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異世界トラブル  作者: 海路希望
6章~王都防衛編~
141/146

第128話(奮闘)


御待たせしました。投稿が忙しくて本日になりました。


ホント、この時期はクリスマスに年末に正月のことで忙しいです。

皆さんも寒さに加えて忙しい日々に体調を崩さないようにお気をつけ下さい。


では、続きをどうぞ!


戦場の各地で突然現れた危険度が高い魔物相手に、王都防衛戦は各騎士団や騎士団長は苦戦と怪我人や死者を出すという被害を被ったが、それでも心を燃やして立ち向かっていた。



《紅蓮の騎士団side》

「ハアッ!!」


──紅蓮焔!!


紅蓮の騎士団の騎士団長であるアラン騎士団長は、トロールの前でもたついて危険に陥っている自身の騎士団員のピンチに駆けつけ、その状況を打破する為に闘気と魔力を火に変換して放つ"紅蓮焔"をトロールに向かって放った。


「ッ!あの強力な火属性攻撃は……"紅蓮焔"!?」


「あ、アラン騎士団長!!」


「ッ何をしているんだ!!今は攻撃を喰らって倒れてしまった者達よりも、目の前にいるトロールを倒すんだ!!」


自身の騎士団員のピンチを、自身の強力な火属性攻撃である"紅蓮焔"を放つことで救ったアラン騎士団長は、魔物を目の前にしてもたついている騎士団員に活を入れた。


「……は、はい!!確かにトロールを何とかしないと……!!」


「り、了解です!!……ですが騎士団長!後方のガーゴイルはどうするんですか?ガーゴイルもトロールと比べて危険度は引けはとらない魔物ですが、そのガーゴイルを水仙騎士団が………」


「確かに俺達の後方にいるガーゴイルはトロールと危険度が引けを取らない魔物だが、彼方には水仙の騎士団だけでなく水仙の騎士団長がいる!だからガーゴイルのことは向こうに任して、俺達は目の前にいるトロールを何とかするのだ!」


《はっ!》


「トロールの皮膚は固く、攻撃は強力でその巨体から広範囲の攻撃を繰り出せる。

だが遅い!威力は有るがその攻撃速度は冷静に対処すれば回避出来る!そしてあの巨体だ、此方の攻撃を躱すのは知能が低いのも合いあまって難しい筈。幾ら皮膚が硬くとも攻撃を躱せず何度も攻撃を与え続ければ十分に倒せる!!」


《な、成る程、了解です!》


「行くぞ、紅蓮の騎士団!こんな魔物(トロール)相手なんかさっさと倒し、他の魔物も倒すぞ!!」


《了解!!!》


紅蓮の騎士団は、アラン騎士団長が参戦したこともありトロールの相手に士気を高めて反撃に打って出た。

そして、その紅蓮の騎士団の後方でガーゴイルの相手をしている水仙の騎士団だが、


《水仙の騎士団side》


「くそッ!硬い!」


「おい、どうする!?此方の攻撃が通じてないぞ!?」


「!?───危ない!」


──《ギャギャッ!!》

ブン!!


「───ッく!?(不味い、防御は無理だ!避けるのも間に合わ───ッ!!)」


ガーゴイルの相手をしていた水仙の騎士団だが、無機物な身体を持つガーゴイル相手に攻撃が弾かれては苦戦を強いられ、逆に攻撃を弾かれた隙を突かれた。

ガーゴイルに隙を突かれた水仙の団員は、そのガーゴイルの攻撃に気付いた時には避けることが出来なくて思わず目を瞑ってしまう。



──《龍流舞い!!》


「────アレ?ガーゴイルの攻撃は……?」


「「「セラ騎士団長!!」」」


そのガーゴイルの攻撃を喰らう危ない瞬間に、水仙の騎士団長であるセラ騎士団長が姿を見せてはそのガーゴイルの攻撃を防御系技能、《龍流舞い》で攻撃の威力を全て受け流すだけでなくガーゴイルに跳ね返して防いだのである。


そして、自分の攻撃を跳ね返されて防がれたガーゴイルはというと、


《ギャギャッ!?》

──ドォーーン!!


