第119話(襲来)
連続投稿!
今日はこれで終了になります。
今回はガゼル総括のステータスが出てますのでお楽しみに~!
──【魔力強奪】だ。
ガゼル総括は発動させてる自身の力の名を明かした。
「……………ま、魔力強奪?……何だよその力……」
「魔力を吸われるだけじゃなくて、吸った魔力の分自身が強化される?何よそれ、そんなの普通の技能じゃないわ………」
「……もしかして、それは魔力だけでなくて魔法も吸い込める?」
「ほう、よく分かったな」
「嘘でしょ!?魔法も吸い込めるの!?」
「何だよそれ!」
ガゼル総括の力が魔力だけでなくて魔法も吸い込めることを知り驚愕するメラ達。
「魔力だけでなくて魔法も吸い込めて、吸い込んだ魔力分自身を強化出来る力………そんな力ぜってぇ普通の力じゃねぇよ………」
「!?もしかして、この力は…………」
「…………固有技能?」
「そうだな、正解だ」
「「「!?」」」
『まさか総括さんも固有技能の保持者だったとは………だから総括さんは、騎士団長総括になるだけの力を持っている訳なんですね』
──納得です。
ミルンはガゼル総括も固有技能の保持者であることで、立場が騎士団長総括であることを納得した。
『………それにしても、総括さんの力って完全に魔法使い殺しの能力ですね。それなのに何故2つ名が竜殺し何でしょう?他に竜殺しと呼ばれる何かが有るのでしょうか?』
そして、騎士団長総括の立場でいることに納得したミルンだったが、そのガゼル総括の力が魔法使い殺しと呼ばれそうにも関わらず、何故竜殺しと呼ばれているのか疑問を覚えた。
「(そうだね。能力的にはミルンの言う通り完全に魔法使い殺しの能力だね。だけど、ガゼル総括のステータスを視たらその2つ名で呼ばれる訳が分かったよ)」
『え?イルマさん総括さんのステータスを視たんですか!総括さんのステータスとその竜殺しと呼ばれる訳を教えて下さい!』
「(ちょっと待って、今此処でガゼル総括のステータスを言ったり、紙に書くのは無理だよ!後でちゃんと説明するから待って!)」
『なら!竜殺しと呼ばれる訳だけでも教えて下さい!』
「(分かったよ!え~と、ガゼル総括のステータスは………)」
ミルンにガゼル総括のステータスを教えることを強要されたイルマだったが、ガゼル総括の前で言葉で伝えたり、紙に書くことが出来ないこともあり後で説明すると伝えるが、ミルンはなら竜殺しと呼ばれる訳でも教えてとイルマにお願いした。
そのミルンのお願いに、イルマはミルンにその訳を教える為にも頭の中で先程視たガゼル総括のステータスを思い出す。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
名前 ガゼル
年齢 30歳
加護 鋼の加護
職業 魔闘士7
性別 男
レベル 82
力強さ 1200
体力 1500
頑丈 1000
敏捷 1100
魔力 850
技能
【通常】
《剣法7》《作法4》《乗馬7》《格闘8》《体術7》《魔刃9》《指令9》《身体強化9》《循環術9》《空間把握3》《気配操作4》《身体活力5》《魔力活力5》《魔力感知6》《盾技6》
【希少】
《魔歩5》《竜喰らい10》《鉄壁7》《治癒力8》《撃滅9》《闘気8》
【耐性】
≪苦痛耐性7≫≪毒耐性5≫≪打撃耐性9≫≪斬撃耐性7≫≪魔法耐性7≫
【魔法技能】
≪風6≫≪火7≫≪水2≫≪土4≫
魔力操作8、魔力放出9
【職業技能】
魔闘士技能《魔闘演舞》
【固有技能】
《魔力強奪5》
辺りや力を向けた相手の魔力、魔法を吸い込み、吸い込んだ魔力分自身の能力値に加算する。吸い込める魔力量と能力値に加算出来る力には限界が存在する。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「(思い出したけど、何だよこのステータス。完全に英雄クラスのステータスだよ。通常技能でさえ、幾つも上位技能が有るし。そりゃ抑止力って言葉を使う訳だ)」
ガゼル総括のステータスを思い出したイルマは、ガゼル総括のステータスがとんでもない力と技能が有ることに引いていた。
