第50話(入学後の試練)
何とか今日も投稿が出来ました。
そして、これで異世界トラブルも50話も続きました。
これも読んでくださっている皆さんのお陰です。ありがとうございます。
引き続き頑張って行きますので宜しくお願いします。
では、異世界トラブル続きをどうぞ!
無事に冒険者養成所の入学試験を合格したイルマ達。
イルマ達は、試験官の案内で寮に辿り着く。
試験官の案内で1通り寮の中を案内後、試験官から、明日指定された場所に朝8時に集合、それまでは寮の自分達の部屋で休むよう指示があり、イルマ達とマルクス達、他の合格者合わせて40名は、試験官から案内された自分達の部屋に行き、試験で疲れたこともあり各自は明日まで休むのであった。
・・・
翌朝……
イルマ達とマルクス達や他の合格者達は、試験官に言われた場所に8時前に到着して待機していた。
「なぁイルマ!俺達、冒険者養成所に無事に入ることが出来たけどどんなことを教えて貰えるんだろな~♪……くぅ~~、今から楽しみだぜ!!」
「そうね……やっぱり訓練場で見た魔法とかも教えて貰えるかしら?……ダンと一緒の気持ちだけど私も楽しみだわ。」
「……他にも私達が見たことない技術も教えて貰える?……楽しみ。」
「そうだよね。……実は言うと僕もそれは楽しみにしている。」
『私もどんなことが有るのか楽しみです!!』
「だよな~、早く授業が始まらねえかなぁ~」
「だね。」
教官を待つイルマ達は、早く以前に訓練場で見たような知らない技や魔法、まだ見てない知らないことを教えて貰えないかと楽しみに待っていた。
そして8時になり、教官が部屋に入って来た。
イルマ達は、部屋に入って来た教官に挨拶を行う。
「「「「「おはようございます!」」」」」
「おう、おはようさん。座っていいぞ~」
教官は、イルマ達の挨拶に答えた後着席するようにとイルマ達新入生達に言う。
「先ずは自己紹介だな。俺は新しく冒険者養成所に入って来た君たちの担当になった元Aランク冒険者の戦士職だったナミノという。」
「「「「「宜しくお願いします!!」」」」」
「おう、此方こそ宜しく。早速だが、皆に伝えることがある。」
「「「「「?何でしょうか?」」」」」
「それは、今回の試験合格者7グループ計40名だが、この3ヶ月で4グループまで厳選されることだ。」
「「「「「ッ!!?」」」」」
「な、何故?ナミノ教官、一体どういうことですかッ!?」
「そ、そうです!説明してください!!」
「約半分が辞めさせられるっていうのか?ふざけるなッ!?」
イルマ達も教官の発言に驚愕し、叫んだりしないが内心で他の人達と同じように教官の話の内容について考えていた。
「(おいおいマジかよ?入学して早々恐ろしいことになったな……)」
「(……3ヶ月で約半分辞めさせられる?フン!ーそれが何よ!それならその残り半分に入ればいいことでしょ!)」
「(……流石冒険者養成所。ハードルが高い。……でも私達には関係ない。それぐらい結果を出して必ず半分の内に残ってみせる。)」
「(うぁ~、……いきなり凄いことになったな、たった3ヶ月で人数を約半分に削られるなんて有る意味流石と言うべきかな?)」
『(凄い話ですね……冒険者養成所に入っていきなり爆弾発言ですね。)』
教官のいきなりの衝撃な発言にイルマ達40名が驚愕する。
折角試験に合格したのに、その中から約半分が減らされると言われれば当然な反応と思い教官はイルマ達にどういうことか説明する。
「待て待て、落ち着いて話を聞け。約半分が厳選されるのは事実だが、辞めさせられる訳じゃない。その事を今から説明するから静かにしろ。」
教官は、今から事情を説明するから静かにするようにイルマ達新入生達に言う。新入生達も辞めさせられる訳じゃないと言われ、少し落ち着いて教官の話の続きを待つ。
「厳選するっていっても、別に退学になるわけじゃない。ただ、今から3ヶ月間の成績でクラス分けする意味だ。」
「?何でわざわざそんな手間をかけるのですか?」
「そうですよ!しかも何のクラス分けですか!?仮にクラス分けする必要があったら試験の時の成績で決めたらいいじゃないですか!」
「まぁ話を最後まで聞け!……クラス分けの理由についてだがな、流石に7グループ40名を1度に教えるのは多すぎる為だ。だからっといっても合格者の人数を40名以下にすればそれはそれで優秀な奴を取りこぼすリスクが有る。だからその為にクラス分けを行い教えるのに適正の人数にするわけだ。」
「なら、成績順にクラスを分けたら……「それだがな」?」
「ただクラスを分ける訳じゃない。確かにクラスを分けるだけならそうしたらいい。だが、此処は冒険者養成所だ。優秀な奴を育てる場所だ。優秀な奴を育てるその為に、クラスを分け、優秀な奴をAクラス、そうじゃない奴をBクラスと分けて、その後の3年間の間に優秀な奴はAクラスに滞在し、最初Bクラスでも結果を出せばAクラスに昇格し、Aクラスで結果を出せない奴はBクラスに降格するシステムを作るのが最大の目的だ。」
「じゃあ、……3ヶ月の期間は……」
「そう、そのAクラスに滞在する為に競う為だ。成績順にしないのは、全員にチャンスを与える為と、今までの環境の違いからの成長速度を考慮したわけだ。」
「「「「「……。」」」」」
「後、成績順にクラス分けを行うと言ったが、此処での生活で3ヶ月の間の成長や能力の将来性もクラス分けの判断のカウントにさせて貰うぞ?」
「「「「「…………!!」」」」」
(思った通り、コイツらほとんどがお互いにライバル心露にしているな。……一部の奴はこの状況を冷静に観察しているな。コイツらは人の話に流させず冷静に状況判断しようとしている。ひとまずコイツらはAクラス候補だな、人の話に一喜一憂しているコイツらと違ってな。ククク、人の話に慌ててるお前ら、3ヶ月後までにっと言ったが、何時からスタートとは言ってないだがな?クラス分けの評価はもう今から始まっているぞ?)
