表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界トラブル  作者: 海路希望
4章~冒険者養成所編~
68/146

第60話(〈荷物捜索〉のその後・養成所の1年終了)

今回で養成所編の1年が終わりです。

次回から養成所2年目が始まります。

イルマ達が養成所で2年生になったことで、また新しいトラブルに巻き込まれる予定です。


では、異世界トラブル続きをどうぞ!



「ねえ、イルマ。あの時何であんたあの契約書を持っていたの?」



主犯と荒くれ達を町の衛兵に引き渡し、状況説明の為に残った教官とは違い、子供ということもあり、早めに解放されたイルマ達。その帰りにメラがイルマに奥の手について質問をする。



「そうだぜ!あれがイルマの言っていた奥の手だったのは分かったけど、何でイルマがあんな物を用意出来たんだ?」


「……私も気になる。」


「ああ、あれね。それは、」


「「「それは?」」」


「ミルンのお陰なんだよ。」


「「「ミルン?どういうこと(だ)(よ)ミルン!」」」


『えっ!?それは、……実は皆さんがイルマさんに頼まれ事をされたように、私もイルマさんから頼まれ事をされていたんです。』


「「「頼まれ事?……イルマ!どういうこと(だ)(よ)?」」」


「いやそれはね、確証がなかったから皆には言っていなかったけど、実はあの段階で主犯の目的に見当をつけていたんだ。」


「「「ええーー!?(ーーッ!?)」」」


「それで、僕は皆に主犯の容疑者を絞る為のお願いをして、ミルンには、その力を駆使して容疑者達の懐を調べて貰っていたんだ。その結果、あの奥の手を用意出来たんだ。」



イルマの返答に「何ー!」「その時には殆ど解決の一手を準備出来ていたのね?」「……ビックリ。」とメラ達は驚愕する。



「……だから暫くミルンの姿や声がしなかったのね。」


「そうだよ。ミルンは、僕のお願いを聞いてその後から暫く動き回っていたからね。」


『お陰でもう私、クタクタですよ~』


「ありがとうミルン。お陰で助かったよ。」


『それは良かったです。身体はクタクタですけど、イルマさん達の役に立てて心は満足です!』


「そう言ってくれると嬉しいよ。」



イルマは、ミルンのクタクタの様子に、罪悪感と感謝の気持ちを浮かべる。


「しかし、よく無事に目的を達成出来たわねミルン。」


『?どういうことですか?』


「そうだぜ!そんな主犯の懐を探るなんて真似、ミルンならドジ踏んでミスするとヒヤヒヤもんだぜ?」


「……イルマの決断にもビックリ。」


『あぁーー!!酷いですよ皆さん!こんなにも頑張ったのにーー!』


「そうだよね。僕もそれには勇気を出してミルンにお願いしたよ。」


『イルマさんまでッ!?……フンッ!!皆さんなんか知りませんッ!!』


「ご、ごめんって。冗談だよミルン。機嫌を直してよ?」


「ごめんよーミルン。(珍しくドジしなかったんだな)」


「ごめんなさい。(ドジしない時もあるのね)」


「……ごめん。(でも本当にドジしてたと思ってたけど)」


『(……実はドジして幾つも備品を壊して怪しまれたことは内緒にしときましょう。)……いいですよわかれば。』



イルマ達は、機嫌を悪くしたミルンに謝罪する。しかし、イルマ以外の皆は内心で酷いことを言っていたりもする。

しかし、メラ達が懸念していたことは当たっていた。ミルンは、色々な所でドジして、幾つも備品を壊して怪しまれてたりしていたのだ。


イルマ達は、主犯と荒くれ達を捕まえたりしても有り余った体力のお陰か、仲間達と仲良く話をしながら残りの問題、付加彫刻刀を見つけに行くためと主犯が捕まったことを依頼者にも伝える為に【マルチェロ魔道具店】に向かうのであった。









そしてその後、マークと荒くれ共を捕まえたことで襲撃を気にする必要がなくなったこともあり、捜索班は順調に捜索することで、ヒルゼの父、ヒルガの付加彫刻刀を無事に見つけることが出来た。


