第3話(洗礼・後編)
1日に2話投稿になります。
キリのいいとこまで書いたら今までで一番長く書きました。
…ホントにこれ以上一話を長く書いている皆さん凄いです…
では、続きをどうぞ!
イルマとメラが教会に一緒に向かって歩いていると、イルマは他の幼馴染み達はどうしたのか気になりメラに尋ねる。
「ねぇメラ?」
「何?」
「ダンとシーラは?いないけど先に教会に行ってるの?」
「そうよ。ダンは加護が待ち遠しくて先に教会に行くって。で、シーラは私とイルマを一緒に待ってたけど、洗礼の時間が近づいて少し不安になって神父様に相談したいから先に行ったわ」
「ハハハ、2人らしいね。どんな加護を授かるかで今後を大きく影響するからのきになったり、不安になるのは仕方ないね!」
(…………やっぱり腹立ってきたわね。私はそんな中でもあんたを1人で待っていたのに~~ッ!!)
メラはイルマに他の幼馴染みであるダンとシーラの2人のことを伝えたら、イルマはそんな2人の様子にらしいと笑っていた。そのイルマの態度や発言から先程約束を忘れられたのを思い出して怒りが再熱し、メラは笑っているイルマに意地悪をすることにした。
「……私はそんな中、一緒に行く約束していたから最後までアンタを待ってたのに、どっかの誰かさんはその私を置いて行ったわね~~」
「ギクッ!(ややっば!薮蛇だった)…ハハハ……申し訳ありませんメラ様」
イルマは他の幼なじみの行動に笑っているとメラから先程の出来事の追及され笑えなくなり、メラに謝ったりして機嫌を取る。
そうしてイルマとメラは話しながら歩いていると、2人は目的地である教会に辿り着く。
そしてイルマとメラが教会に辿り着いた時には、教会の前には10歳になった村の子達が集まっていた。
「おっ!?──────おーい!イルマ~!メラ~!」
「ちょっ………ダン、ちょっと待って」
その教会の前で集まっていた子供の中から周囲の子達よりも少し大柄な少年と、ショートヘアーでおとなしそう女の子がイルマとメラが教会に来たことに気付き、イルマとメラに声を掛けながら駆け寄って来る。
「ダン!シーラ!2人ともおはよう。後、遅れてごめん」
「ダン、シーラ。イルマを待っていたら今になったわ。で、洗礼だけどまだ始まってない?」
「おう、おはようさんイルマ。此方こそ待ちきれず先に来ちまってわりぃ。それとメラ、洗礼はまだだぜ」
「………おはようイルマ……私も先に行ってごめんなさい」
「いや、僕が約束よりも遅くなったからダン達が悪いことはないよ」
「そうよ。ダン、シーラ。イルマに謝ることはないわ。イルマったら、遅れるだけなら未だしも一緒に行く約束を忘れたのよ?」
「「…………………イルマ………」」ジーー
「ご、ごめん!?」
ダンとシーラ、それにメラから遅れる処か約束を忘れていたことを白い目で見られて何度も皆に頭を下げて謝るイルマ。
「…………洗礼はそろそろ始まるみたい。
ほら、教会から神父様が出てきた」
シーラの言葉にイルマ達は視線を教会の方に向けると、教会の扉が開いては神父様が扉から出て来て子供達を教会の中に入るように促す。
村の子達とイルマ達は神父様の案内に従って教会に入ると、教会の中には女神様の像とその前に机と聖水が入った容器と桶、水晶が置かれていた。
村の子供達が全員教会の中に入ったことを確認した神父様は、子供達に今から行う洗礼について説明し出す。
「皆さん、本日は洗礼へようこそ」
「洗礼はマナの女神様に信徒である我々が祈り、その御力を授かる儀式です。ただし、本心以外の祈りを女神様に捧げると、皆さんが望んだ加護は授からないケースが多いので注意してください。そして、女神様から授かる加護には幾つもの種類があり≪自然系≫、≪祝福系≫、≪技能系≫、≪職業系≫など多種多様です」
「そして加護の種類には希少な物やありふれた物などあります。しかし、決して授かる加護で人の良し悪しが決まるわけではありません」
