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異世界トラブル  作者: 海路希望
6章~王都防衛編~
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第130話(更なる脅威)

超ギリギリ今年中の投稿になりましたが、続きをどうぞ!




魔物の大群を集めては王都へ進行させた張本人である謎の女のマモンは、強力な魔物が騎士団長達とガゼル総括の手によって討伐されたことで、ある手を打った。


その手とは魔族が扱う魔法、暗黒魔法の1つである《蠱毒の誘い》を残りの魔物に向けて発動させたことだ。


マモンが発動させた暗黒魔法《蠱毒の誘い》は、魔物の数が多い時のみ発動させる事が出来る魔法である。そしてその《蠱毒の誘い》という魔法の効果は、魔法を受けた魔物達を互いに争い合わせ、殺し、食べては自分の身に取り込むことで力を高め、生き残った魔物を強制的に進化させるという見る者が吐き気を覚えるような光景を作り出す、暗黒魔法という名前が付くに相応しい魔法だ。


そのマモンの魔法《蠱毒の誘い》を受けた魔物はその魔法の効果通りに互いに争い合い、殺し、食べては自分の身に取り込むことで力を高めていった。



《《《ギャアーー!?》》》


《《《ギィッーー!?》》》


バキ、グチャグチャ、ゴクン。




「オエェエエエエエエエ!!」


「ッ…………ウップ」


「ッ何て、醜い光景だ」


突然に行われたその光景を間近で見てしまった者達は、幾ら魔物とはいえ同族や仲間を互いに殺しては食べるという行為に気分を悪くして、胃の中の物を吐いたり吐き気を覚えたり顔色を青くする。


「これは………」


「何だ、この魔物達の行動は……」


「幾らなんでもこれは気分が悪いね~~、でもこの魔物達の行動の意味は何だろうね~」


そんな中、騎士団長達は流石に目の前の醜い光景に顔を歪ませるが気分不良を見せない。

だが、目の前で行われる魔物達の突然の行動の意味を思案しては此方が襲われている訳でもなく、なんなら魔物の数が減っていっていることもあり静観していた。


「………リーダー格の魔物が倒されたことによる自暴自棄か?いや、それにしてはまだ生き残っている魔物の数は多い。それに自暴自棄になるにしても先ずは逃走の行動に出る筈」


「……逃走もせずに自暴自棄じゃないとしたら………この魔力の高まりは!!」


「まさか、コイツら……!」


「《蠱毒》か!?」


魔物達が突然始めた意味不明の行動の意味を思案していた騎士団長達やガゼル総括だったが、同族や仲間の肉体を食べる魔物の魔力が高まりを感じては悟る。この魔物達の意味不明の行動はある現象、《蠱毒》であることを。


「この魔物達の意味不明な行動は《蠱毒》だと?それなら同族や仲間を殺し合って食べては魔力が高まるこの状態は分かる。………だが何故だ?《蠱毒》と言えばその要因が無ければ起きない現象の筈だぞ……」


そう、魔物の《蠱毒》とは本来ある要因が無ければ起きない現象である。


例えば、同族や仲間を食べないと死んでしまう状況だったり、同族や仲間を殺さないと死んでしまう状況等でないと発生しない。


その要因も前者は食料が足りない場合、後者は逃走も出来ず外敵から身を守る為に仕方なく最終手段として起こすケースだ。

そして、どちらの要因もある程度追いつめられたと感じる時間が必要であり、今ガゼル総括達の目の前で起きてる《蠱毒》はそのどちらの条件を満たしていない。


「条件を満たさず起きる《蠱毒》だと?だとすれば………これは人為的!?───人為的に《蠱毒》を起こせる存在がいる、まさか………《魔族》かっ!?」


ガゼル総括は目の前に起きてる《蠱毒》が条件を満たさずに発生してることから人為的な物と気付き、人為的に《蠱毒》を発生させられる存在から《魔族》の存在に感づいた。


「ッ静観してる場合じゃない!魔族の存在の有無は別として、《蠱毒》なら止めねぇとヤバい!!」


《魔族》の存在に感づいたガゼル総括。

だが、未確定で状況証拠だけの存在よりも目の前に起きてる確定された事態(蠱毒)の対処をしないといけないと動き出そうとする。

同じく目の前の光景(蠱毒)に気付いた者達は、対処に動き出した。






しかし、


「───!!?」


《蠱毒》が行われている魔物から感じる魔力の急激な増加を感知し、対処が遅れたことを知る。


「し、しまっ《《《《グワァアアーー!!》》》》チッ、遅かったか!!」


その結果、暗黒魔法《蠱毒の誘い》の効果が終了したのか魔物達の数がこれ以上減るの不味いと判断してなのか《蠱毒の誘い》の魔法が終了し、魔物達は《蠱毒》から解放された。


