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異世界トラブル  作者: 海路希望
4章~冒険者養成所編~
99/146

第90話(領主様の会合と勧誘)

難産の回でした。


今回はガネック伯爵からの勧誘をナミノ教官とイルマ達が受けるか受けないかの回になります。


では、異世界トラブルの続きをどうぞ!


前話を少し修正してます。


トゥル~、トゥル~


「ゴクンッ───う、美味しいッ!!」


「───俺、こんな美味しい料理食べたのは初めてだッ!!」


「美味しいッ!──って、おい!それは俺のだぞッ!?」


「何だよ、こんなにも大量に料理があるんだから別にいいだろ?」


「駄目だ!それは俺のだ!」


「バクバクバク──ゴクンッ!─────バクバクバク」


──ガチャガチャ、ワイワイ──


──ガチャガチャ、ワイワイ──


討伐隊の皆は領主様から御礼として用意された大量の料理を綺麗な音色の演奏を聴きながら食べていた。


討伐隊の皆は最初は緊張していたこともあって静かに食事をしていたが、ガネック伯爵が用意していた料理があまりにも美味しくて、感激したり、料理を取り合ったり、美味しさのあまり無言で食べている者などおもいっきり堪能していた。



「………すみませんガネック様。騒がしくしてしまって……」

(はぁ~~。あの馬鹿どもがっ………)


「ハハハッ!──かまわんよ、あの騒がしさは私からの御礼を喜んでくれている証拠だ。」

(自分の生徒以外の分も頭を下げるとは中々の人物。これは私的にはポイントが高い。やはりこの歓迎の席が終わったら………)



そんな料理を騒いで食べている討伐隊の皆にナミノ教官は頭を痛そうにしてガネック伯爵に謝罪するが、ガネック伯爵は内心そんなナミノ教官の評価を高め、その謝罪を笑って許す。


ガネック伯爵が気にしていない様子にナミノ教官はホッとし、そんなナミノ教官にガネック伯爵は更に笑い、パーティーは進む。



「(モグモグ───ゴックン!…………勧誘、領主様は何時、ナミノ教官や僕達や他の討伐隊の皆にするんだ?てっきりパーティーの最中に声を掛けると思っていたけどしてこないし、勧誘の話は兵士長の杞憂だった?………いや、部屋に入った時、領主様はナミノ教官のことをじっくり見ては実力を確かめるようにしていた。パーティーが終わるまで気を抜かないでおこう)」



そんな中、イルマは料理にこそ手はつけているが、頭の中では何時ガネック伯爵から勧誘を受けるかと警戒して、折角用意された美味しい料理を堪能出来ずであまり食べてはいなかった。



「パクパク、モグモグ……ゴックンッ!美味しいなこの料理ッ!!」



そんなイルマの様子とは反対にダンは用意された料理を思う存分に食べては堪能していた。



「………はぁ~~(ダン、ちょっとは警戒をしてよー。屋敷の前で注意したことがこの料理の美味しいのせいで忘れているよきっと)」


「おう?何だ、食べないのかイルマ?折角こんな美味しい料理が目の前に大量にあるのに手が止まってあまり食べてないぞ?」


「あのね、ダン。…………やっぱりいいや、ダンはそのまま料理を食べといて」


「???何だよ、イルマ」


「………ううん。何でもないよダン(ダンにはこのまま難しいことは考えさせずに料理を食べて貰って、勧誘のことは僕やメラ達で警戒しておこう)」



ダンの様子を見たイルマは、ダンには勧誘の警戒や対応についてを考えさせることを諦め、そのまま料理を食べ続けて貰うことにする。


ダンはそんなイルマの様子に頭を傾げるが、イルマの言葉に従い料理を食べることを優先するのであった。




◆◇◆


その後、暫くして討伐隊の皆は騒がしくしながら用意された料理を思う存分堪能する。



──う、うう、お腹が苦しい──


──り、料理が美味しくて、限界よりも食べ過ぎた──


──はぁ~~。だから、あれだけこれ以上は止めておけって言っただろうが……──


──馬鹿ね──


パーティーに用意された料理をおもいっきり堪能していた討伐隊の皆。


そしてその殆んどがあまりにも美味しかった料理を満腹以上にお腹の中に詰めたことで苦しそうな表情を浮かべていて、そんな食べ過ぎた者達のことを幾ら料理が美味しくても自分の限界をちゃんと見極めて制限していた者達からしてみれば、そんな自分のお腹の限界ぐらい見極めて食べろ、と食べ過ぎた者達のことを呆れていた。


