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異世界トラブル  作者: 海路希望
2章~森の異変編~
14/146

第11話(親心・パーティーの団結)

今日も2話投稿です。

異世界トラブルに今日が今までで一番アクセスが多く驚きです!!


…では、異世界トラブルの続きをどうぞ!




あれからイルマは家に帰り、休んでは次の日になり皆と約束を守る為に準備をして集合場所に行こうとする。


「イルマ」


「何、母さん?」


そんなイルマに母親のイルミが話しかけてきた。


「あんた、最近メラちゃん達と連日訓練しているけどメラちゃん達もあんたと一緒に冒険者になるつもりかい?」


「そうだけど…」


「あんた…後5年で、本当に冒険者やっても大丈夫って言える程の自信はあるのかい?そんな自信がなかったら、メラちゃん達に迷惑をかけることになるから今からでも止めな」



イルミは息子のイルマやその友達であるメラ達の今後のことを心配をしては、イルマに自信があるのかと声をかけてきた。

イルマは母親の心配の声に対して、前世では反発ばかりして親に心配ばかりかけていた自分を思いだす。



本当に母さんは僕のことを心配してくれているんだな……

前はうるさいなぁ~、ほっとけっと思っていたけど……今ならわかる。


母さんは、僕に嫌われるのを覚悟して、小言を言って、僕が後になってから皆を巻き込んだことに後悔しないよう今から注意してくれている。こんなに親は子供に後悔や危ないことに会わないように心配してくれているんだな……感謝しないと。




そして今なら分かるその子供を心配して声を掛けてくる親心に心の中で感謝し、イルマは母親の質問に目を見つめて答える。



「母さん」


「……なんだい。」


「"ありがとう"」


「!!?」


「母さんの心配も分かるけど大丈夫。俺達は後5年で、母さんやメラ達の親も安心出来るだけ強くなるから、だから心配しないで!」


「………」


「………じゃあ母さん、いってくるね」



イルミはしばらくイルマが出ていった家の玄関を見つめていた。


あの子………あんな目をするなんて、それに心配する親にお礼を言えるなんて、いつの間にか大きくなっていたんだね……


イルマが家から出た後、イルミはイルマの覚悟を決めた目と、心配する親にお礼を言えるようになったイルマの成長に感慨深く思っていると、そんなイルミの後ろから部屋の外にいた夫のダルクが近づく。



「イルマはいつの間にか大人になったなぁ。」

「親の心配に反発や従うじゃなく、お礼を言えるようになった」

「それだけでも、今回イルマが冒険者になるのを賛成したのは正解だったな」


まぁ条件付きだけどなっ、て言って笑っている夫に内心を当てられたイルミは、照れ隠しに夫の背中をおもいっきりビンタをする。


バッシンーー!

「痛てっー!?」


「うるさいよ!!そんなん言って、もし取り返しが利かないことになったら元も子もないじゃない!」


フン!って言いながら離れていく妻にダルクは背中を擦りながら笑う。


(イルマ)

(母さんも父さんもお前を応援しているぞ!)

(頑張れよ!)


痛てて、とダルクは背中を擦りながら心の中でイルマに向かって応援を言って、妻イルミに急かされながら仕事に行くのだった。












「よーし、今日も頑張るぞ!!!」



イルマはそんな両親の姿は知らず、それでもイルマは母親イルミに安心してもらう為にも、森の異変に対抗する為にも早く強くならないと気合いを入れ、それでいて焦らず先ずは目先のことにしっかり目を向けて皆が待つ集合場所に走って行く。











……その後イルマはメラ達と合流し、村の外れにきては新しい武器に慣れることと、レベル5まで上げる為にスライム等の魔物と戦いに励んでいた。



当たりなさい!!

≪フレイム・ボール≫

ー火の玉ー


………私もっ!

