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異世界トラブル  作者: 海路希望
2章~森の異変編~
23/146

第20話(平原での戦い3・ポルカ村のチート集団)

今回で平原の戦いは終わりになります

次回以降はついに森の探索を探索します。

では、異世界トラブル続きをどうぞ!



今回の【ガチャ】を終えたイルマは、歓喜してメラ達がいる村外れの元に戻って行く。


そして、


「(あっ、そう言えば固有技能を普通の技能みたいに使ったら、力の消耗が激しいことを伝えるのを忘れてた!ごめん!)………み、皆、だ、大丈夫?」


歓喜したイルマがメラ達の元に戻ってきてみると、メラ達は固有技能の使いすぎでバテて地面に座り込んでいた。

皆のバテた様子を見たイルマは、固有技能が通常技能より消耗が激しいことを伝え忘れたことに気付き、内心皆に謝り、大丈夫かと声を掛ける。


そして、メラ達はイルマのその声でイルマが戻って来ているのに気付き、イルマに大丈夫と答えるのである。



「(皆に悪いことしたな。後で何か穴埋めしよう!)………どう?皆自分の固有技能を使い慣れた?」


イルマは皆に後ろめたくなり今度何か穴埋めしよう、と思いながら皆に固有技能を使い慣れたかと確認する。



「あ~一応なぁ?」


「ええ、でもまだまだ使いこなしていないわー」


「………本当に固有技能は凄い。……1つの技能に複数の能力や、力が普通の技能に比べて全然違う」



メラ達は固有技能の訓練をしてた際、普通の技能と比べて全然違う固有技能の力に戸惑いを感じたみたいだ。



「そうだね、固有技能の特徴1つに普通の技能とは違い複数の能力があるから、それに力自体もとんでもない力を持っているしね。だからこそ固有技能を使いこなすのはとても難しいんだよ」


──その分だけど、その力を使いこなすことが出来ればとてつもない力になるんだけどね? それこそ1人で何百、能力や場合によれば千人分以上の力を発揮するよ、とイルマは皆に告げる。



イルマのその言葉に、メラ達は自分達が固有技能の力が使いこなす姿を思い浮かべては興奮を覚え、喉を鳴らす。


そんなメラ達の姿を見たイルマは、固有技能の凄さを再度実感したのかなぁ?と思い、そして皆にその力を自分の目的の為にも、自身達の為にも是非とも身に付けて欲しいと願うのだった。






