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異世界トラブル  作者: 海路希望
6章~王都防衛編~
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第120話(要請)

「魔物の大群の進行!?」


~その時の全員の心境~


ガゼル総括→どうなってる!?どうする?兎に角早く騎士団本部に戻らないと!


イルマ達→情報が足りずどうすればいいのか混乱中。ガゼル総括、早く情報を教えて!


カガリ→同じく混乱中+情報を!それと、自分も魔物の大群相手に何か役に立たないか考えてる。




今回は、王都防衛戦の始まりの話になります。




『こ、この王都へ魔物の大群の進行!?い、イルマさん!ど、どうしますか?』


「『………どうするって、今の情報だと何も決められないよ』(……ずっと感じていた嫌な予感は、この事だったのか?王都への魔物の大群の襲撃。ヤバいぞ。あの力を持ったガゼル総括が驚いてその情報を口に出してしまうなんて、王都へ進行している魔物の大群はその数かとんでもない存在がいるに違いない。それに、進行してきてる魔物の大群がどの方角から進行してるか聞かなければ最悪の場合、逃げることも出来ないぞ………?)とにかく、ガゼル総括に詳しく話を聞かないと………』」


王都に向かって進行している魔物の大群。

そのことにミルンはどうするかイルマに尋ねた。そしてミルンに尋ねられたイルマはというと、今の情報だけではどうするか決められないとミルンの質問に答えながら大会の時から感じていた嫌な予感はこの事だったのかと実感する。


嫌な予感が当たったイルマは、先程の情報だけではどう行動するか決めかねるだけではなく、最悪の場合、王都から逃げるにも情報がいるとガゼル総括に説明を求めた。


「ガゼル総括!詳しく話を教えてください!駄目ならせめて王都へ進行してきてる魔物の大群が、どの方角から王都へ進行してきてるかだけでも教えて下さい!」


「そうだぜ!俺達にもどういうことか説明してくれ!」


「ガゼル総括!」


「お願いします」


「そうよガゼル!私達にも教えて!」


説明を求めるイルマ、それに便乗するかのようにメラ達とカガリもガゼル総括にどう言うことかと説明を求めた。


「(──ッ失敗した。思わず情報を漏らしてしまった。王都へ進行している魔物の大群の数を考えたら早く騎士団本部へ戻らないといけねぇのによ!)」


そんな説明を求められたガゼル総括だが、大変な情報を驚いて漏らしてしまったことに舌打ちをした。

魔物の大群が王都(自分達がいる所)に向かって来ていると聞いたのだから、説明を求めるイルマ達やカガリの気持ちは分かるが、今の状況を考えると(騎士達に指揮をしないといけないことや王都の安全を考えたら)今は時間が無いのだ。


だから通信を終えたガゼルは、イルマ達とカガリ説明を求める声を無視しようとしたが……


「悪いがそんな暇は────」


「(……あれ、ちょっと待てよ?

魔物の大群が王都に進行している。

─────ってことは戦力が必要だ。

なら、コイツらに今の状況を説明して戦力に出来ないか?

カガリは魔法の才は本物だ。それは俺がよーく知ってる。

それとイルマ達。コイツらの力は俺はまだ確認出来てないが、国の安全の為に直接力を確認しようとした程だ。それにコイツらは固有技能の保持者だ。その力はとてつもない筈だ。現に、先日王都で開かれた大会での成績は上位と優勝している)」


イルマ達とカガリに説明を無視しようとしたガゼル総括だが、戦力が必要な今、目の前のイルマ達とカガリの力を思い出す。

そして、イルマ達とカガリの力を思い出したガゼル総括はその力が必要である考えが浮かんだ。


今目の前にいるカガリの魔法の才は昔からの付き合いで知っているし、イルマ達は全員固有技能の保持者だ。しかも武道大会での実績も有る。


「(それに、通信での報告だと王都に進行している魔物の大群の数は不明だが、最低でも数千以上。もしかしたら万を越えるかもしれない。その為、俺や王都に滞在している戦力以外だけでは戦力が足りない可能性が有る。だから此処は少しでも戦力が欲しい。だから俺は騎士団本部へ戻ったら王都にいる力有るものに王都防衛の協力を仰ぐつもりだった。なら此処でコイツらに今の状況を説明して、王都防衛の協力をして貰うのは時間の無駄じゃない)」


王都へ進行している魔物の大群の数からガゼル総括は、万が一に備えて騎士団以外の戦力を王都防衛の為にも協力を要請しようと考えていたこともあり、自身は王都の安全と防衛面から早く騎士団本部に戻らないといけないが此処はイルマ達とカガリに状況を説明して王都防衛の協力を仰ぐことを決めた。


