【小話2】(ポルカ村の皆の様子)
今回は、リラン、デル、イルマの家族、ギルドマスターについての話です。
では、異世界トラブル引き続きどうぞ!
【イルマ達が森の探索を再開した頃のリランの様子】
「(くそ!、くそ!、くそーッ!!何で俺が負けるんだ!!アイツらは最近までレベル1だったのにーーッ!?)」
狩人を親に持ったリランは、ポルカ村の同年代の子供の中でもレベルが一番高くて、喧嘩等では負けなしだったこともあり、最近までレベルが1だったイルマ達に負けたことに悔しがっていた。
今、ポルカ村では森の異変の話で大人達はどうなるのかと話題になっている。そして、ポルカ村の子供達の間では、あのイルマ達が、大人達より先に森の異変に気付いたことに凄い!と話題になっていた。
それを聞いたリランは、あのレベルを上げていない連中が?と思い、森の探索の疲れを癒す為、ポルカ村で休息中のイルマ達に絡んでいくが、イルマ以外にボコボコにされ、逃げ帰っていく羽目になった。
「(くそーー!この俺が同年代の奴に負けたままでいられるかッ!?絶対にアイツらより強くなってやる~!!)」
その結果、リランはイルマ達より強くなることを決意し、取り巻きであるカラとイラやベンを巻き込んで、今までよりも親に魔物討伐に連れて行って貰うことや戦い方を学び直して、強くなることにした。
狩人である父親は、村の子供達の中でもレベルが高いこともあり、天狗になっていた息子が急にやる気を出したことに喜び、今までよりも厳しく丁寧に魔物の討伐や戦い方を教えるのであった。
「(見ていろよ~~!俺は絶対お前達よりも強くなってやるからな!!)親父!早く行こうぜ!!」
リランはこうして、イルマ達が見ていない所で、鍛え直していくことになるのであった。ーー将来ポルカ村の腕利きの冒険者になることは、まだ……誰も知らない。
【デルの仕事中】
森の異変のことでギルドの中で仕事をしているデル。
普段の仕事に加えて、森の異変の対応に追われて忙しい様子の冒険者ギルド。
そのギルド中でもデルは特に忙しかった。
それは、ギルドの中でもデルは古株であり、能力や普段のやり取りで冒険者達とスムーズに連携が取れるデルは、森の異変の調査隊の指揮や対策を、今色々対応に追われているギルドマスターであるモロンの代わりにデルが対応していた。
「(調査隊が帰って来る予定は明後日で、その時に必要な者は此処に用意しておき、ポルカ村の人間に注意勧告とポルカ村に来る商人達がポルカ村を敬遠しないように手筈を)………アァッ!!忙しいーーッ!!ーーギルドマスターは、私を扱きに使いすぎだよ!?まったくッ!?………フンッ!」
ドンッ!!
デルは書類をドンッと机に置き、忙しさのあまりイライラしていた。
そんなデルの様子を見ていたギルド内にいた冒険者達は、デルのイライラがいつ自分達に当たらないかとヒヤヒヤした気持ちでいた。
「(おっおい、お、お前デルおばさんに落ち着くように話かけてこいよ?)」
「(ばか野郎ッ!?さっきそれでデルおばさんに話しかけた馬鹿が、デルおばさんが見事書類の山で言葉通り押し潰しただろッ!?)」
「(………あぁ、「だったらアンタがこの問題を解決してくれるのかいッ!?」と言って、デルおばさんが持っていた書類の山を空気を読まずにデルおばさんに何イラついているんだよって話しかけた馬鹿の頭の上から叩きつけていたな。)」
「(ホント馬鹿な奴だよ。……あんなイラついているデルおばさんに絡むなんてな。ポルカ村のギルドでは常識だろ?……イラついているデルおばさんには触らぬようにするなんて。)」
ギルド内にいた冒険者達は、イライラしたデルに絡んだ書類の山に埋もれた馬鹿を見ながらそんな話をデルに聞こえないようにこそこそとしていた。
だが、彼等は知らない。
こそこそと話していた内容を実はデルの耳に入っていることを。そして、デルはそんな彼等に罰としてしんどい仕事を用意していることを。
「(……ヤ~ツ~ら~、聞~こ~え~て~い~る~よ~!!)」