とりあえず未来の話(成長後)のことは一先ず置いといて、イルマは皆に今の力を見せて欲しいと声を掛ける。



「それでだけど、皆の固有技能を見せてほしいけど、皆の固有技能の力を見せてくれるのは今日だともう遅いから、明日の平原になるのかな?」



自分から皆に力を見せて欲しいと声を掛けたイルマだが、今日が既に遅いこともあり明日にしないかと提案する。



「そうだな、イルマ。まぁ、楽しみに待っていろよ!明日には俺達の力を見せてやる!ちゃんとイルマをビックリさせたるぜ?」


明日には力を見せて欲しいと言うイルマに、ダンは挑戦的な言葉を伝える。


「そうよ!私達、物凄く強くなっているんだから!」


メラもダンに続いて強気でイルマに自信を答える。


「……楽しみにしていても問題ない」


シーラは静かにダンとメラの意見に同意する。


「ハハ、凄い自信。なら明日は平原に行って皆の力を見せてもらうよ。───皆、楽しみにしてるね?」


「「「(おうよ!)(任して!)(うん)」」」



イルマ達は笑顔で明日のことを話をしていた。

皆の固有技能と明日の話が終わり、その後、メラ達は今度は今日イルマがしていたことを聞く。そして、イルマは皆に今日あったことを伝えた。



「皆、今日はヤマ婆ちゃんの所と冒険者ギルドにアイテム補充と情報収集を行ってきたよ」


「ヤマ婆さんの所かぁ………。イルマ、そういえば平原の魔物の魔石や素材はどうだったんだ?高く売れたのか?」


「そうね。イルマ、ヤマお婆さんの所でその売れた物で何かを買ってきたの?」


「………匂い玉、欲しかったけど………買った?」



イルマが告げた、ヤマお婆さんの所に行った言葉にメラ達は直ぐ様に反応する。

自分達が倒した魔物の素材がどれだけの金額で売れたか、何を購入したか、欲しい物は購入したか等気になったからだ。

こんな村で、しかも子供であるイルマ達にはお金を扱うことが少ないことも気になった理由の1つだ。



「そうだね、思いの外高く売れたよ。特にレッサーウルフのリーダーが一番高く売れたよ。シーラ、匂い玉は買ってきてるよ。今回は人数分あるから皆1つずつ常備していて」



と、イルマは皆に匂い玉を1つずつと、いざって時の回復アイテムを渡す。

イルマから匂い玉と回復アイテムを受けとったメラ達は、次に冒険ギルドで何か情報はあったのかイルマに聞く。


聞かれたイルマは、冒険者ギルドで手に入れた情報を皆に話し出す。ギルド側や他の冒険者達は、まだ森の異変にはまだ気付いていないが、魔物の出現数が増えてきているのには気付き騒ぎ出していること。そして、森の異変がまだ深刻化していない自分の予想をメラ達に伝えたのだ。



「まだ皆は、森の異変に気付いてねぇのかよ?」


ハァー、とダンはため息を吐いては早く気付けよ、と残念そうに言葉を溢す。


「ダン、それは仕方ないわよ。それに、私達も最初は気付いてなかったし、大人からしたら弱い魔物が多少増えていても、多少なら誤差だと思うわよ」


メラはダンの呟きに、ある意味子供だから気付けたのだと告げる。


「………でも、イルマの話だとギルドも他の冒険者の人達も何かおかしいと気付き始めてる……後、森の異変に気付かないぐらいだから、森の異変が深刻化してないことや異変が深刻化するスピードが遅いことは救い……」


シーラは暗いニュースだけではなく、明るいニュースもあることが救いだと話す。


「ああ……後そういえば、平原ではぐれオークが出たって話もあったよ」


「はぐれオークだぁ?」


「オークって、あのオーク……よね?」


「平原に、オークが出た?」



オークという言葉を聞いたメラ達は、あのオークなのかとイルマに問い掛ける。



「うん、そうみたい。だから気付けた方がいいって話が、ギルドでいた冒険者達の間で言っているのが耳に入ってきたんだ」


オークで間違いない、と聞いたメラ達はう~ん、と悩むように唸るのである。



◆◇◆◇

「オーク」……豚の顔をした人型の魔物だ。食欲は旺盛で、食欲を満たす為か性格は攻撃的な1面があり、魔物相手でも攻撃し、食べる。時には同族の死体でも食べる程だ。そして、能力についてだが、毒等無く単純な強さだが、大きい身体を持ち、筋力が強くて皮膚が固くしぶとい。その為、魔物ランクでいうとDランクに位置する魔物だ。


ちなみに他の魔物のランクだが、スライムがGランク。ビッグラビットはFランク。ウィンドバードは魔法が使えることもあってEランク。レッサーウルフ単体でFで群れだとEランク、リーダー格が群れを大量に引き連れていたらDランクまで上がる。そして、オークはそのレッサーウルフの大量の群れと単体で同等の強さや脅威を誇る魔物である。

◆◇◆◇



「でも、はぐれだから単体だと思うし、仮に戦うことになっても僕らでも何とかなるよ。だから明日は予定通り平原で行こう」



そんなオークだが、イルマは遭遇したとしてもはぐれオークだと数は単体の可能性が高いことや、仮にオークと戦うことになっても自分達なら対処出来る力があると思い、メラ達に予定通り平原に行くと告げる。



