふーん…やっぱり沖田さんと丞は犬猿の仲ってマジだったんだ。』


総「やっぱりって知ってたんですか?」


『オレは未来から来たって言ったでしょう。

あれマジです。本にかいてある事ならわかりますよ。』


総「本にかいてある…僕達は有名になってますか?」


『有名じゃなければ、本にまで載りませんよ。』


総「光さんは、僕達の未来を知っているんですよね…」


『知ってます。そして変えることも出来ます。神様が許可してくれたので。』


総「神様?」


『話忘れてました。神様がオレの願い?望みを叶えて幕末に飛ばしてくれたんです。』


総「神様ですか。光さんはなぜここに行きたいと思ったんですか?」


『…オレのいた時代は平和です。

刀を持ち歩くだけで捕まるくらいに。

オレの剣術は強すぎで必要のないものだったんです。剣術は受け継がれてますが、それも薄れてきてしまっている。だから変えたかったんです…歴史を…』


総「…光さん…」


『大丈夫です!変えるといっても、オレが出来ることなんて限られてますから。』


オレは笑いながら言う。

沖田さんは何も言わなかった…


───────────


オレは土方さんに言われた通り、沖田さんと一を連れて町に来ていた。


総「ついでに甘味処に行きましょう♪」


『賛成!!土方さんのお金だし。』


一「…先に刀を買いに行くぞ…」


「はい♪」


『急ご!』



歩いていき、ある店で歩みを止める。


総「すみませーん。」


主「いらっしゃい、沖田さんと斎藤さんですか。」


『?』


総「ここ、馴染みの店なんです。」


主「今日は此方のかたですか?」


一「宜しく頼む。」


主「はい。好きに見てください。」


オレは、手近にあった刀を順に持ってみる。


総「これはどうですか?」


『んーちょっと重いかな。』


一「これはどうだろう?」


『なんかしっくりこない。』


オレは店内をぐるりと見渡す。

そして1本だけ光っている刀を見つけた。


『これがいいです。』


オレは一に刀を渡す。


一「重すぎないか…?」


総「僕にも持たせてください…確かに重いですね。」


一「本当にこの刀でいいのか…?」


『そんなに重いですか?オレには軽く感じるのに。』


一「妖刀か…」


『妖刀?』


総「一君、光さんがいいと言うならこれで良いじゃないですか。」


一「そうだな…主人。」


主「決まりましたか。」


一「これをくれ。」


主「これですか…妖刀ですが大丈夫ですか?」


『オレはこの刀が気に入ったんです。』


主「そうですか…この刀の名は[紅蘭]です。これは差し上げます。[紅蘭]は主を選びますから─大事にしてください。」


『ありがとうございます。』


一「すまぬが…脇差しも1ついただきたい…」


主「これなんかいかがですか?」


差し出された脇差しは柄が薄い水色のものだ。


総「光さんどう?」


『うん、脇差しはこれにする。』


総「これをください。」


主「毎度!!」


総「刀も買いましたし、甘味処に行きましょう♪」


店を出てすぐに甘味処に向かう。


一「ここにしないか…ここはみたらし団子が1番美味いのだ…」


『意外だ…一が甘いものが好きだったなんて。』


一「//…他言無用で頼む…」


総「光さん、一君早く早く♪」


沖田さんは既に店の中にいて、オレ達を呼んでいる。


『一、誰にも言わない。約束する。』


一「ありがとう…」


一瞬、一が笑う。


『今笑ったでしょ?』


一「笑ってないが…」


いつもの無表情になり言う一。


『勿体ない…』


ボソッ


一「何か言ったか?」


『何も…急ご、一。』


一「ああ…」


───────────


暫く食べ、


