第59話(〈荷物捜索〉クエスト5)
何とかギリギリ書き終えました。
一応見直しましたが誤字があればすみません。
では、異世界トラブル続きをどうぞ。
商人ギルドで、チユルの商人ギルドの副ギルドマスターのターナから今回の容疑者の情報を聞いたイルマ達とナミノ教官は、証拠等を隠される前に接触する為、2手に別れて同時に容疑者であるマークとカキタの元に向かって行っていた。
その頃付加彫刻刀を探していた捜索班は…………
「何だこのガキ共ッ!?」
「無茶苦茶強いッ!?」
「特にこの格闘家みたいなガキが滅茶苦茶速くて強いッ!?」
「おい!てめえら余所見をするな!こっちにもガキ共が来ているぞ!!」
「ッ!?ーークッ!………クソー!!数も多ければ1人1人ガキ共の癖にやりやがる!?」
付加彫刻刀を捜索していると、昨日イルマ達に捜索の妨害をしようとしていた男達がイルマ達の強さに対抗する為に昨日より仲間の数を増やして捜索の妨害しようと捜索班のメンバーに襲って来ていた。
しかし、捜索班のメンバーに加わっていたトイが特に活躍して、捜索の妨害に来た男達を返り討ちにしていた。
「ハアーー!!循環術からの格闘家技能【一撃の極め手】!!」
ゴォーー、ドーーンッ!!
「「「グァーーッ!!」」」
トイは循環術を発動した上で格闘家技能【一撃の極め手】で男達を3人まとめて吹っ飛ばす。
他の捜索班に加わっているAクラスのメンバーも各自得意技で男達を順調に無力化していく。
「ーークッ、こんな話は聞いていねえ!!てっ撤退、撤退だお前ら!」
「お、おう。俺も撤退するッ!?」
「待てー!撤退何かさせるかッ!!捕まえて誰が裏で糸を引いているか白状して貰うぞ!!」
「「そうだ!絶対逃がさないぞ!!」」
「何ッ!囲まれただと!?クソがー!!」
男達は、トイ達の強さに敵わないことに気づき撤退しようとするが、トイ達は男達を包囲することで逃げ道を塞ぎ、逃がさない。包囲されて逃げ道を塞がれて撤退することが出来ないことに気づいた男達は、ヤケクソになってトイ達に立ち向かっていった。
そして、その後無事に男達を無力化したトイ達は、男達から誰に頼まれてこんなことをしていたのかと尋問を始めるのであった。
同時刻、【マルチェロ魔道具店】では…………
「(………くそっ!、何で店の周りにこんなにも見回りしている奴らがいやがるんだ!!)」
「(おい!どうするんだ?これだと店を襲撃処か、最悪放火して店を焼き払うことも出来ないぞ!?)」
「(分かっているッ!!(くそっ!話が違うぞ!ヒルゼが4人組の仮冒険者を雇って付加彫刻刀を捜索しているから、その4人組が付加彫刻刀を万が一先に確保した時の為に、その4人組が付加彫刻刀を捜索している間に店を襲撃するか最悪火事に見せ掛けた放火をしてくるようにと言っていたが)………捜索で居ないはずの仮冒険者達が店の周りを彷徨いてやがるじゃねえか!!)」
【マルチェロ魔道具店】を襲撃もしくは放火しようとしている男達は、予定と違って店の周りを守っているAクラスの生徒達の姿を見て目的を果たせずにいた。
「(……どうする?奴らの存在を無視して店を襲うか?………駄目だ!!子供達の冒険者ということは、冒険者養成所の生徒達ってことだ。俺達の手には負えない可能性がある!)」
男達は、養成所の生徒達の実力をある程度知っているみたいで、万が一生徒達の中に自分達よりも実力がある存在がいた時を考えたら無理は出来ずにいた。そんな風に【マルチェロ魔道具店】の周りでコソコソしていると店の周りを守っているクラスの生徒の1人ダイが男達の存在に気づく。
「おい!そこで何をしている!!」
「ッ!?ーおい!ヤバイぞ!バレたぞ!?」
「何ッ!?チッ!!一旦退くぞ!!」
「逃げたッ!?マルクス!!変な男達が店の周りを彷徨いていたぞー!!」
「何ッ!?………ッ駄目だ!!あいつら速い!追い付くのは難しい上に罠かもしれない!!無理に追うと店の警護が手薄になるから無理にするな!!」
「……チッ!逃がしたか………」
「……ダイ仕方ない。店の警護が優先だ。」
「分かっている。」
男達は、見つかった瞬間に躊躇なく撤退したことによって、マルクス達は店の警護もあったので男達を深追い出来ずに逃亡に成功するのであった。
しかし、男達を先に見つけたことによって店に何の被害を出さずに防衛に成功したのである。
捜索の妨害、店の襲撃を防いだ結果、Aクラスの生徒達は捜索と店、依頼者の警護を被害を出さずに成功していた。
・・・
Aクラスの生徒達が捜索の妨害とお店の襲撃を防いでいる頃、ナミノ教官は、ターナの情報に従って魔道具職人のカキタの元に来ていた。
「(さて、問題はここからだ。………カキタが犯人だとして、問題はどうやって証拠を見つける?………カキタが犯人だった場合、目的は恨みとなるが………)」
ナミノは、カキタの工房の前まで来たのはいいがこれからどうしたらいいのか悩んでいた。
尋問するのは簡単だが、問題はそれで口を割らない時と、カキタが犯人じゃない場合だ。
その場合を考えたら迂闊にカキタに接触出来ないぞと思って、ナミノはとりあえず工房の中の様子を確認すべく、工房に忍び込むことにした。
そして、工房の中に忍び込んだナミノは、何か証拠がないかと証拠探しをしているとナミノの耳にカキタと思われる声が聞こえて来た。
…………(くそっ!………ヒルガの野郎何で死にやがった!!)……………
(お前が死んだら俺は誰と勝負をしたらいいんだ!!)………(息子のヒルゼはまだ半人前だし、アイツの店はこれからどうなるんだ?)…………(駄目だ!考えがまとまらない!!アーー!……こんな時は酒を飲むしかないぜ!!)
