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それから木桶を落とし穴の底に設置し、シーソー式の蓋を地面の高さに取り付けた。
「あとは水だな。川から汲んでこないと……」
「はい。近くにあるので大丈夫ですよ」
「本当ですか?」
「ええ。案内します」
俺と王女様は木で作ったバケツを持って近くの川に向かって歩いて行った。
――
「ふぅ……、こんなもんでいいかな?これでスライムが溺れたらいいけど……」
俺はスライムが落ちた時のことを考えながら、落とし穴の中に水を汲み終わった。
「勇者様、お疲れ様でした。もうすぐ日が落ちてしまいます。今日は王宮で休んでください。勇者様の部屋を用意していますから」
「えっ!?王宮に泊まるんですか!?」
「はい。勇者様なのですから当然です」
「わかりました……、ありがとうございます」
俺は少しだけ妙な期待をしながら王女様の後に付いて行った。
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