第87話(【領域眼】について:戦いのその後……)
お待たせしました。
今回は、イルマの【領域眼】についてと戦いのその後についての話になります。
後、前話を修正と加筆しています。
では、異世界トラブルの続きをどうぞ!
スライムロードと12体のジェネラルスライムを倒したイルマ達。
これで漸くチユルの町中に発生した確認されている魔物の全てを討伐出来たと思い、討伐隊の皆とイルマ達は戦闘態勢を解きながら喜ぶ。
「大丈夫かよイルマ!?」「怪我はないの……!」「イルマ……」『やっぱり無理をしたんじゃ……』
疲れとスライムの討伐が終わったと思ったイルマは座り込んでいると、メラ達は自分達もヘロヘロながらもイルマを心配して駆け寄ってくる。
「大丈夫だよ~、ちょっと………大分疲れたけどね………」
そんなメラ達にイルマは手を横に振りながら無事をアピールする。
「……ならいいけどよー………イルマ、そんなに疲れたのはあの技能を使ったからか?」
「………やっぱり、分かる?」
「当たり前よ!いくらイルマ……アンタでも、スライムロードに加えて2体のジェネラルスライムを1人で、しかも同時に相手して無傷に倒すなんてあの技能を使わないと無理に決まってるじゃない……」
「………それにその証拠にかなりイルマは体力を消耗しているしね」
『なら未完成だけど強力な効果があるあの技能を使ったと想像出来ますよ!』
「………ハハハ、皆にはバレバレだね。そうだよ、あの未完成の技能………【領域眼】を使ってスライムロードとジェネラルスライムを同時に相手して倒したんだよ」
「「「やっぱり(な)(ね)!」」」 『そうだと思いました!』
自分達も討伐隊の救助があって自分の戦いを見ていなかった筈の仲間達が、それでも自分の様子と状況から戦いの時に使った力に気付いていることに、よく分かるな~っと苦笑するイルマ。
「………確か、その【|領域】なんだったっけ?その技能は未完成だったのに、イルマはよくそんな技能をスライムロード達との戦いに使う気になったな~~」
「【領域眼】よ!ダン……アンタ仲間の技の名前ぐらい覚えておきなさいよ……!」
「確か【領域眼】って………所謂世間でいう"魔眼"って言われる物みたいな技能で、発動時にイルマの眼に光った王冠が浮んでいた……」
「っ効果は覚えているぜ!確かある一定の領域なら死角でも見えるんだったよな?」
イルマの【領域眼】の技能の名前は忘れていたダンだが、効果は覚えていると言っているがそれでも【領域眼】効果の説明の最後に?で答える。そんなダンにメラはため息を吐きながらダンの【領域眼】効果の説明で足りない言葉を付け加える。
「はぁ~~、覚えているって言うなら何で確認してくるのよ………いい、ダン?アンタが言っていた効果の他にも【領域眼】には領域にいる物の動きや次の行動を把握したり、物や人の詳細を視る事が出来る効果があるってイルマが言ってたじゃない。しかも、イルマが固有技能の【開示】を他の感知系の技能を≪技能蓮華≫で統合することで戦闘用に自分の固有技能を改造してとんでもない技能を編み出したって、訓練している時にイルマが言ってきたのをあんだけ私達驚いて叫んでいたのに………それなのにダン、アンタ………それでも忘れていたの?」
メラがイルマの【領域眼】効果の続きと、イルマが訓練していた時に自分達に打ち明けた時の話を忘れたのかとダンに呆れながら言う。
「っあ、………そうだ、そうだったぜ!」
『ダンさん………はぁ~』
「………はぁ~~、ダンのアホ(なんでこんなダンが闘魔剣なんて物が編み出せたんだろ?………!アホ………だから?)」
仲間の技能の名前処か効果までしっかり覚えていないダンに皆はため息を吐いて呆れ、シーラにいたっては内心でもダンをアホ呼ばわりしていた。そんなシーラにダンは「なにお~~!」っと憤慨するが、「……何?」と強い眼差しで睨まれて自分がイルマの技能のことをしっかり覚えていなかったこともあり口を閉ざす。
「まぁまぁ(僕だけ戦闘用の固有技能が無いから、僕も欲しくて作ったことをとんでもないと言われると少し傷つくなぁ~)………でもこれでやっと、終わったよね?」
イルマは自分が技能を改造するというとんでもないことに気付かずにメラの言葉に傷つきながらも、これで戦いが終わったよね?っと皆に問いかける。
「っ!流石にいねえし、勘弁だぜ?それにもう俺達ヘロヘロだしな」
「そう、ね。……もう魔力も殆んど残っていなわよ」
「………回復アイテムは討伐隊の皆に渡したから残っていない」
『私も限界ですよ~~』
イルマ達は回復アイテムも残っていないことと、身体の限界もあってこれで戦闘はもう無理だと地面に座り込んでいた。
それは他の討伐隊の皆も一緒で、座り込んでいるイルマ達と同様に討伐隊の皆も地面に座り込んでは「終わりだよな?」「終わりじゃなくてももう無理!」「この後帰るのもしんど~い」と泣き言を漏らしていた。
そんなまだスライムの生き残りがいないかの安全確保と、その発生源の調査が終わっていないのにだらけている討伐隊の皆の様子を見ていた兵士長だったが、スライムロードとジェネラルスライム達に加え、大量のスライム達を討伐し続けていた討伐隊の体力は限界に近かったこともあって仕方ないことだと苦笑して見逃す。