「おい、見ろ!ガーゴイルがセラ騎士団長の《龍流舞い》で自分の攻撃が跳ね返って倒れているぞ!」


「流石セラ騎士団長だ!セラ騎士団長の防御系技能、《龍流舞い》は相手の攻撃を受け流すだけでなくて受けた攻撃を相手に返すことで、防御と攻撃を同時に出来るんだ!!」


先程までガーゴイル相手に苦戦していた水仙の騎士団は、そのガーゴイルの姿と自身達の騎士団長の力を目の当たりにして歓喜の声を上げた。


「何をしているっ!硬いだけの魔物相手に何時まで苦戦しているんだ!!」


「「「は、はい、すみません!!」」」


「防御が硬い魔物の相手には、正面から当たるのでなく相手の攻撃を利用するか、内部にダメージを与えるような攻撃をするのが定石を忘れたかっ!」


「っそうでした、すみませんセラ騎士団長。突然の出来事に、定石を忘れてまともに戦ってしまっていました」


「俺もです」


歓喜の声を上げていた水仙の騎士団だが、セラ騎士団長からの防御が硬い魔物を相手する際の定石を指摘され、自分達がどれだけ冷静さを失っていたのか気付いて反省の言葉を漏らす。


「思い出したのなら行動に移せ。魔物はまだまだいる、ガーゴイル1体に足止めをされている場合ではない」


「「「はっ!」」」


「ならさっさとガーゴイルを倒して、他の魔物も水仙の騎士団が倒しては王都を護るぞ!!」


「「「了解!!」」」


水仙の騎士団は、セラ騎士団長の登場と言葉で防御が硬い魔物を相手する際の定石を思いだし、次々と内部へのダメージを与える攻撃やガーゴイルの攻撃を利用した攻撃を放ち始めた。


「そうだ、ガーゴイル1体なんかに水仙の騎士団は負けない………しかし───」


ガーゴイル相手に盛り返した水仙の騎士団だが、セラ騎士団長の表情は優れない。


(疑問が残っているな。あのガーゴイルがどうやって発生したんだ?そもそもこの魔物の大群の進行だが、魔物が大群になるまで兆候が察知出来なかったのには疑問があった。その中でガーゴイルの出現。この魔物の大群の進行には私達が気付いていない何かが有るのか…?)」


セラ騎士団長は立て直した戦線とは別に、ガーゴイルの出現から元々覚えていた疑問が胸の中で膨らんでいた。











紅蓮の騎士団や水仙の騎士団が、トロールとガーゴイル相手に戦局を各騎士団長の力で立て直してた時、他の騎士団にも動きがあった。


《鋼鉄の騎士団side》


「これ以上犠牲者を出させるものか!!「どうしますか、騎士団長!!」どうするもなにも、そのオーガを放って置けば被害が広がる!なら、


───そのオーガは、私が相手する!!」


最前線でその力で鋼鉄の騎士団を蹂躙していたオーガだが、その状況を打破する為にドッチ騎士団長がオーガ相手に打って出た。


「ド、ドッチ騎士………」


「す、すみません……」


「ギリッ、………お前達は下がっていろ」


オーガの相手をしては怪我を負った鋼鉄の騎士は、自分達の前に出てきたドッチ騎士団長に向かって情けない姿を見せたことの謝罪の言葉を告げる。

そんな団員の謝罪の言葉に、ドッチ騎士団長は怪我を負った団員の姿やその後ろにいた命を落とした者の姿を見て、悔しさから歯軋りする反応を見せた後後退命令を告げた。


そして、


「……………よくも我ら鋼鉄の騎士団をいたぶってくれたな!!此処からは私が相手だっ!!」


《グォォオオオオーー!!》


オーガは自分に対峙してきた怒りを見せるドッチ騎士団長の姿を見ては、先程まで相手(蹂躙)していた者達から感じられなかった脅威を感じて、鼓舞するかのように雄叫びを上げた。


そんな中、ドッチ騎士団長の後退命令でその場を離れる負傷した鋼鉄の騎士達。

それと、まだ負傷していない鋼鉄の騎士達は両者の対決の邪魔にならないように、また他の魔物の進行を止める為に動き出す。


だが、オーガとドッチ騎士団長は周りの動きに反応せずに対峙していた。


そして、


───パキ


「「!」」


《ダンッ!!》


その音を合図に、最前線ではオーガVSドッチ騎士団長、両者の対決が始まるのであった。



《疾風の騎士団side》


「おい大丈夫か!」


「ッ問題ない!」


「それよりもこれ以上は時間稼ぎは無理だぞ!ケイン騎士団長はまだか!」


「~~残念だがまだだ!(まだかよケイン騎士団長!そろそろ持たないぜ!)」


戦場を駆けていた疾風の騎士団の方は、その俊足の脚を全力で使うことでゴブリンキングやその取り巻きである強化されたゴブリン達相手に、時間稼ぎをケイン騎士団長が駆けつけるまでしていた。


