第74話(町中の魔物討伐クエスト)
今回は、皆さんも知っている魔物の討伐クエストになります。
では、異世界トラブルの続きをどうぞ!
シーラが色々な所に手を回して出来たイルマとメラのデートが、イルマの鈍さのせいで何の進展もない形に終わった。
その後シーラの仕業に気付いたメラはシーラに抗議するが、シーラが「嫌だった?」と切り返され、「い、嫌じゃないわ……」と顔を紅くして正直な気持ちを露にすると、「じゃあ今度も機会があればする。メラ応援している。」とシーラに丸め込まれる。
その頃イルマは………
メラとシーラが密かに、イルマとメラのデートの機会を狙って話し合いが行われていることを知らず、背中に寒気が走っては「風邪かな?気をつけよう。」と見当違いのことを考えていた。
そして、
イルマ達は、久々の休日を終えて普段の忙しい日々に戻っていくのであった。
◆◇◆
休日を終えたイルマ達は、養成所の授業が終わった後、クエストを受ける為に養成所にある受け付けに行き、受けれるクエストを職員の方に聞くのである。
「今受けれるクエストですか?ちょっと待って下さいね……。」
ーえ~っと、今イルマさん達が受けれるクエスト、クエストは~………これかなぁ?
受け付けの職員は、イルマ達に今受けれるクエストを聞かれ、手元にある資料を確認する為にイルマ達に待ってもらう。
イルマ達はそのことに了承し、職員がクエストを探しているのを待っていた。
「お待たせしました。今、イルマさん達が受けれるクエストはこちらになります。」
イルマ達は、職員が提示してきたクエストが書かれた用紙を見る。
「どれどれ、今受けれるクエストは~町の清掃や荷物の運搬かぁ~それはもういいだろ。魔物の討伐で受けれるのはどれだ?ア~~今受けれる魔物討伐クエストは、どれも倒したことがある魔物ばっかだな。」
「そうね。弱い魔物のゴブリンやスライム、コボルトに少し強くなるとオークやスピアディア、ロックビーとかどれも倒したことがあるわね。」
「チユルの町付近の魔物は、1通り倒したから倒したことが無い魔物のクエストが無くても不思議じゃない………。」
「ならどうしようっか?このまま倒したことがある魔物の討伐クエストを受けるか、町のクエストを受けるか、それともクエストを受けずに訓練をするかだけど………皆はどうしたい?」
「う~~ん、迷うなこれは。」
「でも、訓練ばっかだと息が詰まるわよ?」
「………だったら倒したことがある魔物討伐クエスト受けるかそれとも町のクエストを受けるのどっちか?」
「それも迷うな~~どれも受けたことがあるクエストだから今更また受けてもなぁ~~折角なら受けたことがないクエストを受けたいし。」
「そうね~同感。」
イルマ達は、職員が提示してきたクエストがどれも受けたこと
があるクエストだった為、どのクエストを受けるかを迷う。
すると、そんな迷っているイルマ達に受け付けの職員が声を掛けてきた。
「あの~~どのクエストを受けるかと迷っているみたいですけど、それでしたらこのクエストを受けてくれませんか?」
受け付け職員が1枚のクエスト用紙をイルマ達に見えるように出してきた。
「うん?何だスライムの討伐?」
「何よ。今更スライムの討伐なんかをしろって?」
「………変。わざわざスライムの討伐をお願いする?」
「ねぇ見て皆!このクエスト用紙をよく見たらスライムの討伐でも、その場所が町の中って書いているよ!」
『あっ!イルマさんが言う通り、クエスト用紙に町中での討伐って書いていますよ!』
「ア?どれだ?何処にそんなことが書いているんだ?………本当だぜ!?このクエスト用紙のスライムの討伐場所がチユルの町中って書いてやがるぜ!!」
「あら本当。スライムがチユルの町中で出現しているから討伐して欲しいと書いてあるわ!」
「……スライムって言っても、町中で魔物が出現するなんて一大事。」
『そうですよ!町中では子供や魔物との戦闘が出来ない方々がいますもんね!だからこのクエストは受けないと!!』
「ああ。スライムが相手だとしても、町中に出現したっていうならこのクエストを受けてスライムを早く討伐しないとな。」
「勿論よ。このクエストを受けてスライムを早く倒すわよ!」
「賛成。チユルの町の住民の安全が第一。」
受け付け職員がイルマ達に受けて欲しいと頼んできたクエストは、スライムの討伐だったが、スライムという弱小の魔物といえどその出現場所がまさかの町中だとのこと。そのことに驚くイルマ達。町中にスライムといえど町中には子供や魔物との戦闘が出来ない人がいるためクエストを受けて早くスライムの討伐しないと想いを一致したメラ達は、クエストを受ける為にイルマに視線を全員が向ける。
(皆分かっているよ。このクエストは受けるよ。……でも、この受け付けの人に聞いておきたいことがある。)
皆の視線を感じながらイルマは、クエストを受ける前に受け付けの職員の人に確認したいことがあり、先ずはそれを確認しようとする。
「………これって、何時から何ですか?それと、この事は教官達は知っているのですか?」
(このクエストは何時からあった物だ?それとこのクエストはナミノ教官達は知っているのか?それによってはこのクエスト、例えスライムといえど大変なことになるぞ?)
