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異世界トラブル  作者: 海路希望
3章~森の異変解決編~
34/146

第30話(森の異変の原因)

遅くなりましたが、やっと森の異変の原因を出せました。

では、異世界トラブル続きをどうぞ!




何ここ?

魔素の量が異常な程出ているんだけど……

魔術師の私と、同じく魔法を使うイルマやシーラもそのことに気づいては辺りを見渡しいるし、魔法を使えないダンですら顔を険しくしているわね……



とメラが思っていると、その異常な魔素の量にイルマが皆に「警戒レベル上げて辺りを気を付けて!」と指示してきた。

そのイルマの指示に、この異常な魔素の量に気付いていた全員はその通りだと思い頷き、何が起きても対応出来るように戦闘態勢で辺りを警戒する。



皆に警戒レベルを上げて辺りを気を付けるように指示を出したイルマはというと、この異常な魔素量の原因を確かめる為に固有技能【開示2】を発動しては、辺りを見渡す。

そして、その結果イルマは辺りに漂う魔素の中で魔素が一番多い所を見つけた。



(ここだッ!?技能≪感知妨害≫発動!)



イルマは固有技能【開示2】で隠された物を技能≪感知妨害≫で、その正体を露にする。



何?あれはーー穴?……いや、階段がある?

何なの?イルマは知っている?

……えっ!?イルマが驚いている?!



隠れてた物は、地面から魔素が漏れている穴が開いており、その穴の奥に続く階段が見えるのだった。


物知りな1面があるシーラもそれだけじゃその正体がわからない様子で、幼馴染み達の中で一番色々なことを知っているイルマの方に顔を向けるとイルマは驚きを露にしていた。



「う~ん、……何だこれ?階段?降りたらいいのか?」


「駄目だッ!!ダン止めろッ!?」


「駄目よッ!!その階段から魔素が漏れているわ!迂闊に降りたらヤバイわよッ!!」


「おっおうッ!?」



イルマとメラの制止の声に驚くダン。

ダンは、驚きながら降りようとした足を階段から引っ込めて、距離をとる。



ーアンタ!バカなのー!ー


ーわりぃッ!、つい?ー


ーついじゃないわよッ!≪バシッ!バシッ!≫


ー痛ッい、痛いッ!ーだから、わざとじゃないっ!って言ってるだろ!



ダンの軽率の行動にメラが苦言とダンの頭を叩いた。

メラに頭を叩かれたダンは自分が軽率なことをしたのを自覚したこともあり、メラに反撃せず謝りながらも言葉でわざとじゃないと抗議する。

そんなことをしていた2人は、何時もなら止めるイルマが真剣な表情で考えているのを見て、この穴と階段の正体がただ事でないと思い次第に静かにした。


(ダン)

……何んだ?イルマの様子からただ事じゃないのは分かるけど……この穴と階段はそんなにヤバイ品物なのか……?

ーいや、森の奥で異変の原因のような物の時点でヤバイ物はわかっているけどーーそこまでの物なのか?


(メラ)

……やっぱり、イルマの様子から考えてもこれは普通じゃないわね。

確かに、この穴の先から漏れている魔素もこんな場所にあることから考えてもこれは普通じゃないわ。

でも、これは一体何なのかしらーーイルマは知っているのかしら?



イルマは皆の様子を余所に考え込んでいた。

地面から穴が開いて、穴の先に繋がる階段。そこから漏れている魔素。ーそして、森の異変。


全てを統合して考えられる正体……


(これは…………【ダンジョンの入り口】………)


イルマはこの穴と階段の正体が、"ダンジョンの入り口"であると見抜いた。


(でも……本当に今起きてる森の異変が、【ダンジョン】が産まれただけで起きるのだろうか?