そしてガネック伯爵が開いてくれたパーティーは大量にあった料理が無くなってきたと同時に終了が近づいてきた。



討伐隊の様子を見ていたガネック伯爵は、料理も殆んど無くなったこともありそろそろパーティーをお開きにしようと声を掛ける。



「ゴッホン。………あ~、随分堪能して頂けたようでなりよりだよ………」

(ホントに遠慮なく食べたな…………)


「………度々すみません。ガネック伯爵が折角開いてくださったパーティーなのにこんな醜態を晒して…………」

(コイツら………後で絞めてやる……)

──ギロッ!──


((((ッ!?))))

──ブルッ!ブルブルッ!!──


ガネック伯爵は内心、遠慮せずによく食べたなっと呆れもち感心し、ナミノ教官はそんなガネック伯爵に再び謝罪をしながら内心で今回の席で醜態を晒した者達を後で絞めてやることを誓い、醜態を晒した者達を睨む。


今回のパーティーで醜態を晒した者達は、ナミノ教官に睨まれてはお腹を苦しそうにしながらその身体をブルブルと震わせて怯える。



「……まぁーよい、よい。さっきも言った通り、それだけ皆が喜んでくれている証拠だ」

(まぁ、よいだろ。この様子なら私の感謝の気持ちもしっかり伝わったであろうしな)


((((ッ!!──ホッ))))


「ありがとうございます………」

(ガネック伯爵の広い心に感謝だな。もし、他の普通の貴族にこんな醜態を晒したら絶対全員が貴族を侮辱している!っと罰を受けることになってたな……後、ガネック伯爵が許してくれてホッとしている奴ら、ガネック伯爵が許してもこの俺は許していないからなッ!!)


((((──ッ!!?))))


ガネック伯爵はこれで今回の件の感謝の気持ちが伝わったであろうと、再度ナミノ教官の謝罪を受け入れ、そんなガネック伯爵にナミノ教官はガネック伯爵が心が広い貴族であることを内心で感謝しながらお礼を言いながら、ガネック伯爵が許してくれてホッとしている奴らに自分は許していないぞっと腹を立てていた。



「────では、これで今回チユルの町を襲った魔薬水ならび、様々な亜種がいたスライムの大軍と、Aランク(災害クラス)以上であろうスライムロードの討伐の感謝を伝える御礼の席であるパーティーは閉会にしようと思う」



ガネック伯爵が歓迎の席の閉会を告げると同時に、部屋中に響いていた綺麗な音色の演奏が止まる。



「「「「ガネック伯爵様!今回、パーティーを開いて招いて頂き、ありがとうございました!大変満足(満腹)しました!!」」」」


「(だろうな馬鹿野郎ッ!!)──ゴホッン。………ガネック伯爵様。お許し頂けましたが、今回のパーティーでは何度も何度も!醜態を晒してしまい、申し訳ありませんでした。そして今回は我々に対してパーティーを開いて頂き感謝しています」



パーティーの閉会を告げたガネック伯爵に、パーティーを堪能した討伐隊の皆(特に満腹以上に食べていた者達)はお礼を告げる。


ナミノ教官はそんな(満腹以上に料理を食べて醜態を晒した)者達にキレながら、ガネック伯爵にそのことを再再度謝罪しては自身もパーティーを開いて下さったことをガネック伯爵に感謝の言葉を伝える。


ガネック伯爵は皆の感謝の言葉を聞いては手を上げてその感謝の言葉を受け入れる。(醜態の謝罪の言葉には苦笑いでいたが)




その後討伐隊の皆はガネック伯爵に再度お礼を言っては部屋を退室する。


ナミノ教官とイルマ達もガネック伯爵に勧誘されまいと討伐隊の皆に混ざってお礼を言って部屋を退室しようとした際………



「ナミノ教官。それと、イルマ君達だったかな?君達はちょっと部屋に少し残ってくれないか?」

()


