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異世界トラブル  作者: 海路希望
4章~冒険者養成所編~
93/146

第84話( メリット・デメリット………スライムロードのステータス)

遅くなりました。


最近忙しくて執筆時間が中々取れなかったのですがやっと書けました!!


では、異世界トラブルの続きをどうぞ!




「ハァアアアアッ!!……………スライムロード。今から放つ技で勝負を決めさせてもらう」


「俺の最強の"技"をなッ!!」



ナミノ教官は循環術の奥義【心闘衣生成】の高めた力を身体全体に【心闘衣】をある程度残してそれ以外をドンドン自分の剣に一点に集中させて放出していき、その放出した力を魔質変換を行うことで雷に変換させた。



パチッ!パチッパチッ……………バチバチバチバチーーッ!!!


「…………≪バチッ!≫……"雷牙"……≪バチッ!≫…………"闘剣"ッ!!………」


バチッ!バチッ!バチッ!バチッーー!!!



ナミノ教官は、嘗てはその力のコントロールを誤り、自分の身体を壊して冒険者を引退させた奥の手をスライム500体分の集合体のスライムロードを倒す為に発動させる。


そのナミノ教官の奥の手を見ていた討伐隊の皆は「何だあれッ!」「凄まじい力だ!!」「これならいけるッ!」「流石元Aランク冒険者だ!」っとナミノ教官が発している力の凄まじさにこれならスライムロードを倒せると喜んでいた。


しかし、イルマ達は逆にナミノ教官の身体の心配をしていた。

イルマ達は約3年間ナミノ教官の指導を受けてきたのだ。

制限もあったし、全力ではないもの2度の手合わせもナミノ教官としたこともある。その経験から今ナミノ教官が発している力は自分の実力以上の力を感じていた。

その為、イルマ達4人ともナミノ教官の身体の心配をしていた。



「ナミノ教官………」


「イルマ………あれ……あのナミノ教官が発動させた技の力ってヤバイんじゃないのか?」


「そうよ!あの技の力は、明らかにナミノ教官の実力以上の物を感じるわ!イルマが前、私達に言ってたじゃない、何事もメリットとデメリットがあって、メリットが大きく見える物には見えなくてもそれ相応のデメリットもあるって。……ナミノ教官のあの技に感じる力からそれ相応のデメリットが有るじゃないの?」


「………イルマ」


『皆さんが言う通り、教官さんが発している力は自分の実力以上の力を出していて危険です!』


「…………………………」



イルマは、メラ達からの言葉に何も返事をせずにナミノ教官の方をじっと見る。


(……………確かにメラ達の言う通りだ。ナミノ教官のあの技からはナミノ教官の実力以上の力を感じる。なら、あれにはそれ相応の代償が有る筈だ。でも………………)


メラ達の言葉通り、ナミノ教官の方を見ていたイルマ達の視界には、「グッッ……!」と自分の力に顔を歪めているナミノ教官がいた。それを見たメラ達は「苦しそうだぜッ!?」「やっぱりデメリットが有るのよ!!」「……止めるべき」『まさか力のコントロールがッ!?』とナミノ教官の身体を心配して戦闘の間に入ろうとするが「待って!!」とイルマがメラ達が戦闘の間に入ろうとするのを止める。



「待って、皆。今ナミノ教官を止めたら駄目だ」


「何でだよ!」「そうよ!ナミノ教官苦しそうだわ!」「……何で止めるの?」


「確かにナミノ教官が苦しそうにしているけど、今から止めるのは駄目だ!あれだけの力を発動している時に無理に止めたら力の暴走を誘発させる可能性があって逆に危険だ!」


「ッ!?………ッチッ!」「そ、それは……そうだけど……」「……止めるのはもう無理?…」『確かに今止めたら力が暴走するかもしれませんけど……』


「今止めた方が危険だから、止めるのはあの技の力を消耗して弱まらないと………それに、ナミノ教官も自分が使う技のデメリット位は承知している筈だよ」


「その通りだ」


「「「「『!ッ兵士長!?』」」」」



イルマ達がナミノ教官のことを話していたら兵士長が話しに入ってきた。



「君たちが予想しているようにあの技には大きいデメリットがある。昔ナミノ教官が冒険者の現役を引退した原因はあの技だ」


「なら何で最初からそれを使うのを止めないのよッ!?」


兵士長はメラの言葉に一瞬苦い表情をするが、直ぐにそれを消してメラの言葉に答える。


「………スライムロードを倒す為にはあの技が必要だからだ」


「それでも!!」


「だからナミノ教官には短時間限定で許可した。だが、ナミノ教官はあの技のデメリットを自身でも承知していることから、最初は循環術の奥義である【心闘衣生成】を発動してはスライムロードとの戦闘をしていたが、それではスライムロードの強さから身体の限界が来るまで終わらすことが難しいと判断したんだろ。その為、あの技を今発動させた。」