≪ウォーター・ボール≫

ー水の玉ー


メラやシーラの魔法である、火と水の玉がスライム達に向かって飛ぶ。何匹かのスライムはその魔法から逃げるが、魔法から逃げたスライムの先にはそこに向かってダンが走り込んでいた。


ダンはそのスライム達に対して、新しい武器である鉄の剣と自分の【職業技能】≪闘気倍増≫によって強力になった闘気を籠めて振り降ろす!!


「ハァッー!!喰らえっ!!」

ザンッ!


「ピッ、ピギッー!?」

バタ───


「よし!スライムなんて楽勝だぜー!」



自分が振り降ろした剣で倒したスライムを見て喜ぶダン。



しかし、ダンはスライムを一体見逃していた。


「ピギッ!!」


ザン!!


「ダン。スライム1体、見逃していたよ?気をつけないと」


ダンが見逃していた1体のスライムだが、そのスライムは自分に気付いていないダンに対して反撃に出ようとするが、反撃する前にもう1人の人物によって後ろから斬り倒される。


そう、技能≪鷹の目≫でダンが見逃していたスライムをしっかり捕捉していたイルマが、ダンに反撃に出ようとしたスライムの後ろから斬り倒したのだ。



「あちゃー! サンキュー、イルマ!」



油断してたぜ~っ、とスライム1体を見逃していたダンはイルマにお礼を言う。


「まぁ別にいいよ。助け合うのがパーティーだしね」


とイルマは言って、近づいてきたダンとハイタッチする。

そこにメラとシーラが近づいてくる。



「…前よりも一杯魔物を倒したわね」

………倒した魔物、一杯いるわね。


と、メラは辺りを見ながら魔物の多さに疑問を伝えてくる。


「………そうだね。おかげでレベルも目標のレベル5にはなったし、前より多く魔物を倒したのは、前より一体一体倒すのが簡単になったのが大きいかな?」




……倒した魔物がこんなにも多いのは魔物を倒すスピードが早くなったから?本当にそれだけなの?


イルマの言葉にそれでも抱いた疑問を払拭出来ないメラ。



「イルマの言うこともあるな………でもメラの言う通り、俺も何か魔物の数が多くなった気もするが……」

……こんなにもここに多く魔物が出現したっけ?


ダンもイルマの言葉に同意しながらも、自分も同じことを思っていたのかメラと同じように疑問の声を上げる。


「……………………」コク


シーラは言葉を発することはせずとも頷くことで、メラとダンに対して自分も同意と伝える。



ー皆も魔物の出現数が多いことに違和感を覚えている……

このまま1人この事実を黙っていても、皆が疑問を覚えてるならいつか気づく。なら、今本当のことを伝えて皆で問題解決に力を合わせた方がいいか……


イルマはメラ達が魔物の増加について気付き始めていることに、1人事実を黙っていてもメラ達が事実に気付くのは遅いか早いかの時間の問題だと思い、皆に"森の異変"についてを伝えたその上で問題解決に動くことを決めた。



「……………そうだね、実は前の時に僕は魔物の数に違和感を覚えていたんだ。……皆の疑問通り、確実に魔物の数が多くなっているよ。それと、今日他にもあることを確信したよ」


「何だと?」


「イルマ、どういうことよ?」


「…………………」


イルマの言葉にメラ達は詳しく説明しろ、と真剣な顔をしては話の続きを催促する。



「村の近くでこんなにも魔物が出てくるのは明らかに異常だよ

。前の時はゴブリンが一度に5体も出てきたりと、今日はこんなにも魔物の出現が多くなっている」


そういえばっ、とメラ達はイルマの言葉に前回の時のことを思い出す。

そんな皆の様子に気付きながらもイルマは話の続きをしていく。


「前は僕の気のせい?の可能性があったから言わなかったけど、今日の様子を見て確実に魔物が数が増えていて、何かがあったと僕は思ってる。」しかも"森"でとイルマは最後に言葉を付け足してメラ達に伝える。



