第70話(トルク(貴族)との勝負)
新年明けましておめでとうございます。
投稿が遅れてすみません。
実は、両目ともはやり目になり、目のピントが合わないようになって投稿出来ない状態だったのです。
今もまだまだ治っていなくて、見える時に少しずつ書いてやっと完成したのを投稿という形になりました。
なので、次回投稿も遅れる可能性が大ですが、途中で止めるつもりはないので引き続き異世界トラブルを宜しくお願いします。
では、異世界トラブルの続きをどうぞ!
(今回で貴族とのトラブルと2年生編は終わりでなく、次回で終わりになります。)
ナミノ教官から作戦の許可と激励を貰ったイルマ達は、カガリに作戦の許可を貰ったことと準備を手伝う為にカガリの元に戻る。カガリの元に戻ったイルマ達は、作戦準備をしているカガリにナミノ教官から作戦実行の許可を貰ったことを伝える。
作戦準備の手を止めないでイルマ達からの報告を聞いたカガリは、現状が自分の担当分を含めて作戦準備が順調に進んでいると知る。
(いいぞ、ナミノ教官からの許可を取れたら後はこっちの準備だけだね………)
「そうかい許可が下りたんだね。よし、こっちも後は例の奴の微調整とトルクに担当教官から今回のことを知らせたら準備は終わりだよ。」
「もうそこまで準備が終わっているんですか!?」
「マジか!?準備はぇー!」
「……私達がする事がないわね。」
「……流石先輩。行動力お化け。」
「おいおいシーラお前、仮にも先輩に酷い言い草だな~。ーーーこれで後は、お前達次第だぞ?………」
カガリは、イルマ達に「これで負けたらどうなるか分かっているな?」と意味を込めて視線を向ける。
そのカガリからの視線に全員が視線を反らさず、カガリに眼に力を入れて見つめ返す。
「ーー分かっています。この作戦は、………僕達が負けたら今よりも状況が悪くなる。……だから、僕達は絶対に負けるつもりはないし負けれない!」
「負けないぜ!」「当たり前よ!」「やるからには勝つ。」
イルマの言葉にメラ達も負けないと気合いを入れる。
そのイルマ達の姿を見たカガリは、イルマ達の実力を知っていることもあり、自分は後は信じていればいいと笑ってイルマ達を見ていた。
その後、イルマ達は作戦準備が終了後カガリや仲間達、教官達と作戦実行前に打ち合わせを行う。
そして後日、
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トルクは、自分の担当教官から呼び出されて養成所の敷地内にある人工ダンジョンの前まで来ていた。
「何だって言うんだ。まだ誰もいないし、人工ダンジョン以外何もないじゃないか!?……幾ら教官といえど、この僕を呼び出すなんて、これでしょうもないことだったら父上に言って抗議してもらうぞ!………おい、お前達!!この僕を呼び出した教官を呼びに行ってこい!何時までこの僕を待たせるんだとな!!」
トルクは、呼び出された挙げ句、人工ダンジョン以外人も物も何も無い所で待たされていることにイライラを募らせて、従っている男達に自分の担当教官を何時まで待たせるんだと迎えに行かせようとする。
しかし、男達がトルクに言われてトルクの担当教官を迎えに行こうとした時、トルク達の元にトルクの担当教官とナミノ教官、カガリやイルマ達が姿を見せる。
トルクは、そんな担当教官以外の面子の姿を見ては懐疑な様子を見せる。そして、自分が呼び出された理由と他の人間がいる理由を知る為に、担当教官に問いただす。
「タダシ教官!!何故この僕が、こんな場所にまで呼び出されないといけないのですか!それにそっちの人達も来て、これは何のつもりですか?!」
「その事だがトルク君。ーーー今からトルク君達と此処にいるイルマ君達の2組は、この人工ダンジョンに潜ってはダンジョンの核がある部屋まで行ってもらうよ。」
「なっ!?そんな勝手なッ!!?」
「悪いがトルク君、これは既に許可が下りた決定事項だから。その為、君が何と言おうとしてもらうよ。」
「私からも追加して説明させてもらうが、これは必要なことだからするのであって、もし拒否する場合は指導拒否で処罰、最低でもやる気がないと判断して成績を大きく下げさせてもらうことを覚悟することだ。」