「分かったぜ、イルマ。もし、はぐれのオークが出たとしても、俺の固有技能で倒してやるぜ!……ク~、腕がなるな~」


「そうね!ダンの言う通り、オークが出たとしても望む所よ!」


「………これでもし、オークを倒せたら村の大人は私達の話を聞いてくれる?」


「う~ん…それはまだわかんない。先ずは平原で余裕を持って戦えるようになってから、次のことは考えよう」



そして1通り話を終えたイルマ達は、今日はこれで解散しては明日集合し、平原に行くことにしたのであった。



その後、解散した筈イルマ達だったが、1人村の外れに戻ってくる姿があった。



「これで平原を余裕を持って戦えるようになったら、そこまで強くなれたら、漸く森の探索を始められる」

「………その為にも、前みたいに何かあった時のことを考えて更に奥の手が欲しい。………そのためには修行をするしかない」



1人村の外れに戻ってきたイルマは、森の探索が間近になったこと感じ、その時にまた悔しい思いをしないよう更なる力を求めて、1人で修行を行うのであった。








◆◇◆◇


次の日。


イルマ達は予定通りに平原へ向かい、各自アイテムや装備を確認を行った後、戦闘経験とレベルアップの為に魔物を探していた。

そんな中、イルマは装備を一部変更していて、昨日のガチャで手に入れた亜竜のコートだけを装備していた。

何故亜竜のコートだけを装備していたかというと、その亜竜のコートだが見た目はパッと見は丈夫な革のコートにしか見えないことから、そのことから亜竜のコートについて詮索されにくいと思い、イルマは装備しては使用していた。


だからイルマは、強力な武器であり、見た目が明らかに普通の剣に見えず、一目で魔法剣の類いとバレる雷鳴剣については自身の切り札を伏せたりするためや、騒ぎの元になると思い隠している。

勿論、危険な事態になれば切り札がバレたり、騒ぎになってでも使うつもりだ。




そして、案の定イルマの予想通り、メラ達は亜竜のコートについては只のコートだと思い、そのコートも昨日買ったの?位でそこまで詮索されなかった。



亜竜のコートのことを、メラ達に深く詮索されなかったイルマは一安心し、その後平原にいる魔物を索敵系技能を駆使しては、見つけて倒していった。










平原にいる魔物、レッサーウルフやビッグラビット。ウィンドバード、スライムキバ。他にもゴブリンやスモールキャタピラーなど、様々な魔物をイルマ達は倒してレベルを上げたり、戦闘技術を磨いていった。


その戦いの中、メラ達は固有技能を実戦で試す程度にしか使わなかった。その理由は、昨日イルマに言われた通り固有技能に頼る戦い方をしないようにするためであり、平原での戦闘では基礎能力の向上、戦闘経験を意識してしっかり積んでいた。









そして平原で戦闘を行っていたイルマ達だが、辺りを警戒していたイルマの索敵系技能に、先日のレッサーウルフみたいに接近してきてる反応を感知した。しかも、感知した魔物の反応は大軍であり、イルマはそのことに焦る気持ちを抑えながらも、直ぐ様にメラ達にそのことを報せる。



「──!?ダン!メラ!シーラ!───魔物の大軍が接近してくる!!」


「魔物が大量!?」


「また!?」


「……イルマ数は?魔物の数は一体どれくらい!?」



そのイルマの報せにメラ達は驚愕するが、直ぐに戦闘態勢を整えてイルマに数を確認する。



「………それが……最低でも20体以上いる!!」


「────なっ!?」


「──20体以上!?」


「!!───そんな数の魔物が、何で私達に向かってくるの?」


「それは僕にもわからないよ!………でも、こんな数の魔物が集合して行動していることは異常だけは分かる!それと、今から逃げても逃げ切れるかわからないし、僕らが逃げたらそれを追ってポルカ村まで来るのは避けたい。だから皆、ここで魔物を迎え討つよ!!」



大軍の魔物の接近に焦っていたメラ達だが、イルマの逃げたらポルカ村まで魔物が追って来るかもしれないという言葉に、恐れを殺しては戦う覚悟決めた。

そして、メラ達は作り笑いの表情を浮かべては、緊張を隠す為に敢えて軽口を叩く。



「イルマ………」


「………何、ダン?」


「………これだけの数を倒したら俺達、確実にリラン達のレベルに追いつくよなぁ?」


「……はは、言うねダン。……そうだね。追いつく処か、きっと追い抜くよ」


「へっ、そうだろ?……ならやるしかないな?」


「そうね、それにそんなにも魔物がいたら、私達の固有技能の練習にもなるわね」


「──プッ、メラも大口を叩くの?まぁ、数が数だから、的は選び放題だね」


「………魔物を探す手間が省けた。」


「確かにね。この数なら今日はもう魔物を探さないで済むし、探す手間が省けて助かるね」



──この状況でこの態度。皆、頼もしいね。



イルマはメラ達が軽口を叩くことで、緊張を誤魔化していることに気付いて笑い声を漏らすが、この状況でそれが出来るメラ達幼馴染み達に頼もしさを覚えては、イルマもその軽口に答える。