「………兵士長の言うことは分かりました。スライムロードを倒す為に必要なことやナミノ教官本人が承知でやっているなら僕らは何も言えません。でも、1つだけ聞いていいですか?」


「何だ?」


「ナミノ教官が使っているあの技とそのデメリットについて教えてください。ナミノ教官が今使っている技のことを兵士長は知っているのでしょ?もし、ナミノ教官を止める必要が出てきた時、そのことを知っているのと知らないとでは止めるタイミングを間違えてしまうかもしれないから教えてください!」


「ああ、そうだな。ナミノ教官が使っているあの技は────」



イルマからナミノ教官が今使っている技のことやデメリットについて教えてくださいと頼まれた兵士長は、イルマ達にナミノ教官の奥の手について話し出す。



雷牙闘剣(らいがとうけん)


循環術の奥義を使ってもジリ貧や自分の身体の限界が来るまでには倒せないと思ったナミノ教官が、スライムロードを倒す為に発動させた奥の手だ。


その奥の手とは、戦闘力を維持させる為と技を敵に当てることや技の反動を耐える為にある程度身体に循環術の奥義である【心闘衣】を残し、それ以外の力を剣に一点集中させ、剣に一点集中させた力を放出、魔質変換を行うというナミノ教官が循環術の応用技とその奥義をミックスさせて生み出したとんでもない技だ。


だが、循環術の全ての応用技とその奥義をミックスさせてとんでもない力を生むこの技には昔ナミノ教官が身体を壊す羽目になった通りそれ相応のデメリットもあった。


◆◇◆


1つ目は、循環術の応用技と奥義を同時に発動させるという超高等技術に力のコントロールに集中力が殆ど奪われるので魔法の使用や技能(スキル)の使用が力のコントロールを磨いた今のナミノ教官の技量でも難しいこと。


2つ目は、力の大部分が剣に一点集中するために身体の防御力が低下し、しかも一点集中させる力の量を間違えれば技の反動や魔質変換した魔力が自分の身体にダメージを与える。


3つ目は、1つ目と2つ目のデメリットが技の発動中は常時付きまとい、その上力のコントロールに意識を割かないといけないので、技の発動中は複雑なことを考えるのは難しいこと。


◆◇◆



と、"魔法や技能の使用不可"、"防御力低下や自爆の危険性"、"思考力の低下"等といった致命的なデメリットであり、普通なら文句無しの欠陥技である。


しかし・・・!


このデメリットに目を瞑るだけのメリットも有るから奥の手でもあるのだ。


そのメリットは単純。


「圧倒的な攻撃力の増加」これに尽きる。

その圧倒的な攻撃力の増加は、例えば力のコントロールや循環術の奥義と応用技が使える体でだが、もしナミノ教官が使っているあの【雷牙闘剣】を魔質変換の属性は違えど普通の子供が使えれば、その攻撃力はCランクの魔物を一撃で倒すことが出来る威力まで攻撃力が増加する程だ。


だからこそナミノ教官は、ここまでデメリットがある欠陥技を編み出した時から奥の手として採用しており、冒険者の現役の時にその奥の手を格上の相手と戦闘の際等で使用していた。



兵士長はナミノ教官の奥の手【雷牙闘剣】、その技について自分が知っていることをイルマ達に教える。


イルマ達は、兵士長から【雷牙闘剣】のデメリットを聞いた最初は、その余りにも酷いデメリットに驚いて何でそんな欠陥技を奥の手にしたんだと思っていたが、その後にそのメリットのデカさに納得する。



「(………ナミノ教官の奥の手は、完全に格上殺しの技だ。冒険者をやっていたら格上と遭遇したら基本撤退だけど、撤退出来ない場合もある。だからナミノ教官は、そんな格上相手でも一撃さえ当たれば倒すことが出来るこの技を編み出して奥の手にしたのか)」



イルマは兵士長から【雷牙闘剣】の話を聞いた後に、何でナミノ教官がこの技を編み出しては自分の奥の手にしたのかを理解する。


そして、イルマ達がナミノ教官の奥の手である【雷牙闘剣】について話を聞き終わった頃、ナミノ教官が【雷牙闘剣】を発動させた状態でスライムロードに突撃していく。



バチッ!バチッ!バチーーッ!!