「なっ!?……ふ、ふざけたことを~~ッ!?」
トルクは、急に担当教官であるタダシ教官とナミノ教官からの今からする内容と指示に従わない場合の結果の内容に絶句した後に怒るトルク。
その後トルクは、タダシ教官からダンジョンに潜る準備をするように言われる。タダシ教官から準備をするように言われたトルクは、指示に従わないとどうなるかと言われたばかりもあり、怒りながらも教官の指示に従いダンジョンの潜る準備を行う。
タダシ教官とナミノ教官は、そんな怒っているトルクは置いて今から潜る人工ダンジョンについてトルク達とイルマ達に説明を始める。
「イルマ君達は訓練でも潜ったことはあるかもしれませんが、今から潜ってもらう人工ダンジョンは通常の物と違う点があります。今から潜ってもらう人工ダンジョンは、通常のダンジョンとは違って罠を設置したり、魔物の強さを上げる実験をしています。」
「そして、それをも攻略して奥の人工ダンジョン核がある部屋まで到着してもらう。そこで、攻略の証を取って人工ダンジョンから脱出してもらうことを君達両方に順番にしてもらう。君達には早く、的確に人工ダンジョンを攻略をどちらの方が出来るかを競う勝負をしてもらう。そして、………今回の人工ダンジョンを潜ってもらう目的は、表向きは改造した人工ダンジョンの体験や実験の具合を調べる為であるが本当の目的は違う。」
「本当の目的?………何なんだそれは?!」
「人工ダンジョンに潜る本当の目的は、それは貴方の此処での態度を改めてもらう為ですよ。」
「………何?」
教官達の話の続きをイルマが割り込む。
そのイルマが発した言葉を聞いたトルクは、イルマを睨みながらイルマが言った内容がどういう意味だとイルマの方に詰め寄る。
「だから、今回の人工ダンジョンに潜る本当の目的は人工ダンジョンの体験や実験ではなくて、この冒険者養成所での貴方の態度を改めてもらうことをかけた僕達との勝負だと言ったのです。」
「何だと?!ふざけるな!!誰にそんな口を聞いてるんだ!!ーー教官達もこんな一生徒達の我が儘を許すのかッ!?「アタシが許したのよ」ッ!?な、何だとッ~~先程から誰だと思っていたがお前は誰だ!?こんなことを、しかも僕に対して行うことをお前の力で許すことが出来るだとッ!?」
「それはアタシが伯爵の娘で、今回の人工ダンジョンの実験に手を出した人間だからよ!」
「なっ!?伯爵の娘!?この人工ダンジョンの実験をした人間だと!?」
「そうだい。だから今回の件でアタシが貴族のアンタや教官達に口を出す権利が有る訳。そして、アンタがこの子達とトラブルを起こした話は聞いているわ。だったら、冒険者らしく今回の件で決着をしたらと教官達に話を通したのよ。」
「ああ、私もその話を聞いて許可をした。」「私もです。」
「教官側の許可を貰い、実験が上手く行けば貴族側にも利益が有ると言うことで、父にも許可を貰ったことで今回の件はアタシの裁量で動かせるようになったのよ。だから、今アンタがどう言おうと人工ダンジョンに潜らないといけないし、この子達の挑戦を受けないといけない訳?……分かったかい?」
「まだです!!な、何故伯爵の娘である貴女が「カガリよ」か、カガリ嬢がこの者達の言うことを聞くのですか!?」
「それは簡単よ。この子達とは以前から交流が有って、今回の件でアタシに相談されたからよ。勿論、タダでって訳じゃあないけどね。」
「クッ、………ならっ僕がこの者達に負けたらこの者達が言う態度?を改めるってことなら、僕がこの者達に勝てばどうなるのですか!僕に負けた時に言うことを聞かないといけないならこの者達も負けた場合に何か有るのですよね!?」
「僕達が負けた場合は、貴方の言うことを犯罪以外で、僕達で出来ることなら何でも1つだけ言うことを聞きますよ。」
「い、言ったな~~!よし!なら僕達とお前達と勝負をしてやろう!!貴族で実力がある僕に勝負を挑んだことを後悔するなよ!!」
「ええ」