そして、イルマ達とカガリの力を借りることを決めたガゼル総括の判断は早い。

直ぐ様イルマ達とカガリに今の状況を説明し、今は少しでも戦力が必要であることやその為にお前達の力を借りたいと王都防衛の協力を要請するのである。


ガゼル総括から今の状況の説明と王都防衛の協力を要請されたイルマ達とカガリだが、魔物の大群の規模やあのガゼル総括が自分達に協力を要請してきてたことに驚きを隠せない。しかし、それは仕方ない。


ガゼル総括。竜殺しの2つ名と騎士団長総括という立場の持ち主。その竜殺しと呼ばれる先程見せて貰った力と、イルマが【開示】で見たステータスに竜殺しに相応しい技能。まさに英雄と呼ばれるに相応しい人物と力の持ち主から協力を要請されたのだ。協力を要請されたイルマ達とカガリの驚きは説明された魔物の大群の規模に合わせたら当然の反応だ。


「………今の状況については理解しました。良いよね、皆?……ガゼル総括。その王都防衛の協力要請ですが、お受けします」


「アタシもだ」


「………助かる!」


そして、王都防衛の協力を要請されたイルマ達とカガリだが、イルマは皆に顔を向けては意思を確認して王都防衛の協力要請を受けた。カガリもイルマ達と同様にその要請を受けては、ガゼル総括は助かるっと言葉を告げて急いでイルマ達とカガリを引き連れて王都へ戻っていった。






















◆◇◆◇

その頃王都へ進行してる魔物の大群はというと、関所を破壊しそこにいた兵士を殺してから何の妨害を受けることもなくそのまま王都へ向かって進行していた。


「それにしてもこの数の魔物、貴方は何処から調達したのかしら?」


その王都へ向かって進行している魔物の大群を、大型の鳥の魔物の背に乗っては上空から眺めていた謎の女は後ろにいる魔物を集めた男に魔物の捕獲について問いかける。


「それですが、魔物を集めた山の谷の周辺にダンジョンを発見しました」


「ダンジョン?」


「はい。どうやらそのダンジョンは、今まで誰にも発見されてなかった未発見のダンジョンであったようで、手付かずのお陰で此処まで魔物を集めることが出来ました」


「あら?未発見のダンジョンということは、そのダンジョンは餌が入ってこないってことでしょ?だったらそのダンジョンはあまり成長が出来ない筈なのに、よく此処までの魔物をそんなダンジョンから集めることが出来たわね?」


謎の女は男が未発見のダンジョンから魔物を集めたと告げる男に、未発見のダンジョンという餌が入ってこず成長出来ない筈なのに、どうやってそんなダンジョンから此処までの大群になる魔物を集めれたのかと疑問が浮かぶ。


そんな謎の女の疑問に、男はこれは新事実ですが……、と疑問を解決する答えを告げた。


「どうやらそのダンジョンですが、未発見の為に餌が入ってこないこともあり成長する為にゆっくりですが、辺りの魔素を吸収しては餌にすることで成長してたようです」


「辺りの魔素を餌に?」


「はい。そして未発見のダンジョンは成長し、そのダンジョンからこれだけの魔物を集めることが出来ました」


「へぇ~、確かに新事実ね。餌が入ってこないダンジョンが、まさか成長出来ないでいるんじゃなくて餌を求めて辺りの魔素を吸収して成長するなんて事実、私も初めて知ったわ」


驚きだわ、と謎の女はダンジョンについての新事実に驚きを見せる。


「私もです。私もそのことを知った時は驚きました。ですが、お陰様で○○○様からの命令を苦なく達成することが出来ました」


男は謎の女の疑問に答えを伝えた後、地上で王都へ向けて進行している魔物の大群を眺めながら、お陰様で命令を苦なく達成出来たと言う。


その男の発言の内容を聞いた謎の女は、「まぁダンジョンの新事実についての話はもういいわ」と自分から聞いてきたのに話を切り上げた。


「兎も角、今の所何の問題もなくこの魔物の大群が進行出来てるわね」


「はい。このペースだと、大群で進行していることで全体の進行のペースが遅くなっていますが、それでも魔物達の足だと明日には王都へ到着します」


今のように何の妨害も無ければですが、と男は言葉を付け加えて謎の女の言葉に答えるかのように王都への到着時間を伝えた。


「そう、明日には到着なのね………フフフ。楽しみだわ」


──フフフフフフフフフッ


謎の女は何の妨害もなく王都へ進行していく魔物の大群には目をくれず、王都の方角へ視線を向けては、嗤い声を漏らすのであった。


謎の女「フフフフフフフフフッ!」


従う男「…………(この方は、今頭の中で何を想像しているのか考えるのも怖い……!!)」


魔物の大群「「「何だ?上の方で嗤い声が聞こえるぞ?………(寒気!)………まぁ、俺達は気にせず命令通り獲物がいる所へ行くか!」」」


次回、王都防衛戦の準備の回になります。

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