第37話(《ハイ・イート・トレント》討伐・前編)
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《ハイ・イート・トレント》の討伐作戦に向けて身体を十分に休めたイルマ達。
討伐に向けてイルマ達は、ダンジョンの核の部屋から出てダンジョンの外へ行くのだった。
「フー!やっとダンジョンの入り口前まで来れたぜ!」
「道中、全然魔物がいなかったわね。」
「逆に何も無くてしんどかった。ダンジョン内を歩いてただけ。」
「まぁまぁ。…………でも、今からは嫌でもしんどくなるよ。…ダンジョンを出ると、いよいよ《ハイ・イート・トレント》討伐作戦開始だよ。」
………≪≪≪了解≫≫≫
イルマの言葉に、いよいよ《ハイ・イート・トレント》討伐が開始されると感じて、先程までとは違い、全員が気を引き締める。
そしてイルマ達は、ダンジョンの入り口からダンジョンの外へゆっくりと出て、ダンジョンの周りを囲んでいる壁を登り、壁の外を覗くように顔を出す。
「………ッ!?……皆、……《ハイ・イート・トレント》がいる」
「「「ッ!?」」」
ダンジョンから出て、壁の外側を覗いたイルマ達の視界には、《ハイ・イート・トレント》がまるでイルマ達がダンジョンから出てくるのを待つように、撤退前と変わらない位置にその大きな体があった。
……アイツ!僕達を待ち構えているな!
ダンジョン内に入った僕らが、再びダンジョンの入り口から出てくると思って、僕らがダンジョン内に入ってからずーと待っていたのか!?
イルマは、《ハイ・イート・トレント》からバレないように、ゆっくりと壁から降りて、一度全員で壁から離れる。
そしてイルマは、討伐作戦を実行するにあたって《ハイ・イート・トレント》が待ち構えていることを前提に、全員にこれからどう動くか話しだす。
「………皆、《ハイ・イート・トレント》が壁の外で待ち構えているから、先手を打つのは難しくなった。」
「なら、どうするんだよッ!?<声がデカイッ!>……イルマの作戦は、先手を打つのが基本的に大前提なんだろう?」
ダンの言葉にメラとシーラは、確かにっとイルマにどうする?と顔を見て、イルマの言葉を待つ。
「……うん。確かにダンの言う通り、作戦は基本的に先手を打つのが大前提だよ。」
「でも、ーまだチャンスはある。」
「チャンス?」
「そう、アイツはまだ、僕らがダンジョンから出てきたことに気づいていない。」
「「「!!!」」」
「だから、今からアイツに気づかれないように反対側の壁から外に出て、技能≪罠作成≫を気づかれないように使い、アイツから円を描くように罠を仕掛ける。」
「アイツが技能≪魔物誘引≫を発動した時の時間稼ぎだな?」
イルマは、ダンの言葉に頷く。
「そうだよ。アイツとの戦いは、罠の仕込みが終えてから行う。」
「となると、……問題はアイツに気づかれないようにどう罠を仕掛けるかだな。」
「それは、多分大丈夫だと思う。僕の技能≪気配遮断≫や≪隠蔽≫を使えば、技能≪気配察知≫や≪魔力感知≫を持たないアイツに察知されずにすむと思う。……仮にアイツに察知されたら少しの間時間稼ぎをしてくれると助かるよ。」
「わかった。……イルマ、無理はするなよ?森には、アイツ以外にも魔物はいるんだからな。」
「わかった。……皆も作戦開始までアイツに気づかれないようにね。」
「大丈夫、気をつけるわ。作戦実行が無理な場合は、直ぐに村まで撤退するわ。その時は、証で連絡するからあんたも無理な場合は、証で連絡を寄越しなさいよ。私も技能≪魔方陣作成≫と≪魔力付加≫で魔法の仕込みをしておくわ。」
「気を付ける。作戦開始は、イルマが戻ってきたら。」
全員が頷き、今からの行動の内容を把握する。……そして、
「「「「行動開始!!」」」」
イルマ達が、《ハイ・イート・トレント》討伐作戦を実行する為の、行動を開始している時………
「おいッ!!これはどうしたらいいんだッ?」「こっちだッ!」「けっ怪我……を、誰か……回復魔法をかけてくれ…。」「くそッ!?どうなってやがる何で森にこんなにも魔物がいやがるんだ!!」「聞いてないのかッ?今、森では、異変が起きているんだぞ!」「何ッ?そんなの聞いてねぇぞッ!?」「最近村に帰ってきたやつは知らないのか?おい!今森に異変があって魔物が増えていることを他の知らないやつにも伝えろッ!」
その頃、冒険者ギルド1階で、臨時で開かれた異変対応室は、混雑状態であった。
物資を運ぶ者、物資を管理する者、怪我をした者、状況が把握出来ていない者、情報を流す者等
様々な人で集まりごった返していた。その時!
