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異世界トラブル  作者: 海路希望
4章~冒険者養成所編~
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第47話(冒険者養成所入学試験・中編)

今回は、筆記試験と能力値検査、模擬戦の始まりになります。


では、異世界トラブル続きをどうぞ!



筆記試験開始してから10分後……

イルマは既に筆記試験の解答を書き終えていた。


メラも後少しの所まで解答を書き終えて、シーラはイルマと同じく既に筆記試験の問題の解答を書き終えていた。


ダンは問題の半分位書き終えていたが、時々、頭を抱えながら問題を解いていた。


イルマ達以外の試験参加者達もイルマとシーラ同様に筆記試験を書き終えている者が少数いた。勿論ダンと同様に頭を抱えて解答を書いている者やもう少し時間が掛かりそうな者が多数なようだ。





そして筆記試験開始30分後……



「よーし!それまで!!……筆記試験は終了だ!まだ書き終えていない奴はもう解答用紙に解答を書くのは禁止だぞ?では、今から解答用紙を集める。」



筆記担当試験官が筆記試験の時間が終了したことを試験受験者達に知らせる。筆記試験が終了し、試験官達が試験受験者達の解答用紙を集め始める。

試験官達が全ての解答用紙を集めた時、筆記担当試験官から次の試験である、能力値検査を行うことを知らされる。


能力値検査の為、試験受験者達は別の場所に移動することになる。

次の試験会場に移動中受験者達は、筆記試験の手ごたえを確認したり、頭から煙を上げている者は次の試験まで少しでも休もうと、口を閉じて仲間達と喋らずに歩いていた。


イルマ達も他の受験者達と同様に、筆記試験の手ごたえについて話ながら次の試験会場に向かっていた。



「………筆記試験の問題、解答用紙に全て書けたけど……魔物についての問題って言ってもよ~、魔物の素材になる部分までいるか~普通。魔物の生息地や種類なら分かるけどよ~……」


ダンは筆記試験の問題の内容についてイルマ達に愚痴を溢していた。


「でも、今回の試験に出た問題って私達が勉強した中にあったじゃない。それに魔物の素材になる部分についても、ポルカ村の冒険者ギルドの資料室に普通に書いてたし、冒険者の皆も大体頭に入ってたし、問題にするか?ってそう言っても、それが私達が冒険者になった時の稼ぎになる部分よ?」


「問題の定義の前に、知っていないといけないこと。冒険者になるなら必要なことだから。」


「そうだよダン。それにしっかり勉強していたら制限時間ギリギリまで解答を悩む必要はなかったんだよ?今回の試験が終わったらまた勉強会をしよう!」


「ゲッ!やぶ蛇だった……イルマ……マジでするの?……勉強会?」


「勿論!!」



ダンの試験の様子を見ていたイルマから、後日勉強会をするイルマの言葉にガックリと頭を項垂れるダン。


筆記試験について文句を言ってメラやシーラから見事に正論で言い返された上、後日強制的に勉強会を行うことになったダンは、周りにいる筆記試験の手ごたえがなかった者とは別の意味で項垂れる。


更にダンはイルマ達から、筆記試験の成績が悪かったら罰ゲームがあるからと言われる。

イルマ達からの罰ゲーム発言に対してダンは、「これで筆記試験が落ちてたら後日の勉強会が洒落にならねえぞーー!?」と筆記試験の結果が出るまでの間、他の受験者達とは別の意味で筆記試験の結果が出る時までをドキドキと結果発表を待つことになった。






そして受験者達全員は、次の試験会場に到着し、試験官達の試験内容の説明を待つ。


試験官達は、能力値検査の試験が出来るかどうか、検査道具である魔道具の確認をしてから受験者達に試験内容の説明を始める。



「待たして申し訳ない受験者の皆、ちょっと検査道具の確認をしていた。試験結果に影響することなので再度検査道具の魔道具の調子を確認していた。………では、これから能力値検査の試験を開始する。」

「能力値検査についてだが、ステータスに表記される5項目をこの検査道具である魔道具で数値を表して評価する。」


試験官が受験者達に検査道具を見せながら試験内容の説明をする。受験者達は、試験官が見せてきた検査道具である魔道具に視線が集まる。


その検査用の魔道具は5種類あった。

試験が受験者達にその5種類の魔道具を1つずつ何に使用するのか説明を始める。


「能力値検査に使用する魔道具だが、力強さに使うのはこの金属性の球体を持ち上げて投げる。次に体力に使うのはこの札を首からかけてどれくらい立っていられるかを計る。頑丈さは、この板の上に乗っていつまでその上にいられるかで測定する。そして俊敏さは、この鎧を装着して走ってもらいそのスピードを測定する。最後に魔力について測定するのは、魔力銀が入ったこの試験管を使ってどれくらいの魔力量があるのかを調べる。」



試験官の検査用の魔道具の説明に受験者達やイルマ達は、興味深そうにその検査用の魔道具を見ていた。


その魔道具に興味を抱いたイルマは、固有技能【開示2】でその魔道具を鑑定する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【力の球体】


この魔道具を持ち上げたり投げた者の力強さを測定する魔道具。


【生命吸印の札】

この札を首からかけることで、首にかけた者の体力を吸っていく魔道具。


【呪痛覚の板】

この板の上に立った者に幻覚での痛みを与える。この板の上から離れるとその痛みは無くなる魔道具。


【魔重力の鎧】

この鎧を装着した者にその俊敏さに応じて重さが軽くなる鎧の魔道具。


【魔銀吸水】

魔力を取り込むことで体積が増えるようになった魔力銀か入った魔道具。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーへえ~、ギルドカードや技能≪鑑定≫以外でもこんな方法で、能力値を調べる方法が有ったのか……でも、何でギルドカードや技能≪鑑定≫で能力値を調べないんだ?

