☆攻防戦(明けましておめでとうございます)
ほんの僅かな間、混乱したヴァプラに対してすぐに攻撃を開始した。
「はぁ~ナムナムッとなぁ~」
落とし穴にまた聖水を流し込むシオンの、超!適当な女神の祈り!が炸裂した。
また全身に痛みを感じて、状況を理解したヴァプラはすぐに落とし穴から出ようとするが、そこに聖女ヒジリが光の結界を張った。
「ヒジリちゃん、ナイスだよ!そのまま抑えて!」
聖水の水にまた溺れさせたヴァプラは黒い炎を呼び出し落とし穴ごと吹き飛ばした。
地面が深く抉られたが、結界は効いている状態だ。
「さっきと違って聖水が吹き飛ばされたわ。ヒジリちゃんは待避して!」
「はい!シオンお姉様もお気をつけて」
ヒジリもマジック・ボートに乗って素早く距離を取って避難した。
「どこまでも舐めた真似を・・・」
戦斧を振るうとヒジリの張った結界が一撃で破壊された。
「うげっ、ヒジリちゃんの結界をあっさりと!?」
シオンは想像以上の攻撃力に警戒を強めた。
「もう許さんぞ」
ダメージにより、我に返ったヴァプラは冷静になることができた。
目の前の少女を敵として認識し直したのである。
跳躍して落とし穴から出ると戦斧を構えつつ、空いている腕で魔法を放った。
「燃え尽きろ!」
二本の腕から放たれた黒い炎を、シオンはマジック・ボートに乗りながら素早く避けた。
「あぶなっ!?」
「逃がさん!」
マジック・ボートは魔力を込めるとスピードアップし、少しテクニックがいるがジャンプもできる。
シオンはドリフトしながら攻撃魔法を避け続けた。
しかし、ついに避け切れずヴァプラが放った炎がシオンにぶつかった!?
ようやく魔法が当たり一瞬喜んだが、シオンは結界を張りしっかりとガードしていた。
「ちっ、小癪な!!!」
今度は巨体に似合わないスピードでシオンを追いかけて、戦斧を激しく振り回しながらシオンに攻撃し始めた。
『おかしいわね。こいつ空を飛べるのに飛ぶ素振りがないわ』
シオン達は空を飛んだ時の対策を空にしていたのだが、ヴァプラは飛ぶ気配が無かった。
実は翼が一番弱い部分であり、聖水のダメージで飛べない状態だったのである。それでも大悪魔の自己修復機能ですぐに回復するのだが、度重なる聖水の攻撃に回復が追い付いてないのだ。
「今度はこっちのばんよ!フレイムアロー!」
シオンは神様の仕込みで手に入れた魔力アップ(強)の杖を手に持ち魔法を放った。
「愚かな。その程度の魔法が我に通じると思うてか!」
ヴァプラも魔法で氷を矢を放ってきた。そして見せつけるかの様にシオンの魔法に当てて相殺してきた。
「なら、これはどうかしら!」
今度は一気に5つ放った。またそれに対抗してヴァプラも5つ放ち相殺した。
「フハハハッ!無駄!無駄!無駄だーーー!!!!」
「まだ勝ち誇るには早いわよ?」
次は『連射』で放った。
ドドドドッッッ!!!!!
「まだ無駄だと言うことが分からんのか!」
またもや連射でも相殺される。
空中で攻防が続くが────
「いつまで続けるつもりだ?我と魔力勝負でもするつもりか?」
この攻防が続けば魔力総量でヴァプラが勝利するだろう。
だが───
「そろそろ良いかな?」
ドッッッ、ドドドドドドド!!!!!!
シオンは爆発的に連射の速度を上げた。
「なにっ!?」
一気に押し切られて、シオンの炎の矢がヴァプラに直撃した。
「ぐぅっ、これしきっ!」
戦斧を振り回し、連続の被弾を回避すると迂回しながら周り込みシオンに斬り掛かった。
ガギンッ!?
「くっ!?」
「ほう?さっきの仲間の結界よりは強固だな?」
「あら?それはどうも」
軽口を叩くが、この大きな戦斧を封じないと一撃で即死だ。シオンの額に汗が流れる。
そんな時、地面が光り出した。
「ようやくきた!」
「また何か小細工をしているのか!?」
ヴァプラは警戒したがそれは起こった。
エルフの里を中心に聖なる結界が張られたのだ。
「聖女ヒジリちゃん必殺の『破邪結界』の味はどう?」
この結界は、結界の中にいる魔物を消滅させる攻撃用の結界だ。だが、強力な大悪魔ヴァプラには倒せるだけの力はない。だが、力を弱体化させる効果はあるのだ。
ここまで、ジークとレオナ、ヒジリが戦闘に参加出来なかったのはこの破邪結界の起動準備をしていたからである。
そしてシオンはヴァプラの足留めを重点に置いて動いていたのだ。
「これしきっ、余り我を舐めるなよ!!!!」
ヴァプラは全身に黒い魔力を纏わせて、結界に対抗しようとした。
戦いはこれからである。




