第一回
テスト期間中に思いついた突発的企画ゆえ、まあ長続きしないでしょう。
“と書き”なので、嫌いな方はすぐに回れ右、「オマケだからいいやー」って方はどうぞお進みください。
パッと暗い部屋に光が射した。そこには赤茶色の髪をポニーテールに纏めた少女が立っていた。
恵子「というわけで始まりましたこのコーナー」
太智「どういうわけだか」
恵子「黙ってなさい」
ギロリ、と刃のような目で睨まれた太智はため息交じりに引っ込んだ。
恵子「このコーナーは今までのボツ作品、設定だけで書かずに終わった作品、などなどの主人公たちの《クソ作者》に対する文句などが飛び交う場ですので、地の文はほぼありません。なぜなら、動きはほとんどないからです。更に言うと、ほぼ会話文で多人数でてくるので、‘と書き’です。セリフの前についてるアレです。アレ。要するに《クソ作者》が面倒がってやってるのです」
太智「うっわ。恵子が敬語で説明してるって……微妙」
ボソリと呟く。
恵子は黙殺して続ける。
恵子「早速今回キャラたちを登場させましょう。司会は現連載中の主人公である私、妹栗恵子と近碑太智で行わせていただきます。他のキャラクターは地の文……もとい《クソ作者》にしてもらいましょう」
恵子が手元にある紐を一本引くと、一筋だけの光が広がり、赤いカーテンで囲まれた部屋が全貌を現す。
もう一本の紐を引っ張ると、カーテンが開き、二人の姿がそこにあった。
神様が覚えて……
恵子「《クソ作者》、だろ。勝手に神とか名乗ってんじゃないよ」
…………《クソ作者》が覚えてない上にプロットを消失したので容姿とかを省略するが、左から、『ミキ』性別:女。『四月朔日雅哉』性別:男
恵子「じゃあ、出てきて自己紹介して」
まず出てきたのは、髪から靴まで真っ黒な少女……いや、女の子?
ミキ「いいわよ。特に説明しなくて。私はミキ。ボツ作品名は『日常を護るため』……だっけ? マサ?」
小首を傾げて、後ろに残った最後の影、雅哉に問いかけた。
雅哉「なんかもっと長かった気がする。そして俺の名前も、一人称も違ったような合ってるような微妙なところだね。俺は四月朔日雅哉。元は《クソ作者》のリアル情報からなってる。いわば、《クソ作者》の分身に近いかもね」
恵子「じゃ、出揃ったところで、まずは軽く愚痴ろうか」
え、ちょっと待って。軽く愚痴るって何?
恵子「黙ってて。地の文は口答えしない。んじゃあ、行こうか。覚えてれば作品の設定とか言って頂戴」
ミキ「はい。じゃあ、《クソ作者》さん、設定説明お願い」
……………………わかった。
ざっくばらんに説明をする。どうせオマケですし、まあ大目に見て下さい。
世界は2013年くらいの日本。話としては、雅哉がいる世界とミキのいる世界の二つの世界があって、なんだっけ、確か【守護霊】って名前だったかな。ミキたちは【守護霊】で、雅哉たちのいる現世とは違う世界の人たちなんだ。
【守護霊】って言うのは異世界で具現化した不幸と戦って、現世の人間たちを護る存在。例えば、ミキは『美樹』の【守護霊】で、雅哉には『マサ』って【守護霊】がいたんだ。いた、ってことは勿論死んだんだけども、さすが主人公だね。普通は【守護霊】が死んだらその【守護霊】が憑いていた人間は死ぬんだが、雅哉は生きていた。それどころか、鏡を通してミキたちの世界に行けるようになっていたんだ。異世界の方の鏡は、鏡のような大剣、マサの武器だったものだ。この世界で、雅哉は他の人たちを護ったりする為に行ったり来たりするんだ。
いやー、この作品もラストのシーンはめっさ考えててさ、出来は悪くなかっ……
恵子「はいはい。ありがとうございました。補足情報によると、この作品の敵キャラとかは『ログイン』に使われているらしいよ。勿論『ログイン』オリジナルの敵キャラも考えてるっぽいけど。じゃ、イッツ愚痴タイム」
