第49話(試験結果)
今回は試験結果と最後に蛇足を書いています。
遅くなりましたが異世界トラブル続きをどうぞ!
何の問題もなく実戦試験が終わったイルマ達。
しかし、他の受験者達はまだ試験が終わってないなので、それを待った後、全員冒険者養成所に戻るのであった。
・・・
冒険者養成所の試験会場に戻ってきた受験者達。
そこで試験の結果を発表をされるのを待っていた。
「大丈夫だ。大丈夫だ。大丈夫だ。」
「頼むぞ~受かってくれ~」
「ふん!問題ない俺は受かっている。」
「お願いします。合格していますように!」
「う、受かっているかなぁ?……でも、あの時自分でもいい結果出せたと思うし………う~~不安だ~」
受験者達は、自分に合格出来ていると暗示をかけている者や合格を祈る者、合格に自信がある者、逆に自信が無い者等様々な様子を見せながら試験結果の発表を待っていた。
「(頼む!!筆記試験の結果が悪くありませんように!!もし……悪かったら、後日の勉強会が大変なことにッ!?)」
ダンは、そんな受験者達とは別の意味で試験結果の発表を祈りながら待っていた。
すると、会場に試験官達が入ってくる。
試験官達は、試験の結果を発表する!と言って手元の用紙に目を向ける。
「合否の発表の前に君たちには各試験の内容の趣旨を説明する。」
「先ず筆記試験だが、これは何故魔物の内容に関する問題にしたのかだが、3つの理由がある。
1に冒険者になる者が魔物について知らないので話にならないからだ。
2に他のことでは、失敗が出来るし、後で覚えることも出来る。しかし、魔物との戦いで失敗すれば命が危ないからだ。
3に情報収集しているか確認しているかだ。今回の問題には、魔物の素材について等余り知ることが無いことを問題として出したが、どれも情報収集していれば知ることが出来ることを問題として上げている。情報収集が出来ない者は、どれ程強くてもいずれ死ぬからな!」
受験者達は、試験官の説明に納得している者や、情報収集を怠ってた者は悔しそうな顔をしていた。そんな受験者達の反応を置いて試験官は話を続ける。
「次に能力値検査だが、これについては試験の時に話をしたが、能力値の数値ではなく、如何にその能力値を使いこなしているかの検査だ。たまにいるが能力値が如何に高くても使えなければ意味がないからだ。」
能力値検査の話では試験の時に話を聞いていたこともあり全員が納得した様子で試験官の話を頷いていた。
試験官も受験者達のその様子にこれは説明が不要だったかと呟いて説明を続ける。
「次に模擬戦についてだが、これは得意分野と不得意分野を見る為と説明したが、それに加えてもう1つ理由がある。」
試験官の言葉に何だ?もう1つの理由?と全員が頭を傾げるが試験官が静かにと注意すると、受験者達は口を閉じて試験官の話を待つ。
「……オッホン!……もう1つの理由についてだが、頭を使った戦い方を見るという意味もあったのだ。2つのグループの中で2回戦うことになれば、戦う相手の戦い方を見る、見られる。となれば見る側は、相手の弱点を探したり、見られる側は戦い方を見られた上でどう戦うか考える筈だ。その考える能力を見る1面がこの模擬戦ではあったのだ。」
模擬戦でそんな所を見られているとは思わず感心する受験者達。…一部の受験者は、模擬戦の際に何も考えていなかったのかゲッ!?と顔を歪ましている者もいた。
気づいたか?と試験官は受験者達に笑いながら問いかけながら最後の実戦試験試験について説明を行う。
「そして最後の実戦試験だが、これは皆に持って貰った魔道具を護衛している依頼者と見立てて"実戦"と"採集"に"護衛"や"連携"を4つ同時に見ていたのだ。これは、実戦での冒険者としての総合的な能力を計っていた。」
「今回の試験は、これらを全てチェックしてその結果、……今回の試験の合否を決定した。」
「これから合否を書いた用紙を配る。試験の結果に不満がある者は、今から配る用紙に自分達の各試験の詳細結果が書いているからそれを見てくれ!不合格になった者はそれを見て自分が足りない物が何かということを知り更に上を目指して欲しい!合格者の者も全ての能力に問題が無かった訳じゃないぞ?だから合格者も合格に満足せず試験の詳細を見て自分の足りない、もしくは長所を伸ばして欲しい!……それでも合否に不満な者は明確な理由を上げることが出来るなら後で話を聞こう。」
試験官の話が終わると他の試験官達は、受験者達に合否が書いた用紙を配り始める。
試験官達から合否の書いた用紙を貰った受験者達は、自分の用紙に不合格が書かれているのを見て項垂れる者や嘘だと言って結果を信じない者、自分の合格が書かれているのを見てよっしゃー!とガッツポーズを取るものや当然と言わんばかりな態度でいる者等各自自分達の合否に反応を表していた。
そして、イルマ達はというと……
「よっしゃーー!合格だー!筆記もそこまで悪くねえぞー!!これで勉強会で酷いことにはならねえーー!!」
ダンは試験の合格に喜ぶ。だが心なしか試験合格より筆記試験の結果の方が喜び強いようにも見えるが……気のせいだろうか?