それからイルマ達は軽口を叩きながらも、大軍の魔物と、決して逃げることが出来ない状況に緊張をしながら魔物の接近を待つ。

魔物の接近を待つ間イルマは、逃げる選択肢が無いなら退路は要らないと、≪罠作成≫の技能を使用しては潔くよく退路を断つとともに、後方からの安全を確実に確保するのである。










「───来た!」


「「「!!」」」


そして、技能≪罠作成≫で退路を断ち戦闘態勢を維持しながら接近する魔物達を待っていたイルマ達。

そんなイルマ達の下に、村の反対側からついに魔物の姿が見えた。

魔物の姿が見えてきたことでイルマは≪鷹の目≫の技能を発動し、どんな魔物がいるのか確認すると、魔物の中にある魔物がいることを発見した。



「ッ!?……あっあれは!?≪魔物使い≫ッ!?」


「「「≪魔物使い≫!?」」」


「……間違いない!あの魔物は、≪魔物使い≫だ!」



※魔物使い。大量の魔物を自身の能力で従わしては人を襲う魔物であり、その姿は人型のピエロみたいな姿をした魔物だ。そして、その大量の魔物を従わす特性から、《魔物使い》自体の強さは強くなくともかなり危険な魔物と知られている。



しかし、


──何で()()()()()()《魔物使い》が出現するんだ?

《魔物使い》の特性上、この平原には出現しない筈………これも森の異変が影響してるのか……?




《魔物使い》は自身の力を有効活用する為にもっと魔物が生息している森や山岳と、人が住んでる場所から離れた場所にいる魔物であり、こんな村に近い平原に出現する魔物ではない。

そんな《魔物使い》の情報を知ってるイルマは、《魔物使い》が平原に出現した事実に疑問を覚え、このことが森の異変の影響のせいかと考える。





そんなことをイルマが考えていだが、当の《魔物使い》はイルマ達(獲物)の姿を見ては嗤い、自身が従い引き連れている魔物をイルマ達にけしかけてきた。



「ピョロビョロ!!」


「「「「!!…………ッグオォオオオ!!」」」」


「「「「!!─────行く(ぜ)(よ)(わよ)!!」」」」



魔物達が自分達を襲いに動き出す光景を見たイルマ達は、《魔物使い》の存在に対する疑問は今は置いておき、直ぐに襲いにきた魔物に対して行動を開始するのでだった。


「……なら俺から行くぜ!」

──グッ、ドォオーン!!


先ず1番手でダンが、固有技能【戦気覚醒】を発動しては、身体から白いオーラを立ち上げて戦闘能力や技能を高めて、その高めた力を発揮させて魔物達との距離をもの凄い速さで詰めては、その高めた力で先頭の魔物達を蹴散らす!



「オラオラオラッ!!こんなもんか!!」

──ドカッ、バキッ、ブン!ドォーーン!!!



ダンは【戦気覚醒】で生み出した白いオーラを、自身の身体や武器に纏わしては武器や手足を振るその度、そのダンの攻撃を喰らった魔物が吹き飛ぶ!!


そしてダンその攻撃を喰らい、吹き飛んだ魔物達だが、まだ生きている魔物もいたが、そんな魔物は固有技能【魔道深域】を発動させたメラの魔法が放たれ、その息を止める。



「固有技能【魔道深域】!!───ほら、もっとかかってきなさい!!」


≪フレイム・ボール≫≪フレイム・ボール≫ー火の玉ー×2

≪ウィンド・カッター≫≪ウィンド・カッター≫ー風の刃ー×2

ーほら大技がいくわよー


≪≪フレイム・バースト!≫≫ー火の爆発ー


────ドォーーーン!!!