「加護はマナの女神様が我々信徒に対して願いを叶える手助けとして授かる物であり、本人の努力次第ではありふれた加護でも偉業を成し遂げた過去の英雄もいます」
「…………話が長くなりましたが、私からの話は以上になります。──────────さぁ、皆さん。一人ずつ順番にそこに置いてある聖水を身体に浴びて、マナの女神様の像の前に行き聖句を唱え、本心からの祈りをマナの女神様に捧げてください。どんな加護が手に入ったかは、この水晶を使うことで確認が出来ます」
神父様の話が終わり子供達は言われた通りに女神像の前に行き、聖水を浴びては聖句を唱えて祈りをマナの女神様に捧げていく。
「ダンはどんな加護にするか決めていたよね?」
「ああ。俺は身体が他の奴らよりも大きいし、長所を伸ばす方向で加護を女神様に祈ろうと思っているぜ!!」
イルマ達は他の子供達の洗礼が終わってから洗礼を受けるみたいで、その間にイルマはダンにどんな加護を祈るか決めていたよねっと話掛ける。
「………私は今の今まで女神様に祈る加護を悩んだ。だからダンは祈る加護が分かりやすくて羨ましい」
「ガハハハ!いいだろシーラ?」ニィ
「……………腹立つ」ムカッ
どんな加護を授かるか即答するダンに対してシーラは愚痴を溢す。そんなシーラにダンは笑っていいだろ?っとシーラを煽り、シーラはそんなダンに腹を立てる。
「(そんなにシーラを煽っていると後で仕返しされるよダン)…………メラはどんな加護を女神様から授かるか決めたの?」
イルマはダンがシーラを煽りそれに腹を立てるシーラを見ては自分に飛び火が来ないようにダンの傍から離れ、今度はメラに話しかける。
「私は魔法の加護よ!それも大魔女様マーリナ様と同じ加護である精霊の祝福よ!」
「うわあ~相変わらずメラは強気だね~ってことは"職業"は魔術師を選ぶ感じ?」
「そうよ!私は魔法が一番得意だから長所を伸ばすことに決めたから、私がなる職業"魔術師"だわ!」
「うん。いい選択だと思う」
「でしょ!」
そしてイルマ達は授かる加護やその後のことも話してると他の子供達の洗礼が終わり、女神様から授かった加護に喜んで友達に自慢する者、願っていた加護が授からなく落ち込む者などの姿が見られた。
そして集まった子供達の洗礼が終わったことで、イルマ達が洗礼を受ける番となる。
(待ちきれないぜッ!!)
「よし!じゃあ俺から行くぜッ!!」
ダンが待ちきれなくなっては気合いを入れて先に洗礼を受けに行き、その後メラ、シーラの順番で洗礼を受けていく。
そして、聖水を身体に浴びせては聖句を唱え祈りをマナの女神様に捧げていく。
「よっしゃー!"剛体の加護"を授かったぞ!」《身体を強くする加護》
(俺にもピッタリな加護だぜ。これでもっと強くなれるッ!)
望み通りの加護を授かり右拳を握り締めて喜ぶダン。
「私は、魔女の加護を授かったわよ。精霊の祝福じゃあなかったけど、これもアリね」《魔法の補助してくれる加護》
(まぁまぁね。これで更に魔法を使いこなせるわ)
頭の中で様々な魔法を浮かべては使いこなす自分の様子を描くメラ。
「………私は守護の御加護を授かった」《守りの力を高める加護》
(私が皆のことを守る)
授かった加護で皆を守る決意するシーラ。
これでイルマ達の中でイルマ以外は洗礼が終わり、洗礼まだなのはイルマだけとなる。
「ほら、イルマの番よ!頑張りなさいよ」
「イルマ。男なら当たって砕けろ!」
「………ダン、この場合は当たって砕けたら駄目なやつ」
「ハハハハハハ───この場合じゃなくても当たって砕けたくないよ。よーし、僕も行ってくるよ」
そしてイルマも女神様像の前に行き、聖水を身体に浴びせては聖句を唱え祈りを女神様に捧げる。
(え~と、聖句の内容は…………よし、大丈夫。後は加護のことだけど、あれのアイテムの効果がちゃんと発動するか……………上手くいってくれ!!)
