「意気込んでマウンドに上がった彼女が・・・」
・「意気込んでマウンドに上がった彼女が・・・」
意気込んでマウンドに上がった僕だが、
・・・つらい。
「またもファール!」
・・・・つらい。
「しつこい、ファール!」
・・・・・つらい。
「おっと、ファール、やっとのことで1番打者を打ち取るも、続く打者も粘ります。」
つらいというか、もはやイラっとする。
「徹底してファール、3番打者すらネバネバです。」
いい加減にし・・・
しまった、コントロールミス・・・
「出ました、失投を捕らえた先制ホームランです。」
結局初回のマウンドは、待球+僕が反省したばかりの狙ってファール作戦にしてやられた。
失点はソロホームランの1点だけだが、1番打者に11球、2番打者に12球、3番打者には7球粘られた後にホームランを浴び、4番の外国人は何とか3球で終わらせ、計33球を投げさせられた。
最初からファール狙いの1、2番は「屋上フォーク」をほとんど振ってくれず、そんな状況でフルカウントになれば、僕はへたにコントロールが自慢なだけに、明らかなボールを投げることはない。
結果として、球数は増え、それでも何とかスライダーとシュートを駆使して討ち取るも3番打者相手にプロ初の失投を投じてしまい、先制点を許すわ、疲れるわ、で踏んだりけったりとなる。
ルーキーにいきなり取ってくる作戦か?
と思うものの、そこは相手監督がチームDで歴代1位と言っていいレベルの名将である。
むしろ、これだけ徹底されたことは誇るべきだろうか。
しかし、負けるわけにはいかない。
「おっと、2打席目は力無い外野フライに倒れましたルーキー、いきなり33球投げたあとの打席は苦しいか?」
だけど、せっかくすぐに回ってきた2打席目も無駄にしてしまう。
「先輩、2回裏からのピッチングで、あれ、を解禁したいと思います。」
早すぎるとは思うけど、切り札を1枚切るべきだろう。
だって、このままだと、つらくて疲れる・・・