教官の話を聞いた新入生達は、お互い上のクラスに上がるためのライバルと認識し、睨め合う。新入生達のその様子に教官は狙い通りと内心で嗤い、今の話で冷静な奴、慌ててる奴とクラス分けの評価を人知れず開始していた。
「ーーさて、君たちへの連絡は今の所以上だ。今からは、これからの授業の予定についてだが……先ず1年間は肉体作りから始める!」
「そんなーー!折角苦労して試験に合格したのに、合格してやることが1年間も肉体作りなんて!?」
「そうだ!!此処には元上級冒険者や引退した騎士が教官として所属してるんだからもっと凄い授業をしてくれよ!!」
「そんなことなんてもうとっくにしているぞ!!」
「ナミノ教官、肉体作りなんてどうでもいいです!早く授業をして凄い技や魔法を教えてくださいよ!!」
「そうだ!そうだ!」
「………………」
「(あ~知~らない。確かに凄い授業を期待するのは当然な気持ちだと思うけど、肉体作りについて文句言うなんて………)」
『(?イルマさん、どういうことですか?苦労して試験に合格したのに地味な肉体作りって言われたら文句も出ると思いますが……)』
「(それはねミルン、僕らはこの中で一番若いけど新入生全員が世間一般的に言ったら若すぎるって言っても過言でもないんだよ?今が一番肉体作りに向いた年代で、それに此処の教官達からしたら肉体作りしてきたって言ってもまだまだなんだよ。)」
『(なるほど~だから教官も肉体作りを行うと言っているのですね?)』
「(そうだよ。それに身体は全てのことの資本だし、魔法や武術、商売する上でも鍛えて損はない。しかも、どんな凄い技でもその土台になる身体が貧弱だと使えない、逆に怪我するなんてザラだ。……そんな基礎を蔑ろにする発言をするなんて自分の成長を捨てるも同然だ。)」
『(……つまりこの騒いでいる人達は、そんなことも理解していない人達ってことなんですね。)』
「(その通り。そして、メラ達が教官の話に何も言わないのはその事を昔僕が皆に話して理解しているからだよ。)」
へぇ~とイルマの話に納得したミルン。そして、イルマの身体中からミルンは、教官の話に何も言わず話を聞いているメラ達を周りで騒いでいる人達を比べてその様子に感心していた。
そして、肉体作りを1年間することにまだ騒いでいる新入生達に黙っていた教官は我慢が限界にきたのか大きな声を上げる。
「馬鹿やろうーー!!」
「「「「「!!?」」」」」
「全ての基礎である肉体作りを甘くみるな!!お前らのしてきた肉体作りなんてまだまだだ!!そんなレベルで技を教えても、怪我するどころか碌に使えないわ!!」
「「「「「ウッ!?」」」」」
「まだまだ若いお前らが最初にすることは、全ての基礎になる肉体作りだ!!武術や技、魔法はその後だ!!それも分からない奴は勝手にやって勝手に潰れろ!!此処まで言って、そんなことも分からん奴は面倒見切れん!!」
シーーーーン
………ギリッ!
教官の怒声に騒いでいた奴ら黙り込む。そんな奴らの反応に教官は苛つき理解したのかと声を上げる。
「何だ?俺の話はわかったか?分からないのか?どっちだーー!!?」
「「「「「ッ!?分かりましたー!!」」」」」
「………分かればいい、分かればな。………それに1年間ただ肉体作りをしろとは言わん。平行して此処でのお前達の先輩が使っているような技や魔法についても授業をしていく中で触れていくぞ。」
「「「「「ッ!?ーーやったーー!!」」」」」
「ナミノ教官!!それを先に言ってくださいよ!!」
「そうですよ人が悪いですよ!!」
「それを先に言ってくださっていたら文句なんて言わなかったのに。」
「馬鹿やろう。あくまでも優先は肉体作りだ!お前らの年代が一番肉体作りに向いているんだからな?肉体作りが主体で他はオマケだ!!肉体作りを疎かにしていたら1年と言わず2年でもやるぞ?」
「「「「「ウッ!!」」」」」
「嫌だったら、きっちりこの1年は肉体作りの課題を怠らずにやるだぞ?後、それに加えて3ヶ月後のクラス分けの発表までに、 授業から知識などしっかり取り入れて今の自分から俺に成長している姿を見せてくれ。その姿を評価してクラス分けしていくからな?」
「「「「「ーーはい!!」」」」」
そんな様子を見ていたイルマ達も他の新入生達に負けないように気合いを入れていた。
「(俺達も此処にいる奴に負けず3ヶ月にはAクラスに上がってやるぜ!!)」
「(蹴散らしてやるわ!)」
「(………Aクラス以外に眼中にない。)」
「(此処で、Aランク処か僕の目標の為にも教官達の実力を抜く勢いで成長してやる!!)」
『(皆さん頑張ってください!!私も全力で応援します!!)』
そして、イルマ達新入生達は、いきなりの冒険者養成所の洗礼を受けて、3ヶ月後のクラス分けに向けて気合いを入れるのであった。
次回はクラス分けまでの授業の様子を書こうと思っています。