第78話(魔薬水の効果・スライム討伐前)
今回は、前回の終わりに出た魔薬水についてとスライム討伐前の話しになります。
では、異世界トラブルの続きをどうぞ!
「"魔薬水"だってッ!?」
「第一級の禁止薬物じゃないかッ!?」
ターナの報告を聞いたナミノ教官やその話を耳を傾けていた周りにいた教官とその薬物を知っていた冒険者【炎の剣士団】の1人がその"魔薬水"の名を聞いた瞬間に声を荒げて叫ぶ。
「魔薬水?」
「聞いたことがないわね。教官や冒険者の1人が知っている様子だけど………反応から危険な物だと分かるけど……」
「……イルマは知っている?」
「いや、僕もどういう物かは分からないよ。でも、第一級の禁止薬物ならその危険性についてなら僕でも知っている……」
『イルマさん。じゃあ第一級の禁止薬物ってどういう物何ですか?』
「第一級の禁止薬物………そもそも禁止薬物は、第一級~第四級のランクが有って、第四級から取り扱いが危険な為、薬師や領主や町長等から認められた物しか所持を許されない物から、第一級の場合は、所持処かそれの材料を育成、薬物の作成をすれば即捕まり、死刑最低でも重罪は免れないし、第一級の禁止薬物の材料や薬物の作成、所持をしている人を知っているのに見逃したり、隠せばその人も同罪になる程危険性が高い薬物で、第一級の禁止薬物は、人体に取り返しがつかないか物理的か薬の効果で町や国が傾くどちらかもしくは両方の効果がある危険な薬のことだよ。」
「ヤバイ過ぎる薬物じゃあねぇかッ!?」
「何でそんな薬物が売っているのよ!?」
「……危ない薬物ってことはイルマの説明から分かるけど……そもそも第一級の禁止薬物が3日前から売っていた事実が何で今更になって報告されるの?」
『そうですね。そんな危ない薬物が売られていることを今になって報告されるのは変です!!』
「それは………確かに変だな?どういうことだ?」
イルマ達は、そんな危ない薬物が今更報告されている事実に疑問に思っていると、ナミノ教官も同じことを思っていたのか、そのことをターナに問いただす声が聞こえてきた。
「何でそんな危険な薬物が販売されていた事実が今まで報告が無いんだッ!?"魔薬水"だぞ!?第一級の禁止薬物だ!そんな薬物がこの町の中で売られているとんでもない事実が今まで報告されていなかったなんて謝罪だけではすまされないことだぞッ!?」
「………それは最な指摘だと私も思う。だがそれには訳があり、この話が判明したのは昨日のことになる」
「………どういうことだ?」
教官の1人がターナに向かって何故報告が今までなかったことを怒るが、ターナは昨日判明したので今報告になったと報告が遅れた理由を怒った教官に説明する。そのターナの説明にナミノ教官が3日前に犯人を捕まえたのに、魔薬水を売っていたことが判明したのが昨日になった訳が分からず、ターナにどういうことだと判明が遅れた理由を確認する。
「魔薬水を売っていた者は、我々に捕まった後に直ぐに自殺したのだ。」
「ッ!?」
「その自殺した者が命を断つ時に使ったのがこれも薬物で、しかも、その者が所持していた薬物はその時には燃やされてしまい、そのことで燃やされた薬物を調べるのに梃子ずって、今回のことが判明するのに時間が掛かり、それが原因で報告が遅れたのだ。……我々は商人ギルドは、捕まえた違法商売していた不審者をみすみす自殺と証拠の隠蔽をさせてしまったミスを犯してしまった。結果町の安全を脅かす事態を招いてしまった要因を作り出してしまったことには本当に申し訳ないと思っている。」
ターナが話す魔薬水の報告が遅れた訳を聞いた者達はと言うと……
「第一級の禁止薬物の販売、所持していた犯人の自殺と証拠の隠蔽か……だから商人ギルドの奴らの報告が遅れた訳か……」
「確かに魔薬水なんて物がこの町に出回っていたら町中にスライムが出現する訳だ」
「ああ。魔薬水は人が服用すればその人の魔力を無理矢理増幅させて、その増幅した魔力が強烈な快感を生み出す。その魔薬水が服用せず辺りにばらまくことで、魔素から発生する魔物を生み出す効果が魔薬水にはある!そして、魔薬水が町中にばらまかれたことでスライムが発生して、ジェネラルスライムを生み出す餌になった訳だ」
「(それで町中にスライムが出現のはそういう訳だったのか……)」
イルマは魔薬水についての話をしているのを聞いてはスライムが町中に出現した理由を知る。しかし、魔薬水の効果がそれだけではないと察するイルマ。第一級の禁止薬物なんだ、快感と魔素から発生する魔物限定だが魔物を生み出し、魔物強化の効果だけなんだろうかと疑問に思う。