「おいッ!!森の調査隊の奴等が戻って来たぞ!!」
その場に大きな声が部屋に響く。
その場いた人間の視線が、一斉に森から帰って来た調査隊に向く。
おい、見ろよ!今、森の調査から帰って来た調査隊の姿。
たっ確か……、今回、森の調査に向かった奴等って……このギルドでも腕利きの奴等だったよな…?
何だとッ!?調査隊の奴等、皆身体に怪我したり、無事な奴も疲れきってやがる。どうなってやがるッ!?
森では本当にっ何が、何が起きているんだッ!?
【うるさいよッ!!あんたらッ!!今から話を聞くからお黙りッ!!】
ーーッ!!ーーッ!!ーー
森から帰って来た調査隊の姿を見た者のガヤガヤした様子をその場で、情報を整理したり、物資の手配や管理等、ギルドと冒険者の指示をしていた冒険者ギルドの受付であるデルの声が部屋に響き渡る!
シーーーーン
先程から異変対応室でガヤガヤしていた声は、デルの声が部屋に響き渡り、異変対応室は一斉に静まる。
ギロッ!!
森の異変の調査の対応に追われてあまり休めていないデルは、八つ当たり気味にこれ以上私の仕事を邪魔するじゃないよッ!!と言葉が乗った視線を部屋中にいる人間向けて睨みつける。
そして、デルの怒りが込もった視線にビビり、その場にいた者はデルの怒りを買わないように口を閉じ、デルの視線に合わないようにする。
「やっと静かになったかい。……ハァー、…で、あんたらの姿を見たらあんまり良いニュースとは思えないけど、ーー森で何があったんだい?あんたらがそんな姿になるなんて何かが有ったってことだね?……ドラン」
森の調査隊に話しかけるデル。その調査隊の中に、イルマ達とも交流がある怪我はないが疲れた様子のドランの姿があった。
そうドランは、このポルカ村のギルドでも腕利きの冒険者であった。その若さで、既にCランクの冒険者であり、その腕を買われて今回の森の調査隊にも参加する程でもある。
そのドランが怪我こそないが、明らかに疲れた様子で、それを見たデルは森の中の出来事でとんでもないことが起きたと察していた。
「……ああ、デルおばさんが察しているように森の異変調査の際、確かに何時と違うことが起きた。」
「何が起きたんだいドラン?」
「……森の浅い所でも、魔物の出現数が更に増えていた。それでも、このメンツなら問題なくて俺たちは、更に森の奥に進んだ。」
「………続けな。」
「……森の奥に進んだ俺たちは、普段よりも注意して周囲の様子を警戒しながら進んでいたら……出るわ出る。《ブラッディー・ベアー》や《オークの群れ》、《ロック・サイホーン》等の強い魔物がうじゃうじゃいたよ。」
「なっ何だってッ!?、Bランクだけど、元々森の奥が生息している《ブラディ・ベアー》はともかくだけど、同じBランクの《ロック・サイホーン》が、何で森にいるだいッ!?」
「…他にも《クロォー・カラパイア》とか森で生息しない、山で生息する魔物が森を調査している時に出てきたことによって、対応が遅れて怪我したりすることになったんだ。」
「なるほどね……だからあんたらがそんな姿で帰って来たのかい。魔物の出現数の増加、生息しない魔物や強力な魔物………本当に森の奥で何が起きているんだい?」
「これでもイル坊達が異変を教えてくれたから早期に手を打っている方だけど………もし、イル坊達が気がついていなかったら気がついた時には手遅れになっていたな。?そういえばイル坊達はどうしたんだデルおばさん?」