「ふん!!……教官!!勝負の採点方法はどうするのですか?そのまま自分達だけでダンジョンに潜っただけでは評価が出来ないし、誰かが一緒に潜って評価するでも誰が評価をするのかで結果に差が生まれてしまう恐れがあると思うのですが?」
カガリの話を聞いたトルクは自分が何を言っても勝負を避けれないことを悟る。その後トルクはイルマ達との勝負を受ける代わりにお互い負けた時の条件を明確にする手を打つ。しかし、イルマはそのトルクの言葉に怯むことなく返事をする。
そして、話は勝負の結果を左右する採点方法についてになる。
「その心配はごもっともですね。……大丈夫です。その対策もしてあります。これを見てください。」
トルクの質問にタダシ教官はトルクにある物を見せる。
「これは………?」
「これは、ダンジョン内に仕掛けている罠が起動すると反応し、その起動させた回数を記録する魔道具になります。これとダンジョン攻略するタイム、ダンジョン内での魔物討伐記録と合わせて勝敗を採点します。つまり、如何に罠を回避した上で、ダンジョン攻略を早く、そして多くの魔物を倒して行うかを競いあってもらいます。」
「成る程………」
「後、最後にで今回の人工ダンジョンの実験についてのレポートを上手く書いて提出してください。建前的に実験記録のデータは欲しいので。……オッホン!まぁこれも冒険者なら調査依頼もあり、その調査記録を作成する練習になりますからね。レポートについては勝敗に関係なくて、レポートの出来次第で成績に評価を上乗せします。」
「……つまりしっかりダンジョン攻略に挑まないと負けるし、全ての罠を回避したらしたらでレポートに罠についての部分の記録を書けないと言うことになると?」
「その通りです。」
「(嫌らしいルールだ。勝つためには罠を全て回避した方がいいのは明確だが、罠を全て回避してたらレポートの出来が悪くなり成績に上乗せがないという嫌らしいルールだな。)」
「現実での調査依頼では、これを調査して欲しいけどこれは止めて欲しいっといった、大人の事情が入ってくる依頼は山程あります。これはそれを想定した訓練にもなります。」
「………只勝負するのに訓練を追加してくるんですね。」
トルクは、勝負の勝敗を決める採点方法に+訓練を盛り込んできたのを疑問視する。そのトルクの疑問に今度はナミノ教官が疑問に答える。
「確かにトラブルの決着つける為に勝負をすることを許可したが、此処は冒険者養成所だ。ならお前達には訓練もしないといけない。そして養成所の設備である人工ダンジョンを使って実験するだからな、建前で言った理由が必要になる。そうするとそのレポートが必要になってくるし、調査、レポート作成の訓練をしようと話は我々の方で決めた訳だ。これで疑問は解けたか?」
「はい………」
「なら、そろそろ始めようか?どっちからダンジョンに潜るのだ?」
トルクの疑問をナミノ教官は答えて解決したところで勝負を始めるように声を掛けてきた。
そのことでトルクはダンジョンに潜るのは先か後にかで迷う。
(どっちの方がいい?ダンジョンに先に潜るのが得策か後で潜るのが得策かどっちだ?この場合は先だ!!先にダンジョンに潜ればアイツらに何か仕掛けられる恐れはないし、レポートを時間を掛けて作成出来る!!逆に後で潜るメリットは無い。なら、先だ!!先にダンジョンに潜るのが正解だ!!ーーだとすればどうやって先にダンジョンに潜るのを認めさせるかだが……)
「僕達はどちらでもいいですよ。」
「(ッ!?ー馬鹿め!損得も考えれないのか奴らは!)では、僕達が先にダンジョンに潜りますよ。」
「トルク君達が先だね?イルマ君達はそれでいいかい?」
「はい。」
「なら、先にダンジョンに潜るのはトルク君達で決定だね。」
「では、打ち合わせをした後ダンジョンには僕達の方から先に潜りますから。(クックック!!この僕を侮って損得も考えずに僕に先にダンジョンを潜るチャンスを与えたことを後で後悔するがいい!ダンジョン内に色々仕掛けてやるぞ)」
トルクはダンジョン内に潜る順番を自分に譲ったイルマ達のことを内心で馬鹿にしてはダンジョンに潜る打ち合わせをしてから潜って行くのであった。
次回でトルクとの勝負(決着)と2年生編終了になります。