「(何ッ!?どういうことだ?)」
カキタの嘆きを聞いたナミノは、実はヒルガとトラブルがあったカキタは喧嘩友達のような存在だと理解する。
しかし、それだとカキタにガラの悪い人間と付き合いがある話はどういうことだ?と疑問を浮かべる。
「(カキタから聞こえてくる嘆きの内容からして依頼者の父とカキタとのトラブルは周りの人間の勘違い?事実はトラブルじゃなくて勝負だった?ならガラの悪い人間との付き合いについては?………まさかッ!?)」
ナミノはカキタの嘆きが事実の場合を考えていると有ることに気づく。それは、誰かがカキタに罪を着せようとしていると。勿論、誰かがは犯人と思われる。
「(ヤバイッ!?イルマ達の方が当たりかッ!!クソッ!、間に合えよ!!)」
ナミノは、イルマ達が向かった方が犯人だと気づき、急いでイルマ達の元に向かうのであった。
・・・
その頃イルマ達も魔道具商店にたどり着いていた。
イルマ達は、魔道具商店の中に入り、オーナーであるマークに用事が有り、話をしたいと店の店員に話しかける。
店員は、子供のイルマ達からオーナーと話がしたいと言われて初めは相手にしていなかったが、「自分達は、養成所の生徒であり、今ここのオーナーにある犯罪についての話があると伝えて欲しい、もし、協力してくれない場合はその事を養成所に協力していただけなかった」と伝えると言うと、店員は自分だけの判断で決めては不味いと思い「少しお待ちください。オーナーを呼んできますので」と言って、店の奥にオーナーを呼びに行くのであった。
イルマ達は、店員がオーナーを呼びに行っている間に、この後はどうする?と話す。
「で、この後はどうするんだよイルマ。」
「そうよ。バカ正直に尋問しても、もしここのオーナーが犯人だったら事実を話すわけがないわ。」
「………誘導尋問とかするの?」
「大丈夫。奥の手は用意しているよ。でも、先ずは普通に尋問してみるけどね。」
「奥の手?」
「どういうことよ?何か策が有るの?」
「………どういうこと?」
「それは、……「お待たせしました。奥でオーナーがお待ちです。」はい、分かりました。(とりあえず奥の手は有るから今は普通に尋問するよ。)」
「失礼します。(分かったわ。イルマに任せるわよ?)」
「じゃあ失礼するぜ。(任した。)」
「……失礼。(任せる。)」
そして、イルマ達は店員の案内でオーナーの所に行くのであった。
そして、イルマ達は店員の案内でオーナーがいる部屋に入る。
「どうも。私はこの商店のオーナーであるマークです。うちの店員から話は聞きましたが、何でも何かの犯罪を調べているとか」
「初めまして。養成所の生徒で、イルマと言います。「ダン。」「メラです。」「……シーラ。」そうです。僕らはある犯罪を調べる為に、養成所から来ました。」
イルマは、マークに事件の話を始める。
メラ達は、とりあえずマークと話をするのをイルマに任せる。
「?養成所が犯罪を調べているのですか?衛兵ではなくて?」
「ええ。実は犯罪か確定していないこともありまして……それを確かにする調べでもあります。」
「そうですか。……一応養成所の生徒か確認出来る物を見せて貰っても?」
「大丈夫です。」と言って、イルマ達は仮冒険者の資格をマークに見せて身分を証明する。
そのイルマ達の資格を見たマークは、「確かに」と言って「話を続けて下さい」と言う。
「では、……実はあるクエストで荷物を捜索している際に男達から妨害に入りまして、」
「捜索の妨害ですか?」「ええ。」
「それで今の話の何処に犯罪が?」
「それがその男達は、雇われたと言ってクエストの妨害をしてきたのです。」
「……雇われたですか?」
「しかも妨害に入った男達は、その荷物を依頼者から元々奪おうとしていたとも情報が入っているのです。」
「……(チッ!何をしているんだ!奪うのに失敗した処か、口を滑らしているとは使えない奴等だ。)」
「強奪未遂、捜索妨害、しかもこの事を人を雇って行った人物がいるとなれば只事ではないと考えて調べているのです。……マークさんはこの話で何か知りませんか?」