『そろそろ帰りますよ、沖田さん。』


総「えーどうせ土方さんのお金でしょ?僕はまだ食べたいです。」


沖田さんは頬を膨らましながら言う。

なんか可愛い…


一「あとは、自腹ならば食べていていいぞ…」


総「僕も帰ります!!」


お会計を済ませ、屯所に戻った。

そのまま土方さんの部屋に行く。一も沖田さんも一緒だ。


『光です。』


歳「入れ。」


オレ達が部屋に入ると土方さんは書き物をしていた手を止めた。


『刀買ってきました。』


オレは土方さんに渡す。


歳「重いじゃねえか。それに刃も柄も紅いな。」


『オレには軽いんです。』


一「副長、その刀は妖刀です…名は[紅蘭]で主を選ぶ刀だと主人に聞き、刀は貰いました…」


歳「貰った?」


一「脇差しは買いましたが…」


歳「余った金は?」


総「無いですよ。」


歳「無いだと!?なにに使いやがった!」


『甘味処です。』


歳「はあー?」


『だから甘味処に「何で甘味処に使ってんだってことだ。」…』


総「食べたかったからです。」


歳「もういい。仕事に戻れ。」


刀を返しながら土方さんは言い、オレは受け取ると沖田さんと一について部屋を出る。


その日。

初めての刀に嬉しく何度も手入れをして過ごした…


─1週間後


歳「遅くなったが、お前の歓迎会をやるらしい。今日は、仕事はしなくていい。夕餉の前には部屋に居るように!」


『歓迎会ですか?やらなくてもいいと思いますが?』


歳「俺も思うが近藤さんがやるって言ってんだ。

素直に歓迎されとけ。」


『はい。でも1番喜ぶのは、3馬鹿だと思うんですが…』


歳「ああ…確かにあいつら喜んでたな。酒が飲めるって。」


〔歓迎会というより宴になりそうだな。〕


歳「取り敢えず、おとなしくしていろ。」


『わかりました。』


返事を聞くと、土方さんは部屋を出ていった。


『…暇だなぁ…』


畳の上に寝転んで、天井を仰ぐ。


『丞もいないなぁ…』


総「光さん、僕です。」


『沖田さん、何かご用ですか?』


総「僕と稽古しませんか?」


『土方さんに今日はおとなしくしてろと言われたので。』


総「土方さんは仕事はしなくていいと言いましたが、稽古はするなとは一言も言ってませんでしたよ?」


『聞いていたんですか…でも、確かにそうですよね。』


総「稽古しますか?」


『はい♪』


総「僕は先に道場に行っているので、着替えてきてください。」


沖田さんが部屋を出て行ったので、胴着に着替え道場に行く。

道場に入ると、永倉さんが話しかけてくる。


永「光も稽古するのか?」


『沖田さんに誘われたので。』


永「そうか!頑張れよ!」


総「光さん、早速試合しませんか?」


気付いた沖田さんが寄ってくる。

オレがくるまで、平助を苛めていたみたいだ。


藤「総司少しは手加減しやがれ!!」


ボロボロの平助が、沖田さんに言っていたから、わかったことだが。


総「平助が弱すぎなんですよ。光さんやりましょう♪」


『はい♪永倉さん、審判をお願いします。』


永「任せとけ!!」


沖田さんが竹刀を構えたのでオレも慌てて竹刀を構える。


永「先に1本とったら勝ちだ…始め!!」


タンッ

ダンッ


永倉さんの合図と共にお互いに床を蹴る。


ビシッ

バシッ

タンッ

バシッ

ビシッ

ダンッ

ビシッ


暫く打ち合いが続く。


総「光さん腕あげましたね♪」


『沖田さんこそ。』


今まで稽古をしていた隊士達は、手を止めオレ達の試合を観ている。


総「本気でいかせてもらいます!!」


『それならオレも…』


お互い殺気を出し始め、竹刀を振る。


〔楽しい!!〕


『そろそろ決めます!!』