───魔素の増加は分かる。でも、魔物の出現数の増加、生息しない魔物の出現はどう考えても【ダンジョン】とは無関係な気がする……。)



この穴と階段の正体が【ダンジョンの入り口】と見抜いたイルマだが、それだけじゃ今起きている森の異変の現象に納得出来ない部分がある。イルマはそのことに悩んでいた。



「……皆、……これは【ダンジョンの入り口】だよ。」


森の異変の現象の納得出来ない部分で悩んでいたイルマだが、その事は一旦置いて皆に目の前にあるものの正体について打ち明けた。


「だ、…【ダンジョンの入り口】??」


「ーいっイルマ、ほっ本当なの??」


「……森の異変の原因は、……【ダンジョン】が産まれたから?」



イルマの言葉に驚くメラ達。



【ダンジョン】ーそれは空間に存在する魔素が集合し、その中からごく稀に魔力の核が産まれることによって誕生する。

その核は、地面、木、建物等を依り代にし、異空間を作成して年月をかけて成長する。


養分に人や動物から魔力やその身体を取り込む為、美味しい食べ物や貴重な薬草、時に宝物を精製し、それをエサに自分の中に生き物を招き寄せる。


そして、エサを養分にするために、または自分の身を守る為、周囲の魔物や自分で魔物を産み【ダンジョン】内に住ませる。


その為、人間達は【ダンジョン】内にある貴重な物を手に入れる為に危険を犯しても【ダンジョン】内に侵入する。

だから普通【ダンジョン】が出来ると、その周囲は【ダンジョン】に侵入する冒険者、その冒険者に商売しようとする商人、貴重な物を手に入れようとする貴族や国が集まり、管理しようと【ダンジョン】の周りは発展するのだった。



「ーおぉッ!、その【ダンジョン】の入り口が……これなのかッ!?」


「ーなら私達、大発見じゃないッ!?」



ダンとメラはイルマの言葉に、自分達が【ダンジョン】という物を大発見したことに喜び、興奮していた。



「ーーイルマは何を悩んでいるの?」


「……えっ?」


「……シーラ?………イルマ?」


「……………わかる?」



うんっとシーラはイルマに頷く。

シーラはダンジョンの入り口を見つけて喜ぶダン、メラと違いイルマが喜ぶどころか悩んでいる様子に気になっていた。


こういう所を良く見ているよなシーラは……。

ダンとメラは【ダンジョンの入り口】を見つけて喜んだのに……本当にシーラは、良く周りを観察し、冷静に周りを見る子だな。



イルマはシーラの観察力と冷静さに感心し、そして、皆に考えていたことを伝える。


「落ち着いて聞いて欲しい。森の異変の状態が【ダンジョン】が産まれただけじゃあ説明がつかないんだ。」


そう、今僕達が【ダンジョン】を見つけたけど、それは魔素の増加になることなら説明がつく。

でも、魔物出現数の増加やいない筈の魔物の出現には繋がらない!


それに、普通なら【ダンジョン】が周囲の魔物を内に住ませる為に魔物が減少する筈だ………!


仮に魔物が増えたり、生息しない魔物が出現するためには、【ダンジョン】内の魔物が溢れる状態にならないといけない。

その現象を"スタンビート"というが……

どう【開示2】でこの【ダンジョン】を視ても、新たに発生したばかりとしか表示しないから……それは考えられないし……

ーこの状況は一体、どういうことなんだ??



答えが出ないイルマ。

とりあえずイルマは、【ダンジョン】の性質と異変の現状の差を皆に話する。そして、その場合に考えられる可能性についても伝える。



「ーだから、この【ダンジョン】が異変の原因の1つかも知れないけど、それだけじゃない可能性が高い」


「ーマジかよッ!?」「ーなら、他にも異常な物や魔物がいたりするのッ!?」「ーーでも、……イルマの話が事実ならその可能性が高いのも納得出来る」



イルマの話しに皆は、【ダンジョン】ーこれ以外にも物や何かがこの森に潜んでいるのかと戦慄する。



「……とにかく、この【ダンジョン】をこのままには出来ない。」


「でもよ~イルマ。【ダンジョン】をどうにかするったって、どうするんだよ?」「そうよ。何か考えでもあるの?」「入り口を埋める?」


「いや、確か……【ダンジョンの入り口】は埋めても直ぐにでもエサが入れるように、他に入り口を【ダンジョン】が開ける性質があった筈」


「ならどうするんだよ!?」「打つ手ないじゃない!?」

「…………」


(シーラ)

イルマが何も手がない状態で話をしたと思えない……。

なら、今の状況で考えられる手って?…………

ーー入り口を埋めても直ぐに入り口が開く?なら入り口の周りは?ー入り口の少し離れた位置の周りに壁を作ったり、イルマの技能の≪罠作成≫で壁と罠で内と外どちらからでも近寄ることが出来ないように出来ない?………出来るんじゃない?