とデルはこそこそ話で人を祟り神みたいに話す冒険者達に怒っていた。
「(そんな暇なアンタらにはこの仕事を用意して置いて上げるよッ!!)」
そんなことが待っているとは知らず彼等は、無駄に気配を消してデルの怒りを買わないようにしていた。
デルはそんな気配を消して、こそこそ話している冒険者達にギルドで残っているしんどくて汚い仕事である、ポルカ村のトイレ掃除や夜営の警備などのクエストの発注準備を彼等に気付かれないようにしていたのだった。
【イルマが森の探索をしている時の父と母】
ウロウロ、ウロウロ。
「(………まだ帰って来ない………)」
イルマが森の探索を再開し、森から中々帰って来ないことにイルマの母イルミは、家の中をウロウロと動き回ってはイルマのことを心配していた。
そんな中、イルマの父ダルクはイルミの様にイルマのことを心配していないのか?っだって?していたさ、……先程まで……って言葉が付くけどね。
そう、イルマの父ダルクも勿論中々森から帰って来ないイルマのことを心配していた。だが、そんな中イルミがイルマの心配している姿を見て、イルミの夫として安心させるように肩に手を置こうとした際、「邪魔ッ!」とイラついたイルミの手で吹き飛ばされて意識を失い家の床で倒れていた。
意識を失い家の床で倒れているダルクは、イルミに意識を失って倒れていることに気付かれずそのまま放置されていた。(可哀想にダルク)
そして、家に帰って来たカイとヘリーは、家の中をウロウロしている母イルミと家の床で倒れている父ダルクの姿を見て、状況を察知し、そんな自分達の親達の状態に賢くも触れないようにしていた。
ダルクは、妻からも息子達からも放置されて朝まで家の床で倒れていたのであった。(憐れダルク)
当然ダルクは、風邪を引くのだが、今度はこんな時に風邪を引いたことにイルミから怒られるのであった。そして、ダルクが風邪を引いた原因を知っている息子達も自分達に飛び火を来るのを恐れて何も言わないのであった。(本当憐れダルク頑張れダルク)
【ギルドマスターであるモロンがイルマ達を冒険者養成所に推薦した後の話】
イルマ達の森の異変解決報酬に、冒険者養成所の推薦上を約束したギルドマスターのモロン。
その為モロンは、イルマ達のことについてや今回の森の異変に
ついての書類をイルマ達が提出した証拠(提出し、確認後返却する旨書いた書類を同封する)と推薦状と共にギルド本部に送るのであった。
「ふぅ~、やっと一段落じゃわい。………後はあの推薦状が届き許可が出るかじゃが、まぁ問題無いじゃろ。証拠は有るし、嘘ついても養成所で訓練すれば直ぐに嘘か本当なことか分かることじゃしな。」
モロンは、イルマ達の推薦が問題なく通ることを予想する。
「(問題が有るとしたら、この報告書の話が本当だったと判断された後じゃ。本当に10歳の子供達が森の異変で、森を奥まで探索し、ダンジョンを攻略する、しかもこの問題も我々が気付く前から気付き、対応していたこと。それも報告じゃと、大人達が対応してもらうにはどうするかまで考えていたようじゃしの………絶対に貴族が動くのぅ~)…………もう一通手紙を書こうかのぅ、あやつにイルマ達のことを頼むように言っておけば何とかなるじゃろ。」
モロンは、ギルド本部に報告書と推薦状を送った後、イルマ達が貴族に絡まれた時に備えて一通の手紙を誰かに送るのであった。
「イルマ達には、森の異変を解決してくれたことのお礼以外にもっと小さい時からの知り合いじゃからな、これぐらいしてもいいじゃろ。それにイルマ達の成長には儂も期待と楽しみじゃからのぅ~最近までレベルを上げなかったことや儂にも隠している力について等秘密が有りそうだしのぅ~フォッフォッフォッ!」
ギルドマスターであるモロンは、昔から交流あるイルマ達の成長を楽しみにしていたが、特に最近成長が著しいイルマ達の成長を喜んでいた。
「いや~人生楽しみがないとのぅ~フォッフォッフォッ。」
次回からは新しい章になります。
明日は投稿出来たらします。