ドーーーンッ!!


「「「「『速いッ!?』」」」」


「!ーー速い!!!」


イルマ達と兵士長は、ナミノ教官の動きの早さに目を見開く。


ドォーーンッ!ドォーーンッ!ドォーーンッ!



「うわぁーー!?」「し、衝撃が此処まで来た!?」「なっ何だあの速さは!?」


ガヤガヤガヤー


ナミノ教官の奥の手を発動させたその余りにも速い動きに、ナミノ教官がスライムロードに突撃していく度に衝撃が発生し、その衝撃は討伐隊の皆の所まで届く。


バチッ!バチッ!バチッ!


ドォーーンッ!ドォーーンッ!


周りがナミノ教官の攻撃の衝撃や速さに驚愕している中、ナミノ教官は自分の攻撃を何度もスライムロードぶつけていく。


しかし、


「────ッ………クソッタレッ!!はぁはぁはぁ、何で当たっても効かねぇッ!?」


ナミノ教官は、何度も【雷牙闘剣】を当てても効かないスライムロードに悪態を吐く。



「おい、あっあれって……」


「そ、そんな──ッ!?」


「ま、まさか!?あれだけの攻撃の威力を当てても効果が無い何てどういうことだッ!?」


「お、おいイルマ、何でナミノ教官の【雷牙闘剣】がスライムロードに効かねぇんだよ!?」


「ナミノ教官の攻撃は確実にスライムロードの魔力の守り処か身体の硬さを破っているのにどうして!?」


「ば、馬鹿な…………何故効かない?」



そのナミノ教官の【雷牙闘剣】がスライムロードに当たっても効かないことに、討伐隊の皆は恐れを抱き、ダンにメラはダメージが見られないことに騒ぎ、特にナミノ教官のあの奥の手の力を知っていた兵士長は驚きを隠せず信じられない様子だ。


ナミノ教官や他の討伐隊の皆がスライムロードにナミノ教官の攻撃が効かないことに驚いていた時、シーラがイルマにスライムロードのステータスを視たか確認してくる。



「(………イルマ。スライムロードのステータスを視た?もしまだスライムロードのステータスを視てなかったら視て。スライムロードのステータスにナミノ教官の攻撃が効かない理由がない?)」


「(!分かった。本当は視たかったけど、中々視る機会が無かったからまだスライムロードのステータスは視てなかったけど……確かにスライムロードのステータスにナミノ教官の攻撃が効かない理由が有るかもしれない………ありがとうシーラ。───固有技能【開示2】発動ッ!!)」



イルマは自分の固有技能【開示2】を発動してはスライムロードのステータスを視ていく。そして、スライムロードのステータスを視てはナミノ教官の攻撃が効かなかった理由を探る。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


《スライム・ロード》ースライムの王ー


レベル55


技能≪吸収≫≪消化(極)≫≪悪食≫≪眷族支配≫≪亜空間≫


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



(もっとだ!【開示2】!もっと詳しくだ!)



イルマはスライムロードのステータスの詳細を知るために自分の固有技能【開示2】を全力で発動させる。


ブッ、ブゥーーン!!!


