第68話(貴族とのトラブル2)
お待たせしました。これが本日の分になります。
今回は、前回の貴族とのトラブルの続きになります。
では、異世界トラブルの続きをどうぞ!
やりあう手前の状態の貴族と2年生の生徒の間に飛び込んだイルマ。トラブルっていた貴族と2年生の生徒は、突然その場に飛び込んできたイルマの存在に驚き、「何だコイツ!?」「い、イルマッ!?」と言ってはイルマの様子を窺う。
そして、イルマはトラブルの間に飛び込んだのはいいが、やってしまったと顔を歪めてはこの後どうすると全力で頭の中で考える。
(どうするっ?!思わず飛び込んでしまったけど、この後のことはノープランだ!~~あ~~ッ!!………折角、貴族と絡まないように普段から技能を使ってまで気を付けていたのに~~…………違う違う、後悔は後だ。今は、この後のことを考えないと。先ずはこのトラブルの原因を聞くことととりあえずナミノ教官をメラ達に呼んで貰うことから始めるか。)
イルマは、頭の中で、自分の行動の後悔とこれからどうするかを考えを纏め、それを実行する為にメラ達を呼ぶ。
「メラーー!とりあえずナミノ教官を呼んで来てーー!!」
「何やっているのよ本当に!!……分かったわ。とりあえずナミノ教官を呼んで来るけど、それは私とシーラでやるから、ダンはイルマと残っていて。<ダンあんたは、私達がナミノ教官を呼んで行っている間に暴力沙汰になったらイルマの力になってあげて>」
「<了解。>……とりあえずイルマ、この後はどうするんだ?」
「<ありがとう皆。助かるよ。>そうだね、先ずは事情から聞こうか?」
イルマからナミノ教官を呼ぶことを頼まれたメラは、イルマに抗議した後、万が一に備えてダンはその場に残してシーラとともにナミノ教官を呼びに行く。
「おい!何だお前達!関係ないから引っ込んでろよ!!」
「おいおいコイツらは、この年齢でもお前達の先輩で2年生なんだぞ!貴族だろうが、此処ではお前達の方がいるのがおかしいんだぞ!!」
「何ッ!?………(1人は体格がいいが、コイツは僕より少し下ぐらいに見えるぞ?そんな年齢でこの養成所に入学して2年生になれているだと?)……………フン!僕より年齢が低いこんな奴等が養成所に入学をしかも2年生になれるとは此処も堕ちたものだな!」
「な、何だとッ!?コイツ……言わしておけば~~」
「ハイーストップッ!!ーー僕のことは今はいいから1つ教えて欲しい!何で、貴族である貴方達と2年生の君がこの場で争っている理由を僕らは知りたいのだけど?」
「ちなみにお互いの名前もね?」とイルマが質問すると、1年生の貴族の子は「何でお前に教えないといけない」とイルマに反抗するが、「今、僕の仲間が教官を呼びに行っているけど、幾ら貴族である貴方でも、ちゃんと理由もなく先輩である2年生相手に、2年生の訓練場でトラブルになっていたとなれば立場が悪くなると思いますが?」とイルマが切り返すと顔を歪めて口を閉ざす。そんな貴族の様子を見てハッ!と笑っていた2年生の生徒もイルマが「君も、貴族相手にちゃんとした理由もなくトラブルになっていたとなれば幾ら先輩だとしても、教官からお叱りは免れないよ?」と言われては同じく顔を歪めては口を閉ざす。そんなトラブルっていた2年生の生徒の様子を見ては、貴族の子もハッ!笑っていた。
そんなどちらの様子を見ていたイルマは、どちらにも「教官が来たら仲裁に入った人の話を聞かずにいた」と伝えるよ?と言って脅す。そんなイルマの言葉にどちらもそんなことを言われたら都合が悪いと思い、今度こそイルマの質問に答える。
「………僕の名前は、【バルセノナ・ド・トルク】バルセノナ家の者だ。………そんな貴族の僕には1年生の訓練では正直物足りない。だから1年生よりも高度の訓練をしている2年生の訓練場に足を運んだのだ。それの何が悪い?別に規則違反では無いはずだ?………それなのに、コイツが貴族である僕に口を出してくるから悪いんだ!!」
先ずは貴族の子、【バルセノナ・ド・トルク】がイルマに自分の名前と何故此処にいる理由、トラブルになった原因を話す。
その貴族の話に2年生の生徒がハァッ?と言って噛みつこうとするが、そんな彼にイルマが止めるように視線を向ける。