「……いえ、私はこの話については何も知りません。(バカ正直に言うわけないだろう。)」
「そうですか。……では、この書類は何でしょうか?」
「ッ!?何故その書類を持っているッ!?」
「えっ?この書類ですか?この書類がどうしましたか?」
「その書類は土地の販売契約書だ!何故お前達が持っているッ!?」
「可笑しいですか?」
「当たり前だ!!それは、【マルチェロ魔道具店】が潰れた後にその土地の販売出来るように金庫に閉まって……ッ!?」
「【マルチェロ魔道具店】が潰れて?その土地の販売?どういうことですか?」
「……あ、いや、……」
「マークさん。可笑しいことを言いますね。何故この書類を見て【マルチェロ魔道具店】の名前が出るのですか?それに【マルチェロ魔道具店】が潰れるとはどういうことですか?何で【マルチェロ魔道具店】が潰れた後の土地の販売契約書が貴方の金庫にあるのですか?」
「…………。」
「確かにこの書類は、土地の販売契約書です。でも、この書類に【マルチェロ魔道具店】の名前が何処にも書いてません。」
「ッ!?」
「その上で聞きます。何故、この書類を見て【マルチェロ魔道具店】の名前が出るのですか?何故、この書類を見て【マルチェロ魔道具店】が潰れる言葉が出るのですか?何故、【マルチェロ魔道具店】が潰れた時のその土地の販売契約書類が貴方の金庫にあるのですか?」
「…………チッ!!私を嵌めたな。」
「化けの皮が剥がれましたね。」
「うるさいッ!ーこうなればこのまま返す訳には行かない!」
「どうするんだよ?魔道具職人のあんたが俺達に勝てると思っているのか?」
「あんたなんか、私でも力負けしないわなよ!」
「……無駄な抵抗。」
「ふふふふ、バカめ。職人の私が戦うわけないだろ?こういう時の為に人を雇っているんだ。出てこいお前達!」
イルマの策に嵌まったマークは、イルマ達に悪事をバレたことで口封じのために店の奥から雇った荒くれを呼び出す。
「おいおい相手は子供かよマークさんよ。」
「で、こいつらをどうしたらいいですか?」
「このガキ共は、私の悪事を知ってしまった。生かして返すな!!」
「へぇ~、命も取っていいのですか?」
「構わんッ!」
「へへへへ。」
「ガキが余計なことに手を出すからこんな目に逢うんだぜ?」
マークの言葉に荒くれ共は口元を歪めて笑うのであった。
「やれッ!」
「「「はいよ。」」」
そして、マークの掛け声を合図に、荒くれ共はイルマ達に襲いかかるのであった。
・・・
(クソッ!犯人はカキタじゃなくマークだ!逆を引いてしまった!……イルマ達は優秀な奴等だが、今回の主犯は複数の荒くれ共を雇っている。幾ら優秀なイルマ達でも危ない可能性がある!!……頼む、俺が行くまで無事でいてくれ!!)
ナミノは、イルマ達の無事を祈りながらマークがいる魔道具商店に急いでいた。そして、商店に着いたナミノは商店の中を強引に入って行き、マークとイルマ達がいる部屋に突入した!
「大丈夫かお前達!!ーーーッ!?こ、これは」
荒くれ共がイルマ達に襲いかかって少ししてから、今回の犯人に気づいて魔道具商店に急いで来てイルマ達を救出しようとマークとイルマ達がいる部屋に突入したナミノの視界には、無傷のイルマ達とその周りに重なるように荒くれ共と、今回の犯人であるマークが倒れていた。
イルマ達のピンチと思って急いで向かって来たナミノにはビックリな光景だった為、ナミノは呆けてしまう。
「あっ、ナミノ教官だぜ。」
「ナミノ教官お疲れ様です。」
「……事件解決。」
「ナミノ教官。…………なんか犯人達全員倒してしまいました。ハハハハ………。」
「……………ハァー、相変わらず優秀な奴だなお前らは。」
イルマ達の無事と犯人とその協力者達の確保した姿を見たナミノは、自分の心配が杞憂に終わったことに喜ぶも、イルマ達の普通じゃない光景に呆れるのであった。
兎に角こんなことがあり、イルマ達は無事に犯人とその雇われた荒くれ共を倒して問題を解決するのであった。
明日も投稿予定です。