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〜幕末へ〜  作者: エヌ
5/18

☆肆

山崎すすむ

の漢字がでなかったので

[山崎丞]


で進めます。




  ** 肆 **




『いったぁ!!』


オレは地面に突っ込み叫んだ。

それから暫くして、辺りを見渡した。


『オレマジでタイムスリップしたんだ…すごっ!!』


辺りは木ばかりで、少し歩くと古い民家が見え

ビルや電線など何1つも無い。


チャキ


オレが感動に浸っていると、妙な音が聞こえた。

それと同時に殺気も感じられる。

ゆっくりと後ろを振り返る。

そこには、刀を抜いているイケメンが…っておい!


〔そこ、関係なくね!?しっかりしろ、自分!!〕


?「…なぜ1人で百面相している…」


『あっ忘れてた。あんた誰?』


?「…怪しい奴…」


?「あ─いた。一君何してるの?隊士達が捜してるよ。」


一「総司か…悪い、怪しいや「あれ、君誰ですか?」…」


イケメンがこちらを見ている。


『オレ!?オレは光。』


総「へぇ…でどうして君は此処にいるの?」


あれ、さっきより殺気が増したような─


一「怪しい奴…屯所に連れて帰るぞ…」


総「そうですね♪行きましょう。」


総司はオレの腕を掴み、歩いていく。


〔屯所ってもしかして…[新選組]か…〕


オレは考えながら歩く。

歩いていると言うより、引きずられている。


〔……。〕


総・一(……。)


ブチッ


『…あーもう限界!!何で引きずるかなあ!?』


オレは、叫び総司の腕から逃れた。


『何なんだ!?貴方は人を引きずるのが趣味な訳!?』


そして、総司に向かって早口で言い放った。


総「…ぷはっ…アハハ…」


突然笑だした総司。


『何?』


総「いや、君面白いですね♪」


『馬鹿にしてる?総司さん?』


総「…沖田…貴方に総司と呼ばれたくありません。」


総司の眼が鋭くなる。


『そう言えばそうだな。ごめん。知らない奴からは呼ばれたくないよな。』


オレは素直に謝る。


一「…取り敢えず、屯所に行くぞ…」


今まで黙っていた一が言いながら歩き出した。

それに沖田さんも続く。

オレは慌てて追いかけた。


〔迷子だけにはなりたくない!!〕


必死に追いかける。小幅が違うせいか、どんどん離される。

ついには走って追いかけた。


『…はぁ…はあ─』


やっと追い付いた時にはすでに屯所だった。


[新選組]


でかでかと書いてある看板


〔芹沢鴨暗殺事件…終わったんだな─〕


なんだか哀しい。


一「此処だ…副長俺です…」


?「斎藤か、入っていいぞ。」


一「失礼する。」


総「ほら君も入る。」


沖田さんに押され部屋に入る。


?「ああ゛総司てめぇもいたのか。…でなんだその餓鬼は?」


総「一君が見つけ、怪しいので連れてきただけですよ♪」


?「そうか、斎藤悪いが幹部を集めてくれ。」


一「御意…」


一言返事をすると一は出ていき、一の前にいた人が見えた。

眉間に皺を寄せた目付きの鋭い人だ。


〔さっき、副長って呼ばれてたから土方歳三か…それにしても…〕


じっと土方の顔を見る。やっぱりイケメンだ。


〔…ここはイケメンが多い!!〕


?「なんだ?餓鬼。」


『オレは餓鬼じゃねぇ、光だ…刺鬼光。』


バタバタ

ドタドタ

ダダダダ


いくつもの足音が聞こえてくる。


?2「歳、話ってなんだ?」


歳「ああ、近藤さん。この餓鬼のことだ。」


近(うん?)