オレは一瞬殺気を強め、素早く沖田さんの後ろに回り、竹刀を振るった。


バシッ


永「…1本!!勝者光!!」


総「光さん…今一瞬目が赤くなりませんでしたか…?」


『やっぱり気がつきましたか…オレはある程度の度を越えると目が赤くなるんです。本気でやるといっても、8割位の力しか出していません。』


総「8割…光さん君は強すぎます。ですから、いつか勝ちたいです!!」


沖田さんは笑顔で言う。


原「おーい新八。もうすぐ夕餉の時間じゃねえか?」


永「そろそろだな。」


『オレ、部屋に戻ります!!』


総「またやりましょう♪」


『はい♪』



オレは道場を後にし、部屋に戻ると急いで着替える。


歳「準備ができた。行くぞ光。」


土方さんと広間に行く。


歳「近藤さんが呼んだらお前は入ってこい。」


土方さんは先に広間に入ってしまった。


近「えー…新しく入った光さんだ。入ってくれ。」


中から近藤さんの呼ぶ声がした。

オレは戸をそっと開け、中に入る。


隊「「「「光さんお願いします!!」」」」


『此方こそお願いします!』


勢いよく頭を下げる。


永「光、こっちにこいよ。」


永倉さんに呼ばれ隣に座る。


『永倉さん…飲み過ぎです。既に顔が赤いじゃないですか。』


永「俺はまだ呑めるぞ。」


『そうですか。』


ふと見渡すと、広間の隅に土方さんが座っていた。


〔あれ?土方さんはお酒呑まないのかな?〕


気になり、土方さんのところに行く。


『土方さんは呑まないんですか?』


歳「……。」


総「土方さんは呑まないわけではないですよ。ただ弱いだけで。ね、土方さん♪」


歳「総司てめぇ何ベラベラしゃべってやがる!!」


土方さんの額に怒りマークが浮かぶ。


『土方さんってお酒弱いんだ…』


ニヤッ


歳「なんだ?」


『オレの歓迎会ですよ?少しくらいは呑んでくださいよ。』


オレは近くにあった、お猪口を土方さんに持たせ、お酒を注ぐ。


歳「……呑むか!」


『ふーん…そんなこと言っていいんですか?』


そこまで言って息を大きく吸う。


『梅の花 一輪さ「だあぁぁぁ!!呑むから呑むから言うなあぁぁぁ!!」…ちっ…』


見事に土方さんは遮ってくれた。


歳「お前今舌打ちしやがったか?」


『してませんよ。』


まぁしてたけど。


『それより、お酒呑んでくださいよ。』


歳「ぐっ…」


土方さんはためらいながらお酒を口にする。


総「あーあ。呑ませちゃった。土方さん酔うと無表情になり、さらに無言でお酒をすすめてくるんですよ。」



『沖田さん…それを先に言ってください!』


オレは土方さんをそっと盗み見る。


歳「……。」


〔うわぁ…マジで無言でお酒をすすめてくるよ…〕


土方さんは徳利とお猪口を、オレに差し出している。


『無理です!!オレまだ未成年です!!』


総「未成年って何ですか?」


『20歳以下の人のことです。』


藤「光はいくつだ?」


近くにいた平助が話に加わる。


『17です。』


総「17?19じゃなくて?」


『17です。』


藤「オレより下だったんだな。」


歳「……。」


『……。』


〔あーもう!!呑むんでやる!!どうなっても知らない!!〕


オレは土方さんからお猪口を奪い取り、一気に呑む。


藤「初めてなのに一気は駄目だって!」


平助がオレからお猪口を取り上げる。


そこで、オレの記憶は途切れた…



バタッ


総「光さん?」


総司はいきなり倒れた光を揺する。


『ん〜…』


ぱちっ


光の目が開く。


総「光さーん?」


総司は光の顔の前で手を振る。

光は何を思ったのか、いきなり平助が持っていたお猪口を、土方に向かって投げた。


歳「……。」