これで、襲撃犯と主犯を捕まえて、ヒルゼの父の付加彫刻刀を見つけることが出来たことにより、Aクラスの生徒達は〈荷物捜索〉クエストの授業を無事に完了することが出来たのであった。












その後の依頼者のヒルゼは付加彫刻刀が見つかり、お店の金庫からお金を取り出せるようになったこともあり、お店の支払いが出来て、【マルチェロ魔道具店】を襲う存在もいないこともあって無事にお店を開店することが出来ているみたいだ。


そして、ヒルゼはお店の売上を伸ばすことや亡き父の腕に少しでも近づく為にも、今回の件で知った魔道具職人のカキタに師事しながら頑張っているみたいだ。


イルマ達はヒルゼの所に今回の件が落ち着いてから遊びに行った時に聞いて知った。


イルマ達は、ヒルゼの頑張りを応援しながらお客さんとして、時々【マルチェロ魔道具店】に遊びに来ていた。



そう、イルマ達は今回の件でヒルゼと仲良くなり、お金を支払うが魔道具をヒルゼに頼んで手に入れることが出来るようになったのだった。


勿論、ヒルゼの力量もあり、現在手に入れる魔道具のレベルはそんなに高くない。


しかし、


それでもイルマ達は自分達に有用な魔道具をヒルゼに作成して貰い、それを複数も手に入れることが出来て喜んでいた。



【魔玉】

魔法を籠めることが出来る玉。使用するには玉を叩き割ることで玉に籠められていた魔法が発動する。籠めることが出来る魔法は1つの玉に1つで、低級の魔法のみ。


【可視化のメガネ】

術式が刻まれたメガネ。メガネに刻まれた術式によって魔力を見ることが出来る。


【大収納の鞄】

鞄を大きくすることで収納量を増やすことが出来る。鞄に刻まれた術式で鞄の中の保存性を高めている。


【重量増加の腕輪】

腕輪に籠める魔力の量によって重さが変わる腕輪。



イルマ達は、ヒルゼにこの4つの魔道具を作成してもらっていた。


(ヒルゼさんには良いもの作って貰った。……【魔玉】これは消耗品だが、これによって魔法が使えないダンにも魔法を擬似的に使用できるようになったし、後はメラやシーラに幾つか持って貰い、2人の魔力切れの時に備えよう。【可視化のメガネ】これは魔法の修行に使う時に便利だ。僕は技能で魔力を見ることが出来るけど、メラやシーラは出来ない。でもこれがあれば2人とも魔力を感じる以外に見ることも出来るようになる。これで2人の魔法の成長スピードが速くなるぞ!で、【大収納の鞄】これは僕の固有技能【メニュー】のカモフラージュ用だ。それと、対外的にも大量に何かを運ぶ時やメラ達と別行動する時に役に立つ魔道具だ。最後の魔道具……【重量増加の腕輪】これが一番有難い!これがあればこれからの訓練で更に自分達の力を高めることが出来る。)



イルマは、ヒルゼから作成して貰った魔道具を見てこれからの訓練で使用して自分達の力を高める姿を想像する。







そして、イルマ達はその後も養成所の授業を受けては訓練、クエストをこなす日々を過ごす。


授業では、時々イルマ達は手に入れた魔道具を使い高めた力を発揮して、その力にクラスメイトやナミノ教官は驚いたり、加減を間違ってミスすることで呆れられたりしていた。


クエストでは、授業に変更になった〈荷物捜索〉以外は順調にこなして今の所全てのクエストを無事に達成していた。





そんな日々を過ごしていたら、いつの間にかイルマ達がチユルの町に来てから1年が過ぎて、イルマ達は、養成所の2年生になっていたのだ。


幸い、Aクラスの生徒達は凄いスピードで成長するイルマ達に触発されて授業がない時も訓練に励んでいたこともあり、Aクラスの全員はBクラスに降格することなく、Aクラスの全員がAクラスのまま2年生になることが出来たのであった。




次回、2年生になったイルマ達のステータスを書こうと思ってます。

養成所で訓練してきたイルマ達。

そのイルマ達のステータスはどれくらいになったのか?……楽しみにお待ちください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