ダンの白い闘気、メラの魔法の嵐が魔物に襲いかかり、魔物達は次々にやられていく。


それを見ていた≪魔物使い≫も、ただ自身の配下の魔物達が殺られていくのを見ているだけじゃなくて、ダンとメラの死角から魔法が使える魔物や遠距離攻撃出来る魔物を襲いかからせる。……だが、その攻撃はシーラの固有技能【不浄聖鈴】の力、鈴の音とともに出てきた結界によって防がれた。



「固有技能──【不浄聖鈴】!!」


………仲間は私が守る!!



魔物達はそのシーラの守りを気にせず、《魔物使い》の指示に従い次々に攻撃していくがその度シーラが張った結界が、ー"キーーン"ーと音を立てて魔物達の攻撃を防いでいく。


そして、何もしていないように見えるイルマだが、索敵系の技能の力でダンとメラにどの魔物を先に倒したらいいのか指示したり、シーラに魔物達の攻撃を防ぐタイミングを指示したりとパーティーの司令塔をしていた。

そして、≪魔物使い≫が従えていた魔物達はイルマ達の手によって、どんどんその数が減っていった。


「ピョロピョローーッ!!」


その戦いの様子に危機感を感じた≪魔物使い≫は、これ以上従えてる魔物の数が減る前に切り札を切ることにした。


──ノシ!ノシ!ノシ!


大きな声で切り札を呼ぶ≪魔物使い≫。

その≪魔物使い≫の声と共に魔物達の奥から、重たい足音を鳴らしながら豚の顔をした人型のある魔物が出てきた。


「あれは……オークかっ!?」


「……こんな所(平原)でオークが出た情報が有ったのは、≪魔物使い≫がオークを引き連れていたからなのね」


「通りでね。普通は、オークは森に出現するから平原に出ることは滅多にないけど、≪魔物使い≫が従えていたなら納得だよ」


「………」



≪魔物使い≫が切り札としてオークを呼び出したことに、何故平原にて(本来いない場所に)オークが出た情報が有った理由をイルマ達は知る。



「───でも、どうするよイルマ!?……俺達っ!他の魔物相手で、手が出せないぜ!?」


「ッホント、何でこのタイミングなのよ!?」



今相手している魔物に手が一杯なダンとメラ。

2人はこのタイミングでのオークの登場は都合が悪いと、声を荒げる。



「(………この状況で、このオークの相手を出来るのはイルマしかいない。だからイルマ抜きでも、私達だけでこの数の魔物と戦うの……)イルマ……いける?」


「!……ハァッ!───いけるか、イルマ?」


魔力矢(マジック・アロー)!─────いける?イルマ!」


結界やダンとメラの戦闘の補助をしていたシーラは、戦場の状況からオークの相手が出来るのはイルマしかないと考え頼む。

魔物の相手をしている2人(ダンとメラ)もオークの相手まで対応出来ないと考えては、魔物に攻撃を加えながらもイルマにオークの相手を頼む。



──皆、今オークの相手を出来るのは僕しかいないことが分かってる。だから、他の魔物の相手を自分達だけで対処しないといけないことに不安だけど頼んでるんだ。………なら、僕はそれに答える……!!


「ハハッ………いいの?何か皆だけで倒す雰囲気だったけど、僕が手を出しても?」



今の状況では自分達だけで他の魔物の相手をしないといけないことを理解し、その不安を抑えてはイルマにオークの相手を頼むメラ達の不安を和らげる為に、イルマは敢えて軽口を叩いた。



「──くく、仕方ねぇから今回はイルマに譲ってやるよ!」


「──ふふ、そうね。次からは私達に譲りなさいよ!」


「……ふっ、今回は特別」


そのイルマの軽口の意図を察したメラ達は、そのイルマの軽口に乗り冗談を告げてオークの相手をイルマに任せた。



「っ分かった!オークは任された!皆も頼んだよ!!」


──任して!だからそっちも任した!



オークの相手を任されたイルマは、他の魔物は皆に任して司令塔の立ち位置からオークとの一騎討ちに出る。










他の魔物の相手を皆に任したイルマだが、皆のことが心配なイルマはオーク相手だが時間を掛ける気がなく、技能≪気配遮断≫や≪隠蔽≫を使い魔物達の隙間を通り抜けてはオークの下に行き、オークに先手を仕掛ける!