近藤さんと呼ばれた男はオレの方に首だけ向ける。


歳「斎藤と総司が怪しいだとよ。」


?123「「「何処が怪しいんだ?」」」


近藤さんの後ろにいた3人が言った。


歳「てめぇらあ!!うるせぇ静かにしやがれ!!」


『…あの貴方が1番煩いです。』


オレは耳を押さえながら言った。


歳「ああ゛…すまねぇっておい!!」


『何ですかぁ、土方さん。』


歳「なっ!!てめぇ何で俺の名を!!」


『此処にいる人達なら多分全員わかりますよ♪

あっ天井裏にいる人も含めて♪』


その瞬間、幹部達全員がオレに殺気を向けた。

1人を除いて。


歳「…間者か!?」


『ハズレオレは間者ではないね♪』


近「君の名は?何処からきたんだい?」


殺気を向けて来なかった近藤さんが聞いてくる。


『オレは刺鬼光。未来からきました。』


幹「「「「は?」」」」


『だから未来からき「ふざけてんのか?」…』


土方の殺気が増す。


『いえいえ、真剣に。』


歳「信じられるかあぁぁ!!」


『最初から信じて頂けるとは思ってませんよ。

まずは、証拠として貴方たちの名前を当てます。』


歳「…言ってみろ。」


『えっと、オレの目の前に居るのが近藤勇で局長、そして貴方は副長の土方歳三。又は…豊玉さん♪』


オレは土方さんを見てニヤリと笑い言った。


歳「なっ!?」


土方の顔が紅くなっていく。


総「…ぷはっ…アハハ君も知ってるんですね♪」


?「なあ総司?豊玉さんってなんのことだ?」


総「それはですね…土方さんのし「あぁぁぁぁ!!」…」


総司の声は土方の声で消えた。


総「何ですか、土方さん?僕の話を遮るなんて。」


歳「はぁ…今度甘味奢ってやるから。」


総「約束ですよ♪」


『次いいですか?』


オレは遠慮がちに言う。


歳「ああ。」


土方は思った。

無駄な時間だったと…


『それじゃぁ次は…』


総「あ、はい僕はわかりますか?」


『さっき名乗ってましたよね…貴方は沖田総司。三段突きが得意ですね。』


総「はいっ♪」


『それから1番先に会った無口なのが斎藤一。左利きで…平手平打ちが得意。』


一「……ああ。」


『次はそこの3人。

左側が永倉新八で流派は神道無念流。

真ん中が藤堂平助。背が低いのが悩み?

右側が原田左之助。切腹した時の傷を自慢している。ただ1人の槍使い…』


永・藤・原「「「おお!!すごいな。」」」


その中で、永倉さんがオレの背中を叩く。


『あの痛いです。』


永「まぁまぁ、気にするな。」


ニカッ


っと笑いながら言う永倉。


イラッ


『痛いって言ってるじゃないですか!?

止めてください!それとも、貴方は馬鹿なんですか!?』


オレは一気に言って永倉さんの手を叩く。


永「…いってぇ!!」


藤「今のはぱっつあんが悪い!!」


藤堂が言うと原田が


原「そうだぞ新八、刺鬼に謝れ。」


オレはその瞬間、原田を睨んだ。


原「えっ何でオレが睨まれてる訳?」


『刺鬼って呼ぶな!!苗字は嫌いなんだ…』


最後は消えそうな声で言ったオレに


原「わ、わりぃ光。」


原田は直ぐ様謝る。


『いいよ♪言ってなかったオレが悪いし♪』


──────

微妙な空気が流れる。


歳「…光、続きだ。」


そんな空気を破ったのは土方だった。


『そうだった。…えっと近藤さんの左側に座っているのが山南敬助。文学が得意。マジで優しそうですね♪』


ニコッ


と土方に向けた笑みと違う笑みを浮かべる。


山「っ//…。」


『あれ?違いましたか?』


山「あ、すみません。あってますよ。」


『よかったぁ。次は…』


チラッ


『天井にいる監察方の山崎丞。』


シュタ


天井から山崎は降りてきた。


丞「何でわかったんや?