「俺は、2年のBクラスのナナセだ。イルマ達とは余り交流が無かったから俺はイルマ達のことを知っているが、イルマ達が知らないかも知れないがな。それよりお前!!何を言ってやがる!お前が俺達の2年生の訓練場に来ては勝手に訓練に参加するわ、魔道具でする訓練の順番を抜かすわ、挙げ句に俺達のことを馬鹿にしただろうがッ!!」
2年生の生徒、ナナセが自分のことを話した後、【バルセノナ・ド・トルク】……長いのでトルクに省略する。トルクが言っていたことを否定する。
「フン!さっきも言ったけど、1年生が2年生の訓練場に入って訓練することは駄目だと規則に書いていない。それに1年生の僕から見てもレベルが低いお前達が悪いんだ。そんなお前達が訓練している光景を見て、何処が駄目なのかと口に出しただけのことだ。それに、貴族であるこの僕が、お前達がチンタラ訓練しているのを何故待たないといけないんだ?平民なら貴族である僕に順番を譲るべきだ。」
「アァンーーッ!?やんのかてめぇッ!!」
「ストップ、ストーーップ!!……ナナセ君はちょっと落ち着け!!」
「い、イルマ!ーーさっきから、貴族だろうが1年生のコイツが2年生の俺に生意気言うから「落ち着け!!」ッ!?……………」
「ナナセ。2年生とか学年など気にするなら先ずは学年が上の君が落ち着いて話をしよう。僕から言わしたら、さっきから君の方が【バルセノナ・ド・トルク】さんに噛みついているようにしか見えない。」
「グッ!………」
「そうだよ、さっきからお前の方がうるさいんだよ。「そして」うん?何だ?」
「貴方も貴方で、貴族貴族と何度も言いますが、ナナセの言い通り此処では彼やこの場にいる2年生の生徒達の方が立場が上なんです。幾ら貴方が僕達よりも実力や地位が上でも、此処では1年生の生徒であることには変わりない。そんな言葉使いや振る舞いは止めた方がいい。」
「な、何だとッ!?そういうお前は僕達に名乗れと言ったな!なら、お前も名乗ったらどうだ!!」
「………そういえば名乗ってなかったですね。僕はイルマ。そして、後ろにいる彼が仲間の「ダンだ」……僕らは一応2年生のAクラスに所属しています。」
「お前達がAクラスだと?………フン!お前の名前がイルマで、その仲間がダンだったな!お前達も僕に逆らうつもりなら容赦はしないぞ!!」
トルクの言葉に、先程からトルクの後ろに控えていた男達が前に出てくる。それに合わしてイルマの後ろにいたダンもイルマを守る為に前に出る。イルマもこれは仕方ないと思い、ため息を吐きながらも前に出る。
お互い、睨め合っては今にも手を出しそうな雰囲気が辺りに漂う。
そんな時、
「なにをしている!!誰だ争っている奴は!!」
争いを止めようとする声が訓練場に響く。
「「「「ッ!?ーーチッ!!」」」」
その声がした方を見ると、教官達が訓練場に入ってきた様子が見える。トルクやトルクに従う男達は、その光景を見ては争いを止めざる得ないと思い、イルマやダンから距離を取る。
その後、その場にいた生徒達は、教官達から何があったのかと話を聞かれることになる。
そして、イルマやトルクにナナセの当事者達は、ナミノ教官から詳しい話をする為に別室へ行くことになる。
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ナミノ教官と別室で詳しく話をしたイルマとトルクにナナセ。事の内容を理解したナミノ教官だが、相手が貴族ということもあり、頭が痛そうに手で押さえていた。
結局、その場では全員に注意だけで終わる形になり、しこりが残った状態で解散させられるのであった。
(うわぁ~、絶対これって後でまた揉めるパターンだよね?嫌だな~~、だから貴族と揉めないように避けていたのに………皆にも悪いことしちゃったな~。今回は、完璧に僕が皆をトラブルに巻き込んでしまった。後でもう一回皆に謝ろう。)
ナミノ教官との話を終えたイルマは、皆の元に帰る際に、自分の行動に反省しながら皆にトラブルを巻き込んでしまったことを謝ろうと思うのであった。
次回も貴族との絡みの話になります。