そうイルマの言う通り、ガゼル総括のステータスは英雄クラスであり、魔力値以外の能力値は1000以上の数値に至っていた。
他にも技能も幾つか上位技能も覚えていたのである。
~ガゼル総括が習得している上位技能~
《剣豪》
技能《剣術》の上位技能。
この技能の効果は、技能《剣術》よりも剣を扱う際に高い補正が掛かる。
剣術→剣技→剣法の順。
《空間把握》
技能《空間認識》の上位技能。
辺りの空間を認識し、瞬時に把握する。
《気配操作》
技能《気配察知》と《気配遮断》の複合技能。
この技能1つで、技能《気配察知》と《気配遮断》の力を使用出来、より高い効果を発揮する。
《身体活力》
技能《身体活性》の上位技能。
この技能の効果は、技能《身体活性》よりも効率的に身体を活性化させる。
《魔力活力》
技能《魔力活性》の上位技能。
この技能の効果は、技能《魔力活性》よりも効率的に魔力を活性化させる。
他にもガゼル総括は【希少技能】でイルマ達も習得してない技能に、
《魔歩》
魔力を用いることで地面、水の上、空を駆ける。
《鉄壁7》
硬皮や頑強等の上位技能。
鉄のような肉体を持つ。
《撃滅9》
魔力を1点に集中させ、硬い物体を内部まで破壊する一撃を放つ。
を覚えている。
ちなみにガゼル総括が持つ鋼の加護は、肉体の耐久力を上げる加護であり、魔力を纏い戦う闘士である魔闘士の職業を活かす加護だ。
───────────────────────
「(どう考えても、ガゼル総括が先程の固有技能【魔力強奪】とこの技能が竜殺しと呼ばれる理由だね)」
技能《竜喰らい》
※この技能は竜種に対してのみ効果を発揮する。竜種はこの技能を保持してる者との戦闘時、全能力値が低下する。
「(【希少技能】《竜喰らい》。これがミルンの疑問である魔法使い殺しでなく、竜殺しとガゼル総括が呼ばれている理由だと思うよ)」
『《竜喰らい》………竜種限定だけど、全能力値を低下させる技能。納得しました。だから総括さんは竜殺しなんですね』
「(そだね。全ての竜種には当てはまらないけど、殆どの竜種の強さは肉体の強さとその魔力の高さで魔物の中でも強者として君臨している。だけど、ガゼル総括の力はその肉体面でも魔力面でも竜種の力を低下させることが出来るみたい。だからガゼル総括は、魔法使い殺しでなくて竜殺しと呼ばれるんだろうね)」
イルマは【開示】で視たガゼル総括のステータスから、ガゼル総括が魔法使い殺しでなくて竜殺しと呼ばれる理由を予想し、それをミルンに伝えた。
そのイルマの言葉に、ミルンは疑問を解消するのであった。
ちなみに今の話は全てイルマの予想であり、イルマの予想は当たっているがそれが全てではない。ガゼル総括が魔法使い殺しでなく、竜殺しと呼ばれているのには他にも理由がある。
だが、その理由についてはまたの機会で。
「で、これで俺は力を見せた訳だが、今度はお前達の番だ。俺にお前達の力を見せ「ガゼル!」………誰だ?」
ガゼル総括が次はイルマ達が力を見せろと告げようとした時、そんなガゼル総括に急に声を掛けてきた者がいた。
そのガゼル総括に急に声を掛けてきた人物は若い女性で、その若いイルマ達も見覚えがある人物であった。
『あの人は………もしかしてカガリさん?』
「「「カガリ先輩!?」」」
「どうしてカガリ先輩が此処に?」
そう、その若くて見覚えがある女性はイルマ達が冒険者養成所にいた時の先輩であるカガリであった。
イルマ達は何故カガリ先輩がガゼル総括の家の庭にいるのか疑問を浮かべていた。
「あ?………おっ、イルマ達か!久しぶりだな!」
「「「「お久しぶりです(だな)、カガリ先輩」」」」
『伝わないと思いますけど………お久しぶりですカガリさん』
カガリはイルマ達に声を掛けられたことで気付き、久しぶりだなと笑顔を見せた。
イルマ達もそんなカガリに元気に返事を返した。(ミルンも聞かれてなくても返事をした)
「おう!────って、そうじゃない。何だお前達、お前達の方こそどうして此処にいるんだ?」
「それは………」
