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我が家は魔王一家  作者: 西臣 如
第三章 復活
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the third chapter. 三章のまとめ

三章のあらすじと登場人物紹介をまとめています。

 二つの家宝を手に入れ、完全復活を果たした魔王・鬼灯は、早速勇者四人衆の討伐へ向かう。一方、長女・萌黄は、勇者四人衆を近寄せない効果を持つ家宝「魔神の水晶(メタリス)」を持って学校へ。勇者四人衆・嬢子と松陵に対してその威力を実感する。

 その日の夜、テレビで同級生が事件に巻き込まれ、重傷を負ったことを知る。戦士一族・千臣ではないかと萌黄と紫苑は勘ぐるが、鬼灯はまだ勇者討伐を行えていないと言い張った。

 翌日、魔王への復讐として萌黄に襲いかかる嬢子と松陵。嬢子の魔術により、魔神の水晶(メタリス)の効果を失った萌黄は追いつめられたが、そこに紫苑が現れる。勇者たちをすべて消し去った彼の瞳はルビーのように赤かった。



 鬼灯によると、触れただけで魔力を増幅させる家宝「輝く魔水(シャージッド)」を飲んだことが原因で、紫苑は魔力暴走状態にあるらしい。

 鬼灯と棗が捜索に出向く中、萌黄はエリザベスに紫苑を救う一つの案を提案される。それは宿敵・戦士一族が持つ封魔の剣、「鬼の紅剣(デーモンブラッド)」を利用する妙案だった。

 仇である勇者四人衆を頼りたくない萌黄だったが、足は彼が入院している病院へ向かっていた。しかしそこで鬼灯と紫苑が戦っていることを知り、現場である公園へ向かう。同じく騒ぎを聞き付けた千臣と鉢合わせ、紫苑を倒す覚悟を問われる。動揺する萌黄は悩むなかでいつしか気を失っていた。



 気がつくと自宅の一室に居り、そこには鬼灯に加え、千臣たち勇者四人衆もいた。紫苑が作り出した現実そっくりの異空間に捕らえられてしまったのだ。

 なすすべがなく呆然とする萌黄に、千臣はこの世界には別の何かがいる、と告げる。まもなく勇者四人衆そっくりの集団が襲来。彼らは三年前の存在だった。

 集団から逃れる中で千臣と別れた萌黄は紫苑と邂逅。彼と同等に渡り合う萌黄だったが、魔力に溢れた紫苑を止めることはかなわない。共に平和な世の中を作ろう――紫苑は萌黄を誘い入れようとする。だが不意打ちに現れた千臣の凶刃から紫苑を守るため、萌黄は刺されてしまう。



 千臣は反射的に突き刺した槍を引き抜いたが、萌黄は意識を失い、紫苑の感情は崩壊してしまう。周辺にある悉くを空間移動させ、空中から雨霰と降り注がせる。瓦礫に埋もれ、身動きがとれなくなった千臣を救ったのは、皮肉にも宿敵魔王・鬼灯だった。怯まされた紫苑は反撃を試みるが、先程まで皆を苦しめていた魔術がなぜか発動しない。同時に異空間が崩壊していく。



 公園で目覚めた萌黄は、鬼灯と合流し、現実に帰ってきたことを知る。

 そばで甲高い声を聞いた二人はその場に駆けつける。そこには倒れた紫苑と、エリザベス、棗がいた。号泣する棗の手には、鬼の紅剣が握られていた。棗が紫苑を刺したのだ――萌黄と鬼灯は咄嗟に理解したが、実際はエリザベスが紫苑の溢れる魔術を吸い、一件落着であることが判明。



 しかし、紫苑の心の闇と家宝の危険性を知り、家族の平穏な日々を改めて望む棗は、鬼灯に対して立場を捨てて「家宝を勇者四人衆へ渡す」よう懇願。それが決定的な敗北であること、五十代続く魔王家を絶やすことと理解している鬼灯は彼女の意志を振り切り、去っていった。


