☆惨
** 惨 **
オレは起き上がり、神様から貰ったバッグの中身を確認することにした。
中には包帯に湿布、シャンプーとさらし等々、色々入っていた。
それからもう1つ…小さな瓶に入った白い粒。
〔これ、なんだ?そう言えば、神様がなんか言ってたような…〕
『…紙だ!!』
紙はバッグの底にあった。
『どれどれ…』
[光さん、まずこのバッグの中の物は無くなりません。その中で、小さな瓶に入っている白い粒は病、怪我を治します。
但し、深い怪我…つまりその場で死ぬようなものは治すことは、出来ません。
病は例え死病と言われていても、毎日飲むことにより治せます。
その代償で、貴女の寿命が縮みます。考えて使ってください。 神より]
『兎に角、寿命を縮めないために病の予防と怪我をさせなければ、いいんだな♪』
オレはうんうんと、頷きながら自分の言葉に納得していた。
3馬鹿「「「光さーん。」」」
そんな時。
3馬鹿がオレを探している声がした。
『そっか、もうご飯の時間か。いつも稽古してるから、道場に居なくて捜してるって訳か。』
オレは急いで下に降りると、
『ごめん、3馬鹿。』
3馬鹿に頭を下げ、
3馬鹿「「「!?頭を上げてください!」」」
3馬鹿は慌てて、おろおろする始末だ。
そこに父がきた。
父「なんだ、光?こいつらに何かしたのか?」
『いやさぁ…今日は稽古してなくて、3馬鹿が捜してくれたみたいだからさ。』
1「えっあの、兎に角ご飯にしませんか?」
3「そうですよ!!行きましょう師匠。」
2「あの師匠、今日の稽古ですが……」
何か言いたそうな父を、3馬鹿が空気を読み、無理やり話をそらす。
〔助かった。マジ3馬鹿に感謝しないと。〕
そう思いながらオレも3馬鹿の後を追って食卓に向かう。
父が説教を始めると、めちゃくちゃ長い。
特に稽古が関わると…
〔前にものすごく反省したんだよなぁ。〕
ご飯を食べながら思う。
〔怒られて以来、1度も稽古をサボっていないオレはいい子だと思う。まぁ、今日以外は。〕
『…って、自分を褒めてオレって気持ち悪!』
いきなり言ったオレに対して、父と3馬鹿はへ?って顔をする。
『…あはは?気にするな♪』
それでもまだ気にしているのか4人は、じっとオレを見てくる。
『…ご馳走さま!!』
オレは逃げるようにして、食卓を後にした。
部屋に戻り、いつもより少し遅いが、今日は朝練が無いためゆっくりと支度をし、玄関に行く。
『行ってきます♪』
オレは家を出た。
勿論、神様から貰ったバッグは持っている。
それに加え、幕末に関しての本や新選組についての本を持ったため、荷物は重くなった。
〔重…い。でも自分の為!!〕
オレはバッグを持ち直した。
暫くすると学校が見えた。
学校に着くと、普段と変わらず授業を受ける。
そしてあっという間に放課後だ。
『朝稽古サボったし、今日も早めに稽古始めないと!!』
独り言を言いながら帰る。
オレは誓言した通り、
;誰も聞いていないが;
夕飯を済ますと、直ぐ様道場に向かった。
もちろんバッグは持って♪
『稽古、稽古稽古♪』
オレは道場の戸を開けようとした。
?「…ひか……か…光さん。」
どこから、声が聞こえた。
何て言うか…頭の中で、してるって感じで…
〔あっ、もしかして神様!?〕
神「はい。準備が出来ました。今から幕末へ送ります。」
『ん、お願い♪』
神「はい、それではいきますよ。」
神様が言うと、辺りが光った。
一瞬の出来事だった。
辺りが元通りになると…光は消えていた…