わざわざこんな手間がかかる方法をして能力値を調べるんだろ?



イルマは、何でこんなわざわざ手間がかかる方法で能力値を検査するのか疑問を浮かべる。

すると、試験官もその疑問を受験者が考えていると思い、その理由を説明してくる。



「受験者達も疑問に思っただろう。この試験では、何で能力値を検査するのにわざわざこんな手間をかけて測定するのかと。ギルドカードや技能≪鑑定≫で調べたら直ぐに分かるのにと……」



「(……そうだ、確かに何でこんな方法で調べるんだ?冒険者養成所ならギルドカードの用意や技能≪鑑定≫を習得している人材確保ぐら出来そうなのに……)」



試験官の話に受験者達は、疑問を浮かべて試験官の説明を待つ。



「確かに今言った方法でも能力値を調べる方が早いし手間がかからないし、此処ではギルドカードの用意や技能≪鑑定≫を使える者もいる……しかし、それでは数値のみしか測定が出来ないのだ。ステータスの能力値は、訓練やレベルが上がると高くなるが、その能力値を使いこなしているかは又別問題だ。」

「例えば、頑丈さが幾ら高くても痛みに堪えることが出来ない精神が弱い者もいる。この検査は、そんな数値だけでは分からない部分を見る為にわざわざ手間をかけて行う。………これで君達の疑問は解けたかな?」



受験者達は、試験官の説明にわざわざ手間をかけて能力値の検査をする理由に納得する。



「では、疑問が解けたことだ、能力値検査を始めていくぞ?名前が呼ばれた者から順番に検査を始まる。」



受験者達やイルマ達の疑問が解けたこともあり、試験官は、能力値検査を始めていく。

受験者達は、試験官に名前を呼ばれた順番に検査を開始していく。


受験者達は、能力値を高い所を試験官達にアピールするため気合いを入れて検査に取り掛かる。

イルマ達も、他の受験者達に負けないよう全力で試験に取り掛かる。(イルマは能力値が高過ぎるので気持ち手加減をしていたが)


力強さや体力と頑丈さの検査ではダンが闘気や腕力強化等使い他の受験者達より力の球体を投げ飛ばしたり、魔力の検査ではメラとシーラが魔力操作や魔力放出等を使い魔力銀を能力値以上に増やしたりなどして受験者達の中でも頭角を露にしていた。(イルマは全ての検査で試験官も驚くレベルで頭角を露にしていたが)


そんな受験者達を引き離した記録を出していたイルマ達。

このまま行けばイルマ達が受験者達の中で断トツ1位になると思った時、そんなイルマ達に迫る能力値の記録を出すグループが出てきた。


そのグループは、イルマ達よりも年齢が3つか4つ程上ぐらいの4人組で、職業が戦士や狩人、魔術師や僧侶のバランスが取れたグループだ。


そのグループ達は、現在記録1位を取っているイルマ達をライバル視したようで、イルマ達に強い眼差しを向けてきた。

イルマ達もその眼差しに負けないように正面からその眼差しを受け止める。


イルマ達が目線を反らさないことに、更に強く見てくるが、試験官の検査の終了の合図が聞こえて、イルマ達もそのグループも視線を試験官に向ける。


能力値検査の試験が終わり、試験官達は能力値検査で疲れた受験者達を回復魔法で癒して次の試験に影響が出ないようにする。そして、能力値検査の次の試験である模擬戦を行う為、前日イルマ達が覗いた訓練場に足を運ぶことになる。





訓練場に着いた受験者達とイルマ達。

試験官は、次の試験である模擬戦について説明を行う。

模擬戦は受験者達の中から行う。それも、戦士職の者は戦士職と魔法職と1回ずつ、計2回行うことになることを説明される。その理由は、各自の得意分野や苦手分野の対応を試験として調べるとのこと。



その事に受験者達から、模擬戦で人数の関係で他の受験者達よりも多く模擬戦を行うことになるのはどうするのかと質問が出てくる。


試験官は、その質問にその場合は、勝敗に関係なく、その分成績に反映されると説明する。そして受験者達から質問が終わると試験官は、模擬戦を行うメンバーを発表していく。



そして何と、試験官が発表したイルマ達の模擬戦の相手が能力値検査の時に、イルマ達に迫る結果を出したグループが相手だったのだ。

次回で試験終了予定になります。

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