第4話 (説得)
少しあらすじも修正しました。
すみません、誤字や変更多くて…
では、続きをどうぞ。
教会にて洗礼を行い、無事望み通りやそれに近い加護を授かったイルマ達。
洗礼が終わったことで教会から出たイルマ達。
メラ達は自分達の中で唯一どんな加護を授かったか明かしてないイルマがどんな加護を授かったか聞きたくてソワソワしていた。
「イルマ~どんな加護を貰ったのよー」
「そうだぜ。そろそろ洗礼も終わったことだし、俺達にはどんな加護を授かったか教えてくれたっていいだろ?」
「………どんな加護を授かりたいかって幾ら聞いても加護を授かった後でと言って私達にも内緒にしてた。けど、もう洗礼が終わって加護を授かったから教えて?」
「そういえばそう言っていたね。わかったって、教えるよ、僕が女神様に祈った加護は≪冒険の加護≫だよ」
イルマは幼馴染みの皆に自分の加護を伝える。すると皆は、加護を聞いて何で内緒?にしていたか全員が首を傾げる。
「??………イルマ、何で内緒にしてたの?」
「??そうだぜ、冒険の加護なら何で内緒する必要あったんだよ?」
「………確かにその通り。何で内緒にしてたの?…ッ!も、もしかして、イルマ。イッイルミおばさんに冒険者の話をしていないの?」
「………うん…………実は母さんには冒険者のことはまだ言ってないんだ」
「えー!!イルマ!!何でまだイルミおばさんに冒険者のこと言ってないのよ!?」
「そうだぜ!俺達皆で冒険者になるって決めただろ!」
「その通り。イルマが最初に私たちと冒険者になるって言い出した話なのだから、イルマが最初に親の許可を貰って冒険者になれるようにないと困る」
「うッ!………それについては謝るよ。でも、あの母さんに冒険者になるって言うと、どう考えても雷が降って反対するだと思ったからで……加護の内容と冒険者の話は内緒にして洗礼後に言うつもりだったんだよ……」
「ア─────確かにイルミおばさん怒ったら恐いわ」ブルッ
「……確かに……恐い……」ブルブルッ
「!?イッイルミのおばさんが怒ったら?…………俺は逃げる!!!」ブルブルブルッ!
「……てかダン。アンタ逃げるって、この前本当にイルミおばさんを怒らして逃げてたじゃない」
「うんうん」コクコク
「だってよ~マッマジで恐いんだぜ~イルミおばさん。普通に逃げるだろ?」
ーコエーよー
と情けない姿と言葉を漏らすダンにハハハっと皆は笑う。
そんな皆で笑っている中、唯一イルマは今この状況で笑っているけど、絶対この後家に帰ったら起こる母親の怒りを想像しては今は少し現実逃避していた。
(…………うん!絶対に怒る姿しか想像出来ないなッ!でもッ、今だけはそのことを忘れたいよー)
「まっまぁ、そんな理由で加護のことは何処からか母さんに漏れないよう内緒してたんだよ」
「今日はこの後、家に帰ってから母さんには加護のこと、冒険者のことも話すから安心してよ。皆で冒険者になって、パーティを組む約束はちゃんと守るよ」
「まぁそういうことならしょうがないわね…イルマ頑張ってイルミおばさん説得するのよ!」
(まぁ、それなら仕方ないわね~)
「頑張る。イルマ!」
(イルマ、難関。頑張れ。)
「俺に飛び火だけはご勘弁よ~」
(おばさん恐い、恐い)
「わかったよ。…てかダン?いつまで母さんのこと恐がってんだよ?」
「ウッ、…もう大丈夫だ!ダイジョーブ!」
(ほッ本当に、飛び火……しない……だろ?ーお願いだッー!)
それからイルマはまだ若干恐がっているダンとメラ、シーラに明日例の場所で会うことを約束して家に帰っていく。
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「………ただいまー」
「おかえりイルマ」
「イルおかえり」
「うーん、おかえりー」
「おかえりイルマ。ちょうどご飯出来たわよ。加護の話は後でにして、先にご飯を食べてしまいなさい」
「わかったよ、母さん」
イルマが家に帰るとそこには父や母、兄2人も家にいた。
母はご飯を食卓に運んでおり、父はお酒飲んで寛いで、カイ兄さんは椅子に座ってお茶を飲んでおり、ヘリー兄さんは荷物を片付けてご飯を食べる準備をしている所だった。
イルマも食事の準備を手伝い家族5人の食事が終わると、ついに母がイルマに加護のことを聞いてきた。
「それでイルマ。アンタ結局女神様から何の加護を授かったのよ?」
(本当に最後まで教えてくれなかったわね、この子はもう!)