此処にいる理由の説明を求めるカガリに、ガゼル総括の前なこともあり呼ばれて此処にいると事情を省略して伝えるイルマ。
「(呼ばれて此処にいる?誰に?この家はガゼルのだ。ならガゼルがイルマ達を呼んだ。ならガゼルはイルマ達に何の用だ?)なぁ……」
そのイルマの言葉に、カガリはイルマ達を呼んだのはガゼルだと察するが何の用で呼んだのか分からず、カガリはガゼルがイルマ達を呼んだ理由を尋ねようとした。
「────誰だと思えばカガリか」
その時、カガリにガゼル総括は急に誰かが来たかと思ったらお前かと告げる。
「あ?誰かと思えばカガリかって、何だその言い方はガゼル!」
カガリはそのガゼル総括の言い方に酷いと文句を言うが顔は笑っており、どうやら2人は親しい間柄のようだ。
「別にいいだろ……「ガゼル総括。カガリ先輩と知り合い何ですか?」うん?何だ、お前達もカガリのことを知っているのか?いや、確かそういえばお前達とカガリは同じ冒険者養成所にいたな」
そんな2人の様子にイルマはガゼル総括に知り合いなのかと尋ね、ガゼル総括はそのイルマの言葉にそういえばコイツら経歴にカガリと同じ冒険者養成所にいたなと思い出す。
「(そうか、先輩か。カガリはコイツらの先輩であり、知り合いなのか。だが、コイツらとカガリはどういう知り合いなんだ?只の先輩後輩なのか?……って)カガリと俺が知り合いなのかだったな。そうだな、俺とカガリはまぁコイツが幼い時からの付き合いだな」
カガリと親しい間柄のガゼル総括は、イルマ達とカガリがどういう間柄なのか、只の顔見知りなのかそれとも何か親しい間柄なのかと心配するが、そういえばイルマに質問をされていたことに気付いてはカガリと前から親交が有ったことを明かした。
「そうだな。ガゼルとは私が幼い時からの付き合いだ」
「カガリはな、実は幼い時に魔法の才に優れてたからって調子乗っていたんだぜ?「おい!ガゼル!」ククククッ………で、それでカガリは調子に乗って我が儘ばっかり言っててな、「ガゼル!お前!」おっと、………そんなカガリを親は何とかしようと思って呼ばれた俺が、調子に乗っていたカガリの鼻を折ったのが付き合いの切っ掛けだな」
「ガゼル!!わざわざそこまで説明しなくていいだろ!!」
「ハハハッ!怒るなよ、本当のことだろ?」
「ッチ、例え本当のことでもそれを言うか普通!?しかも後輩の前で……」
──うう、恥ずかしいぜ………
カガリもガゼルと前から親交が有ったことを明かした際、ガゼルがカガリの恥ずかしい話を持ち出してはカガリが顔を赤くして止めようと手を挙げるも、そんなカガリの静止をガゼル総括は避けながらイルマ達にバラシた。
ガゼル総括に恥ずかしい話をバラされたカガリは、ガゼル総括に文句を言った後に恥ずかしそうに下を向くのである。
そんなカガリの様子にガゼル総括は楽しそうな表情を浮かべながら、今度はカガリとの関係をイルマ達に尋ねた。
「僕達とカガリ先輩の間柄ですか?そうですね…………養成所の先輩後輩であり、一緒に研究した中ですね」
「研究?(成る程……そういう仲か。そう言えば、カガリは魔法の才が有るから何か新しい魔法を開発したいって言ってたな)」
イルマの言葉を聞いてガゼル総括は1人納得する。
────ピピピピ!!
「!」バッ
「「「「?!」」」」
「?」『何ですかこの音?』
その時、
ガゼル総括の懐から音が鳴り出した。
そして、
──ピッ
「俺だ。どうした?」
ガゼル総括はその音が鳴っている物を懐から取り出しては魔力を込めた。
するとその鳴っていた音は止まり、ガゼル総括は誰かと話し出した。
どうやらそれは通信機みたいであった。
イルマ達とカガリは通信の邪魔にならないように黙っていたが、
「
────────────────何だと!?王都に魔物の大群が進行してるだと!?」
「「「「『!?』」」」」
「(嘘でしょ!?魔物の大群が進行してるだって!?)」
黙っていたイルマ達とカガリ。
そんなイルマ達とカガリの耳に、ガゼル総括の口からとんでもない情報が飛び込んで来た!!
遂に大群の魔物の進行が明らかに。