魔物達の隙間を通り抜けてオークに先手を仕掛けたイルマは、技能≪脚力強化≫や≪疾走≫で自身のスピードを上げては、オークの武器である巨体を逆に利用して、視界や手が届きにくい足元で攻撃を喰らわないようにして高速に動く。

もの凄い速さで足元でイルマが動くことで、オークはイルマに振り回させる形になり、撹乱させられる。


そして、そのイルマの動きに巨体を振り回させられたことで目を回すオーク。

目を回すオークは、次第にイルマの行動(振り回させられたこと)に苛立つ。

目を回しながら苛ついたオークは、自身の武器である大きな棍棒を振りかぶり、目を回しながらもイルマをまるで虫を払うようかのように振り回す!


ブォーンッ!ブォーンッ!ブォーンッ!


イルマは≪脚力強化≫や≪疾走≫でスピードが上がっていることもあり、そんなオークの大振りな攻撃には当たらない。

そして、そんな大振りな攻撃が当たらなかったせいでオークは目を回した上に体勢を崩す。


「(今だ!)」


そんな体勢を崩したオークに、イルマは今だ!と、オークの足下に魔法を撃ち込み、その巨体を地面に転ばす。


≪ストーン・ブラスト≫!ー岩の爆裂ー


ゴロゴロ~ドォーンッ!


≪ブフォ!?≫

ーードーーンッ!ーー


イルマは危険の意味的にもオーク相手に長く戦うつもりはなく(あの力に万が一喰らえば一溜りもない為)、オークが転んだ隙にイルマは剣に闘気と技能≪腕力強化≫、更に≪フレイムボール≫の魔法を纏わしていく……


オークはイルマの手によって地面に転んだ後、慌てて立ち上がろうとするがそんなオークの目の前には、闘気と技能と魔法を剣に纏わしたイルマが構えていた!



───────闘気×技能×魔法



「喰らえ!!これで止めだ!!」


───────=闘魔技法剣!


闘魔技法剣(マルチ・ブレイク)!!」


≪ブフォーー!?≫



オークはその巨体と固い皮膚を、闘気と技能と魔法を剣に纏わしたイルマの新必殺技である≪闘魔技法剣マルチ・ブレイク≫によって、物ともせずに一撃でやられていくのであった。












≪魔物使い≫は切り札であったオークが、イルマの手によって簡単にやられてしまい呆気に取られていた。

その後正気に戻った≪魔物使い≫は、このままなら自分の身が危ないことに気付き逃走しようとするが、≪魔物使い≫の周りにいた魔物達がいつの間にか見当たらないことに気付く。


そのことに気づいた≪魔物使い≫は額から嫌な汗が流す。そしてゆっくりと周りを確認する≪魔物使い≫。

周りを確認した≪魔物使い≫の視界の先には、魔物(配下)を蹴散らし終えたダンと、魔法を身の周りに浮かばして待機させてるメラに、更にシーラが辺りに結界を張っては自分の《(魔物使いの)》逃走を防いでいた。



≪魔物使い≫はイルマとオークの戦いの様子に集中し過ぎて、自分の護衛と退路が無くなっているのに気付くのが遅れ、今自分が詰んでいる事実を自覚した。


しかも、そんな状況でもメラ達は油断せず警戒を緩めず≪魔物使い≫の動向をしっかり見ていた。

そのメラ達の様子を見た≪魔物使い≫は、あんな大量の配下(魔物)を蹴散らしては追撃の準備と敵の逃走を防ぎ、更にこんな状況でも油断しない子供達に、何で自分は襲いかかったのかと後悔を思いながらメラ達に倒されるのだった。


──ピョロピョロピョローー!!!



















ーー今回、イルマが出した新技ーー


生命力の闘気と技能と魔法を合わした三位一体の必殺技

闘魔技法剣(マルチ・ブレイク)

今回は全員でチート無双をしました。

まぁその中でもイルマは更にチートでしたが……

では次回も異世界トラブルを楽しんでください。

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