「そうだなぁー父さんも気になるなー。イルマは内緒にしていたからみんなイルマがどんな加護を祈ったか知らんかったからなぁ」
(あのイルマが何を祈ったんだ?父さん気になるぞー!)
洗礼は神父様以外は、当事者しか参加出来ないのが決まりだから皆、洗礼後に家族にどんな加護を授かったか言うのが当たり前の光景だった。
「作物育てるのに使えるか?」
(そしたら、イルマにも畑の世話を手伝ってもらってーその分イルマにも家族にも豊かにしてやれるのだがなぁ……)
「商売に役に立つか?」
(イルマがどんな加護かによるがー商売の役に立つならいずれイルマが独立する時に俺の下で働かしてやってもいい。)
イルマの兄達もイルマの加護が役に立つか気になるのか聞いてくる。
皆、僕の加護に興味津々だなぁ~。……兄さん達の考えは分かるけど残念でした~。……父さんは良いとして、母さん……ガクガクブルブル恐いッ!
でも……言わないとッ!
「…ブル……加護は、冒険の加護を授かったよ。……ガクガク……」
ーバンッ!!!
イルミはイルマの加護を聞いた瞬間ッ!両手で机を叩き、顔を伏せて黙っていた。
(なッ、なッ何ですってーーッ!)
「………ッ!………ッ!」
(加護、冒ッ、険ッ、の加護っですってーーッ!!?)
イルマは黙って振える母イルミに、恐る恐る話かける。
「…………かっ、かっ母さん?」
「……イー・ールー・ーマーーッ!!!」
「ヒィーーッ!!」
「「「ッッッ!!!!!!!」」」
イルマが話かけるとイルミがイルマに対して大きな怒声をあげる!!イルマはイルミの怒声に悲鳴を漏らし、父と兄達は母の怒りに肩を上げて縮みこまる。
「アンタは何考えてるのよ!!冒険の加護ってことは冒険者になるってことじゃない!!」
「母さんはそんな危ないことは絶対に反対よ!!」
イルミはイルマの加護について聞くと、冒険者になろうとしているイルマに怒りを露にして断固反対の声を上げる。
(やっヤバイッ!母さんがキレたッ!!とっとりあえず止めないとッ!ウッ!恐い!!カイ!ヘリー!父さんに力を貸してくれッ!)
「いっイルミ落ちつけ!! カイ、ヘリー!おっお前達も母さんを一緒に止めてくれ!……って2人ともいない!?」
「エッ、カイ兄さんッ!ヘリー兄さん逃げたッ!?」
イルミの怒りを止めようとしたダルクは上の息子達にも助けを求めようとしたが、イルマの兄達は、母の怒りが自分達に飛び火しないよう気づかれないよう素早く避難していた。……父と弟を見捨てて。
イルマはそんな兄達に《薄情者~》と心の中で叫ぶが何処かで(誰もが我が身が可愛いのさ)という声が聞こえてくる。
「何!?、あ・な・た・はどっちの味方よッ!?」
「えっえ~と……とっ父さんは~……」
ジッーーーー!