だが、その俊足も数の暴力やゴブリンキングやゴブリン達との戦いで体力を消耗してきたことで、段々と速度を落としていた。


その証拠に、最初は攻撃を難なく躱していたのに対して、今は身体に当たるギリギリの所で攻撃を躱していた。


そんな時、


───シュッ、──スタ。


「ごめんね~、お待たせ~~」


「「「ケイン騎士団長!?」」」


「はぁ~、やっと来てくれましたかケイン騎士団長」


「思ったよりも~他の騎士団の所に現れた他の危険度が高い魔物にね~、足止めを喰らっていたから穴埋めに走っていたら遅くなっちゃった~」


「……いいですよ別に。キツかったけど、間に合ったですから…………これ以上は勘弁ですけどね」


「ごめんね~、後は任しといて~」


「お願いします」


そう言って時間稼ぎをしていた疾風の騎士達は、ケイン騎士団長に後を託して疲れた足取りで離れていく。


「お願いされたよ~」


《グギャアアアアアア!!!》


《《《《グッギャギャギャッ!!》》》》


「うるさいね~本当に…………さて、殺るか」

───《疾風迅雷》!


《グギャアア!!?》


《《《《グギャ!!?》》》》


ケイン騎士団長は突然口調を変えては殺意を露にし、《疾風迅雷》と小さく呟いてはその姿を消した。


────ヒュッ!


《………グギャ?》


キンッ!──────ズル



《《《《…………グギャギャギャア!?》》》》


姿が消えたケイン騎士団長に驚くゴブリンキングやゴブリン達だったが、次の瞬間にゴブリンキングの首は斬られた。


自身の首を斬られたゴブリンキングは、最後に何が起きたか理解出来てない声を溢してはその命を落とした。

そして、そんなゴブリンキングの姿(自分達の王の死)を見たゴブリン達は理解しては慌てめく。


だが、


「────五月蝿いね。さっさと《死ね》」


ヒュッ!!

キンッ、キンッ、キンッ、キンッ、キンッ、キンッ、キンッ、キンッ!!


《グギャ………》

───ズル


そんな慌てめいていたゴブリン達だったが、ゴブリンキングのように次々と首が斬れては命を落としていくのであった。


そして、


《グギャギャギャッ!?…………》ズル


「…………ふぅ、此処も終わった。さて、…………次の戦場は何処だ~~」


姿を消していたケイン騎士団長がその姿を見せたのは、ゴブリンキングとゴブリン達の皆殺しが完了した後であった。

漸く姿を見せたケイン騎士団長はその剣にゴブリン達を斬った時に付いた血を振り払い、その口調を普段のように戻しては次の戦場に向かうのである。



《魔道の騎士団side》


「────仕方ないわね」


「どうされますか、メル騎士団長」


魔法を駆使する魔道の騎士団だが、バイコーンの出現によりその魔法を封じられては魔物との戦闘に難航していた。


その得意の魔法での戦闘を難航している間、魔法だけでなく騎士だけに剣をも扱う魔道の騎士団は何とか剣だけで戦闘を行うことで戦線を維持し、その間にメル騎士団長はどう対処するか考えていた。

が、得意の魔法を封じた元凶であるバイコーンに加えて他の魔物の存在もあり、状況は魔道の騎士団が不利なこともあってメル騎士団長は決断する。


「このまま睨め合いしていてもキリがないわ。此処は力ずくで解決することにしたわ」


「力ずくですか?というと……」


「ええ、あの魔法を封じるバイコーンに対して力ずくでそれを破るわ。()()魔法でね」


()()魔法ですか………ですが本当にいいのですか?身体にかなりの負担になる筈では?」


「だから仕方ないわねって言ったのよ。そうでもしないとこの状況を変えられそうにないし、この状況でバイコーンを倒すことが出来る魔法はアレだけと思うしね」


流石にあの魔法まで食べることは出来ないとでしょ?


と、メル騎士団長はこの状況を打破する為にリスクが有るが、バイコーンに食べられることなく倒すことが出来る魔法の使用することを決めたようだ。


「そうですが…………了解しました。ですがまだまだ魔物はいるのですからメル騎士団長はあの魔法でバイコーンを倒した後は休んでいて下さい。バイコーンさえ倒せれば私達も魔法を使うことが出来るので、メル騎士団長が休んでいても何とかなります」


「頼むわね。流石にあの魔法を使用した後に戦い続けるのは私も辛いから、バイコーンを倒した後は素直に休まして貰うわ」


メル騎士団長はそう言ってから戦線を維持していた騎士に、自身の魔法を発動させる間の時間稼ぎを指示しながら前に出る。

戦線を維持していた騎士は、そのメル騎士団長の指示に従っては魔物をメル騎士団長に通さないように力を振り絞る。


「………ふぅ…………さぁ、行くわよ」

────光魔法、《シャイニング・(光の)ウェイブ(波動)


装填!光()()魔法

シャイニング・(閃光)スピリッツ(魔道体)》!!


