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林檎新聞  作者: 黒丸鴉
10/15

9、名前

「私の名前って犬っぽいですよね。はぁ」

 私、砂田中真論――マロンです。近所の犬の前と同じなんだけど。

「いいじゃん、犬かわいーし」

 にがなが煙草をすぱすぱ吸いながら慰めてくれる。犬みたいな名前と言うことは否定しないんだね……。

「マロン、二〇一一年犬の名前ランキング、女の子部門六位だね」

 寝ていたレンが起き上がりいつものように解説してくれる。いつも寝ているのに、いつ情報を摂取しているのだろう。

「やっぱり、私の名前は犬なんだ……」

「ちなみに、レンは二〇一一年犬の名前ランキング、男の子部門七位。ねむい、寝る」

 レンが眠りについた。

「同士!」

 よかった、犬の名前は一人じゃなかったんだ。

「私は自分の名前に誇りを持っているなのですよ」

 部長が新聞を書く手を止め話に加わってくる。紙に自分の名前、新井文香、と書き井と香を塗りつぶす。

 新■文■。

「新聞なのです!」

 それは嬉しいことなの?まあ。新聞史上主義だからね。

「そういえば、にがなの名前。冠荼って珍しいよね」

 普通読み方が分からないぞ。

「そうか?」

「むにゃ、むにゃ、荼――常用漢字にも人名漢字にも含まれていないので、名付けることは不可能。むぅ」

 レンが寝ながら教えてくれた。

「……偽名ですか?」

「本名だと思うんだけどなー」



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