≪我々を見守りし、女神【マナ】よ≫
≪我々人の子、女神【マナ】に感謝と祈りを捧げる≫
≪その御力で我等に希望を授けたまえ≫
イルマはある物の効果がしっかり発動することを祈りながら聖句を唱える。
すると、イルマは身体の中に何かが入ってくるのを感じる。
皆や神父様に他の子供達にバレないようにイルマはこっそりと自身の固有技能【開示】を発動する。
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名前 イルマ
年齢 10歳
加護 冒険の加護new ≪学習の加護new≫
職業 村人10、2nd≪魔術師2≫、3rd≪剣士1≫
性別 男
レベル 1
力強さ 100
体力 100
頑丈 100
敏捷 100
魔力 500
技能
【通常】
≪算数5≫≪土木5≫≪画家2≫≪歌唱1≫≪工作2≫≪掃除5≫≪聞き耳5≫≪演技5≫≪剣術1≫≪格闘1≫≪疾走3≫≪射撃2≫≪気配察知1≫≪気配遮断1≫≪鷹の目1≫
【希少】
≪成長促進3≫≪蓄積1≫≪隠蔽4≫
【耐性】
≪苦痛耐性4≫≪毒耐性2≫≪打撃耐性1≫
【魔法技能】
≪風1≫≪火1≫≪水1≫≪土1≫
無詠唱、魔力操作5、魔力放出5
【職業技能】
村人技能≪村人の決起≫
魔術師技能≪魔力爆発≫
剣士技能≪決死の一撃≫
【固有技能】
≪開示≫≪メニュー≫≪ガチャ≫
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ステータスを確認したイルマは心の中で飛び上がって喜んでいた。
(よし。よし。上手くいったッ!!!普通1人1つの加護が2つも手に入ったッ!!)
(これも固有技能【ガチャ】アイテムのお陰だ!!)
そう、イルマが洗礼前に使った物とは【ガチャ】のアイテムガチャで獲たアイテムである。
そのガチャアイテム≪女神の祝福≫という超レアアイテムをイルマは洗礼を受けるずっと前に使用していたのだ。
この≪女神の祝福≫というアイテムの効果とは、授かる加護の数を倍にするという限定的な効果だが、その効果は凄まじい物である。普通1人1つの加護が2つ、しかも、これは生涯効果を得れる物なのである。
しかし、凄まじい効果だけに色々制限もあり、洗礼前に他人に祈る加護の内容を話してはいけないというものである。破ってしまうと効果が発揮されないというもの。しかも洗礼の1年前から使用していないといけない代物でもあった。
このアイテムの効果のこともあり、イルマは家族である母親や幼馴染み達にもどんな加護を祈るかについての話は誤魔化したり内緒にしてきた。
……母親が五月蝿く言うことも誤魔化していた理由の1つということも否定は出来ないが…
何せ、冒険の加護の効果は冒険する者の成長を助けるという冒険者や冒険することで発揮する加護であり、その為冒険の加護を授かるということは村人の子であるイルマが命を落とす危険がある冒険者になると言っているようなものである。
普通の親なら子供が冒険者になると言えば普通に心配する。
このことが、イルマがアイテムの効果以外で母親や家族に隠していたもう1つの理由である。
(アッ、早くステータスを隠さないと!神父様がちゃんと加護を授かったかステータスを確認にくる!!技能≪隠蔽≫発動ッ!……よし!≪隠蔽≫完了だ)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【隠蔽】のステータス
名前 イルマ
年齢 10歳
加護 冒険の加護new
職業 村人5
性別 男
レベル 1
力強さ 60
体力 70
頑丈 60
敏捷 80
魔力 50
技能
【通常】
≪土木1≫≪剣術1≫≪鷹の目1≫
【希少】
無し
【耐性】
≪打撃耐性1≫
【魔法技能】
無し
【職業技能】
村人技能≪村人の決起≫
【固有技能】
無し
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神父様が全員の洗礼が終わったの確認後、子供達に向けて再び話をする。
「無事に全員の洗礼が終わったみたいだね」
「望んだ加護が授かった者もいれば、授かれなかった者もいるだろうと思います」
「だが、どんな加護でもマナの女神様からの祝福であり、どんな加護でも本人が努力しないなら宝の持ち腐れになります」
「なので、皆さんは、マナの女神様に感謝を忘れず、努力を怠ることなく頑張ってください。以上で私の話と洗礼の儀式を終わります」
神父様の話は終わり、洗礼が終わった子供達は教会を出ていく。
今回イルマ達が手に入れた加護
【ダン】
・剛体の加護new…身体を強くする加護
【メラ】
・魔女の加護new…魔法の補助してくれる加護
【シーラ】
・守護の御加護new…守りの力を高める加護
【イルマ】
・冒険の加護new…冒険者の成長を助ける加護
・学習の加護new…体験したことの学習能力を助ける加護
※授かった加護の効果はステータスでは表記されない。感覚的な部分等や成長の際に効果を及ぼしたりする力になる。