「「「…………………」」」



イルマの話を聞いて顔を見合わせては咄嗟に言葉が出ないメラ達。



「いっ、イルマ!今の話は本当かッ!?」


「そっ、そうよ!もし、イルマの言う通り、本当に森に異変があったら大変なことじゃないッ!?」


「……っもし、森で異変があればこんなに森から近いポルカ村には一大事な話………」



イルマの話が本当のことなら一大事だっ、と声を荒げてイルマに詰め寄るメラ達。



「勿論嘘を言っている訳じゃないよ。こんなことで嘘を言う趣味が悪いことはしないよ」


なら早く大人に相談しないとっ、と声を上げるメラ達。


「でも、今は証拠がないんだ、今有るのはあくまで現状証拠しかない」


メラ達はイルマの言葉にあっ、と声を漏らす。

そんな中イルマはでも、と話の続きをメラ達にしていく。


「証拠がないからっていって逆に何もない証拠じゃない。」

「もし、何かあった場合、何もしなければ手遅れになる。」

「だけど村の大人に俺達が言っても証拠もない現状じゃあ、説得力がない。」


僕達は子供だからね……、とイルマは自分が抱いている懸念を話す。


「ならどうするんだよ!イルマ!」


「そうよ!もし、森に何か異変があった場合私達だけじゃ、手に負えないわよ!!」


「うん………森に異変があったとして、私達だけで何が出来るの?」



イルマの懸念を聞いたダン達は、イルマに不安に満ちた声を上げる。


──魔物の数は確実に増えているけど、その原因が森に有っても証拠が無いせいで大人に頼ることが出来ないって、どうすればいいんだよ………イルマ………


──大人に頼ることが出来ない現状、もしこれで本当に森に異変が有ったら………森に近いこのポルカ村や家族に村の皆が危ない!………でも、私達だけの手だけじゃとても手に負えない………!

イルマ。何か手が無いの………?


──イルマの話を聞く限り、今の私達には手が無いことは理解出来た。でも、そこまで分かっているなら、イルマが慌てていない様子を見る限り何か手を考えている筈………


メラ達3人は、今自分達が置かれている現状のその不味さから、慌てていない様子のイルマに何か手は無いのか、と縋るように視線を向ける。


ー大丈夫!!手なら有る!!ー



イルマは皆の不安を吹き飛ばすかのように、辺りに一帯に響く程の大きな声を出して大丈夫っ、と叫ぶ。


現状の不安から縋るようにイルマに視線を向けていたメラ達だったが、そのイルマの力強い大きな声に、その内容に、先程まで沸き上がっていた不安な気持ちが無くなっていく感覚を覚えるメラ達。




イルマは、すーっ、ふぅーっ、と深呼吸して、メラ達の不安な気持ちに吹き飛ばす為に、今自分が"異変"に対しての対策についてメラ達の目を見つめて話し出す。



「確かに現状、今の僕達に打てる手はないッ!!」


≪≪≪えっ!!??≫≫≫


「だから手を打てるようにすることは出来るよッ!!」


≪≪≪えっ?えっ!?≫≫≫


皆僕の矛盾したかのような言葉に理解出来ないみたいだなぁ………


イルマはメラ達3人が自分の言葉の意味を理解出来ていない様子に苦笑し、言葉の意味をメラ達にも理解出来るように説明していく。



「ようは今、魔物の数が増えて来ている原因が森の異変の証拠がない以上、子供の僕らでは説得力がない!」

「だから、僕らの話に大人が信じれるよう、説得力を持たせるんだ」


「ど、どういうことだよ?」


「そ、そうよ。それが出来ないから困っているんでしょ!?」


「………意味が分からない。もっと詳しく説明して」



まだイルマが何を言いたいのか理解出来ないメラ達3人は、イルマにもっと詳しく説明を求める。

イルマはその3人の言葉に頷き、対策の詳細を語る。



「今、僕らはレベルを上げてるでしょ?そしてレベルが上がていけば、もっと強い魔物も倒していけるようになる。で、それで僕らが村の大人でも苦戦するような魔物を倒したら?もしその魔物が村の近くに出たと僕らが言ったら?もし村の大人がそれを聞いたら無視すると思う?」


