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なろうラジオ大賞3

映画と現実の交差点

 私、映画ってあんまり好きじゃないんですよ。

 だってすぐに終わっちゃうし。


 最後に流れるエンドロールを見終わって座席を離れたら、一人だけ現実に帰された気がして……とっても寂しい気持ちになるんです。

 私だってあの夢のような世界にいたい。

 ずっとその中で生きていたい。


 でも……私が映画の世界の中にいられるのは、映画を見ている時だけ。

 その世界との接点は映画館を出たら消えてしまうんです。


 だから私は映画と現実が交差する場所を探しに行きました。

 まぁ、いわゆる聖地巡礼ってやつですね。


 現実の世界に存在する映画のロケ地で写真をとってネットにアップすると、いいねが沢山もらえるんです。ポーズを真似したりとか工夫すると増えたりします。

 何より皆が、まるで映画の中にいるみたいだって言ってくれる。

 それが嬉しくて……色んな映画の、いろんなロケ地に行っては写真を撮って、ネットにアップしての繰り返し。

 気づいたら数百枚も写真を撮って、ちょっとした有名人になってました。


 でも……いくら頑張っても、登場人物に会えるわけでも、その世界の中に入れるわけでもない。

 私が映画と現実の交差点に立てるのはほんの一瞬だけなんです。


 他に何かいい方法がないか色々と模索しました。

 映画以外のメディアも楽しむことにしたんです。


 アニメや漫画などのサブカルチャー。

 流行のドラマに、サブスクリプション。

 もちろん、動画投稿サイトも見ました。


 でも……どれも私には退屈で。

 だってみんな全部、必ず終わりが来るんです。

 映画と同じでした。

 まぁ、当たり前のことだとは思うんですけど……。


 終わりのない物語を楽しみたい。

 一瞬だけ現実と交差する場所に立つだけでは満足できない。

 ずっと物語の中にいたい。


 そんな風に思っている私が、たどり着いた場所。

 それがここなんです。


 毎日のように多くの人が、いろんな物語を私に見せてくれる。

 物語の作り手は、一人一人が個性的で、一人一人が特別。

 憧れの人と直接やり取りまでできる。

 本当に夢のような場所です。


 そしてついに私も物語を作る側になりました。


 物語を作って皆に見せるようになってから、毎日が新しいことの連続で……。

 まるで私が映画の中にいるみたい。


 子供のころから願っていた夢がようやく叶いました。


 ここは私にとって特別な場所。

 物語と現実が交差する特異点。

 いつまでも夢を見せてくれる素敵な空間。






 私は……ここ(小説家になろう)が大好きです。

お読みいただき、ありがとうございました。

次が最後です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] めっちゃ素敵ですね! [一言] ほとんど最後まで「ホラーエンド」の可能性にドキドキしながら読んでましたが、感動エンドでした(*´ω`*)
[良い点] たしかにここは現実と虚構の交差するところかもしれませんね。 私も好きです。
[良い点] なるほど~。 この語りからどこに着地するのかと思ってたら、ここに着地してきましたね。 オチまで読んでから、もう一度最初から読み直すと、たしかに共感するところが多かったです♪
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