第121話(王都防衛会議①)
連日投稿です。
騎士と言えば騎士団ですよね?
「(急いで騎士団本部に戻って、王都の防衛準備をしないと………ガゼル総括が言うには最低でも数千の魔物の大群。王都から一番近い関所が魔物の大群に襲撃されたことを考えたら王都へ魔物の大群が到着するのは遅くても明日には王都に到着する………。防衛準備、間に合うか?それに関所から王都までの村や町の建物は破壊されているだろうし、そこに住んでいた人はどれくらいの人が無事なのか?………今僕は、僕達は祈ることしか出来ないけど、そこに住んでいた人達の命が、少しでも多く助かっていて欲しい………!!)」
魔物の大群から王都を防衛する協力要請を受けたイルマ達とカガリは、ガゼル総括とともにガゼル総括の家から騎士団本部がある王都へ急いで戻ってた。
その際イルマは、ガゼル総括から聞いた魔物の大群の情報から今の状況を頭の中で整理しては魔物の到着時間を予想したり、王都に一番近い関所から王都までに有る町や村で住んでる人の命が少しでも多く助かっていることを顔を下に向けて祈っていた。
「(分かるぜイルマ、今のお前の心境をな)」
「(だからアンタは自分だけで抱え込まないで………!)」
「(イルマ)」
『(イルマさん………)』
そのイルマの様子を、メラ達は悟ってはイルマと同じ想いと抱え込むイルマへの心配を胸に抱いていた。
「あんた達、余計なことを考えて暗い顔をしない!今は少しでも早く騎士団本部に行き、王都の防衛の準備を整えることだけに集中だよ!」
「「「「『!』」」」」
「そうだ。カガリの言う通りだ。幾らお前達が此処でどう考えたり思っても、今はどうしようもない。今俺達が出来ることは王都へ進行中の魔物の大群相手にどう王都を防衛するかだけだ」
「その為にも早く騎士団本部へ戻って防衛準備をしないとな」、とカガリとガゼル総括は魔物の大群の進行で被害に遭ってるであろう人達のことはお前達が気にすることじゃないと遠回しにイルマ達へ告げる。
そのカガリとガゼル総括の想いが伝わったのかイルマは「……はい!」と顔を上げては大きい声で答えた。
イルマの心配をしていたメラ達も、そのイルマの様子を見ては少し元気を取り戻しては先程の暗い表情が和らぐ。
そして、一同は騎士団本部へ向かう足の運ぶスピードを上げていくのであった。
◆◇◆◇
それからスピードを上げたこともあってか、程なくしてイルマ達一同は王都の門を潜り、騎士団本部へ戻ってきた。
その道中、王都の住民達も魔物の大群の進行の関係で兵士達の指示の下、避難を始めていたこともあり王都は混乱の渦だった。
そして、そんな混乱の中騎士団本部に着いたイルマ達一同だが、ガゼル総括は直ぐ様状況把握を行うともに騎士団長の召集を掛けた。
そしてイルマ達とカガリに王都防衛の対策室で待機の指示を出し、そのガゼル総括の指示にイルマ達とカガリは頷いて指示通り王都防衛対策室に行っては次の指示を貰うまで待機するのである。
「──────あれから魔物の大群について分かったことはこれだけか!」
「は!関所から通信が途絶えた後、直ぐに情報部隊を向かわせ判明したことは以上になります!」
「分かった!国王様や王城の官僚達への連絡はどうなっている?それと、各騎士団団長が召集するまでは後どれくらいだ!王都の住民の避難は!?」
「は!国王様と王城の官僚達への連絡はガゼル総括へ通信を終えた後直ぐに行っております!王城の官僚達からは「直ぐに王都防衛の為に、騎士団総力を挙げて対処せよ」、と通達があり、国王様からは「王都防衛の為にガゼル総括に王都防衛関しての全権を預ける。そして、その権限で可能な限り王都防衛に必要な戦力を集めよ」と命令が下っております!それと各騎士団団長達の召集ですが、もう間もなく此方に到着予定になっております!それと、王都の住民は王都の兵士達で既に開始しております!」
