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俺は慌てて謝る。
「す、すみません!俺なんかじゃ役に立たないと思って!」
「それはそうかもしれませんけど!もう少し頑張ろうとしてくれても良かったじゃないですか!?」
「はい……。反省しています」
「まったく!これでは魔王討伐の旅に出られないではないですか!」
「面目ないです……」
俺はひたすら頭を下げ続けた。すると――
「はぁ……、勇者様には『洞窟掘り』っていうスキルがあるんですよね?」
「はい。それがどうかしましたか?」
「それを上手く使ってスライムたちを倒せないでしょうか?」
「う~ん……、落とし穴ぐらいしか思いつかないけど、スライム相手に通用するかなぁ……」
「そうですね……、でも普通のスライムは泳げないはずなので、溺れさせて倒すというのはどうでしょう?落とし穴の底に木桶を置いて水を溜めておくんです。そこにスライムをおびき寄せて溺死させる。とか」
「なるほど!」
さすが王女様だ。頭がいい。
「それで、『洞窟掘り』のスキルってどうやって使うんだろう?」
「念じれば使えるんじゃありませんか?」
「そっか。やってみよう」
俺は目を閉じて意識を集中させた。すると、頭の中に浮かんでくるものがあった。
↓にコミカライズ版のリンクを貼りました。よろしければご覧ください。