魔物達が《蠱毒》から解放されたことで上げた声に、ガゼル総括は舌打ちする。



「な、何だ?」


「魔力が高まっていく!?」


「お、おい、それだけじゃないぞ!?生き残った魔物が姿が変わっていくぞ!?」


暗黒魔法、《蠱毒の誘い》から解放されて生き残った魔物達はその身に取り込んだ同族や仲間()で魔力を高めてはその姿を変えていく。


《グワァアアーー!!!》


《ガルルルルーー!!!》


《ガァアアアーー!!!》


「チッ、最悪だ。《蠱毒》が成功してしまった!折角危険度が高い魔物を倒したのに、危険度が高い魔物が生まれてしまった……!」


ガゼル総括はその(魔力の高まり)光景(姿の変化)に、《蠱毒》が成功してしまい危険度が高い魔物の誕生することを確信した。



そして、


《グワァアアーー!!!》


《ガルルルルーー!!!》


《ガァアアアーー!!!》



──どうやらランクが高い魔物が無事生まれたようね。


魔物の大群から王都防衛の為に戦っていた者達の目の前に、《蠱毒》が成功した結果である進化した魔物が姿を見せた。












《イルマ達Seed》


「おい、討伐した筈の危険度が高い魔物もいるぞ!?」


「イルマ、何よこれ。何が起きたって言うのよ!?」


「魔力が高まって姿を変えた。これは進化?」


「これはまさか……《蠱毒》!」


「あ?《蠱毒》って何だよ?」


「さっきまでの魔物達の行動は《蠱毒》という行為で、《蠱毒》は魔物達が同族や仲間をその身に取り込んで強制的に進化する行為だよ……!!」


「それで魔物達が自分達で殺し合いしてたのね」


「落ち着いて話してる場合じゃないわよっ!その進化した魔物の中には、さっき倒した筈の危険度が高い魔物もいるわよ!」


そう姿を見せた魔物は危険度が高い魔物が何体も存在し、中にはメラが言うように先程討伐したばかりのオークキングやゴブリンキング等の姿もあった。


「──!?………どうやらそれだけじゃないみたいだよ」


「えっ」


「何だ、どうしたイルマ?」


「何なの?」


魔物達が危険度が高い魔物に進化していき、その進化した姿を見せていく中でイルマはその奥から更に強い魔力を感知した。


「(不味い、この魔力は今まで感じてきた中でも一番強い!!それこそ()()()()()()()()()()()()……!!)来るよ!」




《騎士達&民間協力者Seed》


──ドシ、ドシ、ドシ


「嘘だろ……」


「あの魔物は!?」


「まさか……!?」


「魔物ランクが都市災害クラス、AAランクの魔物【カオス・ベアー】!?他にも同じAAランクの【バイオレント・ドッグ】に【キング・ワーム】!!??」


「オークキングやゴブリンキング以上の危険度が高い魔物がぁ!?」


「終わりだぁーー!!」


「都市災害クラスの魔物が複数体何て、どうすればいいんだ……」


「そんなの逃げるしかないだろ!!」


「おい、落ち着け!逃げるたって王都にいる皆はどうするつもりだ!」


──ガヤガヤガヤ!?


複数体のAAクラスの魔物の存在に、戦場は混乱の渦に飲み込まれていた。


魔物ランクAAクラス(都市災害クラス)

混沌の熊(カオス・ベアー)


魔物ランクAAクラス(都市災害クラス)

暴虐の狗(バイオレント・ドッグ)


魔物ランクAAクラス(都市災害クラス)

巨大蠕虫(キング・ワーム)



「どうやら無事に《蠱毒》が成功しただけじゃなくて、何体か人間に絶望を与えるだけの魔物も生まれたようね。フフフフフフ、さぁどうする、人間達?」



来年も宜しくお願いします!

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