 ☆★ 第五十話現在の登場人物紹介 ★☆


◆ 稲妻家(魔王家)……かつて魔界を治めていた魔王一家。現在はクーデターに遭い追放中。


・ 稲妻 萌黄 / Moeki Inazuma /

普通の中学三年生として暮らしているが、実は魔王家の長女。しっかり者で家庭内唯一の常識人。勇者四人衆に狙われ、紫苑の暴走を目の当たりにするなかで、平和な日々と魔王家存続の狭間で思い詰める。使用魔術は、超加速を可能にする時間魔術「不順なる時(ストイム)」。


・ 稲妻 紫苑 / Shion Inazuma /

萌黄の弟の中学二年生。次期魔王候補である魔王子。ヒーロー特撮「スタートリガー」を欠かさず見ている。輝く魔水を飲んだ結果、魔力暴走を起こし赤き瞳の持ち主として覚醒したが、棗とエリザベスによって治められた。使用魔術は、自分と触れる者を空間移動させる空間魔術「空想(アピス)」。暴走時は相手に触れなくとも強制移動させる魔術へ再構成されていた。


・ 稲妻 鬼灯 / Hohzuki Inazuma /

わがままな性格のせいで就職に失敗し続けて無職の父親。魔界では魔王として支配を続けていたが、現在は追放の身。身体スペックはかなり高い。魔術を扱えない窮地に立っていたが、エリザベスから魔力を返してもらったことで復活。使用魔術は、すべての物質の破壊を可能とする破壊魔術「無慈悲なる破滅(デス・トレーゼ)」。


・ 稲妻 棗 / Natsume Inazuma /

夫の代わりに一家を支えている大黒柱の母親。魔王妃でありながら商人の生まれのため、経済面に対してとても厳しく、たまに暴走してしまう。だが普段は家族を温かく守っている。敵の装備である鬼の紅剣を握り、紫苑に真正面から立ち向かう覚悟の強さで、紫苑の暴走を止めることに成功した。使用魔術はすべての生物の傷を癒す再生魔術「生命の鼓動(レ・フィーバ)」。


 ・エリザベス / Elizabeth / 

鬼灯が昔飼っていたペットのひとり。毛並みが美しい、言葉を話す白猫。主に似て口は悪いが、困っている人は放っておけない性格。もちろん鬼灯や棗とは同等に話す。その身体に鬼灯と紫苑の持つ魔力が宿っており、知識も豊富。


◆ 勇者四人衆 ……大臣に雇われてクーデターを実行した四つの一族。現在、大統領の命令のもと魔王家を追っている。


・ 千臣 篤志 / Atsushi Senshin /

かつて魔界で魔王追放を行った勇者四人衆の一角・戦士一族の少年。戦士一族現代最後の生き残り。萌黄のクラスに転校してくる。女子に圧倒的人気を誇る。魔術を無効化する「鬼の紅剣」を所持している。胸に穴が空くほどの重傷を負っている。


・ 金馬 嬢子 / Joko Kaneuma /

父は魔王追放を首謀した大臣(現・大統領)、母は魔女一族の少女。紫苑のクラスに転校してくる。なぜか紫苑に惚れ込んでいて、紫苑の恋人と自称している。使用魔術は、ある二つの物質の重量の天秤を自在に傾ける「天秤魔術」。


・ 松陵 圭太 / Keita Shoryo /

神様のお告げに忠実な僧侶一族の少年。関西弁を話し、調子のいい性格で、神様のお告げのためならひたすら空気を読まない。不可視壁を指の先に造り出す秘術「神聖な盾(ウォルド)」や軽傷程度の傷を瞬く間に癒す秘術「神の治癒(キュオール)」を使いこなす。


 ・都束 輝 / Kirara Tozoku / 

非現実的な嬢子を根っから嫌っている、盗賊一族の少女。騙しと盗みを司る。任務と命令は素直に遂行する。一人称は「輝」。千臣が復讐を為し遂げるのを望んでいる。小動物のように発達した危機察知能力と素早い身のこなしが持ち味。


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