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異世界トラブル  作者: 海路希望
4章~冒険者養成所編~
71/146

第63話(2度目の手合わせ・後編)

ナミノ教官との2度目の手合わせ後編になります。


言い忘れていましたが、小説のレイアウト変更しました。(見たら分かりますよね?(笑い))

後、用語集を更新してます。武器・防具・アイテムについて追記してます。


では、異世界トラブルの続きをどうぞ!




ダンとメラの手合わせが終わり、次はシーラがナミノ教官との手合わせを行おうと前に出た。



「次は、シーラか。(しかし、本当に疲れてきたな。コイツらが他の生徒と違って規格外だけに本当にしんどいぞ。この後残っている生徒達との手合わせする体力が残るか?……それにシーラの後にはイルマも残っているしな…………)」



ナミノ教官は、シーラとの手合わせの前から午前の手合わせとダンとメラとの手合わせの疲れが身体にきて、本当に疲れた様子だ。


しかし、シーラはそんなナミノ教官の様子を気にせずに手合わせをしようとする。


そんなシーラの様子にナミノ教官は肩を落としながらも手合わせの為に構える。


そして、


ナミノ教官とシーラは、手合わせ開始の合図ともに手合わせを開始する。



・・・




手合わせの合図ともにシーラは、水魔法を発動して自分の周りを水浸しにする。


ナミノ教官は、その光景を見て舌打ちをする。

そう、シーラは自分の周りを水浸しにすることで、ナミノ教官が近付いてきたら凍り漬けに出来るようにしたのだ。


勿論、ナミノ教官はシーラの意図を読み取って水浸しになった地面に踏み込まずにいた。しかし、その為ナミノ教官はシーラに近付けないでいた。



(チッ!これじゃあシーラに近付いたら凍り漬けにされてしまう。だからと言って、俺のが使える技能だとこの距離からシーラの守りを突破するのは難しい。………さてと、どうしたもんかな?)



ナミノ教官はシーラの戦い方に、この状況をどうするかと考える。



(この水浸しに足を踏み入れたらシーラの魔法であっという間に凍り漬けにされてしまう。ならこれならどうだ?)



ナミノ教官は、シーラに近付けない状況を打破するために思い付いたことを試してみる。



「ハァーーッ!」≪深激≫


ダンッ!!ーードーーーンッ!!!



ナミノ教官は、循環術で魔力を足に集中させて、水浸しになった地面を砕くことでシーラの足場も壊す。



「ッ!?ーークッ、風魔法……"ウィンド・バード"!!ー風の鳥ー」


バサッ!


タッ!バザ、バサバサ



シーラは、風魔法"ウィンド・バード"で背中から風の翼を作り出して崩れた足場から退避する。


退避したシーラは、崩れた足場を見ては驚愕する。



「(ッ!?……とんでもない力。流石ナミノ教官、伊達に元上級冒険者じゃない。………ッ!?ナミノ教官がいない!!)」



ナミノ教官の≪深激≫から魔法で退避したシーラは、その≪深激≫の威力に驚く。そして、そのナミノ教官の≪深激≫驚いて内にナミノ教官の姿を見失ってしまう。



「……何処にいったの?ーーッッ!?間に合わッ」


「間合いに入れたぞシーラ。」


ナミノ教官を見つける為に辺りを見渡すシーラ。

そしてシーラがナミノ教官の姿を見つけた時には間合いに入られていた。


ナミノ教官に間合いの中に入られたシーラは、急いで対応しようとするがもう間に合わない!



「これで終わりだシーラ。」


ブンッ!ーーピタッ。



そして、


「そこまでッ!!」


手合わせの決着を審判が声を上げる。

その合図がした時には

ナミノ教官の剣がシーラの手前で寸止めした状態で止まっていた。



「………(勝てなかった。………退避した後ナミノ教官の姿を見失ったこととナミノ教官に間合いを取られてからの対応が出来なかったことが敗因。)」


手合わせに負けたシーラは、静かに後ろに下がりながら自分の敗因について反省する。



「(ふぅ~~。やっぱりシーラも一筋縄にいかなかったな。あの戦法にはどうしたらいいのかと悩んだぞ。俺的にはダンやメラよりやりにくい相手だな。幸い、今回は勝てたが次からはもっ嫌らしい戦法が出てくるだろうな~。)」