気配は消しとったはずやで。幹部の皆はんもあんまわいの気配は気付けへんのに。」


『あーオレが気配に物凄く敏感やから(笑)消すんもできるけど。』


何となくで関西弁で答えてみた。


丞「そか。てか光、関西弁喋れるんか?」


『少しだけやな。関西出身って訳じゃないし♪』


丞「ほんなら、普通に喋りぃ。面倒やから。」


『はーい(笑)』


歳「…何和んでるんだ山崎?」


丞「あ、そやった。すんません。」


そう言うと


フッ


一瞬で天井に消えた。


歳「話を戻すが、本当にてめぇは未来から来たんだな?」


『最初に言ったじゃないですかぁー?

ああ、それとも聞いてなかったんですか?』


小馬鹿にしたように土方さんをみた。


眉がピクピクしている。


〔あ、ヤバイ怒った?〕


そう思い、


『冗談ですよ。マジで未来から来ました。』


藤「…なぁ『マジで』ってなんだ?」


『マジってのは本当って意味だ。』


総「へぇ…未来って変わった言葉使ってるんですね♪」


歳「少しは黙れ!!俺が話してるんだ!!」


『……。』


幹「「「……。」」」


歳「─フゥ…それで他の証拠は?」


『ありますよ♪例えば…あった…これ。』


バッグをあさり、携帯電話を土方に渡す。


歳「なんだこれ?」


『携帯電話です。未来ではそれを使って遠くの人と会話をすることができます。』


近「…歳、そろそろ信じてやったらどうだ?


歳「ッチ…わぁーたよ。信じてやる。」


近「歳!!」


近藤は嬉しそうに土方の名を呼ぶ。


歳「但し、此処で隊士として働いてもらう。」


総「土方さん、入隊試験やるんですか?」


『入隊試験…って何するんだ?』


歳「てめぇには試合をしてもらう。平隊士とだ。」


総「えっ僕が殺りたいです!!」


歳「…総司…殺すきか!!」


総「冗談ですよ、嫌だなぁ土方さん。」


歳「もういい。行くぞ光。」


土方が言うと、幹部も部屋を出ていく。


『行くって何処に…?』


歳「はぁ?試合すんだから道場に決まってんだろ。」


『道場…』


〔ああっ…オレ稽古してねぇ!!よくみたら、オレ胴着のままだし!〕


『早く行きますよ、土方さん!!』


何故か急に急ぎだしたオレに驚く土方。


『ほら早く!!』


土方さんの腕を引っ張りながら、オレは幹部の後をついていく。



道場に着くと、オレは竹刀を勝手に拝借し、幹部をみた。


バチッ


沖田さんと目が合う。


『沖田さん、稽古付き合って下さい!今日の分やってないんですよ。お父さん怒らせるのごめんだから!!』


総「今からですか?入隊試験は?」


『あ……』


総「…忘れてましたね。土方さん、やっぱり僕がやってもいいですか?」


歳「ああ、構わねぇ。あいつが指名したしな。」


総「光さん、やりましょう♪」


『はいっ!!』


総(毎日稽古してたみたいですね。どのくらい持つでしょうか?)


〔もしかしたら、三段突きが観られるかも!!〕


2人は全く違うことを考えながら、竹刀を構えた。


幹「「「「…っ!?」」」」


皆が驚いた理由。

それは光の構えだった。

全く隙の無い綺麗な構え。


『審判!!』


歳「…始め!!」



──沖田目線


総(全く隙がない!!)


『こないなら、此方から行きますよ!』


タンッ


光さんが床を蹴る音。


総(速い!!)


何とか避ける。

だが、光さんの攻撃は続く。


総(本気を出しますか…)


歳「総司の奴、本気でやる気だ─」


近「なんだって!?止めないと!!」


歳「待て、近藤さん。光の顔を見てみろ。」


近「……。」


近藤は黙った。

光が楽しそうにやっていたからだ。


総「…クスクス…久し振りに楽しめますね♪」


『そうですね♪』


僕は殺気を増やす。

それを感じたのか、光さんは構え直し、殺気を出し始めた。


──光目線


〔沖田さん本気だ。オレも少し本気でやるか…〕


オレは殺気を出す。


バタッ

バタッ


近くにいた隊士達が倒れていく。


〔早目に終わらせないとな─〕


そう思い、


タンッ


床を蹴り、素早く沖田さんに竹刀を振る。


バシッ

ビシッ

バシッ


暫く打ち合いが続く。


〔そろそろかな♪〕


オレは平手平打ちの構えをとる。


隊「…なぁあれは斎藤組長の技じゃないか…」


ヒソヒソと話す隊士達。

だが、1番驚いているのは─斎藤だ。

誰にも教えたことの無い技。

初々さを感じるが、完璧な構えだった。


一(……。)


