第124話(王都防衛会議の終了・行動の開始)
御待たせしました!
(間違ってログアウトしてしまい、中々ログインが出来ず投稿が遅れました(言い訳))
今回で王都防衛戦前の話は終了になります!
イルマ達のステータスを公表した後だが、それから王都防衛対策会議の話し合いはガゼル総括と騎士団長達との間で続き、イルマ達やカガリはその話し合いには口を挟むことなく聞いているのだった。
そして、
「──────私達、【紅蓮の騎士団】が王都防衛第一前線を担当する「いや、その役目は対防御に優れた【鋼鉄騎士団】が担当する」っドッチ騎士団長!」
「護りに優れた鋼鉄の騎士団が、最後尾でなく最前線を担当する?」
「………ドッチ騎士団長、鋼鉄の騎士団の護りの力は王都防衛の最後の護りとして最後尾で待機している方がいいのでは?」
「そうだね~、ドッチ騎士団長の鋼鉄の騎士団の護りの力を最前線で活用したら、その分王都の護りが手薄になるね~」
「此処はアラン騎士団長が言うに、攻撃に優れた紅蓮の騎士団に最前線を任しては?」
「そうです!ドッチ騎士団長!」
「…………」
話し合いの結果、王都へ進行する魔物の大群に対しアラン騎士団長が攻撃に優れた自分達紅蓮の騎士団が最前線を担当すると声を上げたが、そんなアラン騎士団長に鋼鉄の騎士団長であるドッチ騎士団長が、その役目は自分達鋼鉄の騎士団が行うとアラン騎士団長の意見に横槍を入れてきた。
「いや、それだと意味がない。それとアラン騎士団長。確かに鋼鉄の騎士団の特性から考えると、最後尾に待機して王都防衛の護りに集中した方がいいかもしれない「なら!」……だが、魔物の大群の正確な数も不明な今、守りに入るのは反対だ。もし、魔物の大群の数が我々の想像以上に存在した場合、我らは数の暴力で攻め手を失う。幾ら護りに優れた我ら鋼鉄の騎士団だとしても、援軍に時間が掛かる今の状況で攻め手を失った状態では王都を護れない。だからこそ、鋼鉄の騎士団が最後尾で待機する守りに入るのでなく、最前線で魔物の進行を止めて他の騎士団の皆に攻撃を仕掛けて貰う攻めの手を打ちたい」
「うっ………」
「成る程」
「………ドッチ騎士団長のその意見も確かに一理ある~」
「そうですね。私も先程のドッチ騎士団長の意見に賛成しますわ」
「………」コク
ドッチ騎士団長の鋼鉄の騎士団が最前線を担当する意見に対し、反対の声を上げてた騎士団長達だったがドッチ騎士団長の意見を聞いてはその意見を翻しては賛同の声を上げた。
「どうやら納得して頂けたみたいだな。では、魔物の大群の進行を"塞き止める"役目は我ら鋼鉄の騎士団が担当する。その代わり、アラン騎士団長が率いる攻撃に優れた技能を多く保持する紅蓮の騎士団には、俺達の後ろに待機して貰い、魔物の進行が遅くなったタイミングで"攻撃"を仕掛けてもらいたい」
「────ッ、了解した」
自分の意見を却下されたアラン騎士団長だが、他の騎士団長達がドッチ騎士団長の意見に賛同したことやドッチ騎士団長の意見の言い分にも理が有ると感じたこともありドッチ騎士団長の意見に賛同した。
「なら私達水仙の騎士団はその"フォロー"を担当しよう」
「だったら~速さが売りな僕ら疾風の騎士団だけど~、局地的に逆に"数の暴力を作り出せるよう"に戦地を走り回ることにするよ~。他にも~戦力が足りない部分が発生したら~其処を埋めるようにもね~」
「それなら私達の魔道の騎士団は、得意の魔法により敵の"数を減らす"ことや味方の"援護"を担当します」
「…………なら俺達漆黒の騎士団は魔物の大群が広がり、敵に囲まれないようにすることや敵の"撹乱"を担当する」
「よし、大筋の対応は決まりだな」
「「「「はっ!!」」」」
王都防衛の際の、各騎士団の配置決めが大筋決まった。
「他にも王都に滞在する戦闘が可能な者についてはどうしますか?」
「…………そうだな、騎士団と一緒に戦いするには連携や実力差で逆に邪魔になるか。…………なら、ルディ騎士団長!」
「はっ」
「王都に滞在する戦闘可能な者達は、基本的にはお前の騎士団で指揮して取り零しの魔物の対応を頼む」
「はっ」
「だが、その者達にも"索敵が得意な者"、"直接的な戦闘が得意な者""仲間のサポートが得意な者"、"魔法が得意な者"等様々な戦闘スタイルがある。それにパーティー単位での行動でないとその力を活かせない者達もだ。その者達の力を王都防衛に最大限活かす為にも配置場所の変更やパーティーでの行動を許可する」