静かに後ろに下がっていくシーラの姿を見ながらナミノ教官は、相性的にはやりたくない相手と思うのであった。



そして、


ナミノ教官は、休憩後にイルマと手合わせを始める。



「宜しくお願いします。ナミノ教官。」


「(……コイツが残っているのか~。俺体力的にも精神的にもコイツの相手はキツいのだが……)」



シーラとの手合わせが終わったナミノ教官は、次の手合わせ相手のイルマの姿を見ては、幾ら休憩をしていても流石にイルマが相手だとナミノ教官のここまで大勢の生徒達と手合わせしてきたナミノ教官の肉体的にも精神的にも辛い様子だ。


ナミノ教官は、イルマ達との手合わせはしんどい物があるみたいで、イルマとの手合わせをした後、最後まで生徒全員の手合わせを行えるか不安を抱く。

それでも教官としてのプライドがあり気合いを入れるナミノ教官。気合いを入れたナミノ教官は、イルマとの手合わせを始める。



「手合わせ始めッ!!」



手合わせ開始の合図の声が聞こえるが、ナミノ教官とイルマはお互い見つめ合って動かない。


手合わせを観戦している者達は、そんな2人の様子に「どうした?」「何で動かない?」と騒いでいる。



「(………どうしたもんか。コイツ相手に下手こいたら一気に不利になるぞ?動かないからこっちも迂闊に動けないな………とりあえずイルマがどう動くか出方を様子を見るか?)」



ナミノ教官はイルマの実力を感じ取り、下手に動いたら一気に不利になることを悟り、とりあえずはイルマの出方の様子を見ることにした。



「(ナミノ教官の実力は皆の手合わせを見て大体は見当ついた。おそらくステータス的には僕の方が高い。でも、固有技能等を除き、戦闘経験や体格等総合的に見たらまだナミノ教官の方が僕より強い!………ってことは、ナミノ教官相手なら僕のステータスを全開でぶつけるぐらいが丁度いいってことだ!)」


イルマは、ナミノ教官との実力差を分析していた。その結果、ナミノ教官には自分の全力をぶつけるぐらいが丁度いいと結論を出すのであった。


そして、イルマは最初から循環術や闘気と技能を全て全力で使用してナミノ教官にぶつかる!!



「ッ!?…クッッ!最初から全力かッ!?」

(イルマの実力で全力で来たら俺も本気を出してぶつからないとヤバイ!!)



ナミノ教官は、力を全力でぶつけてきたイルマに迎え撃つ。


ナミノ教官とイルマは、小細工無しの全力をぶつけあう!!


ナミノ教官とイルマの手合わせを観戦していた者達は、ナミノ教官とイルマの力に驚愕する。



「ナミノ教官が全力を出しているッ!?」

「ナミノ教官凄いッ!!」

「イルマも凄い!!」

「アイツ!っこんなにも強かったのかッ!?」

「ナミノ教官とイルマ、どちらも強過ぎるだろ!!」


観戦していた者達の驚愕の声を余所にメラ達も2人の様子に思ったことを口に出す。



「流石イルマだな。でも、ナミノ教官も凄いな!あのイルマを少しだが押しているなんて流石元上級冒険者だ!」


「そうね。流石のイルマもナミノ教官には戦闘経験や体格差でちょっと不利ね。」



メラの言葉通り、ナミノ教官とイルマの手合わせは、戦闘経験と体格差等の関係で、互角に見えても少しイルマの方が不利なようだ。



「……でも、イルマはその差を少しずつ埋めてきてる。」


「「えっ?」」



シーラの言葉に、メラとダンは2人の手合わせをよく観察する。



「(クッ!……イルマの奴、だんだん強くなってきてやがる!!コイツは、……手合わせの間に成長しているのかッ!?)」


イルマは、ナミノ教官の戦い方をだんだん自分の物にして成長しては、ナミノ教官との攻防で少し押され気味だった攻撃を防ぐ以外にも避ける、受け流す、又は自分の攻撃をナミノ教官の防御を掻い潜るようになってきていた。



「本当だぜ!少し押され気味だったイルマが少しずつナミノ教官を押し返してきていやがる!!」


「ナミノ教官の戦い方をこの手合わせの間に学んでいるのよ!ーーー流石私達のリーダーね。(頑張れイルマ)」


「……イルマは負けない。」


「おう!イルマならナミノ教官だって勝ってくれるぜきっと!!」


「ナミノ教官相手でも勝つのよーーイルマ!!」


「…勝つイルマ。」



ナミノ教官の強さを吸収しては手合わせの間にも強くなっていくイルマ。そんなイルマを見ながらメラ達は、イルマの勝利を信じる。


そんなメラ達がイルマの勝利を信じている中、ナミノ教官とイルマの手合わせは終わりを向かえようとしていた。


「ッ!?しまった!」


ナミノ教官は、生徒達との手合わせの疲労が、全力イルマの力に露になり、そのナミノ教官の隙をイルマは見逃さない!!