デルは、ドランの話からもっと後になってから森の異変に気づいた場合を想像して、その時には既に村周辺には、強力で危険な魔物や大量の魔物が村に接近してくる光景が浮かぶ。
「…確かにそれは考えれる事態だね。ああ、イル坊達は話を聞いた次の日に森の異変の調査の手伝いをしたいと言って来たけど……イル坊達には、危ないし、充分に役に立ったから帰らしたよ。ドラン、それがどうしたんだい?」
「……嫌、何でもないよデルおばさん。そういえばこの話はどうしたらいいんだ?デルおばさんが伝えてくれるのか?それともギルドマスターに直接伝えた方がいいのか?」
………不味いぞッ!?普段のイル坊達なら、こんな時に止められたからっといってジーッとする訳ないッ!!
デルおばさんも気付きそうなもんだけど……今は、森の異変の対応に追われて気づいた様子がないな……。
どうするッ?今それをデルおばさんに言ってもここの対応に支障が出るな。
イル坊達が動いたのが随分時間が経っているだろう。今からアイツらを力ずくで止めるには遅いし……頼む無事でいてくれよイル坊達?
「??ああ、大事な情報だから直接の方が実感もわくだろうし…ドラン疲れている所悪いけど、直接ギルドマスターに伝えてくれるかい?」
ドランの様子に疑問を覚えるデルだが、疲れとドランから話を振られたことから指摘せず、ドランの質問に返事する。
「デルおばさん大丈夫だ。…わかった、ギルドマスターに伝えて来るけど、今ギルドマスターは何処にいるんだ?」
「今、ギルドマスターは村長と今回のことでどう対応するか3回の会議室でずーと話合っているよ。」
「了解。じゃあ行くよ。」
「ああ、頼んだよ。後、ドランあんた、それが終わったら身体を休めな!……まだ異変は解決してないから、あんたの力が必要なんだからねッ!!」
「ハハハ、わかっているよデルおばさん。ちゃんとこれが終わったら無理せずに休むから。」
ドランの身体を心配するデルにドランは、心配しなくてもちゃんと休むよっと伝える。そんなドランを見たデルは、仕事があるので自分の持ち場に戻って行くのだった。
そんなデルを見てドランは、クタクタの身体に鞭打って三階のギルドマスターがいる会議室に向かうのであった。
ーーー森の中の魔物の数が、僕らがダンジョン内に入っている間に更に増えているな。
……しかも、《ブラッディー・ベアー》以外にもBランクの魔物もいるみたいだ。
気配を隠して森の中を移動するイルマの視界には、魔物の数が増えていることと、《ロック・サイホーン》という《ブラッディー・ベアー》と同ランクの魔物の姿が映っていた。
こりゃ~包囲されたらヤバイぞ!!
バレないように技能≪罠作成≫で罠以外にも、気づかれない分だけでも魔物の数を減らして行くか……
イルマは、着実と《ハイ・イート・トレント》討伐に向けて1人、森の中で、技能≪罠作成≫を使い罠を作成し、森の様子から出来るだけだが、魔物の数を減らして移動していた。
村では、森の異変の調査に苦戦している間に、イルマ達は、着実に森の異変の原因である《ハイ・イート・トレント》討伐に向けての準備に動きだしていた。
次回、《ハイ・イート・トレント》討伐・後編………予定。
明日、明後日もしかしたら予定があるため、投稿出来ないかもしれません。
出来たらしますが、投稿出来なかったらすみません。