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1-2

俺はいつものように学校帰りにコンビニへ寄った後、自宅へ向かっていた。すると突然足元に大きな魔法陣が出現して光り出したのだ。そしてその眩しさに思わず目を閉じている間に――


気づけばどこか知らない場所にいた。そこはゲームとかでよく見るファンタジー世界のような王宮の中で、しかも周囲には魔術師のような人が何人かいて俺のことを見ていた。


「え?……ここどこ?」


(これはアレかな? 異世界召喚モノの展開?)


ライトノベルなどでよくある展開だが、まさか自分が体験することになるとは思わなかった。しかし、意外にも頭の中は冷静で、瞬時に状況を理解して妄想を始める余裕さえあった。



――異世界に召喚されたらまず最初に何をするべきだと思う?


1:名無しさん@勇者。20XX/10/01(土)09:25:42.98 ID:ZmcXJx7FH

とりあえず現地の人を襲ってみる。女ならその場で犯す。


2:名無しさん@勇者。20XX/10/01(土)09:26:19.06 ID:KfpOdwhTb

モブキャラから金目の物を奪って奴隷を買う。


3:名無しさん@勇者。20XX/10/01(土)09:27:28.14 ID:knzVjqQtg

鬼畜www


4:名無しさん@勇者。20XX/10/01(土)09:29:05.99 ID:5e/0rl9aL

最低だなお前ら


5:名無しさん@勇者。20XX/10/01(土)09:30:16.00 ID:KfpOdwhTb

いやでもそういうもんだろ


7:名無しさん@勇者。20XX/10/01(土)09:32:00.28 ID:5e/0rl9aL

召喚だから何かチートスキル貰えるんじゃね?


8:名無しさん@勇者。20XX/10/01(土)09:33:06.83 ID:GWBNs+YuA

チートスキルでハーレム作りたい。美少女エルフちゃんをペロペロしたい。


9:名無しさん@勇者。20XX/10/01(土)09:34:04.62 ID:UoMoDvyRQ

異世界行ってもエロいことしか考えてないのかよ


10:名無しさん@勇者。20XX/10/01(土)09:35:34.06 ID:KfpOdwhTb

>>9 むしろそれ以外に考えることがあるか?



――妄想を膨らましていると一人の女性が話しかけてきた。


「あの……あなたは勇者様ですか?」


「え?」


「私はこの国の王女です。どうか我が国をお救いください!」


女性はそう言うと、いきなり俺の手を握ってきた。


「お願いします!私達にはもう勇者様にすがるしかないのです!」


「え? ちょっ……ええっ!?」


突然の出来事に困惑して言葉が出ない。すると、それをどう捉えたのか、王女は更に強く手を握り締めてくる。


(うおっ!?なんだこの柔らかい手は! これが異世界の女の子の感触なのか!!)


生まれて初めて感じる柔らかさに感動を覚えるが、それどころではないと思い直す。


(ちょっと待て。今、彼女はなんと言った? 確か……『勇者』とか言わなかったか?)


「あ、あの……王女様?」


「はい?」


「俺のこと、勇者だって言いました?」


「ええ。間違いなく勇者様だと……」


王女の顔を見る限り嘘を言っているようには見えない。


(マジか……。俺は本当に勇者として召喚されたのか?)


未だに信じられないが、もし本当だったとしたら、これから先、色々と大変なことになるだろう。しかし、それは同時に――


(異世界で無双できるということじゃないか!)


ラノベやアニメで散々見てきた異世界生活が現実になるのだ。


(そうだな……せっかくだからやってみるか。俺の異世界冒険譚!)


「分かりました。俺が必ず魔王を倒してみせます!!」


俺の言葉に周囲の人達はざわつく。

「おおっ! やはり勇者様なんだ!!」

「流石は伝説の勇者様だ!!」


そんな声を聞きながら、俺は内心ほくそ笑む。


「勇者様!ありがとうございます!さぁ、こちらへ。まずはこの国について説明いたしましょう」


王女に連れられて王の間へと向かう。途中、すれ違う者達が皆、尊敬の目で自分を見つめていることに気付き、優越感に浸る。やがて大きな扉の前へと辿り着く。


「お父様。勇者様を連れて参りました」


中へ入ると、そこには王冠を被った初老の男性がいた。


「勇者殿。よくぞ参られた。余の名はアルスラン・ファウスティリウス。この国の国王である。以後よろしく頼む」

↓にコミカライズ版のリンクを貼りました。よろしければご覧ください。

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