(……ガクガクブルブル…………………恐いッ!!…………………………)
母の睨む姿に汗だくの父にイルマは《頑張れ~》と応援しているが、父は睨んでくる母の怒りの力に屈してイルマを裏切る《見捨てる》。
「もっも、もちろんッ!!とっ父さんはかっ母さんの味方だよッ!!」
「ッ!?」
イルマは父に目で(裏切ったなぁ~)と訴えるが、父もイルマに(母さん恐いんだぞッ!?仕方ないだろッ?お前もわかるだろ~?)と目で返す。
イルマは内心、確かに逆の立場なら裏切る《見捨てる》だろうと思い、父に強く言えないのだった…
「イルマッ!!母さんはアンタが冒険者になるのは反対だからッ!!」
「母さん!!」
「何?加護は既に授かっているけど、加護は絶対じゃないわッ!冒険の加護でも他のことに成れるしっ出来るわよッ!!」
「ッ!!でも、僕は三男だッ!いずれこの家を出ないと行けない!そして、村の外には魔物や盗賊がいて、身を守るには強くならないといけないし、僕は冒険者になりたいんだよッ!!」
「ー確かにアンタは三男で…いずれこの家から独立しないといけないのは事実よ。……でも、それとこれは別の話よ。」
「ーー他の選択肢も考えにはあったよ。確かに内緒にしてたのは悪かったし謝るよ。それに母さんの心配もわかるけど…」
「ならやめなさい!」
(ここで諦めたら、駄目だッ!!)
「でもッ、冒険の加護ッ!ーこれが僕の本心だッ!!」
「…………」
(イルマの気持ちは分かるけど……冒険者なんて殆んどが早死になのよッ!!ーイルマが早死にするなんてッそんなこと認める訳にはいかない!……例えこの子の気持ちを踏みにじっても。)
イルマの言葉にイルミは目を閉じて考え、イルマの気持ちに答える。
「ーーイルマ。……理想だけでは現実やっていけないのよ。」
「ッ!!…でも、僕は、自分の気持ちに嘘をついてまで、やる前から諦めるなんてしたくない!そんな将来の決め方なんてごめんだ!後であそこで嘘をついて、やる前から諦めたことに後悔なんてしたくないんだ!!!」
≪それにッ転生してまでーもう前の人生みたいにやる前から諦めたり、自分の気持ちに嘘をついてまで生きたくないッ!!≫
イルマは母イルミに、前世で後悔していた気持ちを今世もしたくないという本心をぶつける。
「ッ!?そっそれは……」
本心をぶつけ睨めあう2人。そこにイルミの怒りにビビっていた父はイルマの本気の気持ちを聞いて、覚悟決めて2人の話し合いに割り込む。
(イルマの決意は本物か。……これは何を言っても無駄だな。)
「母さん。イルマの好きにさせよう。」
「あなたッ!?」
「た・だ・し!イルマ。5年!、15歳迄は駄目だ!」
「15歳まで身体を鍛えて、冒険者になるための準備して冒険者になっても生き残れるよう強くなれッ!!」
「それで強くなり母さんを安心させるんだ。母さんも反対する気持ちもわかるが、押さえつけてもイルマは今回みたいに勝手にするだけだ。」
(とっ父さんが母さんを押さえて僕の気持ちに答えてくれたッ!?ーあの父さんがッ!?)
ダルクの言葉に反対の言葉を言おうとしたイルミは、普段と違うダルクの表情と強い視線に口を閉ざす。イルマもまさか父が母を押さえて自分を応援してくれるという普段の様子からは想像が出来ない光景に驚く。(父ダルクの息子からの評価が酷い!)
「………わかったわよ。でも、5年!──5年経って15歳の時!イルマが冒険者になったら死にそうな強さなら母さん、またイルマが冒険者になろうとするのを反対するわよ!」
母イルミがイルマのことが心配だけど、子供の為にその心配する気持ちを我慢してくれている様子にイルマは泣きそうになりながらも、自分の行動を許してくれる親に感謝のお礼を伝える。
「……母さんわかったよ。母さん……後、父さんありがとう。そして、ごめんなさい心配かけて」
「ハァ~。……母さんもイルマの気持ちはわかったから。だから今日はもう遅いから休みなさい」
「それでイルマは明日から冒険者になる為に修行を始めなさい」
「うん、わかった。じゃあ母さんお休み。……ついでに父さんも」
イルマは自分の部屋に行き、明日に向けて休むのだった。
(ってついでか父さんはッ!?父さんは母さんの怒りが恐いのを我慢して立ち向かったんぞッ!!納得がいっかーんッ!!)
ダルクはイルミの怒りに立ち向かったのにこんな自分の扱いに納得出来ない様子だ。
ただそんなダルクに1つ言えることは、普段の自身の行いだと言うことだろう。要するにダルクの自業自得ということだ。
少し投稿が遅れるかもしれませんが、出来たら4日以内に(目標)次話を投稿します。