そうして騎士達が魔法を発動させる時間を稼いでくれている間に、メル騎士団長は自身の切り札である魔法を自身の身体に魔法を()()させて取り込む憑依魔法を発動させた。


憑依させる魔法に選んだのが光魔法だったので、メル騎士団長の身体は全身が輝いていた。

しかも、憑依魔法を発動させた影響なのか、メル騎士団長から感じられる魔力は普段よりも強力に感じられ、魔力を食べるバイコーンはそのメル騎士団長からの感じられる強力な魔力に警戒する。


そして、その魔法を発動させる時間を稼いでいた騎士達も、そのメル騎士団長の魔力を感じてか急いで巻き込まれないように後退していく。


そんな中、メル騎士団長から感じられる強力な魔力に警戒していたバイコーンだが、幾ら強力な魔力でも魔力は魔力だと思い食べようとした。


《ブルルルルッ!!?》


しかし、幾ら魔力を食べるバイコーンでも、相手の肉体の中に有る魔力は食べれないようであり、メル騎士団長の魔力を食べることが出来なかったバイコーンは、敵が何らかの魔法を発動しているのにその魔力を食べることが出来ないことに驚愕の声を漏らす。


「《やっぱりこの憑依魔法なら魔力は食べられることはなさそうね。────さあ、バイコーン!これで終わりよ!!!》」


バイコーンに発動した魔力を食べられることがないことを確信したメル騎士団長は、その発動させた憑依魔法によりバイコーンと、周りにいた魔物の殲滅に動き出す。


そして、程なくしてその切り札である憑依魔法を発動させたメル騎士団長により、バイコーンと周りにいた魔物の殲滅は行われ、メル騎士団長は息を切らしては憑依魔法を解除した。


「はぁ、はぁ……後は頼んだわね。私はちょっと休むわ」


「了解です、メル騎士団長。後は私達にお任せを。魔法さえ使えればこんな魔物なんか敵じゃありません!!」


憑依魔法を解除したメル騎士団長は、その負担から予定通り暫しの休息を取り、バイコーンが倒されたことで魔法の使用が可能になった魔道の騎士団がそれをカバーするのであった。



《漆黒の騎士団side》


「………お前で最後だ」


《ガルルルルゥーー!!》


ダイヤウルフ達と戦っていたルディ騎士団長だが、たった一人で複数のダイヤウルフを殺していた。しかも、ルディ騎士団長は怪我処か返り血さえその身に着いてなく、そのルディ騎士団長に生き残っていた最後のダイヤウルフは怖れを懐いてはその怖れを払拭するかのように吠えてルディ騎士団長に威嚇する。


「………吠えても無駄だ。お前は俺に傷を与える処か認識することさえも出来ない」


──《認識変換(ファントム)》!

──スゥ………


《ガルルルル!?》

キョロキョロ!


──どれだけ見渡しても無駄だ。


《!?》


ルディ騎士団長はそう言って姿を静かに消す。

そんな姿を消したルディ騎士団長に、対峙していた生き残ったダイヤウルフはルディ騎士団長の存在を認識出来ず辺りを慌てて見渡す。


そんなダイヤウルフの姿を見たルディ騎士団長は、何処からか無駄であると声を掛け、その声に辺りを見渡していたダイヤウルフは身を震わせる。


そして、


───スゥ…スパッ


《───!?………ガルッ…………》


「これで終わりだ」


姿を消していたルディ騎士団長は、ダイヤウルフが気付かないままその首を斬ることで命を絶つのである。


「…………向こうはどうなっている?早く戻られねば」


危険度が高い魔物であるダイヤウルフを、それも複数体と戦って無傷で倒したルディ騎士団長だが、そんなことを気にすることもなく部下や騎士見習い達に任した戦場が気になり駆けていくのであった。





《ガゼル総括side》


「……どうやら他の場所は各騎士団長達や騎士が何とかしてくれてるみたいだな。流石だ。それに、危険度が高い魔物の以外の相手は協力要請を受けた者達や騎士見習い達、それにイルマ達が何とかしてくれているみたいだな。やっぱりあの命令と協力要請をしていたのは正解だったな」


ワイバーンの討伐に1人で向かったガゼル総括だが、戦場の様子に各騎士団長達が無事に危険度が高い魔物を倒していっていることを技能《空間把握》と《気配操作》で知る。

他にも、その索敵系技能で各騎士団長達が危険度が高い魔物の相手をしている間に、他の魔物の相手は王都防衛の為に協力要請した民間戦力や騎士見習い達等で対応させていたが、其処にイルマ達を向かわしたことで今のところ対応出来ていることも察知しており、王都防衛戦の前の判断と先程の自分の命令が正しかったことに安堵の息を吐いていた。


