【小話3】(ポルカ村の皆の様子2)
今回もイルミとダルク、リランやその取り巻き、ギルドマスターであるモロンの様子の小話を書いたので投稿しました。
【イルマ達が冒険者養成所に入学した頃の話】
【イルミとダルクの場合】
イルマ達がポルカ村を出発して2週間が経ち、イルマの母と父であるイルミとダルクは、イルマ達が無事にチユルの町に到着したのか、冒険者養成所には入ることが出来たのかと心配していた時1通の手紙がイルマの実家に届く。
イルミは、届いた手紙の差出人が村からチユルの町に向かって出発した息子のイルマからだと気づき、直ぐに夫のダルクにも報せる。
「ーーあんたッ!?イルマからの手紙が届いたわよ!!」
「ーー何!?本当かッ!?」
その手紙は、イルマが冒険者養成所に無事に入学出来て落ち着いた頃家族に向けて手紙を書いて送っていたのだ。
手紙には、メラにダンやシーラと自分の全員が無事に冒険者養成所に入学出来て、次にポルカ村に帰るのは3年後の予定になること、冒険者養成所では入っていきなりクラス分けを行うために選抜が行われたことや無事にその選抜に選ばれたこと、冒険者養成所での日々、帰れない代わりに時々手紙を書いて送ることが書いてあった。
「ーーあの子、元気にやっているのね。」
「ーーああ、無事にメラちゃん達と冒険者養成所に入って、その後も上手いことやっているようだな。」
イルミとダルクは、イルマからの手紙を読んで、イルマの近況を知り安心した様子だ。
(……3年も帰って来ないのね。……イルマ、身体だけには気をつけて頑張るのよ。)
ダルクは、イルミがイルマの手紙を読んで、イルマのことを想っている妻の肩に手を置いて自分も同じ気持ちだと伝える。
そんな夫にイルミはあんたって少し微笑み、穏やかな空気が流れる。
(……イルマ。3年間家族が傍にいないが、お前には仲間が傍にいている。それに俺達は遠くからでもお前のことを想っている。だから3年間頑張ってこい!そして、3年後に元気な姿が見れるのを楽しみにしているぞ。)
イルミとダルクは、心の中でイルマの心身の心配と応援をしていた。そして、イルマに折り返しの手紙を書いて送るのだった。
【リランの場合】
ポルカ村にイルマ達が無事に冒険者養成所に入学出来た話が伝わり、リラン!の耳にもその話が入ってきた。
「ーーアイツらやりやがった!!ポルカ村から冒険者養成所に入ることが出来たなんて……やるじゃねえか!!」
「リランさん……でも、これだとアイツらに追いつくことが更に難しくなったんじゃ……」
「馬鹿野郎!!これぐらいやってくれないとやる気が湧かないだろ?……燃えてきたぜ~~!!」
「(リランさんって、イルマ達に負けてから本当に変わったよな~。前は上手いことやって、楽して結果を出す感じだったのが、目の前の障害を乗り越えることに燃えるようになったなぁ~~、それに巻き込まれた俺達も同じ気持ちを抱くようになっちまったし。)」
「(リランさん今度は森に行こうと言い出しそうだな~~。………多分それって、俺達も一緒だよな?はぁ~~。)」
リランがイルマ達のことで燃えていることに、そんなリランの様子にリランの取り巻きであるカラとイラやベンは、またリランに巻き込まれることに内心ため息を吐く。
「カラ、イラ、ベン!俺達もイルマ達に負けていらねえぞ?訓練の量を増やしたり、今度は森の中の魔物を倒して行くぞ!!」
「「「………はーーい。(((やっぱり~~)))」」」
イルマ達に負けないように気合いを入れるリラン。そのリランにため息を吐きながら巻き込まれるカラとイラとベン。
イルマ達が養成所で頑張っている間、ポルカ村ではリラン達もイルマ達に追いつこうと頑張っていたのであった。
【ギルドマスターのモロンの場合】
イルマ達がチユルの町に向かって出発した後、ギルドマスターであるモロンは、イルマ達からの報告にあったポルカの森の奥に発生したダンジョンについてどうするかの対応をポルカ村の村長と話し合いをしていた。
「……ふ~~う。やっと、やっと一段落じゃ。、ポルカの森の奥に発生したダンジョンをどうしていくのかの話し合いがやっと一段落ついたわい。……これだけの仕事量は老人には堪えるのぉ~~。」
ポルカの森の奥に発生したダンジョンだが、イルマ達のお陰で現在は活動停止しているがそのままにしておけないこともあり、ポルカ村の冒険者ギルドマスターであるモロンとポルカ村の村長はどう対応していくかで話し合いをずっと行ってきた。
ポルカの森の奥に発生ダンジョン。放っておく訳にも行かないし、管理をするにも場所が森の奥に有ることから一時的なら兎も角長期的には厳しいし、だからといって折角のダンジョンを潰すのは勿体無いこともあって、ダンジョンの対応についての話は難航していた。
そのダンジョンの対応についての話にケリがやっと先程一応ついたのだ。そのことにモロンはやっと一段落つけれたことに肩の荷が下りた様子だ。
そんな時、ギルドマスターの部屋にデルが入ってきた。
モロンは、部屋に入ってきたデルが前が見えない程の書類を持って来たことに嫌な予感を覚える。
そんなモロンの嫌な予感は当たり、デルはモロンの机の上に持ってきた書類を置き、モロンに仕事ですと伝えるのであった。
デルの言葉にモロンは、先程肩の荷が下りた様子だったが、今度は別の意味で頭が下りるのであった。
「………ワシ、絶対に過労死する。過労死させられる。」
「大丈夫です。今のギルドにマスターは必要ですから、マスターが過労死する寸前に止めますから。」
「…………(それってヤバくないじゃろうか!?……それって死にそうになっても死なしてくれずに働かしてくるってことかのぉ!?)」
デルの言葉にモロンは、ギルドマスターの仕事が死にそうになっても死なしてくれずに働かしてくるデルとブラックな状態のギルドマスターの仕事量に戦慄を覚えていたのであった。
次回は、前回言っていたトイやマルクス達の絡みなどの話を投稿します。