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【連載版】婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪  作者: naturalsoft


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始まり

チェリーの言葉が腑に落ちなかった。


「教会の聖女ちゃんも他の神様なんて知らないって言っておるけど?」


「ふふふっ、人間は知らないでしょうね。我が神の事を。でもいいのよ?我が神が復活した場合は人間なんてあっという間に滅びるのだから」


そう言うとチェリーの姿が消えていった。


!?


「しまった!長々と話しているのは撤退する準備の時間稼ぎだったか!?」


『ふふっ、もう準備はもう整っているのよ。帝国が滅びる様子をゆっくりと見ているがいいわ』


チェリーの笑い声だけが響いた。


「急いで帝都に戻ろう!」

「待って!敵の狙いが帝都だけなのかしら?他の街や村にも人間に化けた魔物が潜入しているかも知れないわ」


うぐっ、レオナの言う事は確かにそうだ。

向こうは前もって準備を進めていたんだしね。

でも───


「確かにその可能性は高いわ。でも、私たちには人数が足りないの。全てを守るのは無理よ」


シオンは少し思いついたことがあったが悩んだ。


「手がない訳じゃないけど・・・でも・・・」


!?


「シオンちゃん!何か手があるの!?何でも言って!可能性があるなら何でもするわ!」


ルリちゃんが詰め寄った。


「方法は二つあるの。一つは簡易結界の魔導具を大量に作って各街や村に配備すること。これは多少時間が掛かるわ」


「敵の侵攻がいつ始まるかわからないから、少し厳しいかもね」


「もう一つは、帝都を中心に帝国全域に聖女結界を張ること」


!?


「はぁ!!?そんなの無理でしょう!?」


流石にルリちゃんも呆れた声を出した。


「いいえ、ずっと張る必要はないの。数分だけでもできれば、人間に化けた魔物は本性を現すからその時、倒せばいいのよ。それくらいなら私が何とかできると思うわ」


「そ、そんなことが・・・」


「ただ問題は、本性を表した魔物を帝国の騎士団が倒せるかどうか」


それはルリが反論した。


「それは大丈夫よ。この国にも冒険者ギルドもあるし、ギルドを通して離れていても緊急連絡もできるから、ギルドと帝国兵が協力して、あらかじめ戦う準備さえしておけば問題は無いと思うわ」


なるほど。

この世界にも遠距離の通信機能の魔導具はあるのか。


「なら1番、敵の攻撃の多そうな帝都に戻って対策の準備をするよ!」


「了解よ!シオンちゃん、本当にありがとうね」


ルリは心からの感謝を述べて外に出るのだった。

外に出る少し前に、ヒジリがジークの袖を引張って呼び止めた。


「なんだ?」

「シオンお姉様・・・・大丈夫じゃないです。少しの間とはいえ、国の全域に結界を張るなんて普通はできないデス。身体に負担がかかり過ぎます」


!?


「そ、それって───」

「最悪、シオンお姉様の命が危ないデス」


ガーンとジークは頭を殴られた様な感覚に陥った。

いつからだ?いつからシオンなら何でも大丈夫だと思ったんだ?

シオンだってまだ年頃の少女だろうがっ!

辛くないはずないだろう!!!!

それなのに俺はシオンならできて当然と軽く考えてしまった。


「クソッ!ヒジリ!なにかないのか?シオンの負担を軽減できる様な何かが!」

「急には無理ですよ。でもシオンお姉様を助ける為に考えます!」


俺にできることは、なにかないのか?

ジークは自分の中で葛藤することになった。


「あれ?遅かったけどどうしたの?」

「あ、いや、ちょっとヒジリと話していてね。遅くなってごめん」


顔には出さないようにしないと。

こうして馬車に乗って帝都へ戻ることになった。

馬車の中でルリは簡易結界の作成についても聞いてきた。


「お金は払うから念の為に結界の魔導具も作らせてもらえないかしら?教会の魔物避けの宝珠が効かない以上、事前の対策は取っておきたいの」


「それは良いけど、お金は貰うからね。それと軍事転用は禁止だから」


しっかりと釘を刺した。

馬車で移動中にみんなで作戦会議を開いた。


「まず帝都に戻って皇帝さんに事情を説明してからだね」

「すでに人間に化けていた魔物の話はすでに広まっているだろうな」

「そこは出発前に設置した簡易結界の魔導具でチェックできるから、少なくとも城の中は安全と思っていいよね」

(まぁ、人間の反逆者がいた場合は別だけど)


「先に帝都に結界をはりますか?」

「そこが難しいのよね。戦いの準備が整うまでに侵攻がなければいいけど、もしすでに始まっていたら混乱は必死だから、シオンが言ったように疑心暗鬼に陥って、人間同士で殺し合いが起きる可能性があるわ」


とにかくスピード感が大事だよね。

今まで黙っていたレオナが口を開いた。


「多分だけど、数日は大丈夫だと思うわ」

「その理由は?」


「敵も、こんなに早くアジトが見つかるとは思っていなかったはずよ。すでに仕込みはしているでしょうけど、まだ魔物を人間に変化させて、街中に忍びこませるには時間がかかるはず。私達がアジトに行くと、偵察の目玉から情報を得て準備済みの魔物を移動させたとしても、帝都まで向かわせるには時間が掛かるわ」


なるほどね。


「楽観視はできないけど、少し余裕がありそうな感じで気が楽になったよ」

「ああ、取り敢えずその考えを元に行動していこう」


シオン達は馬車を飛ばすのであった。






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