11、かっこいい名前
昨日の新聞“私立天翔学園変な名前ランキング”はほどほどの人気だったけど、先生方には不評でお叱りを受けた。
「っま、かっこいい名前だったらいいんじゃね」
にがなが煙草を吸いながら適当に告げる。いいのかな?
盗んだまま返してない資料を捲りかっこいい名前を探す。
「白砂三言っていうのがあったよ、高等部三年。備考、保健委員、博愛」
なんとなくかっこいいような、そうでもないような。
「ああ、そいつ知っている。すごく命を尊ぶやつだ」
にがなの知り合いのようだ。
「どんな命も尊ぶから、細菌を殺せないんで、消毒が出来ねぇ」
「命を尊びすぎだよ!」
更に調べる。
「疾風ヶ原颯って言うのがあったよ。在校生、高等部一年」
「足が速そうだな」
相変わらず自分は何もせずに感想だけ言うにがな。
「備考、一〇〇メートル競走、三秒……って、早っ!」
おかしい、この情報間違っているよ、きっと。
「ふ~ん、時速一二〇キロか」
「人間じゃないよ……」
「あった、なのです。君調アリア、高等部二年」
部長も発見。ん、きれいな名前だね。
「備考、変態。女子の下着が盗まれた場合はだいたいこいつが犯人」
「何その備考!」