バタッ


お猪口は見事に顔面に当たり、土方は気絶した。そのあとも、光は手近にあるものを投げていく。近くにいた隊士達は被害を受ける。


隊「「「「うわっ!!」」」」


隊士達は慌てて広間から出ていく。


丞「何しとんねん光。」


隊士達が居なくなると、山崎が天井から降りてきて光の前に。

そして、鳩尾を殴って気絶させた。

山崎は光を担ぎ、広間を出る。

それをみた幹部達も、それぞれ部屋に戻っていく。土方は総司と近藤によって部屋まで運ばれた。


───朝


『ん〜…よく寝たな。

しかしオレはいつ部屋に戻ってきたんだ?

まぁいいか。それより広間はどうなってるんだろう?皆酔って雑魚寝になってんだろ、きっと。』


オレはそんなことを言いながら部屋を出る。



『誰がこんな散らかしたんですかあぁぁぁ!!』


広間は障子や壁に箸が突き刺さっており、

お椀などは欠けていたり、徳利やお猪口は割れている。

そんな状態のままだったのだ。


丞「なんやいきなり?」


『丞…これ誰がやったかわかる?』


丞「知っとるで。…光あんたや。」


『…えっ…全く覚えてない。』


丞「酔っとたからな…忘れたんやろ。」


『そう言えば…土方さんにお酒を呑まされたんだった…』


丞「隊士達も巻き添えになっとたしな。

隈が止めて部屋まで運んだんや。」


『ごめんなさい…ありがとうございます。』


丁寧に頭を下げる。



その頃──


歳「あー…頭いてえ…」


総「土方さん土方さん。」


歳「なんだよ朝から。」


総「昨日気絶していた人に、何があったか教えてあげようと思いまして。」


歳「…話してみろ。」


いつもなら、教えてくれない総司のことだ。

余程酷いのだろう。


総「昨日、土方さんは光さんにお酒を呑まされたのは覚えてますか?」


歳「ああ…だがそのあとの記憶が全くねえ。」


総「でしょうね。土方さんは酔って、光さんにお酒を呑ませたんです。呑んだ光さんが酔ってしまい、土方さんにお猪口を投げて気絶させました。」


歳「……まだあるのか?」


総司が俺を見て頷く。


総「…そのあとも光さんは手当たり次第物を投げ続け、隊士達も巻き添えになり、僕も近づくことができず、最終的に山崎君が気絶させました。」


歳「……広間に行くぞ…。」


俺は嫌な予感がして広間に足早に向かう。



広間は予想以上に酷い状況だった。


総「光さん。」


『あ…沖田さんに土方さん。昨日は大変迷惑をかけたみたいで…ごめんなさい。』


頭を下げる。


総「…かけたみたい?」


『はい。昨日はお酒を呑まされたことは覚えてるんですが…記憶が無くてですね、今丞に聞きました。』


歳「悪かった…光お前はもう酒は呑むな。」


『ああ…それはもう、オレ自身で決めました。

こんなのを片付けるのはごめんですから。』


広間を見渡しながら土方さんに言う。


『土方さんは酔っていたのに、記憶はあったんですね。』


歳「……。」


総「僕が教えたんです。」


歳「取り敢えず、お前の酒の禁止は、朝餉のときに言う。それまでにここを片付けておけ。山崎も手伝ってやれ。」


丞「御意。」


総「それじゃあ僕は、部屋にも「総司お前は朝稽古だ。」えー…。」


歳「行くぞ。やらなきゃあ、近藤さんに報告する。」


総「うっ…やります。」


沖田さんは土方さんに連れられ、広間を出ていった。


『さて片付けますか!!』


片付けに取りかかる。




そして朝餉のとき。

障子や壁に穴は空いているが、それ以外は綺麗に片付いた。


歳「あー今後光に酒を飲ましたやつは減給だ!!」



こうしてオレの酒禁止令ができた…


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