「(いや、それだけでも充分危険だけど……第一級の禁止薬物の危険性はこれだけではないと思う……が)」
そんなイルマの懸念は当たり、教官の1人が魔薬水を服用した際の副作用について語る。
「それだけじゃあ無いかもしれないぞ!?その魔薬水を服用してしまった人がいたら、魔薬水の副作用で重度の魔力操作の障害になり、下手したら魔力暴走や死人が出ることもあり得るぞ!?」
「(……やっぱり他にも怖い効果があったか………)」
「そ、そんなッ!?」
魔薬水の副作用について知ったイルマは予想していたこともありその副作用に納得し、逆に予想していなかった者はその副作用に恐怖を覚える。
そして、魔薬水の副作用について語っていた教官の1人が事態の深刻さの余り、魔薬水のことの報告が遅れた商人ギルド、ターナに怒りをぶつけるのである。
「それも商人ギルドの奴らが今回の件の犯人をみすみす自殺と証拠の隠蔽をされてしまったせいでな!」
「商人ギルドはどう責任を取るつもりなんだ!?」
「そうだ!!既に町中にスライムが発生しているんだから、町の建物や物にも被害も出ているんじゃないのか?それと魔薬水の服用者だって何人かいるんじゃないのか!?」
「商人ギルドはどう責任を取るつもりなんだ?」
「そうだそうだー商人ギル「うるせーーえッ!!」ッ!?な、ナミノ教官?」
「ガタガタうるせい!!まだ俺がターナと話をしている途中だろが。話の邪魔だから黙っていろ!!」
「「「「ッ!?………………ッ………」」」」
商人ギルドが魔薬水の販売していた犯人をみすみす自殺と証拠の隠蔽をさせてしまったことで、報告の遅れを生んでスライムが町中に発生して、魔薬水を購入した者が何人も出てしまったのではないかと責任の声を上げるが、その者達に向かってナミノ教官が話の邪魔だから黙れと叫ぶのであった。
「………過ぎてしまったことを今更言っても仕方ないだろ。確かに犯人の自殺と証拠の隠蔽を許してしまったことは問題だが、今はそれの責任を追及している場合じゃない。………ターナ。お前がわざわざ足を運んで来たんだ、事態の報告それだけの為にお前が動くとは考えられない。報告以外の理由があってお前が此処に来たんだろ?」
「………ああ。お前にはその事が分かってしまうか……」
「まぁな。お前とは長い付き合いだからな。お互いにしそうなこと位なら分かるさ」
ナミノ教官は周りの人間に今は誰の責任だと追及している場合じゃないことを言って商人ギルドの責任問題の声を黙らした後、ターナに報告以外の話を言うように切り出す。
「そうだ。私が此処に来たのは、魔薬水についての報告とスライム討伐について、商人ギルドで決定したことですが、今回のスライム討伐の間の限定で、魔道具の提供及び商人ギルドが保有している護衛の戦力を養成所に貸し出すことになりました。」
ーこれがその魔道具や護衛の実力や数について詳細が書いた資料になる。
「ッ!?これは………」
ナミノ教官はターナから受け取った資料に目を通す。その資料には結界を張る魔道具や回復魔法が数回のみだが使える魔道具等様々な魔道具と商人ギルドが今回ナミノ教官達に貸し出される予定のお抱えの傭兵達の数や実力を評価が書かれていた。
「(この資料に書かれている通りの実力と数なら、結界を張る魔道具や回数制限があるが回復魔法の効果がある魔道具、他にも様々な魔道具があれば何とかなるかもしれないぞ!?)」
ナミノ教官はターナから渡された資料を読んで、その資料に書かれている傭兵達の実力と数、魔道具の力にスライム討伐が何とか戦力が足りると感じる。
そして、ターナは渡した資料を食い込むように読んでいるナミノ教官や周りの人間に対して伝えるように言葉を発する。
「それが我々商人ギルドが、今回の件での犯人の自殺と証拠の隠蔽をさせてしまい、結果的に町の安全を損なわした謝罪であり、責任を取った物の1つだ」
「……そうか。魔薬水の被害にあった人はこれでも足りないと言われると思うがな」
「承知している。それはそれで我々商人ギルドで出来る物で被害者の方に出来るだけの対応をするつもりだ」
「これでもう責任を果たしたと言わなくてホッとしたぜ」
「そんな不義理なことはしないさ。商売は信用が第一だから、そんな不義理なことをすればそいつは商人として二流以下だ。それが我々商人ギルドでしかも私の部下でいたらそんな奴は首だ。ギルドマスターもそんな奴はいらないと私と同じことを言うだろう。」
「ハァン、商売第一な商人らしい答えだぜ」
