第81話(スライム討伐作戦・中編)
すいません!!昨日の内に投稿が間に合いませんでした!!申し訳ない!!
では!今書き終えたばかりのスライム討伐作戦・中編をどうぞ!!
「へ、兵士長ッ!!こ、この建物の中に!じ、ジェネラルスライムが複数体、か、確認出来ますッ!?」
「何だとッ!?」
「「「「ッ!!?」」」」
・・・・
「………で、あの建物内に何体のジェネラルスライムが確認出来たのだ……?」
「…………最低でも4体は私にはジェネラルスライムの存在を確認しました………」
「…………4体か…………不味いな」
「………確かに不味いな。……ジェネラルスライムが4体、それも最低でも4体だけで、もしかしたらこの建物の奥にはそれ以上の数のジェネラルスライムがいるかもしれないって訳か……」
ジェネラルスライムが複数体いる驚愕の事実を確認した討伐隊は、一度討伐の打ち合わせをする為に、古びた建物から距離を離した。
どうやら古びた建物の中には、結界で閉じ込めている間にスライムが増殖して、増殖したスライムの内の最低でも4体のスライムが上位種であるジェネラルスライムに進化したようだ。
その事実に討伐隊のメンバーの一部の人間は、その事実にあの古びた建物の中に侵入することに及び腰になってしまう。
そんな中、ジェネラルスライムの存在を確認した者が他にも何かを言いたげな様子でいるのを兵士長は気付く。
そして、兵士長はその者に視線を向けて話すように声を掛ける。
「………それと何ですが……」
「……何だ?言ってみろ。ジェネラルスライムが複数体いる以外に何か他にも確認出来たことがあったのか?」
「………はい。………そのジェネラルスライムの周りに複数のスライムがいて、更にジェネラルスライムの奥にも様々なスライムがそれも夥しい数………最低でも500体が集まっていたのです……」
「ご、500だと~~ッ!!」
「は、はいぃぃぃッ!!し、ししかも、そのスライム達をまるでジェネラルスライム達が護衛しているような形でいるのですッ!!」
複数のジェネラルスライム以外に最低でも500体という想像以上の様々なスライムの存在に驚愕の声を上げる兵士長。建物の中の様子を確認した者は、その兵士長の声に腰を引けながらも更にジェネラルスライムがその500体のスライム達をまるで護衛しているみたいな配置でいたことを追加報告をする。
「何だと?………ジェネラルスライム達が護衛?…………どういうことだ?」
兵士長は、建物の中を調べた者からの報告を聞いては、そのスライム達の状況が何を意味しているのかと口を閉ざして考え込む。
暫く1人で考え込んでいた兵士長だが答えは出ず、この中でも魔物に詳しい養成所の教官達にこのスライム達の状況について尋ねることにした。
「養成所の教官達の誰かは、このスライム達の状況について何を意味しているのか知っている者はおらんのか?」
「ジェネラルスライム達が同族の護衛をしている意味ですか?しかも、そんな数の様々なスライムが集まっている意味なんて………そんなこと、私には初めてのケースで知りませんよ………」
「………私もです。そもそもジェネラルスライムが出現するケース事態が珍しくて、そのジェネラルスライムが複数体出現し、そこに500体の様々なスライムの亜種が集まるケースは経験や聞いたことも無いですよ……」
「……私もですよ。………ナミノ教官は何か分かりますか?」
兵士長から答えを知らないかと話を振られた教官達だったが、今回の大量のスライム出現や亜種、ジェネラルスライムというスライムの上位種が複数体現れる状況は相当珍しくて聞いたことも経験したことも無いこともあり、今の状況が何を意味しているのか分からない様子だ。
そして、兵士長から質問された教官達はナミノ教官にもこの状況の意味を知らないかと尋ねる。
「…………俺もこんなケースは、経験や聞いたこともないが………それでも予想出来ることが………1つだけある」
「………ナミノ教官。…………その予想は何のかね?」
ナミノ教官の言い方に兵士長は嫌な予感を覚えながらもナミノ教官の予想について尋ねる。
「………今の状況は、夥しい数の様々なスライムがジェネラルスライムの奥に集まって固まっている。そしてそのスライム達をジェネラルスライム達が護衛している。そもそもジェネラルスライムは大量のスライムの群れのリーダーとして発生するのに、それなのに今の状況はそのスライム達のリーダーであるジェネラルスライムが同族の護衛をしている。今の状況は普通に考えたらおかしい」
「だからどうなっているのかと疑問に思っているんじゃないですか!!」
「落ち着け。………分からないのか?群れのリーダーであるジェネラルスライムだが、そんなジェネラルスライムが護衛するような存在が1つだけ有るだろ?」
「………まっまさかッ!?」
「……ッ!?ナミノ教官。それは………」