「合格……フン!まぁ私なら当然ね。」
メラは合格について胸を張って当然と言っているが、その表情は嬉しさを隠しきれていなくて嬉しそうだ。
「……合格。」グッ!
シーラは合格の通知に静かにガッツポーズする。
「合格。……やり過ぎ注意って?」
『試験官さん達からもイルマさんはやり過ぎと思われているのですね!』
イルマは合格の通知にも書かれたやり過ぎ注意の言葉とミルンの言葉に精神的ダメージを食らっていた。
イルマ達の他にマルクス達も試験に合格したようで、イルマ達はマルクス達に目を合わせてよかったな!お互いにねっとお互いの合格を喜び合う。
試験官は、合否に一喜一憂している受験者達を見て、合否の用紙が受験者全員に配り終えたのを確認後、静かに!!と叫び静かになってから話し出す。
「試験受験者達!合格者の諸君合格おめでとう!君たちは、この後寮に案内する!……不合格の諸君は、残念だが酷なことを言うが君たちの能力が足りてないところが有った為不合格だ。用紙に書いている自分の足りてないところを見て鍛え直し再び頑張ってくれ。」
そして、イルマ達とマルクス達や合格した受験者達の7グループ中合格40名は、試験官の案内で寮まで移動するのであった。
・・・
ーー此処からは蛇足です。
【イルマ達の試験を見ていた試験官】
≪筆記試験の際≫
(ほぉ?もう書き終わったのか……よく勉強しているな。仲間の1人は梃子ずっているみたいだが)
≪能力値検査の際≫
(うん?魔道具の故障か?……おかしくないか?コイツら全員が能力値高すぎないか!?ッ!?イルマという奴は俺よりも高いだろッ!?)
≪模擬戦の際≫
(凄いな~弓矢だけじゃなく魔法をも斬り捨てるなんて真似早々出来ないことだぞ?魔術師の女の子は、作戦通りなのかもしれないが思いっきりがいいなぁ~~容赦がなくて少し怖いがなぁ!!……ほう?氷魔法を使うのか珍しいなぁ……何と結界も使えるのか!?ーー寒い。ホントに寒いな、こっちにも結界が欲しいぞ。……なるほどよく考えている氷と水と風、それに結界を上手く組み合わせて相手を完全に封殺している。……最後はあの子か、僧侶の子では勝ち目無いだろうな……やっぱりか~うん最後はどうだ?ーーーはぁーー!?何だそれはッ!?接近戦で剣を使い、その上魔法と闘気を至近距離から撃ち込む!?何だそれはそんなこと出来るか!!それにやり過ぎだーー!)
≪実戦の試験の際≫
(……うん、おかしい。おかしいぞコイツら。今は実際に魔物が出て来て戦闘する可能性がある実戦中だぞ?しかもその様子を審査される試験を行っているのに散歩しているみたいに何の問題も無くクリアしているぞ?……うん、おかしいだろコイツら。)
以上イルマ達を見ていた試験官の試験中の様子でした。
次回は投稿が明後日になるかもしれません。
出来たら明日も投稿しますが出来なかったらスミマセン。