つまり、ガゼル総括は基本的には協力要請の者達を漆黒の騎士団で指揮する上で、能力やスタイルに合わして効率的な配置替え等の行動を許可すると言っているのだ。
「了解した。後で協力要請者の力や戦闘スタイルを確認して、それぞれの力を活かせる配置にする」
「そうしてくれ。後、王都の結界についてだが、王都の魔法使い達で一時的に強化させて王都の安全性を高めさせる。他にも王都にいる魔法使い達には魔道の騎士団を手伝わせては砲台として役目も果たして貰う。勿論、回復魔法が使える者は回復役もだ」
「騎士団に所属していない騎士達や兵士の対応は?」
「そいつらだが王城の警備に住民の"避難"や"警護"、"伝令"に"雑用"等色々して貰うことにする。それとこんな状況でも火事場泥棒をしない奴がいないとは言い切れない。なので王都にも最低限の兵士や騎士を配置する」
「成る程」
「もしこんな状況で火事場泥棒なんて卑劣な行動を行う者なんてこの私が見つけたら、その首を斬ってやる………!」
「そうだね~アラン騎士団長~、そんな不届き者なんて~この僕でも頭にきて~その首を風のように飛ばしてしまうかも~」
「アラン騎士団長にケイン騎士団長。それはもしもの話です。今は起きるかもしれない火事場泥棒のことよりも、目の前に起きている魔物の大群についてその力を向けて下さい」
「っそうだな。すまない、メル騎士団長」
「ごめんよ~メル騎士団長~。僕らが必死な時にそんな不届き者がいたらと思うとついね~」
「いいですよアラン騎士団長、ケイン騎士団長。私もそんな不届き者がいたら魔物の大群から王都防衛が完了次第厳罰に対応しますし」
火事場泥棒対策を聞いて、そんな不届き者がいたら首を斬るっと怒りを燃やすアラン騎士団長とケイン騎士団長を宥めるメル騎士団長。
「…………これで王都防衛の各騎士団の配置や役割、他の騎士や兵士の担当、王都に滞在する戦闘が可能な者の配置が決まった」
────────────────
※王都防衛の各騎士団達の配置。
【鋼鉄の騎士団】
最前線に配置。
役目、魔物の塞き止め。
【紅蓮の騎士団】
2列目に配置。
役目、魔物の攻撃。
【水仙の騎士団】
同じく2列目に配置。
役目、紅蓮の騎士団のフォロー。
【疾風の騎士団】
各騎士団の戦場に全体的に配置。
役目、逆に数の暴力を作る&戦力の穴埋め。
【魔道の騎士団】
3列目に配置。
役目、魔物の数を減らす+前線の援護。
【漆黒の騎士団】
決まった配置は無し。
役目、各騎士団が魔物に囲まれないようにする&魔物の撹乱。
※王都に滞在する戦闘可能な者も此処に基本的には配置予定。
────────────────
「あぁ。後は王都に滞在する戦闘可能な者を集める終わらせ、このことをそれぞれに伝達した上で魔物の大群が王都に到着までに完了させるぞ!」
「「「「はっ!」」」」
「全騎士団長達、頼むぞ!」
「「「「「はっ!!!」」」」」
王都防衛の対応が決定し、ガゼル総括の言葉に騎士団長達はその声ともに部屋を出てはそれぞれの持ち場に向かっていく。
そして残されたイルマ達とカガリだが、
「後、お前達だが…………」
「「「「『?』」」」」
「?」
部屋に残ったガゼル総括に声を掛けられる。
◆◇◆◇
その頃王都の騎士団本部では。
王都に滞在して戦闘が可能な者達がガゼル総括の命令通りに集められていた。
そして、自分達がこの王都を魔物の大群から防衛することに協力を要請されては驚愕と戸惑いの声が上がっていた。
そんな王都の防衛の協力を要請されて驚愕と戸惑いの声を上げていた者達だが、王都の危機と聞いてその協力の要請を受け入れる者がいる反面、判明している魔物の大群の数の情報を聞いては拒否する者も一定数以上存在した。
しかし、そんな魔物の大群から王都の防衛の協力要請を拒否していた者達だが、その魔物の大群の進行の速さから逃げることが現実的ではないことを知らされ、渋々その王都防衛の協力要請を受け入れていくのであった。
「…………こんな奴らの力を借りないと王都防衛が出来ないかもしれないって、本当に王都は大丈夫なのかよ………」
「(おい、不安を煽るような発言は慎め!もしそんな声が広がって、王都の防衛に支障きたしたらどうするんだ!)」
「(わ、悪い!)」
ガゼル総括の命令で王都防衛の協力要請を完了させた騎士達は、目の前の光景から魔物の大群が王都に到着する前から不安が頭に過るのであった。
イルマ達とカガリがガゼル総括に言われた内容とは?