ナミノ教官の説明にあることを察した教官達や兵士長、それとこの話を聞いていた周りの討伐隊の皆もナミノ教官の予想が想像が出来て息を呑む。
「………そうだ。今の状況から予想されることは1つ。ジェネラルスライムが守護する存在でありスライムの最終進化系であるスライム達の王"スライムロード"の誕生だ。…………………今のジェネラルスライムが同族を護衛しているのは自分達の王の誕生を守る為であり、……時が来たらおそらくジェネラルスライムの奥にいるスライム達が進化して誕生するのが俺の予想だ……………」
「「「「ッ!!?」」」」
「「「「「「「ッ!!!!????」」」」」」」
「し、証拠!?そ、そうだ、証拠は、そっその証拠は有るのですかッ!!?」
「そ、そうです!!"スライムロード"が誕生するなんて信じれないッ!?」
「俺の予想って言っただろうがぁ。証拠なんてある訳ないだろう。それに俺だってスライムロードが誕生する瞬間なんて聞いたことも経験したこともないし、そもそも今までスライムロードの存在が確認されたのは既にその存在が出現してからになるんだからな。」
「っだったら………」
「だがな?俺の予想って言ったが、おそらく正しいと思うぜ?スライムロードがスライム達の王って存在で、夥しい数の様々な亜種のスライム達が集まっている今の状況がスライムロードの発生条件なら、しかもジェネラルスライムがそれを護衛しているのがスライムロードが誕生する何よりの証拠になると俺は考える」
「ッ!?」
「そ、そんな……………」
「……………………………」
ーーう、嘘だろ?
ーーす、スライム達の王、スライムロード?
ーー今からあそこでスライムロードが誕生するって言うのかッ!?
ーースライムロードなんて討伐出来るのかッ!?ジェネラルスライムでも魔物ランクはBランクはあるんだぞッ!?スライムロードなんて一体どれだけのランクになるんだよッ!!
ーージェネラルスライムよりも高位の魔物だから最低でもAランク以上は確実にあるぞッ!?
ーーむ、無理だッ!?ジェネラルスライムや他の最低でも500体の亜種のスライムの相手に加えて、Aランク以上のスライムロードの相手なんて討伐するのは無理だッ!?
ナミノ教官の予想の答えに、しっかりと理由を説明されて誰もその予想の答えを否定が出来ず、討伐隊の中ではスライムロードの存在によって、そのスライムロードの脅威にパニックが起きてしまう。
そして、討伐隊の中でパニックが起きているのは不味いと感じた者達が、パニックを起こしている者達を何とか諌めようとするが中々収まらず、スライム討伐隊はスライムロードと戦う前から戦闘が困難の状況に陥る。
ーーお、俺はにっ逃げるッ!?スライムロードなんか化け物相手に勝てる訳がねぇッ!?
ーーお、おっ俺もだッ!!
ーー落ち着けお前らッ!?
ーーそうだッ!!町中に発生しているんだぞッ!?何処に逃げるっていうだ!!
ーーチユルの町を見捨てるのかッ!?
ーーお前らッ!!俺達が逃げてどうするッ!
ーーそうだッ!!私達は町の平和の為にも、自分達の家族を守る為にも逃げることは許されないのだぞッ!!それにまだ私達が勝てないと決まっている訳では無いぞ?まだ私達にはこの場にいるこれだけの戦力がいるんだぞ?
ーーな、ナミノ教官……それに兵士長……で、でも………
ーーか、家族………それでも……スライムロードやそんな大量のスライム達と戦うのは………
パニックは収まらず、しまいにはスライム討伐から逃げ出そうとする者達も現れ、そんな者達を他の討伐隊の者がチユルの町や町の住民を救う為に必死に引き止める。
ナミノ教官や兵士長も逃げ出そうとする者達に一緒になって声を掛けるが、それでも特にスライムロードの脅威の方が勝って説得の効果が余りみられずにいた。
(……………駄目だ。逃げようとする奴とそれを止めようとして、もうスライムロード処か今いるジェネラルスライムも倒せる状況じゃねぇぞ!!)
(━━どうすれば、どうすればいいのッ!?このままだとまた、また人を救えないッ!!)
(…………このままなら前みたいに………いや、それどころかそれ以上に人が死んでしまう……………それは嫌ッ!!)
『(こんなのどうすればいいんですかッ!?)』
(…………………………っ)
ーーこのままなら不味い!?特にスライムロードの脅威が強く感じ過ぎてパニックを引き起こしている!!そのせいで逃げようとしている人達の心が町や町の人の安全よりも自分達の命の方を優先してしまっているんだ!!くっそーーッ!!~~この状況を解決する方法は無いのか!?………何か…………何か無いのか!?………………っ!?ーーーこれなら?これならいけるか?で、でも、これを言うのは僕だけの判断で決めていいことじゃない。………皆はこの事を話すのを許してくれるか?…………どうする?この事を話すのは皆の心に負担をかけるけど……この状況を何とかするには、僕がこの状況を解決する方法はこれしか無い!!っ皆許してくれ!!