「ッ!(来たかッ!?)」



「「「「『ッ!(な、何だ!?)(此処に来て勧誘かっ!?)』」」」」



ガネック伯爵はナミノ教官やイルマ達を自分のお抱えとして勧誘すべく部屋に残るように呼び掛ける。


そしてガネック伯爵から部屋に残るように呼び掛けられたナミノ教官とイルマ達は、内心で「ついに来たかっ!?」と肩を揺らしてはその足を止める。



「ガネック伯爵様?」「どうされたのですか?教官やイルマ達が何か?」「わざわざ残す?何かあったのか?」「(………確かーガネック伯爵様って………)」


「ああ、ちょっと彼等と話をしておきたいことがあってな。直ぐに終わるが君達は帰ってもらってもかまわないよ」



ガネック伯爵がわざわざナミノ教官やイルマ達を残るよう呼び掛けたことに部屋を退室しようとしていた討伐隊の皆は、どうされたのか、教官やイルマ達が何かをしたのかとガネック伯爵に疑問を問いかける。一部、ガネック伯爵のことを知っていた者は何故彼等だけを部屋に残す理由を察っするが、相手は伯爵で領主様であり、別にナミノ教官やイルマ達がガネック伯爵に危害を加えられる訳でもないことからガネック伯爵の言葉に従って理由を察していない者を引き連れて部屋を退室する。



「…………ふむ。これで君達とゆっくり話が出来るようになったな」



ガネック伯爵は、ナミノ教官とイルマ達以外の討伐隊の皆が部屋を退室したのを確認した後、ナミノ教官とイルマ達の方に身体を振り向いては「では、何故君達に残ってもらったのかを話そう」っとナミノ教官とイルマ達に告げる。



「…………勧誘……」


「メラッ!………あーー」


「(メラッ!?………あちゃー、これで絶対にガネック伯爵から勧誘の話を聞かないといけなくなってしまったな)」


「………ふむ」


「あっ……」


メラがガネック伯爵が話の内容を言う前に緊張しては、ついガネック伯爵よりも先に勧誘の言葉を漏らしてしまう。


そんな自分の失言に「あっ」と、声を漏らすメラ。

そして、そんな自分の失言によってガネック伯爵から……


「知っておったか。何処からか私について話を聞いていたのかの?なら話は早い。その通り私は君達みたいな実力がある者達のことが好きだ。そして、そんな者達は自分の手元に置いて置きたいのだよ。──どうかね?」

──好待遇は約束するがね?──


ガネック伯爵はそんなメラの様子から、この場にいる者達が今から自分がしようとしていた勧誘の話を知っていると判断し、早速ナミノ教官とイルマ達に自分の元に来ないか?と好待遇を約束するという言葉を付け足して勧誘してくる。


そんなガネック伯爵にイルマ達はどう言って勧誘の断りの返事を返したら問題にならないか頭を悩ます。



「有り難い話ですが、私は御断りします」


「………ふむ。ちなみに理由を聞いても?」



イルマ達がどう言って勧誘の断りをしようと悩んでいるそんな中、ナミノ教官は即答でガネック伯爵の勧誘を断る。


ガネック伯爵は断るナミノ教官の言葉に怒ることなく、何故断るのか理由を尋ねる。



「私は……今の立場、優秀な冒険者を育てる養成所の教官という立場に不満がないのです。それに、今回の件での戦いの際で私は身体の限界が来てしまい、スライムロードと最後まで戦うことは出来ませんでした」


「そのことは報告で聞いたが、それは相手がスライムロード(Aランク以上)の魔物相手で、しかも君が奥の手を使ったことで身体が耐えれなかっただけなことであり、君の力は凄いことの事実は変わりない」


「それです。自分の奥の手を使いこなしてもいない私がガネック伯爵から勧誘を受ける事実に私が許せません?なので、今回は大変ガネック伯爵には失礼ですが勧誘を断わらして頂き、私は時間を掛けて自分の奥の手を使いこなそうと思っています」


「………君の意思は固そうだな。これ以上勧誘しても君は了承してくれなそうだし今回は引くとしよう。しかし、君が自分の奥の手を使いこなした際には再び声を掛けさせてもらおう」


