12、一面が天気予報
昨日の新聞は書くことがなかったので、天気予報を載せた。が不評でした。
「今日は一日中晴れって載せたのに、今現在ザーザー降りですよ」
窓の外を見るとものすごい土砂降りだ。昨日の林檎新聞を信じて傘を持ってこなかった生徒の怨嗟の声が聞こえるようだ。
「つーか、オレらの新聞を信じるバカなやつが悪いんだよ」
自分で書いている新聞を悪く言わないで。
「宝くじの当選番号が当たった新聞だから、信用されたんだよ」
「新聞一面に天気予報が載っている新聞なんて信用すんなよな」
昨日の新聞は酷かったね。
「ガーボベルデとか、キリバスとか、マラウィの天気まで載せたなのです!」
部長が誇った顔で言う。二〇〇以上の国の天気を載せたからね。無駄な労力だったよ。
「学校の新聞に世界の天気はいらない、と私があれほど言ったのに書いたからね。あと、レンが出す情報はいつもあっているから、林檎新聞に若干の信憑性が生まれちゃったんだよね」
「ん、昨日の天気予報だってレンの情報だろ?何で外れたんだ?」
世界二〇〇カ国の天気を知っているのは、レンぐらいしかいない。
「国単位だったからだよっ!」
中国 降水確率三〇パーセント
ルクセンブルグ 晴れ時々雨
日本 一日中晴れでしょう
――って、感じで書いてあったからね。