そして、魔物の発生源の調査と魔物の生き残りがいないか確認するのは、体力や魔力の限界が近いイルマ達と討伐隊の皆ではなく、普段から厳しい鍛練をして比較的体力が残っていた兵士とその指揮する兵士長を残し、イルマ達や討伐隊の皆は養成所や兵舎に帰るのであった。
イルマ達と討伐隊の皆は、養成所や兵舎に帰っては解散して各自の家や養成所の寮の部屋に戻っては体力が尽きたように眠る。そして、その翌日にはチユルの町中にスライムの生き残りがいないか、発生源は何処かの調査をしている兵士長達の手伝いをするために回復力も普通ではなくて体力や魔力が回復したイルマ達と、まだ回復していないが立場上調査に参加しないといけない教官達等がチユルの町中に出ていた。
イルマ達や教官達がその調査に参加していることから分かるが、その調査の間は養成所にて授業を行う教官達がいないこともあり養成所の授業は休みになっていた。
その為、体力が回復した討伐隊に加え、討伐隊に参加していなかった養成所の生徒以外もその養成所の授業が休みなこともあり、イルマ達や教官達がチユルの町中を調査している間に、彼等の方は調査ではなくて魔物やその討伐の際にかなり壊してしまった町中の復興活動に出ていた。
そして、その復興活動は最終的にはチユルの町に住んでいる皆が全員で協力することで着実に進み、スライム達によって壊れたチユルの町は短期間の間で元の姿に戻っていくのであった。
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イルマ達や教官達と兵士等以外がチユルの町の復興活動している中、魔物の生き残りと発生源の調査は行われ、イルマ達と討伐隊の皆がチユルの町中に発生したスライム達の討伐が終わってから1週間後、討伐隊に参加した皆は兵舎に兵士長から呼び出される…………
「皆すまんな。復興活動や調査で疲れている中よく集まってくれた」
兵舎に集まった復興活動や調査で疲れているであろう討伐隊の皆に謝罪の言葉を伝える兵士長。
「大丈夫だ。俺達は体力が売りな現場の人間だからな!」
「…………兵士長。俺達を集めてどうしたんですか?」
「…………っまさか、もしかしてまた町中で何かあったんですか!?」
「いや、そうではない。今回皆をわざわざ集めたのは問題が発生したからではない」
兵士長に集められた討伐隊の皆は、兵士長に集められた理由を確認していく中、また何か問題が町中で発生したのかと思うがそれを兵士長が否定する。その事で問題が発生したのかと思った討伐隊の皆はホッとする。すると、今度は何故わざわざ呼び出されたのかと疑問に思い兵士長の言葉を待つ。
「………今回皆をわざわざ集めたのには幾つかの理由がある。1つは、町中の調査の結果でスライムどもの生き残りがいないことの報告だ」
「「「「オオッ!!」」」」
兵士長から調査の結果、スライム達の生き残りがいなかったという言葉に集まった討伐隊の皆は歓声の声を上げる。
「勿論この事は、この後に町の住民の安心の為にも町長の口から町の住民に直接伝えられる。そして、スライム達の発生源に関しては調査の結果、スライムロードが現れた付近の瓦礫の下から魔薬水が入っていたと思われる容器の破片が大量に見つかった。
恐らく、魔薬水を売っていた犯人が空いていた建物を勝手に使用して、そこに魔薬水の在庫を置いていてはその魔薬水が何か拍子で地面にばらまかれたことでスライム達が町中に発生したと予想される」
「「「「なるほど………」」」」
「ちなみにチユルの町全体を調査した結果、他から魔薬水は見つからなかった。そして、魔薬水を購入したと思われる人物は商人ギルドがみつけており、その購入した人物と魔薬水は取り押さえ済みだ」
「「「「なら、今回の事態は解決!?」」」」
「ああ。皆ご苦労様だったな。町の住民と皆のお陰でチユルの町の復興活動も殆んど完了していることもあるし………諸君!!今回のスライム討伐についてはこれで全て終了だ!!」
「「「「ッ!………ウァアアアッ!!ヨッシャーーッ!!!」」」」
討伐隊の皆は、兵士長からスライム討伐に関しての全て終了であることを聞いて喜びの雄叫びを上げていた。
「………ゴッホン!!あ、あーー他には、今回の事態解決に協力してくれた諸君に領主様が御礼のの席を設けて下さるとのことだ!」
「「「「っ領主様がッ!?」」」」
「ああ。チユルの町以外にもこの辺りを治めている領主様だが、今回の事態を報告した際には町中に魔物が出たことに険しい表情をしていたが、まさかスライムロードまでも出現しているとは思っていなくて驚きを隠せない様子でな、そしてそのスライムロード達を倒してチユルの町だけではなくこの辺り一帯の安全を守った諸君に感謝の気持ちを抱いて御礼だとのことだ」
「俺達平民が貴族である領主様から御礼ッ!?」
「領主様直々の御礼ッ!?すげぇーーッ!!」
「「いや、領主様からの御礼の席何て緊張する……」」
領主様直々の御礼の席を設けられることに驚いた討伐隊の皆は、喜びや、感動、緊張等様々な様子を見せていた。
兵士長は討伐隊の皆に伝えることは伝えたので、領主様からの御礼の席の話からざわざわし始めた討伐隊の皆にその席の詳しい話は部下の兵士から聞くようにと言って解散させるのであった。
次回、遅くても25日中には投稿します。