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「アニオタが転生してプロ野球選手だなんて」  作者: 北海の虎
2021年、1992年~2011年
14/15

「2戦目、鬼門の名古屋」

・「2戦目、鬼門の名古屋」


初戦でハードルを一気に上げて迎える2戦目の相手は、1週目の2011年優勝チーム、名古屋のチームDである。

すなわち、2週目の2011年でチームTを優勝へ導くためには一番重要となる相手である。

そうじゃなくても、アニオタ布教プロジェクトのためには宣言後の初試合は絶対に落としたくはない。

そういう意味では正直、例のメジャーリーガー(仮)がいない分、相手打線は初戦のチームYSより投げやすい。


むしろ心配なのは打撃面である。

裏ローテ同士の対決であるのは初戦と同じであり、相手の先発も1週目であれば微妙な成績で終わっていたはずの中堅選手だ。

しかし、守備と中継ぎがえげつない。

転生直前の2010年代後半こそ、中継ぎ王国といえば我がチームTのイメージだったが、2011年に関してはMVP右腕を初めとしてチームDの中盤力、終盤力はさすが優勝チーム(1週目)とのレベルだった。

つまり序盤で点を奪えないと苦しくなる。


そして一番の難関が、今日の試合はアウェイ、敵地だという点である。

それもただの敵地ではない、オカルト的な影響力を発する名古屋のドーム球場である。

2000年代以降、特にチームTは名古屋ではろくな事が無い。

チームDが弱体化していた年でも名古屋では何故か苦戦するし、おまけに2011年はチームDの最盛期である。

そんな不安要素を抱えた試合で最初に打席に立つのが、


「1回の表、打席に入る1番打者は前回同様に投手であるはずの鮮烈ルーキーとなります。」


僕なんだよね・・・。


「さあ、フルカウントになりました、ここまで1球も振っていないルーキー、どの球種を待っているのでしょうか?」


う~ん、慎重になりすぎてしまった。

相手投手の出来は、ストレートは140km前半、変化球も強烈な球は見当たらない。

しかしコースが微妙なところを突いてくる。

結果フルカウントになっているので、ボールになっている割合が多い。

だからこそ、つい見送ってしまう。

でも、さすがに次は、


「おっと今度もストライクかボールか微妙なスライダーですが、ルーキーがついにスイング、打った!!」


正直ボールと判定されたかもしれないが、見送り三振は嫌なので打つしかなかった。

そんな気持ちで打ったからか、単純にコースの問題か、打球は上がらなかった。

それでも本来ならヒットコースなのだが、


「ファインプレーだ、二塁から遊撃手に移っても名手は変わらず、ルーキーのヒットを一本奪いました。」


鉄壁の内野陣に阻まれてしまう。

あと数年すれば、一番怖い内野陣は広島のチームCに軍配が上がるのだろうが、この時はまだ名古屋が最大の鬼門である。

これでも、2009年までは別格でやばい二遊間だった二人が互いにポジション入れ替えコンバートを行った結果、少しグレードダウンしているはずなのである。

・・・いや、ダウンしてこれかよ、本当にヒットを1本損したよ。

まあ反省点としては、今みたいなコースは狙ってファールに出来る様な技術を身につけよう。


「さて味方の守備に助けられながら、チームDはピンチを切り抜けました。」


先輩方が塁を賑わせるも結局無得点、過去にこの球場の試合では何度もみた光景である。


「それでは注目のルーキー2戦目のピッチングです。」


そして、先に失点したほうが負けるぐらいの気持ちで、僕はマウンドに上がる。

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