3、一億六千万
ギャグ四コマ的小説。前回当選した宝くじの使い道は?
3、一億六千万
ロトシックスが当たり一億六千万入手した!
「どうしますか?」
私が尋ねる。
「オレが買ったんだから、全部、オレのものだろ」
宝くじは煙草を普通に買えるぐらい大人びたにがなが買ってきた。せせこましく独り占めしようとする。オレとか言っているけど女の子です。煙草を一日五〇本ぐらい吸っているけど一六才の女の子です。
「レンちゃんが当てたんだから、レンちゃんが決めるべきじゃないの」
寝ていたレンが起き上がり告げる。
「部費にしよ、ふわぁ」
レンはまた眠りについた。
「レンちゃんがそういっているんだからそうしようね、ね!」
「わかったなのです」
「っち、しょうがねぇな」
一応納得する部長とにがな。
「んで、部費として何に使う?」
煙を吐きながらにがなが問う。部室はいつものように火事の現場のようだ。
「新聞をカラーにするなのです!」
部長が犬耳みたいな髪をぴんとたて宣言する。一億六千万円の使い道としては地味だった。まあ、結構重要だけどね。
「それはやろう、ほかには」
「煙草を備蓄するんでいんじゃねーの」
にがなは煙草のことしか考えていない。
「それはだめ」
私が残酷に告げる。
「じゃあ、部室に煙草の自販機を置く」
「高等学校にそんなもの置けないよ!」
私の声でむくりとレンが起き上がる。
「むにゅ、部室にベッドを置く」
「置くスペースがないのでだめ」
「たくっ、うんだら、なんならいーんだよ」
えーと。
「換気扇を設置するってどう?」
「賛成なのです!」
「ふわ、いいね」
部長とレンの賛成を得た。にがなは「いやだー」と言っていたが決定しました。
設置後。
「ああ、空気がおいしい!」
「部室が隅々まで見えるなのです!」
「むぅ、息が普通に出来る」
好評でした。