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


《スライムロード》ースライムの王ー


レベル55


技能

≪吸収≫……吸収した物の力や性質などを身体に反映させる。

※スライムロードは、誕生した時に集まったスライムの亜種の力や性質はこの技能で反映されている。


≪消化(極)≫……物を食べれるように消化したり、食べた物の消化スピードの上げる。≪消化(極)≫だと魔力など固形物でもなくても消化して食べることが出来るようになる。

※敵の魔法攻撃等の魔力を消化したりに使うことも出来るが、消化出来る量は自分の身体に触れている時間に応じて変わる。


≪悪食≫……食べれる物以外の物を食べても耐えれるようになる。

※現在戦闘中の為、未使用。


≪眷族支配≫……自分の眷族のみ支配出来る。

※現在眷族がいない為、未使用。


≪亜空間≫……魔法の亜空間とは違い、身体や物を亜空間内に取り込む技能。※スライムロードは、500体分のスライムの身体の集まりで大きくなった身体の殆どをこの中にしまっており、現実空間に出ている姿はこの亜空間から出している本体部分。攻撃を喰らうと亜空間から自分の身体を取り出しては回復する。(現在亜空間内にあるスライムロードの身体は全体の5%程)


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



(ッ!?─そうかッ!!ナミノ教官の攻撃がスライムロードに効いていない訳じゃないんだ!実際にはスライムロードの残りの予備HPを殆ど削っている位効いているけど、技能≪消化(極)≫でダメージを減らしたり、技能≪亜空間≫からダメージを喰らう度に自分の身体を取り出して回復していたから、見た目が変わっていないから効いていないように見えたんだ!!………なら、この事実を早くナミノ教官に知らせないと……)



スライムロードのステータスを視たイルマは、シーラやメラとダンにこの事を簡潔に伝え、自分の奥の手が効いていないと焦る戦闘中のナミノ教官に知らせようとするが───



「≪ガクンッ!≫クッ!?──はぁはぁ、クソがッ!!もう身体の限界だとッ!?」


≪?ピギィッ!!ピギィッ!ピギィッ!!≫



イルマがナミノ教官にスライムロードの残りHPが殆ど残ってないことを知らせようとした時、ナミノ教官の身体の限界が来てしまった!

まだスライムロードを倒せていないのに、もう自分の身体の限界が来て、膝が地面に着いて立ち上がれないことにナミノ教官は焦燥感に駆られる。


そして、そのことを確認したスライムロードは、自分に何度も強烈な攻撃を加え、≪亜空間≫に仕舞っていた自分の身体の殆どを消耗させたナミノ教官にやっと反撃が出来ると喜びの声を上げてナミノ教官に突撃していく。


「(はぁはぁ………討伐隊の戦力だと、俺がスライムロードに負けたらイルマ達、俺の生徒にこのスライムロードの相手をさせてしまう──クッソたれッ!しっかりしやがれ俺ッ!!俺の生徒に心に傷をつけたスライムどもの王に負けてもいいのかッ!)



身体の限界が来たことを感じたナミノ教官だが、自分がスライムロードに負けたら後は、討伐隊の戦力的にイルマ達がこのスライムロードと戦わないといけないこと、イルマ達の心に傷をつけたスライムども王に負けてもいいのかと心の中で叫び、自分を奮い立たそうとする。


しかし、ナミノ教官の身体が何とか動かそうとする前にスライムロードの突撃がナミノ教官にぶつかる───


ガッーーーーーン!!


「「「「させるか(ないわ)ッ!!」」」」


バンッー!!!≪ピギィーー!?≫ドンッ!!


ザッザッザッザーーー


≪ピギィッ?ピギィピギィビギィーー!!≫


ナミノ教官を倒そうと突撃した所をある4人組に邪魔されたスライムロードは、突撃を邪魔されてナミノ教官から離れた位置に着地後、邪魔してきた4人組に向かって怒りの声を上げる。



「お、お前ら…………」


「大丈夫です。後は任して下さいナミノ教官」


「≪そうだぜ教官。後は俺達でアイツをブッ飛ばす!!」


「そうよ!ボコボコのギタギタにしてヤるんだからッ!!」


「……………お前のステータスは分かったの。……だから体力は残り少ないのと攻撃が効いていないように見える理由は分かっているの………なら私達は負けないわ」



ナミノ教官のピンチを救ったのは後方から飛び出して来たイルマ達だった。ナミノ教官を救ったイルマ達は、ナミノ教官に後は任してと言ったり、スライムロードを挑発したり、スライムロードに負けない宣言したりしてスライムロードとナミノ教官の間に立つ。


そして・・・



「「「「スライムロードーッ!!後は僕(俺)(私)達が相手だッ!!」」」」


≪ピギィーーーーーッ!!≫

次回の投稿は、遅くても明後日中迄に書けるよう努力します!


新作ですが、2月中には出すのでもう少し時間を下さい!!

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