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#1 契約の儀

 この世界では成人を迎えると契約の儀という儀式を行う。


 契約の儀では、神と契約を結び様々な能力を与えられる。


 そして、今日俺は晴れて成人を迎え契約の儀を迎えた。

 これまで特に取り柄の無かった俺だが、ようやく日の目を浴びることができる。

 内心ウキウキだが顔には出さず、粛々と儀式を受ける。


「神よ、この者に力を与えたまえ」

 神父が神との契約の言葉を唱える。


 ――数秒の沈黙が流れる。 しかし、特に何も起こらない。


「神よ、この者に力を与えたまえ」


 ――もう一度神父が唱えるがまた何も起こらない。


「契約を結べない者は災いを呼ぶ、殺せ!」


 突然、神父が叫んだ。


 契約を結べない? しかも殺される?

 一瞬何が起こったか理解できなかったが、とにかく逃げないと殺されると思い出口に向かって走り出した。


「逃がしてはならん、追え!」

 後ろで神父が叫んでいるのが聞こえた。


 外へ出ると騒ぎを聞きつけた兵士が集まってきていた。


 ばれないように裏手に回って見つからないように隠れた。

 どこかへ逃げないと、どこへいけばいい。

 俺は子供の頃よく遊んでいた村外れの遺跡のことを思い出しそこへ向かうことにした。



 ――――――――――



 日が沈み始めてあたりが夕焼けに染められる頃、どうにか遺跡にたどり着くことができた。


 これからどうすればいいんだ。

 儀式を受ける前までのあのウキウキ気分とは打って変わって気分はどん底だった。


 逃げても無駄だー! 諦めろー!

 遠くから兵士が追ってきているのがわかった。


 どこまで行っても追ってきて最後には殺される。 もう終わりなのか。


 そう思ったとき、近くに見たこともない扉があることに気が付いた。


 こんな扉昔からあったか?

 子供の頃からこの場所で遊んでいたが、その扉を見つけたのは今日が初めてだった。


 扉に近づくとひとりでに扉が開き、中には地下へ続く階段が見えた。

 追っ手から身を隠すため階段を降りて行くと広い部屋に辿り着いた。


「何だこの部屋は、見たこともないものばかりだ」

 その部屋にはいつからあるのか分からないほど埃にまみれている機械や武器が置かれている。

 中でもひときわ目に付くのが中央に置かれた大きな人型の機械だ。


 おそるおそるその機械に近づいて行く。

「お前を待っていた」

 どこからともなく声が聞こえた。


「……!? 誰だ!」

 この部屋には自分以外誰もいないはず。


「契約を結べ、そうすれば力を貸してやる」


 契約を結ぶ? 何を言っているんだ?

 契約は神に対して行う儀式で出来るはずがない。


 理解が及ばず黙っているともう一度声が聞こえた。


「迷うことはなかろう、力が必要なはずだ」


 正直この声の言う通り、力がなければこのまま殺されるだけだ。


「……わかった、契約を結ぼう」


 不安はあるが、この声の主が誰だってこの際どうでもいい。 今は力が欲しい。


「我が名は、トザース。 汝の名は何だ」


 声の主はトザースと名乗った。


「俺の名は、ルイス・ブラット」


 自分の名を名乗ると、右手の甲に紋章が浮き上がる。


「――契約完了だ」

初連載作品です。


拙い点・お見苦しい点あるかと思いますが、

読んでいただければ幸いです。


よろしければ、

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よろしくお願いいたします。

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