「ああ、私達は商売を担う商人ギルドの人間なのだからな。………それに、もしそんなことをしたらお前は殴るだろ?」
「ッ………ハハハハハハッ!分かってるじゃあねえか!!」
「それこそ私とお前は若い時からの長い付き合いなんだからな」
「ハハハハッ…………ターナ、支援は頼むぞ。無事に町中に発生したスライムどもを全て討伐して、魔薬水を購入したかもしれない人間を見つけてそれを回収することで、これ以上の被害を出さないようにするぞ」
「………ああ。」
「……………ナミノ教官」
「おうお前達。商人ギルドの責任問題は一旦お預けだ!商人ギルドもこの事に責任を感じて戦力や道具等支援してくれる上に、被害者対してギルド側で出来るだけ対応するって言っているんだ。なら俺達が今することは、町中に発生した全てのスライムを討伐し、魔薬水の回収することで町の住民の安全を守ることだろ?」
「…………そうですね」
「すいません……。私達も熱くなってしまって冷静さを見失っていました」
「そこまで被害者に対応を考えてくれているターナ副ギルドマスターに向かって失礼なことを言ってしまいすいませんでした」
「「「……すいませんでした」」」
「いえ、我々が悪いのは事実ですから。我々のミスで対応が遅れてスライムが町中に発生して、ジェネラルスライムが生まれてしまう事態までになったのですから」
「お互いに謝罪するのはもういいだろ?これでサザミが後の連中達を連れて来たら1度兵士達と合流に行くぞ。お前達は何時でも出発出来るようにしとけよ」
「「「了解!!」」」
「よし。しかし、サザミの奴は後どれくらいで戻ってくるか……
「ナミノ教官」うん?どうしたんだイルマ?「それが……後10分位でシーラとミルンが張った結界が消えてしまうのですが……」何ッ!!? 何でそれを早く言わないんだッ!?「いや、(言いたくてもナミノ教官がずっとターナさんと話をしていて話すタイミングが無かったんじゃあないか……)」………とりあえず早く兵士の方と商人ギルドの傭兵さん達と合流して結界の元に向かいましょう!」チッ!、仕方ない!悪いが誰かこの場に残ってくれ。そして、帰ってきたサザミに俺達は先に兵士長の所に行っているからお前達は後から向かって来てくれと伝えてくれ!」
「わ、分かりました」
「ターナ!お前も聞いていたな?」
「ああ……分かっているさ。私は兵士長の所に家の傭兵達や魔道具を用意して行かせることの手配をする」
「頼んだぞ………ならお前達。聞いての通り、結界の持続時間が残り少ない!!だから急いでサザミに連絡係りだけ残して俺達は先に兵士長の所に合流するために出発するぞー!!」
「「「「了解!!!」」」」
ーなら行くぞー!
ーオォオーーッ!!
スライム達を隔離していた結界の持続時間が残り少ないことを知ったナミノ教官は、サザミに連絡係りの者を残して急いで兵士長の所に行き、ターナとサザミは後で合流をするように伝えて皆を引き連れて出発するのであった。
ちなみに帰ってきたサザミは、帰ってきたら1人を除いて誰もいなくて、その残っていた者から今度は兵士長の所まで来るようにと伝えられる。何度も行ったり来たりしているサザミはそのことに「ち、ちょっと休まして……」とヒーヒー言っていた。
そして、サザミに避難活動の手伝いやその護衛の為に連れて来られた1年生と2年生やCランク以下の冒険者達だったが、その中でトルクや戦闘能力が高い者、戦闘経験が豊富な者はスライム達との戦闘に参加することを時間が無かったこともあり説明を受けてはいなかった。
トルクや戦闘力高い者や戦闘経験が豊富な者の中には、ジェネラルスライムが現れた情報を聞いて避難活動やその護衛だけならっと渋々来た者達もいたが、その者達はイルマ達と合流後に、ナミノ教官から強制的にスライム達を討伐する戦いに強制的に組み込まれていることを知り、顔中から汗を流しては話が違う!と叫び、急に本格的に戦力に組み込まれた事実に絶望するのであった。
※戦力に組み込まれたトルクとはいうと……
「ふん、この僕の力が必要なら貸してやりますよ!あっ、イルマ先輩ッ!?この僕がイルマ先輩達の力になりますよ!!」
と急に戦力に組み込まれて絶望している者達とは違って、逆にイルマ達の役に立てるとテンションを上げていたのである。
絶望している者達からすれば何だコイツっと信じれない様な目でトルクを見てた。イルマ達はというと、そんなトルクからの声と周りからの目に気付いて苦笑いでやり過ごすのであった。
次回、大量のスライムの討伐が開始されます。