「ありがとうございます」



ナミノ教官が自分の勧誘を断る理由を聞いたガネック伯爵は、勧誘を断るナミノ教官の意思が固く、自分も無理矢理勧誘するつもりが無いことから今回は引いて、ナミノ教官が自分の奥の手を使いこなした際に再び勧誘することにした。


イルマ達はナミノ教官のガネック伯爵から勧誘を断る理由とその想いを聞いてはその理由ならガネック伯爵に対して失礼にならないし、そんな想いを聞かされたら引くしかないなっと思うのであった。



「………では、君達は私の勧誘への返事はどうかね?」


ナミノ教官への勧誘を断られたガネック伯爵は次にイルマ達への勧誘を行う。ナミノ教官は自分の勧誘の話は終わってもう用は無いが、イルマ達がどうするか気になりその場に邪魔にならないように黙っていた。


「「「『…………』」」」


「………………」

──皆は僕がガネック伯爵から勧誘を受けるか受けないか最終的な判断を任せてくれるのか……


「決して君達が損する条件では無いことは私の名前で保証しよう。例えば、君達みたいに私が実力を認めて勧誘した者達との手合わせや装備も私の力で手に入れたり、お金も上級冒険者が稼ぐ位のお金を月毎に渡そう。勿論そのお金をどう使おうとも君達の自由だ。ただ、勿論その待遇を受ける代わりに多少私の要求を受けてもらうがね?」



ガネック伯爵に勧誘の返事を聞かれたイルマ達は、メラ達は黙って勧誘の返事をイルマに託す。


そのメラ達の様子を見たガネック伯爵は、イルマに勧誘を受けた場合の待遇のメリット、デメリットの詳しい説明を行う。


そしてガネック伯爵の言葉を聞いたイルマは、ガネック伯爵にもう少し詳しくデメリットについて質問を行う。



「………ガネック伯爵の勧誘を受けた場合のデメリットで、僕達が例えば1ヶ所の土地に拘束されることや、あるクエストを受けれないっといったデメリットは有りますか?それと、もし、僕達がガネック伯爵との契約を切りたいと思った場合はどうなのでしょう?」

(このデメリットがある場合はガネック伯爵の勧誘は断ろう。僕の目的を果たす為にも、今言ったデメリットがある場合は幾らガネック伯爵の勧誘を受けた場合のメリットが大きくても断った方がいい。)


「………君が言うことの懸念は最もだ。確かにそのようなことも「………もし、今僕が言ったことがある場合は勧誘は断わります。後、契約が切ることが出来ない場合も同様です」……ふむ。しかし、まだ冒険者にもなっていない君達には私の話はメリットが大きいと思うが……」


「それでもです。僕達にはしたい冒険や、果たしたい目的が有ります。なので、ガネック伯爵の勧誘のメリットが幾ら大きくても、そのことを遮ることになるなら申し訳ありませんが、今回の話は御断りします」


「…………………君達もそうかね?」


「「「俺も(私も)イルマの答え(想い)は同じです!」」」


『イルマさんの言う通りです!そんなデメリットがあるなら勧誘何か断ればいいのです!』


イルマの言葉にメラ達も賛同し、そんなイルマ達を見てはガネック伯爵はどうするか「う~む」と言って考え込む。

そして、イルマ達への考えを決めたガネック伯爵は再度イルマ達への勧誘の交渉を行う。


「なら、君達が冒険者としての行動を阻害しないことを条件ならどうかね?契約も簡単に切られるのは勘弁だが、話合いや定期的に更新する形なら問題ないと思うが……?」


「……イルマ。」


「………どうするの……?」


「………話の通りならデメリットはあまり無いと思う………ナミノ教官もいるから、契約を違える心配も少ない……」


『皆さん、イルマさんの判断なら文句言わないですよ!だからイルマさんがガネックさんの勧誘を受けるか受けないかを決めて下さい!』


メラ達からの言葉とガネック伯爵からのイルマ達への配慮された条件にイルマは勧誘を受けるか悩む。


そして



「…………ガネック伯爵様。僕達、ガネック伯爵様の勧誘は……………」




次回、イルマはガネック伯爵からの勧誘の返事は!?になります。


次回も今回と同じぐらいのスパンで投稿予定です。

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