ミキ「私のキャラ名って、《クソ作者》さんがマジメに恋した人なんですよ」
太智「おおう、いきなりぶっちゃけたね」
ミキ「フルネームは流石にダメだけど、ほら、さっき私が守護してる美樹って子がいたでしょ? あの子がそうなの。容姿とかは全然違うけど。この作品を探し出せば、フルネームが分かるかも」
恵子「なんか愚痴っていうより暴露大会みたいね」
ミキ「あと、私のキャラ設定はほとんどが『ブラック★ロックシューター』のパロディで、私の武器である【玄蟻】の形状はB★RSの持ってるそれと全く同じよ」
太智「本当に暴露大会になってるねえ。でも、ログインのネタバレ要素を含むような発言はやめてね」
ミキ「それと、私のキャラデータの一部はログインの……って、そう、ログインのネタバレはダメなのね。じゃあ……一応キャラ設定的な説明は終わり。マサが設定言い終わってから一緒に愚痴るわ」
雅哉「じゃあ、言うよ。さっき言ったとおり、俺の元は中学生の時の《クソ作者》だ。中学生で部活は陸上部、専門種目は砲丸投で長距離走が苦手。美樹のことが好き。で、以後は主人公用の設定。鏡を通して異世界と現世を往復することができて、武器は鏡のような大剣。なんだっけか、敵と【守護霊】両方の力を持っていて、なんっつーのかなあ、とりあえず強いんだ。《クソ作者》がプロット消さなけりゃ地の文で説明して一発だったのに。めんどくさいことにしやがって」
恵子「お、愚痴が出た」
ここからはミキと雅哉+αによる愚痴大会となります。
ミキ「大体さ、何か細かーく設定練ってたくせしてさあ、結局途中で別のアイデア浮かんでポイされたよねえ? 酷いと思わない? 好きな人の名前使って色々考えた挙句捨てたのよ? そうやってコロコロ女も変えていくんじゃない?」
雅哉「ああ、それはないだろ。まずそんなにモテないから。あとさあ、作ったプロットは残しとくべきだよな。後々使えるアイデアがあるかも知んないし」
サクヤ「っていうかさ、私の設定まで凝ってたくせに結局出さず仕舞いってアホじゃないの? バカなの? アホなんでしょ? 地球を目覚めさせてバイオテロ紛いの現象で全生物の抹殺、私は地球の心、とか色々作っといて、結局ポイとか信じらんない! どうせログインも途中で飽きるのよ!」
ミキ「おお、サクヤじゃない。そうね。私たちよりあなたたちの方が鬱憤が溜まっているはずよね。当然ね。設定を練ったまんま使わず消去だものね。私はさ、『ホークアイ』って合作で偶然にもかの『新・焔』さんの『ケンナ』と共闘したりして能力を使うことができたけど、サクヤたちみたいな黒幕は物語の後半、最悪終盤じゃないと力発揮できないものね」
サクヤ「そう、そうなのよ! どうせログインの――――も幕を引かれる前にぽいされるんじゃないの? ああ、なんて可哀想な」
???「俺らなんて名前さえ忘れられてんだぜ?」
雅哉「おや、お前らは……なんだっけ。アレだよな。レベルEだとか、なんかそんなの」
???「そうだ! 俺らは《クソ作者》が忘れた為に存在さえ朧な雑兵だ! せめて『バグウィルス』みたいな名前くらい覚えてくれてもいいのによ、全く忘れてるってマジ《クソ作者》だろ?」
アース「そうだな。俺も、どうせ動かない不発に終わる存在だったが、そこの???を生み出したり、サクヤを使ったりと、最後の黒幕的なはずだったのに、結局、完結させないとは……」
雅哉「というか、俺の成長する段階とかその辺までも行ってないよな」
………………………………
ミキ&雅哉&サクヤ&???&アース「はあぁぁぁ~」
???「マジダメだな」
雅哉「ああダメだ」
ミキ「もはや救いようがないわね」
サクヤ「すでに可哀想な域ね」
アース「こりゃ『バグウィルス』のレベル―も出ないんじゃないか?」