シーラはイルマに今自分が考えたことを伝えた。

イルマはシーラの考えが自分が考えていたことと一緒だったことに驚く。



「……シーラ、本当に君は凄いね」


「ーー照れる…。」ッブイ。


シーラから話を聞いたイルマは、シーラが冷静にどうするか考え、自分と同じ対処方法を考えたことに感心して、そんなシーラに凄いと褒めた。そのイルマの褒め言葉にシーラは照れて赤くなった顔を隠すようにソッポ向くのである。

但し、そのシーラの手はピースサインをしていたが。


「えッ!?」「そんなことでいいのッ!?」


「そうだよ。直接塞ぐから【ダンジョン】は抵抗してくるけど、間接的なら【ダンジョン】も手を出さないんだよ。実際、管理している【ダンジョン】はその周りを壁や結界で覆っているんだよ」



ダンとメラは問題を深く考え過ぎて(ダンの場合は単純に何も浮かんでいなかった…)はそんな簡単なことだったの(か)ーッ!と驚きを隠せない様子だ。そしてシーラは、自分の予想が当たり嬉しそうにしていた。



「はいはい注目(パンパン)。皆、今からすることが決まったから、何かある前に早く壁と罠を設置するよー!」


「おう!」「わかったわ!」「…うん。」



そうしてやることが決まったイルマ達は、【ダンジョンの入り口】周囲に壁をイルマとメラが魔法で作り出し、イルマが壁の周囲に技能≪罠作成≫を発動しようとした。

その際、周囲の警戒には手が空いているダンとシーラが担当する。


これで一応は、異変の1つに対して応急措置がとれたとイルマは1つ肩の重みが取れたように感じた。

問題は、他の原因がハッキリしないことには森の異変が解決しないが、それが解決出来たら森の異変は収まるとイルマが考えた時、イルマの耳に周囲の警戒をしていたダンとシーラの焦ったような声が聞こえてきた!




「何だこれ!?────イルマッ!?」


「ーー何?、ーー急に現れた??」


「ダンッ!シーラッ!何があったのッ!」「どうしたのよッ!?」


ダンとシーラの声に気づいたイルマとメラは、一旦罠の設置を止めて、ダンとシーラの2人の元に急いで駆け寄る。


「ーーこれが急に出てきたんだッ!?」「…いきなり現れた。」


「「ッ!!?」」


ーーするとイルマ達の目の前には、先程迄無かった筈の周りにある大きな木より、更にッ!大きな木がイルマ達の目の前に現れたのだったッ!!



「……これなんだよ?」「………イルマ、これは何……?」「……イルマ、【開示】でこの木の正体がわからない?急に現れるなんて絶対何かある……」


「……ッ!そうだねシーラ。待って!今【開示2】の技能で視てみるよ……。」


(固有技能【開示2】発動ッ!!)


…………、


………………。



ーーメラ達は、急に現れた大きな木の正体をイルマが【開示】で調べている間、刺激しないよう口を閉ざして汗を流しながら待っていた。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


()()・イート・トレント


レベル45


技能…≪隠蔽≫≪迷彩≫≪木魔法≫≪魔素増幅≫≪魔物誘引≫


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




「(これはッ!?ま、まさか!こ、コイツが……【ダンジョン】とコイツが、森の……森の異変を引き起こしていたのかッ!!?)」



ーーイルマは【開示2】で目の前にある大きな木の正体を視るとともに、その正体と森の異変の原因を判明するのだった……



【ダンジョン】は登場しましたが、触れるのはもう少し後になる予定です。

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