「さて、なら俺はコイツらをさっさと倒して戻るとするか!」


《《《《グワァアアアアーー!!》》》》


そんなガゼル総括の目の前には、1人で自分達に対峙してきた敵に舐められていると感じて怒りを露にして牙を向けるワイバーン達の姿があった。


「ガアガアっと五月蝿せぇな、俺は忙しいんだ。お前達を倒してもやることが沢山有るからさっさと死ね!」


──技能《竜喰らい》発動!

──固有技能【魔力強奪(マジック・イーター)】発動!


そんなワイバーン達の怒りを他所に、ガゼル総括は技能《竜喰らい》と固有技能である【魔力強奪】を発動させた。


その事で怒っていたワイバーン達は、その力や魔力をガゼル総括に奪われたりして弱体化する。

突然の自身の弱体化や敵の強化に、ワイバーン達は怒りの感情が困惑に変わる。


ガゼル総括はそんなワイバーン達の様子に、予定通りと言わんばかりに気にせず次の行動に移っていた。


──技能《体術》《魔刃》《身体強化》《循環術》《空間把握》《気配操作》《身体活力》《魔力活力》《魔力感知》《鉄壁》《撃滅》《闘気》《魔力操作》《魔力放出》………発動!!


ワイバーン達の困惑を見せている隙に、ガゼル総括は自身の技能をドンドンと発動させていき、


「──からの、技能《魔歩》発動!」


タッ!タタタタタタタタタタタタタタタッ!!


技能《魔歩》によって空を駆けていく。


──魔闘士技能、《魔闘演舞》!!


《《《《─────グワァ!?》》》》


そして、その《竜喰らい》と【魔力強奪】によって弱体化したワイバーン達は、ガゼル総括が放った魔闘士技能である魔力を大解放させて敵を倒す《魔闘演舞》が放たれた。

弱体化した上に、相手が強化された状態で放たれたその攻撃は下位であるが竜種のワイバーンにもかなりのダメージを喰らった。


「はぁっ!!」

──ドン、ドン、ドン、ドン!!


しかも、止めと言わんばかりにガゼル総括はその強化された力でワイバーン達を地面に叩きつけるかのように蹴り等の打撃を与えて、ワイバーン達を地面に落としていく。


──ドォーンッ、ドォーンッ、ドォーンッ、ドォーンッ!!


地面に叩きつけられたワイバーン達は、只でさえ大ダメージを負っていたのに、そこに更に打撃ダメージと地面に叩きつけられたダメージを喰らい、脅威な生命力を持つ竜種とはいえ耐えることは出来ずに命を落とすのである。


「───よし、これで発生した問題は片付けたな」




現れた危険度が高い魔物や下位だが竜種である複数のワイバーンの襲撃は、騎士団長達やガゼル総括に王都防衛の活躍で討伐に成功するのであった。








しかし、





◆◇◆◇


「────どうされますか?集めた魔物の中でも、強力な魔物やワイバーンは倒されていってますが………」


「………そうね、人間もやるわね」


王都防衛を担う人間達の手によって、集めた強力な魔物を討伐されたことを知った謎の女。


「(これで集めた魔物の中でも強力な魔物は全滅だ。後はまだまだ十分な数はいるが、有象無象の魔物達しか残っていない。そんな数は多くても有象無象な魔物達だけでは王都に被害を与える処か王都を防衛する者達に被害を与えることさえ難しい。…………これで終わりか?)」


その謎の女に従う男も、この事で王都への魔物の襲撃が何も成果を上げることなく終わるのかと考えていた。


だが、


「フフフフフフッ!!」


「!?」ゾゾゾゾゾゾゾ!!


「────面白い。人間が此処までやるなんてね?正直、この国の王都を潰すことは出来なくても大打撃を与えること位何もしなくても出来ると思っていたわ。だけど、貧弱な人間が此処まで大きな被害を出さずに魔物の大群相手にやるなんて予想外だったわ」


「………………(この人は何を考えてるんだ?)」ゴクリ


集めた魔物が大きな成果を上げることなく敗れたのに、それでも嗤う女の姿と声を聞いた男は寒気を覚えた。


「集めた魔物が駄目なら、次の手を打つことにしようかしら」


「……………次の手………?」



今回は騎士団長達やガゼル総括の活躍の回でした。


次回は謎の女の次の手、イルマ達の戦いの様子が見れます。

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