イルマは、最悪の場合を想定して、クエストについて何時からあった物か、このことは誰が知っているのかを受け付けの職員に尋ねる。
「このクエストですか?え~と、はい、このスライム討伐クエストは、先程あがってきたクエストですね。だから、このクエストを知っているのはクエストを受理手続きした職員や私とイルマさん達だけですね。」
「(先程受理されたクエストか!なら、このクエストが最悪の場合になることはないか?いや、それは早計だな。一旦スライムがいる現場を見ていない今判断したら不味い。それと、この事は僕らがクエストを受けて討伐に向かっている間にこの人に頼んでナミノ教官や養成所の教官達に知らした方がいい。スライムといえど、何で町中に魔物が出現したかがまだ理由が不明な点を考えたら知らしていた方がいい。)」
「イルマさん?」
受け付けの職員からクエストについての情報を聞いたイルマは最悪の場合についてやその後の動き方を考えていたこともあって口を閉ざしていた。そんなイルマを見た受け付け職員は、イルマがクエストについての質問されてから黙ってしまったのでどうしたのかと声を掛ける。
「…………えっ、ア、アーー何でも無いです。クエストですよね?はい、受けます。これでクエストの受注をお願いします。」
「?そうですか?ならいいのですけど………はい、このスライム討伐クエストの受注完了しました。」
「イルマーークエストを受ける手続きの受理が終わったのかっ?」
「イルマ!クエストの受けたなら早く行くわよっ!!こうしている内にでも町の住民が危ないのよ!?」
「迅速に討伐して誰も怪我人を出さないようにする。」
『イルマさん!スライムなんか直ぐに見つけて直ぐに倒しますよ!』
「分かっているよ!ち、ちょっと待って皆。ーーすいません!このクエストですが、養成所の教官達にも町中にスライムだけど魔物が出現したという情報を伝えてもらってもいいですか!?町中にスライムといえど魔物が出現したこともあって教官達の耳にこの事を入れて置きたいのですが……」
「あっ、はい。分かりました。このクエストのことは養成所の教官達に情報を伝えておきますね。」
イルマは、早くクエストを受けて町中に出現したスライムを討伐しようと急かすメラ達の元に向かいながらも受け付けの職員にこのクエストのことを教官達の耳に入れることをお願いし、スライム討伐する為にスライムが出現していると書かれた場所に皆と共に向かうのであった。
しかし、
イルマが万が一に備えてこのクエストのことを教官達に伝えるように受け付けの職員にお願いして、自分達は先に町中に魔物が出現している現場に向かい、受け付けの職員はそんなイルマの考えを理解して教官達にクエストのことを伝えるように行動しようとした時………
「先輩っ!!ちょっと来てもらってもいいですかっ!!」
「何んですか?私は今から教官の方々に伝えないといけないことがあるのですが……」
「このクエスト何ですが、この部分が間違えていて大変なんです!今すぐに対応しないと不味いのですが、私にはどうしようも出来ません!何とかしてくださ~い!!」
「はぁ~……分かりました。先にそちらを対応します。それで、何処が間違えて大変なことになっているのですか?」
先程までイルマ達の対応をしていた受け付けの職員は、イルマに頼まれたことをしようとした時に後輩からクエスト用紙に書かれたある情報が間違えていて大変なことになったのだと助けを求めてきた。その為、その対応を行うことになり、イルマからの頼みを一旦保留し、先にクエスト情報の間違いの対応を行うのであった。
◆◇◆
イルマ達は、イルマが今から自分達が受けるクエストのことを万が一に備えて教官達に伝えるようにと受け付けの職員に頼んでいたが、まさかこのタイミングでトラブルが発生するとはとは予想出来ず、イルマが教官達にこのクエストについて伝えるようにお願いした職員は、そのことをトラブルに対応する為に後回しにするということを知らずに町中にスライムが出現したという場所に到着していた。
「此処か?クエスト用紙に書かれたスライムが出現したと情報があった場所は?」
「此処確か……建物が古くなって住んでいる人が殆ど居ない所じゃあなかったかしら?」
イルマ達がクエストにスライムが出現したと書かれた場所に辿り着いたイルマ達は、チユルの町でも建物が古くなって住んでいる人が殆ど居なくなった場所であった。
「……住んでいる人が少ないのは好都合。これならスライムが出現しても被害に遭う機会の可能性が減るわ。」
『でも、スライムが出現する場所に到着しましたけど、う~ん、スライムはいませんね?』
「まぁ、スライムもその場から動くだろうだからな。」
「ねぇ?話しているんじゃなくて、早くスライムを見つけて倒すわよ!」
「メラ待って!スライムを倒すだけじゃなくて、何でスライムがこんな町中に出現した理由も調べないと!」
イルマは、討伐進めようとするメラに討伐以外にも、何故町中にスライムが出現したのかを調べる必要があることを伝える。
「あっ、そうね。それも調べないといけないわね。」
「………確かにそれが分からないと、スライムを倒しても又新しいスライムが出現する繰り返しになる。」
「オォ~、流石っ!俺はてっきりスライムを早く討伐すればいいと思っていたぜ!」
ーハハハハッ!
「「「………(少し考えて……)」」」
ダンの発言に目を細めるイルマ達。
その時!
ガタッ!!
『誰ですかッ!?』
「スライムかっ?」
「いつの間にッ!?」
「………好都合だ………ッ!?」
「(しまった!!油断した!!スライムが弱すぎて普段の感知系技能だと反応しなくていつの間にか接近されていた!)クッ、皆とりあえず戦うよ!倒してか………えっ!?」
物音がして、その物音がした方向を振り向いたイルマ達。
しかし、振り向いたイルマ達の目の前に現れた光景は、イルマ達が予想していた者が、予想していない状態で姿を現した。
「「「「ッ!?」」」」
『ッ!?』
プルプル、プルプル、プルプル、プルプル、プルプル、プルプル………
「「「「……はっ?ーーーオイオイオイッ!?」」」」
『な、な、な、何ですかコレはーーーッ!!』
物音がして、振り向いたイルマ達が見た光景とは、予想もしない程のスライムの集団がイルマ達の目の前に広がっていたのであった。
次回、明日か明後日に投稿します。