雅哉「いや、もう恵子が動かないって考えもあるぞ」
ミキ「それって、つまりまた折れるってこと?」
雅哉「だな。うっわ。可哀想だ」
ミキ「物語の創造力と文才、集中力のバランスが取れてないからこんなことになるのね」
アース「これはもうアレだ。『バク○ン』みたいに誰かに漫画にしてもらうしかないんじゃないか」
サクヤ「もう、それしかないんじゃないの?」
恵子「はい。もう早速脱線し始めたから今日のところはこれにて終了します。……流石は《クソ作者》のキャラたちね。脱線しやすいようね」
太智「それは僕らも同じなんじゃあ」
恵子「絶対そうだと思うわ。脱線、脱線、脱線、そして飽き。これが《クソ作者》の負の連鎖の根源よ」
太智「キャラが一人歩きするのはいいことらしいのにね」
恵子「ダメなのは《クソ作者》だからね。キャラに罪はないわ。ということで、第一回雑談部屋は『日常を護るため(仮)』の皆さんでしたー。プロットが消失してるために早々に脱線したと思われます。それでは《クソ作者》の気が向いたら第二回があると思うので、期待もしないでくださいね」
太智「それじゃあ、これにて閉幕します。バーイ」
恵子「あ、ちょっと待って。ノートパソコンにこの作品の一部設定が残ってたらしいわ。……ったく、これ書く前に気付きなさいよ」
太智「以下の文が色々な設定です」
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【守護霊】:人の心を護っている心の世界、《心世》の住人。食べなくてもいいという点以外はほとんど普通の人と同じ。身体能力は高い。
↓
→死因:心の持ち主が寿命で死ぬ→消滅 【イレギュラー】討伐に失敗→消滅、後に高確率で心が【イレギュラー】に食される。
【イレギュラー】:不幸の塊。人の幸福を糧として生きている。サクヤにより生み出される。
サクヤ:ラスボス。【イレギュラー】の本体。幸福エネルギーで親であるアースの心を目覚めさせようとしている。アースの悲しみ、怒りを感じ取ることができる。
Xthフォーム:【守護霊】最終形態の姿。【イレギュラー】と同じく幸福エネルギーを消費するが、身体能力が格段に上がる。
Zthフォーム:サクヤの最終形態。【守護霊】と同じく幸福エネルギーを消費するが、身体能力が格段に上がる。
ZXthフォーム:人間(幸福・不幸の両方を持ち合わせる)である「主人公」のみがフォームチェンジ可能。【守護霊】、【イレギュラー】以上に幸福エネルギーを消費するが、身体能力が数倍に跳ね上がる。その後、長い間不幸に見舞われる。
幸福エネルギー:心にある。その生物の行った行動とともに増幅するもの。生物の生命維持に必要であり、幸福エネルギーがなくなると、その生物は死ぬ。【イレギュラー】の糧。あらゆるものを開放する力を蔵している。
不幸エネルギー:心にある。その生物に一方的に降りかかるもの。免れる術はない。心が不幸で満たされた生物は死ぬ。【イレギュラー】の肉体そのもの。あらゆるものを無に帰す力を蔵している。不幸エネルギーが貯蓄されていくと、《現世》でその人が不幸に苛まれる。
アース:地球、およびその心。生物の出現とともに眠りに就いた。サクヤによって復活させられそうになる。眠りが浅くなっていくと、《現世》でインフルエンザなどのウィルスが発生する。眠っていながら、人間に対して怒りを抱いている。復活はしない。サクヤの生みの親。
あの人:ヒロインが思いを寄せていた男性。主人公の使っている【守護霊】。
ランク:【イレギュラー】の危険度を表す。サクヤはランクS。最低はD。
《心世》:名の通り、心の世界。人それぞれの世界で、様々なことが起きる。全体を見ると、地球と瓜二つ。
《現世》:こっちの世界。
いやはや、設定が残ってるとは思ってもいませんでした。




