表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
12/12

第12章(最終章) 魂の源泉、永遠の名


名源晶の扉が静かに開き、ルキア、トゥーレ、アーデル、そして救われた名なき魂たちは新たなる光の道を進んでいく。そこは言葉も形も及ばない――まるで宇宙全体がまだ言祝がれる前の「はじまり」に在るような場所だった。


果てしない光と闇が、溶け合い、渦を巻く。空も地もない。思いが形をもち、心がすべてを動かしている。“名”すら意味を手放していくような感覚。しかしその只中で、ルキアの魂の書は鮮やかに輝き続けていた。


「ここが…魂の源泉…?」


ルキアはふと、地球での過去――孤独、絶望、そして新たな宇宙で見つけた友や、与え、与えられた名を想った。


「ルキア・ノクス、お前の“名”は何のためにある?」


どこからともなく届いた声。それは源泉そのものの、宇宙根源の問い。


――闇に覆われた時、ただ一人で震えていたあの夜。

――新たな世界で名を求め、誰かに名を贈った温かさ。

――仲間と響き合い、恐れを越えて進んだ旅路。


ルキアは静かに、ほほえみを浮かべてつぶやいた。


「僕の名は“ノクス”。

夜の闇に生まれ、光を恐れず、他者と出会い、心をつなぐための名。

名とは、孤独と希望を抱きしめ合う“人”にしか刻めない物語だ。」


その瞬間、魂の書の全ページが、旅した星々・与えた名・交わした誓いの光で満ちていく。


アーデルとトゥーレも、それぞれの名を抱き、静かに頷いた。救われた魂たちは徐々に自分の本来の音や色を取り戻し、真の姿で宇宙に舞い戻っていく。


源泉の光が形を変え、世界のすべてがもう一度螺旋を描いて動き始める。


――そしてサイレント・アーク号の舷窓から見える宇宙は、かつてないほど豊かな色彩に満ちていた。


「ノクス、これが君の――いや、すべての魂が持つ、真の“物語”だ。」


トゥーレの声に、ルキアは力強くうなずく。


「ありがとう、アーデル。ありがとう、トゥーレ。そしてありがとう、名なき友たち――」


物語は終わらない。

名はこれからも、宇宙を、魂を、風のように旅し続けるだろう。


ルキア・ノクスの物語もまた、新たな夜明けとともに、次の誰かの光となって。


――こうして、「星界転生録 ― 惑星と魂の船 ―」は

夜明けの彼方、すべての魂の名のもとで、静かに幕を下ろした。


【完】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