「兎に角時間が無い!各騎士団団長とは騎士団本部到着後、直ぐに王都防衛会議を始める!後、騎士達には王都の防衛の為の準備を急がせろ!王都にいる兵士にもだ!それと王都の住民の避難だが「住民の避難ですか?」ああ、その住民の避難は急ぐ必要はあるが急ぐあまり怪我等に出来るだけしないよう気を付けて避難誘導を行え。魔物の大群から王都を防衛するのに回復薬や回復魔法が必要なのに、避難する住民が怪我したことで回復薬と魔力の無駄使いは避けたい!」
「は!」
「それと王都以外の騎士や兵士等についてはどうなっている!?」
「………それですが、召集要請自体はしているのですが………魔物の進行スピードを考えると、とても間に合いません。国の各領主達や貴族の方々もです」
「チッ!流石に無理か………ならやはり王都防衛の戦力は、王都に滞在してる者達だけになるわけか………よし、王都防衛の為に預かった全権を発動する。王都に滞在している冒険者、他に戦闘が可能な者への王都防衛の協力を要請しろ!」
「冒険者と戦闘が可能な者達へ協力要請ですか!?」
「そうだ!早くしろ!」
「は、はっ!」
──バン!バタバタバタバタッーー
ガゼル総括は騎士団本部で集めた情報を纏めていた騎士と今の状況の報告と、王都防衛の為に必要な指示を出した。そして、ガゼル総括から指示を受けた騎士は急いで部屋から飛び出しては王都に滞在している冒険者と戦闘が可能な者達への協力を要請をしに駆けていく。
騎士が部屋から飛び出して行った後、ガゼル総括が今の状況を纏めた資料に目を通しては王都防衛の考えを頭の中で巡らしていた。
「(これでどれくらいの戦力が集まる?そして、王都防衛の準備が何時完了する?魔物の大群は何時王都へ来る?魔物の数、種類、戦力は?くそーっ、考えないといけないことが多すぎる!!)」
頭の中で王都防衛の為に必要なことを頭の中で巡らしていたガゼル総括だが、その考えないといけないことが多すぎることに苛立ちと焦りを感じていた。
「失礼します!ガゼル騎士団長総括、各騎士団団長に加え、その副騎士団長が騎士団本部に到着しました!」
そんなガゼル総括の下へ、騎士の1人が各騎士団団長と副騎士団長が騎士団本部へ到着した報告が舞い込んだ。
「!そうか、騎士団団長達には王都防衛対策室へ向かうように通達しろ。それと直ぐに対策会議を行う!その準備もだ!」
「は!」
──タッ、バタン。タタタタッーー
「(取りあえず、騎士団団長達と王都防衛の対策を話し合うか)」
そう言ってはガゼル総括も対策会議を行う為に部屋から対策室へ向かっていく。
◆◇◆◇
そして、ガゼル総括に各騎士団団長とその副騎士団長が王都防衛対策室に集合した。
そして、今王都防衛対策室にはガゼル総括を筆頭に各騎士団団長と副騎士団長、雑用に何人かの騎士に加えてイルマ達とカガリがいた。
「(………なぁイルマ、俺達此処にいてもいいのか?)」
「(………そうよ、此処にはガゼル総括や各騎士団長に副騎士団長しかいないわよ)」
「(そんな中で騎士でもない私達がいるのはどう見ても浮いてる。実際集まった面々からは「何だコイツらは?」って視線を感じる)」
「(……僕もそう思う……)」
『確かに。でもそのお陰で対策会議こ情報が丸分かりですよ!』
「「「「(だからってこれは嫌だ!)」」」」
『ハハハ、ですよね~』
王都防衛対策室で待機していたイルマ達だが、こんな時だが対策室に集まった面々を見ては騎士でもない自分達が明らかに浮いてることに場違い感を感じていた。
「(それにしても、此処にいる方々がこの国の騎士達の頂点に立つ騎士か……)」
イルマは目の前に集まった、この国の騎士達の頂点に立つ騎士達の姿を感慨深く見ていた。