イルマの異変に対しての対策の詳細を聞いたメラ達3人は顔を横に振る。


「……いや、絶対騒ぐな」


「……そうね。自分達でも苦戦するような魔物が、村の近くで出たと聞いて私達の話を無視するなんてありえないわ」


「……村の近くで強い魔物が出て、それを放置するなんてありえない…」


「でしょ?しかも僕らが強い魔物を倒せれば、僕らの話に一定の説得力が生まれる。なら余計に僕らの話を、村の大人が気にしない訳がない」



──そうか、今異変に対して何も出来なくても、俺達が今よりも強くなれば出来ることがある!


──信じることが出来ないことでも、それを信じさせることは出来る!ようは強くなればいいってことね!


──これなら何とか出来るかもしれない。


メラ達3人はイルマの考えを聞いて、さっきまでとは違い何とかなりそうと希望を抱く。


「──よかった。皆の不安を取り除けたみたいだね」


3人の先程までとは違い明るくなった顔を見て、無事に皆の不安を取り除けた、とイルマも笑う。



「今の僕らが出来る、していくことは

①レベル上げて強くなる。

②村の大人が無視出来ないぐらいの魔物を倒す。


そして、出来たら森の中に入っては証拠も見つけたい。それが無理でも強くなれば何かあった時に対応出来ることが増えるし安全性も上がる。強くなることに損はないからね」


「「「おう(わかったわ)(了解)!」」」



イルマ達は今後についての話を終える。


──よかった。異変に対しての対策を皆に伝えることが出来て助かった。これでスムーズに皆で森の異変の対策に行動が移れる………うん?何か視線を感じる………


「…………………」ジー


「…………………」ジー


「…………………」ジー


「???」



イルマは皆に内心1人で抱え込んでいた森の異変について話を出来てホッとしていると、3人が黙って自分の顔を見ていることに気付く。イルマは頭を傾げて何だろうと思い、どうしたのか?と皆に声をかける。



「?皆どうしたの?」


「……イルマ……お前、凄いな」


「……あんた………やるわね」


「……イルマ凄い」


「えっ?ははは、そうかなぁ?」


幼なじみ達の急の称賛に、顔を赤くして照れるイルマ。


「………こりゃ俺もイルマに負けてられないな!」

うぉーっと気合いを入れるダン。


「私もやるわよ!イルマや皆にも負けないわ!!」

ダンに続いてメラも気合いを入れる。


「……村が大変な目に合う可能性がある。………ならやる」

静かに覚悟を決めるシーラ。


うん。頼もしいな。まだ自覚は無いけど、この凄い幼馴染み達(固有技能保持者)がやる気を出したら森に異変が有っても何とかなりそうだ。


皆のやる気に頼もしさを覚え安堵の気持ちを抱くイルマ。

そんな仲間の頼もしさに安堵の気持ちを抱くイルマだったが、言わないといけないことを思い出す。



「皆に言わないといけないことがもう1つあった。……僕は森に異変があると確信しているけど、今の所は何も証拠もない。だから今、このことを他の人に話をしたら混乱を呼ぶ可能性が高いし、森に異変が起きていなかったら迷惑になるかもしれない」



イルマの言葉にメラ達も確かに、と頷く。


「だから、今は僕らだけの秘密にして動くよ」

「村の大人が途中で気づけばそれはそれでよし。気づかなければ僕らが動いて村の大人に信じてもらい、動いてもらえるようにする」


そのイルマが話す内容に再び頷くメラ達。


「───よし。やるぞ!!ポルカ村の平和を守る為に先ずはレベルアップだ!!」


「「「おおっ!!!」」」





イルマは幼なじみの3人に、"森の異変"についてとこれからどう動いて行くかの情報を共有し、イルマ達4人は先ずはレベル上げだっ、とポルカ村の平和を守る為に一致団結して特訓に励むのであった。



今回書けなかったレベルアップのステータス等は次回にします。

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