「オォーー!!ナミノ教官!!勝負を決めさせて貰います!!」



そのナミノ教官の隙にイルマは好機と判断して勝負を決めにいく。



村人技能≪村人の決起≫


魔道師技能≪魔力炸裂≫


剣術士技能≪決死の連激≫


練装術師技能≪職業強化術≫≪練波連撃≫≪技能蓮華≫


ーー全職業技能発動!!



イルマは自分の全職業技能を全力で発動してその力をナミノ教官にぶつける!!



「なっ!?職業技能6つもッ!?しかも同時に発動させるだと!!」



ナミノ教官は、イルマの6つも職業技能の発動と、それを同時に発動したした常識外れの離れ業に驚愕する。

イルマの離れ業に驚愕したナミノ教官は、肉体と精神の疲労に合わせてイルマの攻撃を防ぐのに間に合わず攻撃をモロに喰らってしまう。



「ぐはぁーーー!!」ーードォーーーンッ!!ーー


ザザザザザザーーーードン!



イルマの全力を喰らい思いっきり吹っ飛ぶナミノ教官。

そのナミノ教官がイルマの攻撃を喰らい吹っ飛ぶ光景を見ていた審判と観戦していた者達は言葉を失う。



「ナミノ教官ーー!?ーーーーハッ!!てっ手合わせ終了!い、イルマの勝ちー!!」



暫くその光景を見て言葉を失っていた審判は、正気に戻った後イルマの勝利を叫び、ナミノ教官の身を確かめに走り出す。



「マジかよ!?ナミノ教官が負けた!?」

「イルマがナミノ教官に勝ったぞ!?」

「すげえーー!!イルマが生徒で初めてナミノ教官に勝ったぞ!!」

「何だ最後の技!?複数の職業技能の同時に発動!?そんな技見たことも聞いたこともないぞ!?」

「どうやるんだイルマーー!俺達にも教えてくれ!!」

「おい、誰かナミノ教官の心配しろよ!?あんな凄い技をモロに喰らって思いっきり吹っ飛んだんだぞ!?ナミノ教官ーー!!大丈夫ですかー!?」



イルマの勝利に手合わせを観戦していたクラスの生徒達は、イルマの勝利とイルマの技に驚愕し、ナミノ教官からの勝利に喜ぶ者、イルマの技を教えてくれと叫ぶ者、ナミノ教官の心配をする者等騒いでいた。



ナミノ教官との手合わせに勝ったイルマは、クラスの生徒達に囲まれながらもメラ達に「勝ったよ!」と笑顔で勝利の報告をする。


メラ達は、イルマの勝利の報告に同じく笑顔で喜んで「流石だぜイルマ!」「ふん!やるわね!」「……私も次は勝つ」と答える。



イルマに吹っ飛ばされたナミノ教官は、回復魔法を受けながら「……俺に勝つのが目的の手合わせじゃないんだがな。後、お前達少しは俺を心配しろよ?…………1人俺を心配してくれた奴、成績を上げてやる。教官権限だ。」


と、手合わせの主旨が変わっている生徒達にツッコミを入れながら、自分の身を心配してくれた生徒に教官権限で成績を上げるのであった。




・・・



イルマに吹っ飛ばされたナミノ教官は、その後回復魔法で回復した後、何とかAクラスの生徒全員との手合わせを終了させる。


イルマの最後の技のダメージは回復魔法を受けても残っており、その後の手合わせに支障が出たが、ナミノ教官のプライドもあるのでその後の手合わせの結果は伏せることに。



ナミノ教官との手合わせが終わった生徒達は、ナミノ教官から無事に殆んど制限無く新しい訓練を受けることをナミノ教官から許可されるのであったのだ。







ちなみにナミノ教官は、手合わせ終了後、少しの間授業を休むことがあった。

それは、イルマとのダメージが残っていたのか、生徒に疲労があったとしても負けたことが精神的にダメージがあったのかは不明だ。

ナミノ教官との手合わせが終わり、次回からは養成所2年生の訓練が始まります。




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