総「なっ!?それは一君の技…」


『そうですよ。でも昨日覚えたばかりで、あってるかわからないですけど。』


総「やっぱり、君は面白いですね♪それじゃぁ僕も─」


沖田さんの目付きが変わり、三段突きの構えをとる。


〔三段突き…綺麗な構え。〕


両者とも動かない。


カタッ


壁にあった竹刀が倒れる音─


タンッ

ダンッ


それを合図に、2人は床を蹴る。


タンッ

ビシッ


歳「勝者─光!!」


土方の声が道場に響く。


幹「「「総司が負けた…?」」」


総「強いですね、又今度やりましょう♪」


『はいっ!!』


総「ですがまさか、あそこで構えを解くなんて。」


『あれですか…あれは沖田さんの三段突きを避けるためですよ。』



───回想───


オレは沖田さんが三段突きをする前に、

床を蹴り構えを解き横に回り、

沖田さんの首に竹刀を当てた。


───回想終了───



『1秒でも遅かったらオレが負けてたかも知れませんし…それに「てめぇらいつまで話してるんだ!!

もう1度俺の部屋にこい!!」…」


オレの話を遮る土方さん。


〔もういい!!呼びし捨てにしてやる〕


怒りを悟られないよう、


『今いきます♪』


笑顔を浮かべて返事をする。


歳(…笑顔が怖い。まるで総司みたいだ。)


土方は光の笑顔をみて背中に冷や汗がつたう。



部屋に戻ると幹部の人達は最初にいた場所に座っていた。


近「よし、揃ったな。改めて宜しく。光さん、今日から新選組の仲間入りだ。」


『宜しくお願いします!あのすみ「おい、そこの3馬鹿。こいつに隊士の部屋を教えてやれ。」…』


〔……〕


ブチッ


幹「「「「ブチッ!?」」」」


その音に一斉にオレを見る幹部。


『さっきから何だ、土方?オレの話を遮るなあぁぁ!!』


歳「は?何で呼び捨てにされなきゃぁいけねぇんだぁ!!


『オレの話を遮る空気の読めないやつは呼び捨てで十分だから?』


歳「…で、話ってなんだ?」


『やっと聞いてくれるんですか。オレは女です!!』


幹「「「「は?」」」」


永・藤・原「「「おんなー!?」」」


『はい、一応。』


総「どうします、土方さん?」


歳「どうするって女は隊士に入れる訳にはいかねぇ。」


総「でも入隊試験したんですよ。武士に二言はないですよね♪」


歳「…わぁーたよ。こいつには隊士として男装させる。」


一「…それは良いんですが副長。こいつの部屋はどうしますか…?」


幹「「「「あ…」」」」


『大部屋で雑魚寝ですよね?オレは構いませんよ。』


近「それは駄目だぁ!!私が許さん!!」


永「そうだぞ光。中にも男色だっているんだ。」


『へぇ、やっぱり男色っているんだぁ…』


幹「「「「はぁ…」」」」


呑気に言うオレにため息をつく幹部達。


歳「生憎、空いている部屋はねぇ…誰かと相部屋でいいだろう。丞、お前の部屋で良いか?」


天井に向かって言う土方。


シュタ


丞「わいはかまへんで。」


歳「よし、光。てめぇは丞と相部屋だ。」


『だからオレは大部屋でい「副長命令だ!!」…わかりました。』


丞「ほんならついてきぃ。部屋に案内してやるさかい。」


『はーい。それじゃぁ、失礼しました。』


ペコッ


頭を下げ、土方の部屋を後にする。




こうしてオレの入隊は決まった。



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