イルマ達もこの状況に危機感を抱き、この状況を何とかしないとまた人が死んでしまう処か、今度は町の多くの人が死んでしまうと焦りながら解決しようと頭を悩ます。そんな中イルマも同じことに頭を悩ましていたが、その時1つの解決方法を思いつくが、その方法を使うには、皆の心に負担をかけることになるので心の中で許してくれと皆に謝りながらも声を掛ける。
(…………………………………皆、少しいいかな?)
(アァァァア~~ッ!!どうしたらッーーあ?何だイルマ?こんな時に………)
(???)
(…………何イルマ?)
『(何ですかイルマさん?何か良いことを思いついたのですか!?)』
(何ッ!?そうなのかイルマッ!!)
(そうなのイルマッ!?なら早くその方法を教えてッ!!)
(うん!………じゃないと……また、また私達……人を、人を助けれないッ!!)
(…………………っ…(ゴメン……))
『(………どうしたんですかイルマさん?)』
(…………実は…………っ)
そして、イルマはメラ達に自分が今からしようと考えたことを話す。
(━━━━━━━━という訳何だけど………皆はそれでもいい?)
(((『………………っ………ッ!!!』)))
(ッ!?━━━━っそうか。いいんだね?…………ならいくよ)
考えを話終えたイルマは皆の様子を窺うとメラ達は堪えるように表情を歪めた後、決心して全員がイルマの顔を見詰め返す。そんなメラ達の様子にイルマも覚悟を決めて行動に移そうとする。
そんなイルマ達が何かを覚悟して行動に移そうとしている中、再度逃げようとする者達に説得を続けるが、逃げようとする者達の心にはスライムロードの脅威が強く感じ過ぎて響いておらず、どうすればいいのか、こんなことをしている内にスライムロードが本当に誕生してしまう!?っとナミノ教官や兵士長等事態を冷静に考えていた者達も気持ちが焦ってくる。
「(クッソーーッ!!こうなったら俺達だけでも戦うか!?………チッ!駄目だそれじゃ戦力が足りねぇぞッ!ーーどうコイツらを説得したらいいんだ!?)」
「(………不味いッ!このままなら本当にスライムロードが誕生してしまう。しかし、だからっといって逃げようとする者達を無視したら戦力が足りなくなってそれはそれで不味い。恐怖や命令で引き止めるのは容易いが……駄目だな。そんなことをして、もしスライムロードが誕生したらその時に逃げ出すだけだ)」
ナミノ教官や兵士長は、このままなら不味いと思うが、逃げようとする者達の戦意を取り戻す上手い説得や方法が思いつかずに途方に暮れていた。
そして、そんな時ナミノ教官が知っている人物達の声が辺りに響く。
「皆さぁーーんッ!!どうか!どうか僕達の話を、話を聞いてくださーーーいッ!!」
「そうだぜ!!皆俺達の声を耳に傾けてくれよぉーーッ!!」
「ーーーっそうよッ!!話ぐらい聞いてよぉーー!!」
「………お願いッ!!」
「ッ!?…………(この声はイルマ達か?)」
ーーな、何だ?
ーー話?こんな時に何を聞けっていうんだ?
ーーお、おい?あんなガキの話を聞いている場合かよ!?は、早く、早くこの町から逃げないと………
ーーあ、ああ。でっでも、少しぐらいなら……
ーーそ、そうだな………あんな子供が、あんなに必死に頼んでいるだ。にっ逃げるのは少しぐらい話を聞いてからでも遅くないんじゃないか?
ーーく~~っ!!す、少しだけッ!!少しだけだからなッ!!少し話を聞いたら俺は逃げるからな!!
ーーお、俺も、俺も少しだけ話を聞いてからに……
イルマ達の必死の呼び掛けは逃げようとする者達の心に響き、逃げようとしていた者達はイルマ達の話を少しだけなら聞いてみようと思ってくれる。
そして、逃げようとしていた者達がイルマ達の話を聞こうとして逃げるのを一旦止めたことで、それを止めようとしていた者達も動きや引き止める声を止め、逃げようとしていた者達の行動を止めたイルマ達の方を向く。
その結果、その場にいる討伐隊の全員はイルマ達の話を聞くように静かになり、全員がイルマ達に視線を向けて話始めるのを待つ。
「…………聞いてください。今から話すのは…………僕達が今回経験したことです……」
次回で、スライム討伐作戦が終了します!