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◆全騎士の頂点であり全騎士団長の総括であり、竜殺しの2つ名を持つ英雄。
ー騎士団長総括ー
『ガゼル』
◆騎士団の中でも攻撃的な者や戦闘に優れた技能を持つ者が多く所属する騎士団。
【紅蓮の騎士団】
ー紅蓮騎士団長ー
『アラン』
◆騎士団の中でも理知的な者が多く、その為か巧みな技の使い手が多く所属する騎士団。
【水仙の騎士団】
ー水仙騎士団長ー
『セラ』
◆どの騎士団よりも速さに長け、その速さで戦場を駆けては敵を倒す騎士が所属する騎士団。
【疾風の騎士団】
ー疾風騎士団長ー
『ケイン』
◆騎士達の中でも特に体格に優れ、攻撃を防ぐ術に長けたりタフネスな者が所属する騎士団。
【鋼鉄の騎士団】
ー鋼鉄騎士団長ー
『ドッチ』
◆騎士だが魔道にも優れ、剣と魔法の両方を操る所謂魔法戦士と呼ばれる術を鍛えた者が所属する騎士団。
【魔道の騎士団】
ー魔道騎士団長ー
『メル』
◆騎士とは正反対な盗賊系の技能を扱い、暗闇から敵を倒すことに長けた騎士団。
【漆黒の騎士団】
ー漆黒騎士団長ー
『ルディ』
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そんな集まった国の頂点に立つ騎士達の面々も、チラっとイルマ達へ視線を向けては何故騎士でも無いのにこんな状況の今此処にいるんだと疑問を覚えていた。
「ガゼル総括。何故こんな状況に、此処に騎士でも無いであろう者達がいるのですか?」
いや、疑問を口にした。
「そうです。王都へ最低でも数千の魔物の大群が押し寄せて来ている今、大事な王都防衛の会議をする此処に騎士でも無いであろう者達がいるのですか!時間が無いのですよね?早くこの者達を退室させて対策会議を始めましょう。君達も早くこの部屋から退室したまえ」
「「「「『(やっぱりそうですよね~)』」」」」
案の定、イルマ達は集まった面々から邪魔者として部屋からの退室を求められ、イルマ達もその意見に同じ思いを抱いていた。
「………僕はどちらでもいいよ。確かに彼達が此処にいるのは疑問だけど、彼達が居てもいなくてもどうせやることは変わらないし。それに、ガゼル総括の態度と彼達が退室させられてないことから許可の上いるのは間違いないしね」
「そうだ。そこにいる者達は、俺の判断で此処に居てもらっている。だから王都防衛の対策会議を始まる上で何の問題もない」
そこにやる気が無いのか有るのかよく分からない様子を見せるある騎士団長が、イルマ達がこの王都防衛対策室に居ても居なくてもやることは変わらないことからどちらでもいいと答えた。
その発言にガゼル総括は、集まった面々に対して自分の判断で此処にイルマ達を居てもらっているから問題無いと発言する。
「ギリッ、この非常時に何ふざけているんですか!問題無い訳ないでしょ!真面目にして下さい!貴方は何時もそうだ!騎士団長総括の立場でいながら何時も騎士に相応しい態度ではない!騎士団長総括の立場を自覚して下さい!」
そのガゼル総括の発言に、ある1人の騎士団長が怒声でガゼル総括に対して抗議と苦言の声をぶつけた。
「アラン騎士団長。普段はお前が言う通りだが、幾ら俺でもこんな状況でふざけてない。先程の発言は真面目に言ってるだ」
ガゼル総括に抗議と苦言を怒声で上げた騎士団長、アラン騎士団長に対してガゼル総括はこれはふざけてない、真面目に言っているんだと告げる。
「何を……「あ~お話の間にすみませんが、アタシ……私から少しいいですか?」
その時、黙っていたカガリが声を上げた………
今回は騎士団紹介の回になりました……
(その為王都防衛についてあまり話が進まず……)
次回こそ王都防衛の話を………!!